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猫の白血球(リンパ球)の異常

投稿者:Casper

投稿日:2011/10/07(Fri) 20:29

No.997

はじめまして。
6ヶ月の猫の白血球の異常値について質問です。

本日去勢手術を終えました。去勢手術の前に、血液検査、生化学検査、ウィルス検査をして頂いたのですが、白血球が29.3×1000/μリットルでした。(参考正常値は5.5〜19.5×1000との事ですので、かなり多い数ですよね・・・。)
猫免疫不全ウィルス抗体、猫白血病ウィルス抗原はともに陰性でしたので、原因が今のところ不明です。

白血球のなかのリンパ球がかなり多いみたいで、今の時点では
先生も原因が分からないとおっしゃてました。ただ単に一過性のものなのか否かを判断するために、今月末ぐらいに再度検査する予定です。
先生はきちんと説明してくれ、かつ、私が必要以上に不安にならないような配慮もして下さるのですが、やはり不安です・・・。
この様なリンパ球の増加はどのような原因が考えられるでしょうか?



Re: 猫の白血球(リンパ球)の異...

- 獣医師 岸田

2011/10/13(Thu) 17:51

No.1000

Casper 様

この度はご相談を頂きまして、誠にありがとうございます。
6か月のネコちゃんの血液検査でリンパ球の増加が見られ、ご心配されているとのことですね。
お問合せにつきましてご案内させて頂きますが、実際のご様子を拝見していませんので、
一般的なご案内となりますことをご了承ください。

リンパ球は、白血球の一つで、免疫を担当している細胞です。
細菌やウイルスなどの異物に対して抗体(免疫グロブリン)を産生して攻撃したり、
病原体に感染した細胞や腫瘍細胞を破壊したりするという働きをしています。

血液中のリンパ球が増加した状態をリンパ球増加症と言います。
リンパ球増加症は、慢性的な感染症やウイルス血症、免疫介在性疾患など、
強い免疫刺激があったときに見られます。
リンパ性白血病、リンパ腫などの腫瘍性疾患や、
ネコ白血病ウイルス感染症でも見られることがあります。

一方で健康上全く問題のないネコちゃんでも、運動や興奮などに伴って、
一過性のリンパ球増加症が見られることがあります。
また、生後6カ月を過ぎると、大人と同じくらいの数になると言われていますが、
子ネコでは大人のネコちゃんより白血球数とリンパ球数が多いのが普通です。
(なお、総白血球数5.5〜19.5×1000/μLは大人のネコちゃんの正常値で、
 子ネコちゃんの場合、これより多くても正常の場合があります。)

血液検査でリンパ球増加症が認められた場合、
それが生理的なものなのか、病的なものなのかは、
今までの病歴、身体検査やその他の血液検査などの結果等を総合的に見て
判断することになります。
また、増加しているリンパ球が正常なリンパ球なのか、あるいは、正常なリンパ球とは異なった形態の
リンパ球(リンパ性白血病、リンパ腫などの腫瘍性疾患で見られる)なのかを調べるために、
血液塗抹検査(顕微鏡で血液中の細胞を形態的に調べる検査)を行うことも重要です。

Casper様のネコちゃんは、去勢手術の際の血液検査で白血球数とリンパ球数の増加が
認められたとのことですね。
・現在ネコちゃんの健康状態に問題がないこと、
・6か月の子ネコちゃんでもともとリンパ球数が多い可能性があること、
・運動や興奮などに伴う生理的なリンパ球増加症の可能性があること、
・形態的に異常なリンパ球が認められなかったこと、
などの理由から、経過観察で後日再検査ということになったのではないかと推測されます。

万が一、今後もリンパ球数の増加が長期にわたって続く場合や、
発熱、体調不良等の臨床症状が見られる場合には、
何らかの疾患に関係している可能性もありますので、より詳しい検査が必要になると思います。
しかしながら、健康状態に問題がなく、次回の再検査で数値が落ち着いているようであれば、
まずご心配はいらないと存じます。

再検査の結果が出るまでご不安なこととは思いますが、
今までの経緯から考慮し、問題のないものである可能性も高いため、
あまりご心配されすぎずにお過ごしいただければと思います。

なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、
しつけ相談のサービスを承っております。気がかりなことがおありの際には、
ぜひご利用くださいませ。
お電話番号は、あんしんサービスセンター 
0800-888-8256(携帯電話・PHSからは、03-6810-2314)です。
平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)
土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。

今後ともアニコムを宜しくお願い申し上げます。



他の犬に興奮してしまう。

投稿者:西田勇

投稿日:2011/10/08(Sat) 16:31

No.998

躾の相談です。

我が家の、
1歳2カ月になるフレンチブルドッグの事なんですが。

最近、犬に対して興奮してしまうんです。

以前は、
そんな事なかったんですが。。。

威嚇じゃなく、
遊びたくてしょうがない感じで、突っ込んで行ってしまうんです。

遊びたい気持ちは解るんです。

でも、
あの体で、トイプードルやチワワみたいな小型犬に突っ込んで行っちゃうと。。。

先日、
他の飼い主さんに迷惑かけてしまって。

甘噛みしてしまって、
トイプードル、脅えさせてしまったんですよね。


抱っこして、
行かせないようにすると、
「ギュゥーン!!!!」って、高い声出して。
バタバタと暴れてしまいます。


家では吠える事も一切ないんです。

待て、おいで、ハウスと云ったコマンドにも従順に従ってくれます。

本当に良い子なんです。

でも、
躾が甘かったのかな。と、
散歩時も多少引っ張ってたんで。

躾し直しのつもりで取り組み。
最近では、
引っ張り癖も殆んど解消し、自分の横をゆっくり一緒に歩いてくれます。

ただワンコを見掛けると、
スイッチが入ったように、
コントロールが効かなくなるんです。

どうしたら良いものか?

このままじゃ遊べない事が、ストレスになってしまわないかと心配で。

ドッグトレーナーの躾教室等も考えたのですが、
まずはこちらに相談メールさせてもらいました。

Re: 他の犬に興奮してしまう。

- ドッグライフカウンセラー 三留

2011/10/13(Thu) 16:35

No.999

西田 勇 様

秋も深まり、紅葉の報せも聞かれるようになりましたが、
西田様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。
西田様のお話を伺っていると、フレンチブルドッグちゃん愛らしいご様子が
目に浮かぶようでございます。
そんなフレンチブルドッグちゃんの唯一のお困りごとが、
他のワンちゃんと遊びたいがゆえにコントロールが効かなくなるとのことですね。
遊びたくて仕方がなくて、と分かっていらっしゃるだけに
お辛いこととお気持ちお察しいたします。
早速ご案内をさせていただきますが、実際のご様子を拝見していませんので、
一般的なご案内となりますことをご了承くださいませ。

ワンちゃんが何かに夢中になって興奮しているときは、
落ち着かせようと声をかけたり、叱ったりして周りが騒ぐと、
逆にワンちゃんの興奮を煽ってしまうことがほとんどです。
興奮しているワンちゃんを落ち着かせるポイントを、
以下にご案内させていただきますので、ご参考にしていただければ幸いでございます。

1. 「飼い主様に呼ばれたら良いことがある」と思わせる
日常生活の中で、「名前を呼び、フレンチブルドッグちゃんが振り向いたら褒める」と
いうことを続けていただくのは、たいへん大切なことです。
ワンちゃんは飼い主様の笑顔を見ることが大好きですから、
声に反応して西田様を見たときには、西田様の笑顔がご褒美になるでしょうし、
あるいは、フードを一粒与えていただいてもよろしいでしょう。
「飼い主様の指示にしたがうと、良いことがある」と繰り返し教えていくことで、
興奮したときであっても、「何はともあれ、飼い主様の言うことを聞こう」という反応を
フレンチブルドッグちゃんが取るようになるかもしれません。

2. 「落ち着いていると良いことがある」と思わせる
ワンちゃんは、「自分がした行動の後にどのようなことが起きたか」ということを
たいへん良く覚えており、こういった経験を元にさまざまな行動を選択するようになります。
たとえば、興奮した後に他のワンちゃんと遊べたという経験があれば、
興奮した後に、ご褒美を得たわけですから、どんどんと興奮をするようになってしまい
かねません。また、ワンちゃんは一度、ご褒美を得た経験に対しては、かなり執着をしますので、
たいへんではありますが、「興奮していたら、良いことがあった」という経験を
させないことが重要です。そして、「落ち着いていたら良いことがあった」という経験をさせて
いただくことが大切です。

