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ワンワン吠える
投稿者:ダイ
投稿日:2012/02/25(Sat) 20:15
No.1160
ダックス・チワワインターホンが鳴ると吠える吠え続けるチワワ部屋(飼い主の娘の部屋)に入ると吠える部屋の近くで音を立てると吠える娘の上に居る時、傍で立ったりすると吠える娘が居ない時は、吠えない。
Re: ワンワン吠える
- ドッグライフカウンセラー 三留
2012/02/29(Wed) 18:40
No.1168
ダイ 様この度はご相談をいただきまして誠にありがとうございます。ダックスちゃんとチワワちゃんが、インターフォンがなると吠え続け、またチワワちゃんがお嬢様のお部屋に入ったときや、ご家族様がお嬢様の近くに立ったりなさったときに吠えるとのことでよろしいでしょうか。早速、ご案内をさせていただきたく存じますが、実際のダックスちゃんとチワワちゃんのご様子を拝見しておりませんので一般的なご案内となりますことを何とぞご了承くださいませ。ワンちゃんが吠える原因といたしましては、「縄張りを守ろうとする防衛本能から吠える」、「周囲のご家族様に要求をして吠える」、「怖くて吠えて何とか身を守ろうとしている」、「お知らせをしようと吠える」「周囲のご家族様に指示をしようと吠える」など、さまざまな原因が考えられます。吠えているときのワンちゃんの様子やワンちゃんの気質などをみながら、その子の気持ちにあった対応をしていくことが大切でございます。さて、どのワンちゃんにも縄張り意識がありますが、この意識が強い子は、どうしても周囲の様子に敏感に反応をいたします。この縄張り意識を弱めるためには、「飼い主様がいれば心配しなくても良い」とワンちゃんに思わせ、飼い主様にすべての主導権があることを示し続けることでございます。そのため、「ダイ様の指示に従ったら良いことがある」と、ワンちゃん達に根気強く教えていきましょう。また、お家の中をどこでも自由にするのではなく、ある程度、行動範囲を制限することが望ましいともいわれています。ケージなどをご利用いただいて、安心な自分の場所を作ってあげてもよろしいでしょう。あるいは、家の中でお気に入りの場所が、いつもガラス窓の前や高窓など、見張り番のしやすい状態でワンちゃん達が過ごしているのであれば、パーテーションやカーテンを利用いただき、外の様子が気にならないようにしていただき、ラジオなどの音を付けておいていただくのもよろしいでしょう。なお、ワンちゃんは一度、興奮して吠え始めると、なかなか止まず、大声で叱っても、「ママが応援してくれている」とばかりに、余計興奮することがありますので、かえって相手にせず、ゆったりと落ち着いた様子でいらっしゃったほうが、よろしいかもしれません。このほか、吠えることに関する具体的な対応についてのご案内をさせていただきます。ご参考にしていただければ幸いでございます。1.インターフォンがなったときに、吠える以外の行動をするように習慣付ける。インターフォンがなったり、人の足音がしたときなど、いつもならワンちゃんが吠える状況で、ワンちゃんが吠える寸前に、「ハウス」などとおっしゃっていただき、ケージやクレートの中に入るように指示や誘導をします。ケージに入ったら「お利口」と褒めて、ワンちゃんの気持ちを吠えること以外に引き寄せていただきます。吠えなかったことに対して、褒めたり、ご褒美を与えたりしましょう。「ハウス」以外にも、吠えようとしたときに、「オスワリ」と指示をしていただくのもよろしいでしょう。2.吠えそうになったら、他のことに気をそらす外の音に反応をしそうなときには、ボールを投げたり、窓をあけて、吠える以外のことに気持ちをそらすと効果がみられる場合もあります。3.インターフォンの音に慣らすダイ様のお宅のインターフォンの音量が調節できるのであれば、一番小さい音量にしていただき、インターフォンをどなたかに鳴らしていただきながら練習をしてもよろしいでしょう。インターフォンがなって、ワンちゃんたちが吠える寸前に、ダイ様は「お利口」と笑顔でフードを与えたり、オモチャで遊んであげます。何日か時間をかけていただき、インターフォンとワンちゃんたちの好きなことと結びつけながら少しずつインターフォンに慣らしていきましょう。なお、吠えた後に、フードを与えたり、オモチャを与えたりすると、「吠えればいいことがある」と思ってしまいますので、ご注意をしていただければと存じます。4. インターフォンがなってもご家族はあわてないインターフォンがなったときに、ご家族様が急いで走ってくることで、「何か起きるのではないか」と不安になり、インターフォンの音が嫌いになってしまったり、吠えるようになることがあります。ワンちゃんを安心させるためには、ワンちゃんの興奮を相手にせず、ご家族様が大丈夫そうな落ち着いた表情をお見せになられることが、かえって効果をみせる場合もございます。次に、チワワちゃんがお嬢様のお部屋に入ったときなどに吠えることについてご案内させていただきます。チワワちゃんはお嬢様がいらっしゃるときだけに吠えるとのことですが、お嬢様に「遊んで」と呼んだり、お嬢様といっしょのときに傍にご家族様が立つと、「せっかく楽しいのに、邪魔をしないで欲しい」という気持ちで吠えているのでしょうか。