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肝臓の値について
投稿者:桜
投稿日:2014/03/27(Thu) 14:04
No.3461
先日、去勢をするために血液検査をしたら肝臓の値が高くて去勢をすることができませんでした。くわしい血液検査をしたら、食後の肝臓の値が高いらしく、後日また血液検査をするつもりです。散歩は週3、犬用のおやつも与えています。なにが原因かまだわからないのですが、このままこの血液検査をしてもらった病院で薬などの治療も続けるべきか、違う病院で血液検査をしてもらったほうが良いのか悩んでいます。どちらのほうがいいと思いますか?また、血液検査は愛犬にとっても負担になりますか?
Re: 肝臓の値について
- 獣医師 阿部
2014/03/28(Fri) 16:40
No.3463
桜 様日ごとに暖かさを感じられるようになってきましたが、桜様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。この度はご相談を頂きまして、誠にありがとうございます。桜様のワンちゃんは、去勢手術前の血液検査で肝臓の数値が高く、去勢手術ができなかったとのことでございますね。また、詳しく血液検査を行ったところ、食後の肝臓の値が高く、後日、血液検査をされるご予定とのことでございますね。桜様のご心配なお気持ちはいかばかりかとお察しいたします。以下、順にご説明させて頂きますが、実際のご様子を拝見しておりませんので、一般的なご案内となりますことを何卒ご了承ください。肝疾患を評価する指標として、血液検査の項目では、血液化学検査(ALT(GPT)、ALP、AST(GOT)、γ-GTP(GGT)、ALB(アルブミン)、BUN(尿素窒素)、総胆汁酸、アンモニア、ビリルビン、T-cho(総コレステロール)、Glu(血糖値))などが挙げられます。その他、レントゲン検査、エコー検査などの画像診断等の結果を総合的に評価して、「経過観察を行うか」、「治療を行うか」、「さらに詳しい検査を行うか」を判断します。肝臓の状態をあらわす主な指標である、ALT(GPT)、ALP、AST(GOT)、γ-GTP(GGT)などの肝酵素は肝臓やそれ以外の組織に存在し、肝臓に障害があった際など血液中の濃度が上昇して高値を示します。一方、肝臓の機能検査というのは肝機能を評価する項目で、ALB(アルブミン)、BUN(尿素窒素)、総胆汁酸、アンモニア、ビリルビン、T-cho(総コレステロール)、Glu(血糖値)などで評価いたします。今回は「肝臓の値が上昇していた」という事なので、ALT(GPT)、AST(GOT)、ALP、γ-GTP(GGT)などの上昇だったのではないかと思います。一般的には肝細胞に障害がある場合は、ALT(GPT)のみ、あるいはALT(GPT)、AST(GOT)の両方が上昇しますが、AST(GOT)は肝臓以外に筋肉や腎臓、小腸にも存在している酵素ですので、その他の肝酵素(ALT(GPT)、GGTなど)が上昇しておらず、AST(GOT)のみの上昇だった場合は、肝臓以外の異常を検討していく必要がございます。ALPにつきましても、肝臓だけでなく、骨、胆管上皮、腸粘膜にも存在します。たとえば若齢で成長期のどうぶつの場合、成長期には骨が活発に代謝を行っているので、ALPのみが高いということもありますし、ステロイドやバルビツールなどの薬物投与によっても上昇いたします。このように、肝臓の値の上昇については、どの肝酵素がどの程度高かったのか、薬物投与の影響など、総合的に評価する必要があります。桜様のワンちゃんは、「食後の肝臓の値が高い」とのことですので、総胆汁酸、アンモニア、T-cho(総コレステロール)やGlu(血糖値)などに上昇がみられたのではないかと思われます。総胆汁酸やアンモニアは食前・食後の2検体で評価を行います。胆汁酸は、肝臓で作られ胆嚢に貯留されており、食事をすると胆汁酸は胆嚢から胆管をとおって、十二指腸に放出されます。肝機能が正常な場合には胆汁酸は門脈を経て、肝臓に吸収されますが、肝機能不全の場合や門脈シャントの場合には、胆汁酸が肝細胞に吸収されないため、食後の血中濃度が上昇いたします。アンモニアは消化管で食物由来のアミノ酸が腸内細菌により分解されて生成したり、あるいは尿素が細菌や腸管粘膜によって分解されて生成されます。肝機能が正常であれば、肝臓で代謝・解毒され尿となって排泄されます。肝疾患があるとアンモニアは代謝・解毒されずに食後の血中濃度が上昇いたします。このように、消化管から吸収した毒素となり得る物質が、肝臓で解毒されず、全身を循環することで脳へ影響を与え、神経系等に障害をきたすものを肝性脳症といいます。