しかしながら、いったん興奮してしまうと収集がつかなくなるのがワンちゃんですから、
興奮する寸前に手を打っていただく必要がございます。
そのため、いつもならこれから興奮するかもしれない、という状況になった時には
一旦、「おすわり」と落ち着いた声で指示をしていただいたらいかがでしょうか。
また指示するタイミングですが、他のワンちゃんがフレンチブルドッグちゃんの視界に
入っていても、まだ興奮する状態に至っていない時点で、落ち着いた表情と声で
「オスワリ」と指示をしましょう。そして、フレンチブルドッグちゃんが落ち着いて
指示に従えた場合には、他のワンちゃんと遊ばせてあげます。
落ち着いたら、いいことがあったと教えていただければと存じます。

3.何がいけなくて何が好ましいのかを教える。
突進したら、その瞬間に低くて落ち着いた声で「ダメ」と叱っていただき、
上手に遊んでいるときには、「上手に遊べてお利口」と
褒めてあげましょう。
なお、一旦座らせて落ち着かせるということは、日常生活の他の場面でも同様でございます。
例えばフレンチブルドッグちゃんが西田様のところに「遊んで!」とオモチャを持って
きたときなどには、「オスワリ」といったん座らせていただき、
「言うことをきいて、お利口だったから遊ぼうね」と落ち着いた状態で
遊ばせるようにしましょう。

4.飼い主様が落ち着いた表情を見せる
フレンチブルドッグちゃんが興奮しているときは、どうしても飼い主様は
何とかしなくてはと、慌ててしまわれるかとは存じますが、
フレンチブルドッグちゃんのペースにのまれないことが大切です。
飼い主様は常に落ちついて堂々している、という雰囲気でいていただければと存じます。

たいへんかとは存じますが、根気強く対応いただくことで
必ず改善するかと存じます。どうぞあきらめず頑張ってくださいませ。

爽やかな秋の透き通った空気の下、枯葉を踏みしめてのお散歩が楽しい季節でございますね。
西田様におかれましては、フレンチブルドッグちゃんと素敵な秋をお過しください。
今後ともアニコムをどうぞよろしくお願いいたします。



シニア猫の結膜炎

投稿者:相澤美都里

投稿日:2011/10/03(Mon) 21:26

No.994

はじめまして。
13歳のシニア猫を飼っています。
今まで大きな病気をしたことがなく、数年前に尿道結石になりましたが、処方食で治りました。その他、エイズキャリアですけど、今のところは発症はしてないようです。

さて、今年の夏に高熱、下痢、嘔吐、食欲不振その後、胸水になり一週間連続で通院しました。
血液検査、レントゲン、エコー、心電図、胸水検査をしましたが、病名については不明とのことでした。
病院では結局、熱も下がって元気になったので良しという感じの説明を受けました。

その後、発熱はないものの頻繁に結膜炎にかかるようになり、そのたびに病院に連れて行き、抗生剤や目薬を処方されています。この結膜炎についても何の病気からくるのかわかっておりません。

飼い主としてははっきり病名を教えてほしいのですが、このような症状では特定するのは難しいのでしょうか?

ウィルス感染だと思われますが、ウィルスを特定する為には
どのような検査が必要なのでしょうか?

ご回答よろしくお願いします。

Re: シニア猫の結膜炎

- 獣医師 岸田

2011/10/06(Thu) 12:47

No.996

相澤 美都里 様

この度はご相談を頂きまして、誠にありがとうございます。
この夏にネコちゃんが体調を崩されたとのことですが、
熱が下がって今は落ち着いていらっしゃるようで、何よりでございます。
しかしながらその後、頻繁に結膜炎を起こしているとのことですね。
お問合せにつきましてご案内させて頂きますが、実際のご様子を拝見していませんので、
一般的なご案内となりますことをご了承ください。

結膜炎はネコちゃんではとてもよく見られる疾患です。
実際に目の問題で結膜炎が見られることもありますし、全身性の疾患や体調不良に伴って
結膜炎の症状が見られることもあります。
また、ストレス等が引き金となって、再発性の結膜炎を繰り返すケースも多くみられます。