ワンちゃんの行動は、自分が何かしたときに、周囲にどのようなことがあったかという経験をもとに形成されていきますが、お嬢様の部屋に入ったときに、チワワちゃんが吠えて、そのタイミングでお嬢様が「あら」と声をかけたというような経験があったのかもしれませんね。お嬢様のお部屋に入って、チワワちゃんが吠えても、お嬢様は知らん顔をしていただき、チワワちゃんが吠えていないときに、声をかけたり、遊んであげて、「吠えないといいことがある」と、教えてあげましょう。ワンちゃんは一度、上手くいくと、その行動にかなり強く執着することがあります。あまり長時間吠えるからと、「仕方がないわね」と折れてしまうと、「やっぱり吠えればいいことがある」と強く思ってしまうことになります。 根気強く、「吠えても無駄だ」ということを教えていただければと存じます。さて、お嬢様とチワワちゃんはご家族様の中でもとりわけ絆が強いのでしょうか。あるいは、チワワちゃんとダックスちゃんでお嬢様を取り合っているということはあるのでしょうか。ワンちゃんは群れという意識をもつ傾向があります。ご家族という群れで自分の位置がはっきりしていなかったりすると、ワンちゃん同士が競うことがあります。もし、ダックスちゃんが先住犬でチワワちゃんがお嬢様の近くという魅力的な場所が自分の占める場所だと主張しているのであれば、先住のワンちゃんを徹底的に優先していただくことも重要かと存じます。回り道のようにお思いになられるかもしれませんが、ワンちゃんの行動に対しては、日常生活の対応を通して、「ボクたちは従っていれば、安心なんだ」ということを伝え続けることで変化があらわれることもございます。根気強くワンちゃんたちを見守ってあげてくださいませ。アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、しつけ相談のサービスを承っております。気がかりなことがおありの際にはお気軽ご利用くださいませ。お電話番号は、あんしんサービスセンター 0800-888-8256(携帯電話・PHSからは、03-6810-2314)です。平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。時節柄、ダイ様におかれましてはお体ご自愛くださいませ。今後ともアニコムを宜しくお願い申し上げます。
困った甘ガミ
投稿者:リクト
投稿日:2012/02/25(Sat) 17:54
No.1159
こんにちは。柴犬の男の子3ヶ月です。初めて動物を飼います。おうちに来てもうすぐ2週間なんですが、甘ガミが半端じゃないです。ゲージの中ではおとなしいのですが、いったんゲージから出すと、走る走る!!。疲れておとなしくなってる時は噛まないのですが、走り回ってる時や尻尾を噛んだり、おもちゃを噛んだり興奮してる時は手当たりしだい噛みます。人が通ってたら足(かかと)をめがけてダイビング噛み!!。けっこう痛いです・・。声をかえて低いトーンで「ダメ!!」と強く言ってもはなしません。おもちゃやドッグフードでつって離させますが、まためがけて噛みに来ます。よく「噛んだら別の部屋に移動して無視する」って本に書いてあったり、獣医さんが話してたりしますが、別の部屋に移動する暇がありません。どうしたら良いですか?。
Re: 困った甘ガミ
2012/02/29(Wed) 18:35
No.1167
リクト 様この度はご相談いただきまして誠にありがとうございます。リクト様は、柴犬ちゃんをお迎えになられたとのことでございますね。元気いっぱいの柴犬ちゃんを囲んで、お家の中では笑い声が絶えないのではないでしょうか。さて、リクト様の柴犬ちゃんはケージから出すと走りまわり、手当たり次第噛んで、リクト様を戸惑わせていらっしゃるとのことでございますね。ちょうど歯の生え変わりの子犬期にはとにかく噛みたがりますので、ほとんどといっても良いくらいの飼い主様がワンちゃんの噛み癖に悩まされます。また、エネルギッシュに部屋の中を走り回る様子は、「大丈夫かしら」と心配になるほどでございます。ワンちゃんは自分のした行動の後、周囲がどのような行動をしたかということをたいへん良くみていますが、その経験をもとに、成長にしたがい、自分で行動を選択するようになります。今すぐに噛み癖を止めさせることは、なかなか難しいのですが、長い目でご覧いただき、「噛むことはいけない」「噛まないでいるといいことがある」と柴犬ちゃんに感じさせていただき、根気強く、歯が痒くなくなったときに、噛まない状態をお作りいただければと存じます。そのためには、柴犬ちゃんが噛んだ後にお取りになるリクト様の行動が、柴犬ちゃんにとってのご褒美にならないことが大切です。周囲の皆様が柴犬ちゃんを叱っているつもりでも、「騒いでもらって楽しい」と柴犬ちゃんが感じてしまうと逆効果となってしまいます。「噛むことはいけないことだ」と柴犬ちゃんに理解しやすいように、今リクト様がなさっているように、噛んだ瞬間に、とにかく低くて怖い、落ちついた声で叱ることが大切です。その際、叱る言葉は、「いけない」、「ダメ」などのご家族で統一した分かりやすい言葉だけを使っていただき、これ以外のことばはなるべくおっしゃらないほうがよろしいでしょう。また、柴犬ちゃんがリクト様の手などを噛んだとき、「痛い」、「怖い」という感情を柴犬ちゃんに見せないことも大切です。「パパやママを噛むなんて、とんでもないことよ」という強気な気持ちを前面に見せるようにしましょう。何がいけなくて、何が望ましい行動かということを教えるためには、その瞬間に褒めることが大切ですので、偶然でも噛むことを止めたら、「お利口」と褒めてあげましょう。止めないようであれば、柴犬ちゃんを他の部屋に移すのではなく、リクト様が柴犬ちゃんに背中を向けて、廊下や他の部屋などに姿を消してしまうとよろしいでしょう。しばらくして部屋に戻り、また噛んだら姿を消します。このような対応を根気強くなさっていただければと存じます。さて、柴犬ちゃんが噛みにくるというタイミングはどのようなときでしょうか。例えば、ケージから出すと、まず走り回って飽きるといつも手を噛みに来る、というようなタイミングがあれば、そのタイミングに、おもちゃなどを噛むように仕向けるのもよろしいでしょう。リクト様もオモチャやフードで利用されているとのことですが、ご注意いただきたいのはタイミングです。噛んだ後にオモチャやフードを見せると、噛めばオモチャやフードがもらえると思ってしまいますので、「噛みにくるな」というタイミングで、柴犬ちゃんの興味をオモチャにひいて人の手や足ではなく、オモチャを噛むように誘導をしていただき、噛んだらそのまま遊んであげていただくとよろしいでしょう。また、柴犬ちゃんがこれからオスワリなどを覚えてくれば、お食事の後、ケージから出るとき、何かにつけてオスワリと指示をしていただき、指示に従うといいことがある、と教えることは、落ち着く習慣をつけることにもなるのでお勧めです。柴犬ちゃんのお健やかなご成長が楽しみでございますね。時節柄、リクト様におかれましてはくれぐれもお体ご自愛くださいませ。アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、しつけ相談のサービスを承っております。気がかりなことがおありの際にはお気軽ご利用くださいませ。お電話番号は、あんしんサービスセンター 0800-888-8256(携帯電話・PHSからは、03-6810-2314)です。平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。今後ともアニコムをどうぞよろしくお願い申しあげます。
線維肉腫について
投稿者:ひまわり
投稿日:2012/02/14(Tue) 02:15
No.1137
7歳の柴犬のメスです。昨年12月末頃に右後肢パット近位に腫瘤ができていることに気付き、針吸引生検(?)では悪性ではないとの結果だったのですが、2月5日に外科的に切除する手術を行い病理組織学的検査の結果、「線維肉腫(Fibrosarcoma)」と診断されました。病理検査報告書の「概要」欄には、「未分化間葉系細胞由来の悪性腫瘍性病変である線維肉腫が認められました。隆起部皮膚の深部真皮から皮下に及んで、充実性で細胞成分の豊富な腫瘤が形成されています。腫瘤内では、核小体明瞭な卵円形核を有する紡錘形の線維芽細胞様の腫瘤細胞が、錯走する束状配列で増生しています。腫瘤細胞内外に豊富な膠原線維が認められる高分化型の線維肉腫で、核分裂像が散見されます。腫瘤境界は明瞭で、取り切れています。検索した範囲内では脈管侵襲は見出されません。」と記載されていました。主治医からは治療法として、@断脚手術(拡清術)すなわち右後肢下部の切断、A放射線療法、B化学療法(抗がん剤治療)、C上記@からBの組み合わせ、D治療しない、という5つの選択肢を提示されましたが、どの方法を選択するのが良いかについては主治医からのサジェスチョンは特にはなく、飼い主の判断に委ねられている状況です。飼い主としてより納得のいく判断をするために、以下の点をおたずねさせていただきたいと思います。1.上記病理検査報告書の「概要」欄の内容を素人にもわかりやすくご説明ください。悪性腫瘍のなかでもより深刻な状況なのでしょうか?再発や転移の可能性は高いのでしょうか?2.上記病理検査報告書の「概要」欄の内容及び7歳の柴犬であること等を鑑みると、医学的に標準的な判断としては@〜Dのどの選択肢をとることが一般的と考えられますか?3.上記病理検査報告書の「概要」欄の内容を鑑みると、断脚手術(拡清術)、放射線療法、抗がん剤治療は各々どの程度の有効性(例えば、何も治療をしない場合に比べて○年後生存率や余命年数がどうなるか等)が見込まれるのでしょうか?また各々どのようなデメリット(副作用やQOLの低下等)を伴うのでしょうか?4. 断脚手術(拡清術)、放射線療法、抗がん剤治療の効果があまり見込まれずデメリットの方がより懸念される場合には、QOLを重視しDの「治療しない」という選択もありうるかとも思うのですが、Dの「治療しない」という選択をした場合、一般的には今後どのような経過や余命が予測されますか?主治医からは余命について「あくまで神様が決めることなのであてはまらない事例もあるが、腫瘤ができた時から1、2年程度」とも言われています)。以上ご回答のほどよろしくお願い申し上げます。
Re: 線維肉腫について
- 獣医師 岸田
2012/02/16(Thu) 15:43
No.1144