ネコちゃんの結膜炎の主な原因としては、
・目に入った異物(埃っぽいところに顔を突っ込むなど)
・アレルギー(ハウスダスト、花粉、食餌性など)
・細菌、クラミジア、マイコプラズマ、ウイルス(ヘルペスウイルス、カリシウイルスなど)などの感染
・眼瞼内反(まぶたが内側に反り返った状態になり、眼に刺激が加わる症状)や
睫毛乱生(逆さまつげ)などの眼の異常などが挙げられます。

相澤様のネコちゃんは、今年の夏に
高熱、下痢、嘔吐、食欲不振、胸水貯留などの症状で治療されたとのことですが、
病院さんで様々な検査をしていただいても病名がはっきりしなかったということですね。
その時の症状の原因とその後の結膜炎とが関係しているかどうかははっきり言えませんが、
現在結膜炎を起こしている原因が何らかの微生物の感染によるものであるかどうかは、
ある程度検査で調べることができます。

具体的には、滅菌した綿棒で結膜をぬぐったものを専門の検査センターに出すことで、
その中に含まれる細菌やウイルスなどを検査し、その種類を特定することができます。
ネコちゃんの結膜炎の原因として多い、ヘルペスウイルス、カリシウイルス、クラミジア、マイコプラズマ、
ボルデテラなどについて、特定することが可能です。
また一部のウイルスや細菌については、血液を採取し、その抗体価を調べることで、
感染の有無を判断することもできます。

上に挙げたような、結膜炎の原因となる微生物は、結膜炎だけでなく、ネコちゃんに発熱やくしゃみ、
鼻水、咳などの呼吸器症状を起こすことも知られています。
もし結膜からこのような微生物が検出されたとすれば、
この夏に相澤様のネコちゃんが体調不良になってしまった原因も同じである可能性も
あるかと思います。
しかしながら、高熱、下痢、嘔吐、食欲不振、胸水などは、
その他の様々な原因でも見られる症状ですので、
症状が落ち着いている今の段階でその原因を特定するのは難しいかもしれません。

相澤様のネコちゃんはエイズキャリアとのことですね。
エイズキャリアのネコちゃんは、免疫力が低下していることがあり、
さまざまな感染症にかかりやすい状態になっていることがあります。
また、ウイルスの潜伏感染も起こりやすく、一度結膜炎が治ったように見えても、
体調不良などが原因で、再発を繰り返してしまう場合も多く見られます。

ネコちゃんの結膜炎の場合、微生物の感染によって引き起こされるものが一般的に多いことや、
微生物の混合感染の切り分けの判断が難しいことから、詳しい検査は行わず、
全身症状や今までの既往などから判断して治療を行うこともよくあります。
しかしながら、相沢様のネコちゃんにおかれましては、症状が頻繁に繰り返されていることと、
エイズキャリアのお子様ということで、他の感染症にかかった場合に重篤化する危険性も考えられます。
そのような状態になったときに適切な対処をするためにも、
原因を特定しておくために、詳しい検査についてかかりつけの先生に
ご相談されることをお勧めいたします。

エイズキャリアのネコちゃんが13歳の今まで発症することなく過ごせて来られたのは、
ご家族の皆様が深い愛情をもってネコちゃんの健康管理を行い、
ネコちゃんにストレスのない生活を提供して来られたからこそですね。
相澤様のネコちゃんはとてもお幸せでございますね。

急に気温が下がり、体調を崩し易いと思いますが、
相澤様もネコちゃんも、お体を大切にお過ごしください。

なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、
しつけ相談のサービスを承っております。気がかりなことがおありの際には、
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土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。

今後ともアニコムを宜しくお願い申し上げます。



肛門線がとまりません。

投稿者:fujimama

投稿日:2011/10/01(Sat) 17:36

No.992

お世話様です。5歳のボストンテリアです。
1週間前ほどから興奮もしていないのに肛門線が出るようになり、昨日(9月30日)病院できちんと絞ってもらい、肛門線炎等の問題もないと言われました。が、病院から帰って来てからもずっと常に肛門線が滲み出ています。3時間ほどふかないでいるとかたまってお尻に付いています。
本人(犬)は気にするでもなく、食欲もあり快便で元気に普通にしています。
これは病気なのか、または何か対処法があれば教えて下さい。よろしくお願いします。