ひまわり様この度はご相談を頂きまして、誠にありがとうございます。柴犬ちゃんが右後肢の腫瘤を切除する手術を受けられ、病理検査の結果線維肉腫と診断されたとのことですね。ひまわり様におかれましてはさぞかしご心配のこととお察し申し上げます。お問い合わせにつきましてご案内させて頂きますが、一般的なご案内となりますことを何卒ご了承ください。<線維肉腫とは>軟部組織肉腫と呼ばれる悪性腫瘍の一つで、線維芽細胞と呼ばれる細胞が悪性化したと考えられる腫瘍です。口腔内、皮下、骨など、様々なところで発生が見られます。局所侵襲性が強く再発しやすいという特徴がありますが、遠隔転移はあまり見られません。治療法は、外科的な切除と、補助療法として状況に応じて放射線治療や抗がん剤治療(化学療法)を行います。以下、ひまわり様からいただきました4つのご質問について順にご案内させていただきます。1. 病理検査報告書の「概要」欄の内容等についてのご質問「概要」欄の前半部分は、摘出された腫瘤を構成している組織を病理学的に説明しており、一般的な線維肉腫の病理所見と一致します。後半部分では、腫瘍のタイプと術後の予後を示唆する所見について説明されていますが、その中でキーワードとなるのは、「高分化型の線維肉腫」、「核分裂像が散見される」、「腫瘤境界は明瞭で、取り切れている」、「検索した範囲内では脈管侵襲は見出されない」の4つの記述です。これらのキーワードについて簡単に説明させていただきます。(1)「高分化型の線維肉腫」病理組織学的に腫瘍細胞が正常細胞に近いものを「高分化型」、腫瘍細胞が正常細胞と非常に異なっているものを「低分化型」と分類します。一般的に「高分化型」の方が腫瘍としての悪性度は低く、「低分化」あるいは「未分化」のものは悪性度が高くなります。(2)「核分裂像が散見される」核分裂像は細胞が増殖するときに見られます。腫瘍組織の中で核分裂像が多く見られるほど腫瘍細胞が盛んに増殖していると考えられ、悪性度は高くなります。(3)「腫瘤境界は明瞭で、取り切れている」 正常な組織と腫瘍組織の境目が明瞭で、摘出した組織の中に腫瘍細胞がすべて含まれていると考えられることを示しています。 一般的に、正常な組織と腫瘍組織の境目が不明瞭な場合は、摘出しきれなかった部分に腫瘍細胞が残っている可能性があり、同じ部位での再発の可能性が高くなります。(4)「脈管侵襲は見出されない」脈管とは、体内で体液を通す管(血管やリンパ管)を指します。通常腫瘍細胞は、血管・リンパ管にのって転移しますが、今回、摘出した組織内の血管やリンパ管の中に、腫瘍細胞が認められなかったということを示しています。血管やリンパ管の中に腫瘍細胞が見られる場合、リンパ節や肺、全身の臓器などに遠隔転移している可能性があることが示唆されます。脈管侵襲が認められない場合には、その可能性は低いとはいえますが、目に見えないレベルで転移している可能性も否定できません。以上のキーワードから言えることは、摘出された腫瘤は悪性の線維肉腫ですが、比較的悪性度の低い高分化型であり、腫瘍細胞は切除した組織の中に限局していて周囲の正常組織や脈管内には認められないので、現段階で局所再発や転移の可能性がそれほど高いわけではないと推測されます。しかしながら、線維肉腫の術後の経過をより正確に推測するためには、以下のような情報も必要となります。・現時点での、肺やリンパ節への転移の可能性の有無・手術の際に、十分広い範囲で切除することができたかどうか線維肉腫は性質として、局所再発が多い特徴があり、局所再発を防ぐための完全切除を行うためには、腫瘍組織の肉眼的境界から、周囲の正常組織を横方向で2〜3cmほど含めて広く切除することが推奨されています。実際の手術の際にどの程度の広さで切除が行われたか、また、深部方向についても、十分な深さで切除できたかどうかが、再発率に関わってくると言われています。・核分裂像の数(出現頻度)線維肉腫を含むワンちゃんの軟部組織肉腫では、腫瘍組織内に見られる核分裂像の数(出現頻度)が術後の生存期間と再発率に関係していることが報告されております。病理検査報告書には核分裂像について「散見される」と記載されておりますが、これがどの程度の出現頻度を示しているのかがはっきりわかると、予後についてより有用な情報が得られると思います。以上のような情報も合わせた上で、術後の経過を予測し、今後の治療法を検討する必要があると思います。2医学的に標準的な判断による治療法の選択について 1でご説明したように、今後の治療法を選択する上では、報告書の記載内容以外の情報も併せて評価していただいた方がよろしいかと思います。特に、核分裂像の数(出現頻度)は線維肉腫の悪性度と予後を評価する上でとても有用な情報を与えてくれる可能性がありますので、主治医の先生を通して病理診断をされた先生に確認していただくとよろしいでしょう。仮に、現段階での遠隔転移がなく、腫瘍組織の完全切除が行われ、核分裂像の出現頻度も低い、低グレード(悪性度が低い)の線維肉腫であったとした場合、術後の補助治療を行わなくても、長期間再発や転移もなく良好に経過する可能性もあるかとは存じます。しかしながら、ひまわり様のワンちゃんの腫瘍があったのは後肢のパット付近ということですので、十分な範囲での完全切除が難しかった可能性も高く、局所再発の可能性を完全に否定することはできないかもしれません。また、転移の可能性が低いとはいえ、主治医の先生が「何も治療しなければ余命1〜2年の可能性も」とおっしゃったことを考えますと、局所再発や転移の可能性を考えておいた方がよろしいということかもしれません。局所再発や転移を出来得る限り抑えるためには、一般的には何らかの術後の補助療法を行うケースが多いと思います。悪性度が比較的低く、転移の可能性も低い線維肉腫の場合には、可能であれば放射線治療、何らかの理由で放射線治療が選択できない場合には、無治療で経過をみる、あるいは、断脚という選択になることが多いのではないかと思います。組織学的に悪性度が高く、局所再発に加えて遠隔転移の可能性が高い線維肉腫の場合には、上記の治療に加えて抗がん剤治療を行うというのが、おそらく一般的ではないかと思います。しかし、実際に治療法を選択する際には、・物理的にその治療が可能かどうか(例えば、有効な放射線療法を行っている施設に頻繁に通院が可能かどうかなど)・ワンちゃんの健康状態がその治療に耐えられるかどうか・ワンちゃんの性格や飼い主様のライフスタイル等が大きく関わってきます。どの方法が最善ということはなく、それぞれのワンちゃんに合わせて最もよいと考えられる治療方法を選択することが大事です。次のご質問で、それぞれの治療法の有効性とデメリットについて、一般的な情報ではありますが、ご案内いたしますので、ひまわり様のワンちゃんにとって一番適しているのがどの治療法になるのかについて、主治医の先生とよくご相談いただければと思います。3. 断脚手術(拡清術)、放射線療法、抗がん剤治療に見込まれる有効性とデメリットについて(1)断脚手術現時点での遠隔転移(肺やリンパ節への転移)が認められないのであれば、根治や長期延命をめざすためには最も効果的な治療法と言えます。外見上は痛々しく見えますが、もともと4足歩行のワンちゃんは3本足でもそれほど不自由なく歩くことができ、走ることもできますし、長期にわたる治療や痛みから解放してあげることができます。デメリットとしては、残った足に負担がかかりやすく、関節炎などのトラブルが生じた場合、生活の質が低下することも考えられます。体重管理をしっかり行い、足に負担をかけるような無理な運動をさけるなど、常に注意していく必要があります。 (2)放射線療法放射線療法は線維肉腫の局所再発を防ぐためにはかなり有効であり、断脚手術を行わなくても長期のコントロールが可能(場合によって根治を目指すことができる)であることがわかってきています。しかしながら、有効な照射方法を行うことのできる施設は限られており、治療のためには複数回の通院が必要であるため、物理的に通院が可能かという問題があります。治療のためには複数回の全身麻酔が必要であることや、放射線障害のリスク(皮膚炎やパッドの脱落など)等のデメリットもあります。放射線療法の有効性(再発までの期間や再発率に関するデータ)については、照射方法によって異なり、施設によって可能な照射方法も異なってくるようです。通院可能な施設でどのような照射方法を行っているかと、その有効性に関する具体的なデータについては、主治医の先生を通して実際に治療を行っている施設にご相談いただくのが確実だと思います。(3)抗がん剤治療全身療法のため、遠隔転移を予防する効果がありますが、線維肉腫に対する抗がん剤の有効性は明確ではなく、局所再発を抑える効果は少ないと言われています。使用する抗がん剤の種類や投与方法によっても異なりますが、消化器や泌尿器への障害などの副作用が出る可能性があります。新しく副作用が少なく動物に負担をかけない投与方法での治療法も行われるようになってきて、線維肉腫に対する効果も認められてきているようですが、まだ報告数も少なく、行われている施設は限られているようです。それぞれの治療法の一般的なご説明をさせていただきましたが、獣医療の進歩は日進月歩で、常に新しい治療法や有効な治療法に対する研究が行われております。もし可能であれば、主治医の先生から紹介していただき、腫瘍専門の上級病院や大学病院を受診されて今後の治療法についてご相談いただくと、ひまわり様のワンちゃんにとってよりよい治療法の選択ができるのではないかと思います。主治医の先生とご相談されてみてはいかかでしょうか。4.「治療しない」という選択をした場合に予測される経過や余命について病理検査報告書の内容からは、比較的悪性度の低い高分化型であり、現段階で局所再発や転移の可能性がそれほど高いわけではないと推測されます。仮に、現段階での遠隔転移がなく、腫瘍組織の完全切除が行われ、核分裂像の出現頻度も低い、低グレードの線維肉腫であったとした場合には、治療を行わなくても、長期間再発や転移もなく良好に経過する可能性もあるかとは存じます。しかしながら、局所再発や転移の可能性が全くないということはできません。一般的に、局所再発をした場合には、初回発生のときよりも不整形に浸潤してできる場合が多く、手術で完全切除しきれない可能性がでてきます。また、再発時に腫瘍の性質が変わって、悪性度が高くなり、高転移性のものになる可能性もあります。遠隔転移を起こした場合、転移した先の臓器(肺や肝臓など)の機能を障害し、それが原因で命を落とすケースが多いようです。断脚や放射線治療、抗癌治療など、ワンちゃんの負担の大きい治療は行わず、抗腫瘍効果の期待できるサプリメントを利用するなどの方法で経過を見るというのも一つの方法だと思います。