Re: 肛門線がとまりません。

- 獣医師 岸田

2011/10/05(Wed) 11:43

No.995

fujimama様

この度はご相談を頂きまして、誠にありがとうございます。
ボストンテリアちゃんの肛門腺が常に滲み出しているご様子とのこと、
fujimama様におかれましては、ご心配のこととお察し申し上げます。
お問合せにつきましてご案内させて頂きますが、
実際のご様子を拝見していませんので、
一般的なご案内となりますことをご了承ください。

ワンちゃんやネコちゃんには、肛門の左右に一つずつ肛門嚢(肛門腺)という袋があります。
この中には、肛門嚢の内壁に存在するアポクリン腺と皮脂腺からの分泌物と剥離した上皮が
混ざり合った、悪臭のある液体(肛門嚢液)が貯留し、
排便のときや興奮した時などに、肛門括約筋が収縮することによって、
導管を通って肛門の開口部から排出されます。
しかし、生まれつき肛門嚢の導管が細いワンちゃんや、何らかの原因で導管がつまりやすいワンちゃん、
下痢や便秘など体調不良であったり、太り過ぎていたり、運動不足のワンちゃんなどでは、
自然に肛門嚢液が排出されず過剰にたまってしまう場合があります。
また、この肛門嚢液はワンちゃんによって色(薄黄色、灰色、黒茶色など)や
性状(粘土状、液体状など)が異なり、
その性状によっても、排出され易さは変わってきます。
自然に肛門嚢液が排出されず過剰にたまってしまう場合には、
定期的に絞って出してあげる処置をすることが必要です。

ボストンテリアちゃんは、興奮したりしていないのに肛門腺が出るようになり、
病院さんで肛門腺をきちんと絞ってもらったあとも、
ずっと肛門腺が滲み出しているご様子とのことですね。
通常は、肛門腺絞りをきちんと行えば、次にある程度の量がたまってくるまでは
肛門腺の排出は見られないのですが、
それでも肛門腺の開口部付近から液体の排出が見られる場合、
可能性として次のようなことが考えられます。

・何らかの原因で肛門嚢液の分泌過剰が起きている
・肛門嚢液の性状が今までと変わったり、病院さんで肛門腺を絞ってもらったことにより詰まりが取れ、
肛門嚢液が排出され易くなった
 (粘土状だったものが、さらさらの液体状に変わった、など)
・肛門嚢炎を起こしており、漿液、膿汁などが排出されている
・肛門周囲の皮膚炎、肛門周囲瘻、肛門周囲腺腫など、他の肛門周囲疾患を起こしている

 *肛門周囲瘻 …肛門周囲の組織が化膿、炎症を起こして、組織の深いところまで管腔(穴)ができ、
出血や膿性の分泌物が見られます。
 *肛門周囲腺腫…肛門周囲の分泌腺に発生する腫瘍です。
ほとんどの場合良性ですが、潰瘍化したり、化膿したり、出血したりすることがあります。

肛門周囲の疾患では、多くの場合、
お尻を舐める、床にこすりつけるなどお尻を気にする様子が見られたり、排便時に痛がる、発熱や
食欲不振などの症状が見られます。
ボストンテリアちゃんは特に気にしている様子もなく、排便時の痛みなどもないようですので、
重篤な疾患を起こしている可能性は低いと思いますが、
今後も肛門腺の分泌が続いて見られるようでしたら、
病的なものでないことを確認してもらうためにも、
もう一度動物病院さんで診ていただくことをお勧めします。

対処法ですが、肛門周囲の疾患が原因の場合には、その疾患の治療を行うことが第一となります。
また、分泌物で肛門周囲が汚れている状態が続くと、
肛門周囲の皮膚炎や肛門周囲瘻の原因ともなりますので、
こまめにふきとって清潔にしておくことを心がけてあげて下さい。
肛門嚢液の分泌が多すぎて管理が難しい場合や肛門腺炎を繰り返す場合などは、
外科的に肛門嚢を摘出することもあります。
状況を見て、かかりつけの先生とご相談なさって下さい。