また、近年では、腫瘍免疫療法(自分の免疫系を活性化させて腫瘍をやっつける治療法)を行っている動物病院さんも増えてきているようです。ワンちゃんの線維肉腫に対する腫瘍免疫療法の有効性についてのデータを持ち合わせておりませんので、有効性について申し上げることができませんが、そのような病院さんにご相談していただくのも一つの方法だと思います。線維肉腫に限らず、腫瘍の治療法には(「治療しない」も含めて)さまざまな選択肢があり、どの方法が最善かは、ワンちゃん1頭1頭で異なってきます。ひまわり様のワンちゃんの今の病状を一番よく把握していらっしゃる主治医の先生と今一度よくご相談いただき、御納得された上で治療法を選択いただければと存じます。場合によっては、腫瘍に詳しい上級病院を受診されることも、今後の治療法の選択のためにはとても有効だと思いますので、ご検討下さい。なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、しつけ相談のサービスを承っておりますので、よろしければご利用くださいませ。お電話番号は、あんしんサービスセンター 0800-888-8256(携帯電話・PHSからは、03-6810-2314)です。平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。ひまわり様のワンちゃんが今後も元気いっぱいに過ごせますよう、心よりお祈りいたしております。今後ともアニコムをどうぞよろしくお願い申し上げます。
- ひまわり
2012/02/26(Sun) 22:09
No.1163
とても詳しいご回答をありがとうございました。おかげさまで検査病理報告書の内容や線維肉腫という病気について素人なりにある程度理解したうえで腫瘍に詳しい病院を受診し、今後の治療方針を選択することができました。治療方針の選択という重大な決断をするにあたり正確な知識や判断材料が乏しく困惑していたところに詳しいご回答をいただき本当に助かりました。恐縮ですが以下の点について念のためお訊ねさせていただきたいと存じます。前回のご回答において「高分化型の線維肉腫」について「一般的に「高分化型」の方が腫瘍としての悪性度は低く、「低分化」あるいは「未分化」のものは悪性度が高くなります」とご説明いただき、その点については理解することができました。それで少し気になりましたのが、検査病理報告書の「概要」欄の「未分化間葉系細胞由来の悪性腫瘍性病変である線維肉腫が認められました」という第一文です。「未分化間葉系細胞由来」というのはどういう意味なのでしょうか?この「未分化」というのは悪性度が高いということを意味するのでしょうか?またこの「未分化」というのと上述の「高分化型(の線維肉腫)」ということと矛盾はしないのでしょうか?ご回答のほどよろしくお願い致します。
2012/02/29(Wed) 18:19
No.1166
ひまわり様この度はご丁寧にご返信をいただきまして、誠にありがとうございます。その後、柴犬ちゃんのご様子はいかがでしょうか。どうぞお大事にお過しくださいませ。早速、この度いただきましたご相談についてご回答させていただきますが、実際に柴犬ちゃんのご様子等を拝見しておりませんので、一般的なご案内となりますことをご了承くださいませ。さて、診断書に記載のある「未分化間葉系細胞」とは、体内の結合組織(種々の臓器や組織を取り囲む支持組織)などに存在し、条件によって骨芽細胞、脂肪芽細胞、線維芽細胞など様々な機能を持つ細胞に分化する能力を持つ細胞のことをいいます。「特定の細胞に分化する前の細胞」という意味で「未分化」という名前がつけられており、この細胞が腫瘍化したものを総称して「未分化間葉系細胞由来」の腫瘍といいます。この「未分化間葉系細胞」が特定の細胞に分化しない状態で腫瘍化していれば「未分化型」あるいは「低分化型」、正常の特定の細胞に近い形まで分化した状態で腫瘍化していれば「高分化型」といわれます。つまり、「高分化型」の線維肉腫とは、「未分化間葉系細胞」が正常の線維芽細胞に近い形まで分化した状態で腫瘍化したものということでございます。なお、先回ご説明させていただいたように、一般的には「低分化」あるいは「未分化」のものに比べると、「高分化型」の方が腫瘍の性質上の悪性度は低いと言われます。しかしながら、実際の腫瘍の悪性度はそれ以外の様々な要因によっても異なってきますので、分化の程度のみで判断することはできません。ヒトもワンちゃんも、腫瘍に打ち勝つためには体力と免疫力が大事であり、免疫力をあげるために、なるべくストレスなく、精神的に安定した生活を送らせてあげることが大切でございます。ひまわり様におかれましては、今後の通院や治療で大変かとは思いますが、ワンちゃんが今まで通り明るく楽しく生活できるようにサポートしていただけたらと思います。また、気がかりなことやご心配なことがございましたら、いつでもお気軽にお声掛けください。今後ともアニコムをどうぞよろしくお願い申しあげます。
無駄吠え
投稿者:井上 悦子
投稿日:2012/02/23(Thu) 16:45
No.1154
とにかく 家に人が来たり 家の前に 車が止まっただけで 吠えまくります。いくら其のつど 叱っても止めません。何か良い方法は、ありませんか?
Re: 無駄吠え
2012/02/24(Fri) 18:35
No.1158
井上 悦子 様この度は、ご相談をいただきまして誠にありがとうございます。井上様のワンちゃんが、家の周囲の物音に対して吠えるとのことでございますね。早速ご案内をさせていただきますが、実際のご様子を拝見しておりませんので、一般的なご案内とさせていただきますことをご了承くださいませ。ワンちゃんが吠える原因には、「縄張りを守ろうという防衛本能から吠える」、「周囲のご家族に要求をして吠える」、「怖くて吠えて何とか身を守ろうとする」、「周囲のご家族に指示をしようと吠える」など、さまざまな原因が考えられます。井上様のワンちゃんは、外で物音がしたりしたときに吠えるとのことですので、縄張りを守ろうとして吠えているのか、あるいは怖くて吠えているのかもしれませんね。どのワンちゃんにも縄張り意識がありますが、この意識が強い子は、どうしても周囲の様子に敏感に反応をいたします。この意識を弱めるためには、「飼い主様がいれば心配しなくても良い」とワンちゃんに思わせる、つまり飼い主様にすべての主導権があることを示すことでございます。また、お家の中をどこでも自由にするのではなく、ある程度、行動を制限することが望ましいともいわれています。また、お家の中に自分が逃げ込める安心できる場所を用意するのも大切でしょう。ケージやサークルなどの中を安心できる大好きなところにするとよろしいでしょう。井上様のワンちゃんは叱っても止まないとのことでございますね。ワンちゃんは一度、興奮して吠え始めると、なかなか止まず、大声で叱っても、「ママが応援してくれている」とばかりに、余計興奮することがありますので、かえって相手にせず、ゆったりと落ち着いた様子でいらっしゃったほうが、よろしいかもしれません。ワンちゃんを安心させるためには、ワンちゃんの興奮を相手にせず、ご家族様が大丈夫そうな落ち着いた表情をお見せになられることがかえって効果をみせる場合もございます。次にワンちゃんが吠えているときのご対応についてご案内させていただきます。1. 外の様子や音が気にならない環境を作るワンちゃんが、玄関や窓の外の様子がよく見渡せる場所でいつも過ごしているのであれば、カーテンを引いたり、外を見渡せる場所に行かれないようにしたり、パーテーションで目隠しをするなど、周囲の様子が気にならないようにしましょう。また、ラジオやテレビをつけておくのもよろしいでしょう。2. 外で物音が聞こえたときなど、吠える以外の行動をするように習慣付ける。外に車が通ったり、人の足音がしたときなど、いつもならワンちゃんが吠える状況で、ワンちゃんが吠える寸前に、ケージやクレートの中に入るように指示や誘導をしていただき、入ったら「お利口」と吠えない状態であれば、褒めたり、ご褒美を与えたりしましょう。「ハウス」以外でも、「オスワリ」をさせてもよろしいでしょう。3. 吠えそうになったら、他のことに気をそらす外の音に反応をしそうなときには、ボールを投げたり、窓をあけて、吠える以外のことに気持ちをそらすことに効果がみられる場合もあります。4. ご家族様が指示をして、指示にしたがうと良いことがあることを教えるワンちゃんはご家族様に従えば、何も心配がいらないと感じさせてあげましょう。何かにつけて、「オスワリ」と指示をして、指示にしたがったら良い事があることやお家の中の良い場所はご家族様の場所であることなどを根気強く教えていきましょう。回り道のようにお思いになられるかもしれませんが、日常生活の対応を通して、次第に「ボクは従っていれば、安心なんだ」ということを理解するように仕向けることで、ワンちゃんの行動に変化があらわれるのではないかと存じます。根気強くワンちゃんを見守ってあげてくださいませ。少しずつ日の輝きに春の温もりを感じるようになりましたね。井上様におかれましては、ワンちゃんと笑顔いっぱいの毎日をお過ごしになられることを、心からお祈り申し上げております。今後ともアニコムを宜しくお願い申し上げます。
マーキング
投稿者:ぽん
投稿日:2012/02/23(Thu) 08:23
No.1153
8月で、3歳になるまるぷーのミックス犬です。最近になって、トイレと違う場所でおしっこをするようになりました。発情期の関係かと思っていますが、どでしょうか?何か他に原因があるのでしょうか?虚勢をしたほうがいいのか?悩んでいます。いつか、ぽんの子どもをと思っていますが、予定はまだまだです。いつまでくらいに、結論をだせば犬にとっていいのかなと思います。玄関近くで、足音や物音に対して警戒心が強く吠えるのです。どのようにすれば、吠えなくなりますか?ゲージに入ってる時は、あまり吠えないのですが・・・ずとずっと、ゲージに入れるのもかわいそうですし。どのようにすればいいでしょうか?よろしくおねがいします。
Re: マーキング
2012/02/24(Fri) 16:05
No.1157
ぽん 様日の光に春の訪れを感じる頃でございますが、ぽん様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。このたびはご相談を頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。早速ご案内させていただきますが、ワンちゃんの詳しいご様子が分かりかねるため一般的なご案内になりますことをご了承下さいませ。<おしっこについて>ぽん様のワンちゃんは最近になってトイレと違う場所でおしっこをするとのことですね。ワンちゃんがトイレ以外のところでおしっこをするようになった場合、マーキングである可能性もありますが、それ以外にも次のような原因も考えられます。1. トイレシートが濡れていて足元が気持ち悪かった。2. トイレの場所を移動したり、お部屋の模様変えやご家族内の生活習慣の変化など周りの状況に変化があった。3. 「トイレで排泄をしている時に突然大きな音がして驚いた」などの嫌な思いをしたことで、「トイレ=嫌な場所」と関連付けられてしまい、トイレに行きたがらなくなった。4. 粗相を見つけたご家族様のご様子を構ってもらえたと思ってしまった5. 粗相を飼い主様に叱られたことを、排泄行為そのものがいけないと思い、隠れたところで排泄をするようになってしまった。