残暑から一転、急に秋らしくなりましたね。
急な気温の変化で体調を崩す人やワンちゃんが増えているようです。
fujimama様もボストンテリアちゃんも、お体を大切にお過ごしください。

なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、
しつけ相談のサービスを承っております。気がかりなことがおありの際には、
ぜひご利用くださいませ。
お電話番号は、あんしんサービスセンター 
0800-888-8256(携帯電話・PHSからは、03-6810-2314)です。
平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)
土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。

今後ともアニコムを宜しくお願い申し上げます。



無題

投稿者:紺野穣

投稿日:2011/09/29(Thu) 19:19

No.990

2歳♂のT・プードルを買っています。
現在、困っていることがありご相談のメールを差し上げました。
1・床(カーペットやじゅうたんなど)を舐める。茶の間のみ。食べ物等は落とさないように気をつけていましたが・・・。
2・手を舐めるので、ブラッシングしていても舐めた所が
  時々毛玉になる。
  散歩は1日2回してます。
3.外でトイレを済ませるようになったら、雨天時等に室内のトイレでしなくなってしまった。

よろしくお願いします。

Re: 無題

- ドッグライフカウンセラー 三留

2011/10/03(Mon) 15:56

No.993

紺野 穣 様

秋の虫の音が賑やかな頃でございますが、紺野様におかれましてはいかがお過しでしょうか。
T・プードルちゃんはお散歩を楽しんでいらっしゃいますでしょうか。

この度はご相談をいただきまして誠にありがとうございます。
さっそくご案内をさせていただきますが
実際の様子を拝見していませんので、一般的なご案内となりますことを
ご了承ください。

【茶の間の床をなめることについて】
1.原因について
紺野様のT・プードルちゃんが茶の間のカーペットやじゅうたんをなめてしまいお困り
とのことでございますね。
ワンちゃんが床をなめるときには以下のように幾つか理由が挙げられます。
@好きな臭いや味がする
茶の間は、ご家族が集い、お食事をなさったり、寛ぐ場所ですので、
気をつけていてもどうしても、食べ物のにおいや味が残っていることがあるかもしれません。
また、以前に良い臭いや味がした経験をもとに、「もしかして、今度も・・・」と思い、
茶の間に入ると、なめるという習慣がついていることも考えられます。
A茶の間で床をなめていたら、いいことがあると思っている
ワンちゃんは、自分が何かしたときに、周囲にどのようなことがあったかを
たいへんよく覚えています。
ワンちゃんは愛情に貪欲などうぶつですので、
とにかくご家族の注目を浴びたくて仕方がありません。
たとえば、偶然に茶の間で床をなめていたときに、
ご家族様が、「だめよ」、と声をかけてもらった経験があれば、
声をかけて欲しくて、床をなめている可能性もあります。
B退屈である
ワンちゃんは退屈な状況にある場合、舐めることが楽しい遊びとなり、
ずっと舐めてしまうことがあるようです。また、行動が習慣化しやすいのですが、
「もっと楽しい遊びがあるのだよ」とT・プードルちゃんに教えてあげるためにも、
コミュニケーションを取ることを心掛けて頂き、
T・プードルちゃんがなめていないときに、良いことがあると学習するように、
なめていないときに、遊んであげたり、声をかけていただければと存じます。

2.床をなめているときの対応について
さて、様はT・プードルちゃんが床をなめているときに、
どのような対応をなさっていらっしゃいますでしょうか。
先にご案内をしたように、なめているときに声をかけたりすると、
なめていると良いことがあると思わせてしまい、なめることに、褒美を与えてしまう
ことになってしまうかもしれません。
ご褒美にしてしまわないようにするため、なめているときは、T・プードルちゃんが
「あれ、何だろう」と気持ちをそらすようとよろしいでしょう。
また、「いけない」と教えるために、叱るのであれば、声をかけてもらったと思わせないように、
落ち着いた低い声で叱るようにしましょう。

いつも繰り返しなめるお気に入りの場所が茶の間にあるのであれば、その場所に何か物を置いて
しまい、なめられなくしてはいかがでしょうか。
あるいは、その場所にワンちゃんの嫌いな臭いや味のするものを吹きかけたりしておいたり、
じゅうたんなどは、陽に干したりして、臭いなどを少しでも飛ばしていただければと存じます。
ペットショップさんにいらっしゃると、ワンちゃんの忌避剤が販売されていますので
ご相談なさるとよろしいかもしれません。

【T・プードルちゃんが自分の手をなめることについて】
1. 原因について
ワンちゃんが手足をなめることは多くみられますが、
原因といたしましては、床をなめる場合と重なる場合も多く、退屈しのぎに、あるいは
舐めていると落ち着くなども考えられるでしょう。
こちらの場合も、自分の手足を舐めると声をかけてもらえるなど、飼い主様が注目すると
いうことから、注目を自分に向けるために舐めている可能性も考えられるでしょう。
このほかにも、手足をなめる習慣ができて唾液などで湿気を帯びることで、
炎症をおこしたり、痒みを感じて、気になってなめていることも多くみられます。
今一度、よくT・プードルちゃんのご様子をご覧いただき、指と指の間が赤いなどの気に
なる点がお有りでしたら、
獣医師さんの診察をお受けになられるとご安心でしょう。
また、雨の日のお散歩の後など、外出からお戻りの際の足ふきはなるべく優しくしていただき、
また湿気が残らないようにドライヤーなどをご利用なさってくださいませ。

2. 手足をなめているときの対応について
床をなめてしまうときのご対応と同様、手足をなめているときには声をかけたり心配そうに
覗き込んだりするのではなく、
パグちゃんの気持ちを逸らしてしまうのが有効かと存じます。
例えばT・プードルちゃんの目の前にボールをころがしたり、「あら、あの音何かしら?」
などと扉を開けてみたり
なさってもよろしいのではないでしょうか。また、退屈なときや眠いとき用にいじることの
できるオモチャなどを用意してあげたり、お散歩を長めにしていただくのもよろしいでしょう。

【外でしか排泄をしようとしないことについて】
1.ワンちゃんにとって外で排泄をするということについて
ワンちゃんが成長するにつれて、またお家に対する縄張り意識が強くなる等により
ワンちゃんがお外でしか排泄をしなくなるということは、たいへんよく見られます。
もともとワンちゃんには「生活をするスペースから離れたところで排泄をする」という習性が
あるといわれています。
また、ワンちゃんはお散歩のときに、他の子のオシッコの臭いを嗅ぎますが、
このようにすることで、ワンちゃんは嗅覚を介しての情報交換をいたします。
人でいえば会話のようなコミュニケーションの行動ともいえるのかもしれません。
ワンちゃんが排泄により、外に自分の匂いを残そうとする行動は、
ワンちゃんにとっては、単なる排泄というだけではなく、社会性を伴う行動とも
いえます。

【お家の中での排泄を促す方法について】
お家の中のトイレでの排泄は、T・プードルちゃんが将来、高齢期を迎えたときや、
天候の悪いときなどにもご安心かと存じます。
しかしながら、外での排泄を好むようになった子に、お家の中での排泄をさせることは、
実際はなかなか難しいことでもあります。「うまくいったらいいな」というくらいの
お気持ちで試されたほうがよろしいかもしれません。

お散歩にいらっしゃる前に、一度、トイレに誘導してみて、
一度室内のトイレに寄ってから、という流れになさってはいかがでしょうか。
偶然でもいいので、トイレのシートでオシッコをしたら笑顔でほめることで、
「ここでしてもいいんだよ」とういうことを伝えましょう。

「どうしてもさせたい」と思ってしまうと、その緊張感がT・プードルちゃんに
伝わってしまうことがあります。
排泄行為ですので、なるべくリラックスした雰囲気にしていただければと存じます。
お散歩中などで排泄時するときに、「トイレ、トイレ」などと
いつも決まった声がけをする習慣をつけていただき、
お家の中で排泄するときにも、「トイレ、トイレ」と声をかけていただくと
ママのその言葉に排泄が関連づけられて、排泄を促すことができる可能性があります。
お家の中のトイレは、今までT・プードルちゃんが排泄していた場所ですので、
T・プードルちゃんの中ではトイレとしての認識はあるのではないでしょうか。
あせらず、のんびりと対応していただければと存じます。

10月に入り、紅葉の報せが聞こえてくるころでございますね。
紺野様におかれましては、素敵な秋をお過しくだいませ。
今後ともアニコムを宜しくお願い申し上げます。