6. トイレシートと似た感触のものがあり、区別がつかなくなっている。ぽん様のワンちゃんの場合、性成熟に伴うトイレ以外での排泄である可能性もありますが、ワンちゃんは環境の変化に敏感なところがありますし、それ以外に何か原因がある可能性もございます。特に、冬季はカーペットを敷いたり、新しくラグをおいたりすることで、トイレ以外の場所でするようになることも多いようです。このように、ワンちゃんに粗相がみられるようになった場合には、もう一度、「できたら褒める」ことを通して教えていく必要がございます。粗相をみつけても声をあげたり、叱ったりせず、うまくできたときだけ褒めていただくようにしましょう。また、決まったものの上でオシッコをするのであれば取り外していただいたり、その場所をトイレにしていただくのも一つの方法でしょう。男の子のワンちゃんはおおむね1歳近くなると男の子として成熟してきます。ぽん様のワンちゃんの場合は3歳とのことで、発情期との関わりがあるのではないかとお考えとのことでございますね。ワンちゃんの男の子には特に発情期はありませんが、発情期を迎えている女の子に強く反応します。マーキングは性成熟に伴い起こることも多く、お散歩のときに、足をあげてオシッコをするようになります。家の外は多くのワンちゃんがお互いの力関係を牽制しあう場でもありますので、お散歩時のマーキングは、ワンちゃんにとってごく当たり前の自己主張といえるかもしれません。一方、家の中でもマーキングにより縄張りを主張する場合は、リーダーである飼主様より自分が群れの中での順位が上位だと思っていることや、群れの中での順位が不明確であることが原因である可能性があるともいわれております。したがいまして、飼い主様に主導権があることをワンちゃんにしっかりと伝えることで解決する場合もございます。ぽん様におかれましては、ワンちゃんの去勢手術をお考えになっていらっしゃるとのことでございますが、いつかはワンちゃんの子どもを、と思ってもいらっしゃるとのことでございますね。去勢手術は外科的に男の子の精巣を摘出する手術であり、一般的に、全身麻酔をかけて精巣付近の皮膚を切開して行います。去勢手術を行うと性ホルモンを分泌する精巣がなくなるために、男性ホルモンに関連して起こる病気や行動を抑えることができるといわれておりますので、ぽん様がおっしゃいますように、マーキングが解消する場合もございます。一方で、マーキングという行動が固定している場合などでは、なかなか解消が難しい場合もあります。ワンちゃんの子どもをお考えになっていらっしゃるとのことですので、一度、ご家族様でよくご相談なさっていただければと思います。去勢手術の時期でございますが、全身麻酔をしますので、健康状態が良好なときにすることが重要でございます。また、あまり高齢になってからよりは、身体状態のよい若い時期のほうが好ましいとはいわれています。しかしながら、個体差はありますが、年齢的なリミットは特に設けられていないようですので、かかりつけの獣医師さんとご相談の上、ご家族皆様のご納得の上でなさることをお勧めいたします。<吠えることについて>ワンちゃんは皆、「これ以上近づかないで欲しいという距離=縄張り」を持っています。この縄張りの中に同じ群れ以外のお客様が入っていらっしゃると、吠えることで警告を与えようといたします。本能に近い行動ですので、なかなか難しいのですが、外の往来に対して、ご家族様に守られているから安心だと思うようにしていただければと思います。ご注意いただきたい点を以下、ご案内させていただきます。1. 縄張り意識を弱めるケージなどをご利用いただくことで、お家の中でワンちゃんたちが自分の場所だと思える場所を作ったり、お家の中でワンちゃんが自由にできる場所をある程度制限いただき、飼い主様に守られているという意識を強化しましょう。なお、ケージやクレートを好きな場所にするためには「ケージの中に入るといいことがある」と教え続けることが大切です。2.吠える以外の行動を教えるワンちゃんの頭の中では、「外の物音=吠える」と回路ができあがっているかもしれませんが、吠えること以外の行動をワンちゃんに教えるのも一つの方法です。具体的には、外で足音がして「ワンちゃんが今にも吠えそうだな」という状況で飼い主様はオモチャなどでワンちゃんたちの気をひきながら、「オスワリ」の指示をしていただきます。指示の言葉は低く、強いトーンでリーダーらしく発することが重要です。いつもなら吠えているときに、スワレをして、ワンちゃんが吠えていないことを、大げさなくらい明るい声で褒めてあげましょう。「オスワリ」という指示を与えること以外にも、「ハウス」という指示を与えていただいてもよろしいでしょう。繰り返していく中で、「外で足音がする⇒ハウスに入る⇒安心できる」という回路ができあがるかもしれません。このように「来客」と「指示にしたがうこと」と「ご褒美」の三つをワンちゃんの頭の中で連動させてしまいましょう。3. 外の様子が気にならないようにする他にも、来客の様子が分からないように、カーテンなどで仕切りをしたり、外の物音が気にならないように小さな音でラジオをつけておいたりするのもよろしいでしょう。4. なるべく興奮させない飼い主様が「静かにしなさい!」などと、叱るつもりでいても、吠えているワンちゃんとって「応援してくれている」と勘違いしてしまい、かえって吠えることを助長させてしまうことも多いようです。また、インターフォンがなったときに、飼い主様があわてて対応する様子を見て、「インターフォンがなると大変なことが起きる」と思い、吠えるようになることもあります。ワンちゃんが吠えているとき、飼い主様はなるべく落ち着いて悠然と対応することも重要です。叱るのであれば、落ち着いた低い声で叱るのが望ましいのですが、叱っても静かにならないのであれば、かえって知らん顔をしていただき、「あれ、大丈夫なのかな、ママやパパは平気そうだもん」と安心させてあげたほうがよいかもしれません。ぽん様のワンちゃんは3歳とのこと、元気一杯、若々しさと可愛らしいが同居して素晴らしいときでございますね。陽の光には、春の温もりを少しずつ感じるようになりましたがまだまだ寒さの厳しい季節は続きます。ぽん様におかれましては、くれぐれもお体ご自愛くださいませ。今後ともアニコムをどうぞよろしくお願い申しあげます。