なお、T-cho(総コレステロール)やGlu(血糖値)に関しては、食事の影響を受けやすく食後あまり時間がたたない段階で採血を行っている場合には、高めの数値が出ることも多くみられます。正しい評価をするためにも、半日程度の絶食後検査を受けてみることが必要かと存じます。肝障害の原因となる疾患は数多くありますが、共通して見られる症状としては、「食欲・元気がない」、「嘔吐や下痢が続く」、「発育不良」、「痩せてくる」などがあり、肝障害の程度によっては「発熱」や「出血傾向(血が止まりづらい)」、「食後の神経症状(肝性脳症)」などが見られる場合もあります。また症状がないまま経過する場合もあります。何らかの原因による一時的な肝細胞の障害であれば、十分な休息と適切な食事を続けることで改善することも多くみられます。今後、気になるような症状がみられたり、肝臓の数値が高いようであれば、原因となる疾患がないかどうかを調べ、今後の治療について、かかりつけの先生とよくご相談いただければと存じます。なお、肝障害が見られる場合の食事についてですが、肝臓の負担とならず良質で消化がよい、脂肪やたんぱく質、炭水化物を適切に調整した食事が適しています。フードもおやつも、なるべく品質の良いものを選んでいただければと存じます。また、肝疾患のワンちゃん用につくられた療法食がありますので、検査結果等の状況に応じて、かかりつけの先生にお尋ねいただくことをお勧めいたします。肝疾患を評価する方法の一つである血液検査についてですが、桜様はワンちゃんの負担がどれほどのものかご心配とのことですね。血液検査はワンちゃんの静脈に採血針を挿入し、1ml〜2mlほど血液を採取いたします。少量の採血量ですので、健康なワンちゃんであれば、体への影響は少ないとお考えいただいてよろしいかと存じますが、出血が止まらなかったり、採血部位が腫れたりしたら、ご遠慮なく、すぐに動物病院のスタッフさんへご報告いただければと思います。採血は、ワンちゃんの安全を守るため、動かないように体を保定して行いますが、ワンちゃんによってはストレスを感じる場合もあるようでございます。ただし、ワンちゃんの病院での検査のご様子を、桜様が心配そうな表情でご覧になったり、かばうような様子をお見せになるとワンちゃんは余計に不安で心配な気持ちになってしまいます。「たいへんだけど、あなたを守るためには必要なことだから、しっかりとがんばりましょう」と毅然と落ち着いた穏やかな笑顔をワンちゃんにお見せいただくことで、ワンちゃんを支えていただくことが望まれます。また、獣医師さんとにこやかに談笑なさるなど、リラックスした様子をワンちゃんにお見せになられると、ワンちゃんに大きな勇気をお与えいただくことになるでしょう。採血が終わりましたら、がんばったね、とお声をかけていただければ、桜様のワンちゃんも安心かと存じます。まだ原因がはっきりしていないとのことですので、詳しい検査等での原因究明あるいは他の動物病院さんにセカンドオピニオンをお求めになられて、今後の治療について先生とご相談いただければ桜様もご安心かと存じます。季節の変わり目で、気温の寒暖差が出てきております。桜様におかれましてはくれぐれもお身体ご自愛下さい。また、ワンちゃんもどうかお大事になさって下さい。なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、しつけ相談のサービスを承っております。気がかりなことがおありの際には、ぜひご利用くださいませ。お電話番号は、あんしんサービスセンター 0800-888-8256(携帯電話・PHSからは、03-6810-2314)です。平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。今後ともアニコムを宜しくお願い申し上げます。
ダイエット
投稿者:そら
投稿日:2014/03/25(Tue) 00:11
No.3455
いつもお世話になっております。愛犬そら、、ミニチュアダックスフンドの男の子で今年で3歳にまります。今、ダイエットを考えてます。体重が7kgあります。ドックフードはヒルズダイエットを食べてます。最近やっと暖かくなり雪もとけてきたので、毎日散歩してます。散歩でダイエットできるのか教えてください。
Re: ダイエット
- ペット栄養管理士 三留
2014/03/27(Thu) 11:17
No.3460
そら 様No.3455のご相談に関しましては、NO.3456のご相談と併せてご案内をさせていただいております。何とぞご了承いただきますようお願い申し上げます。
投稿日:2014/03/25(Tue) 00:18
No.3456
先ほどご相談した。そらミニチュアダックスフンドの男の子で今年で3歳です。去勢済みです。体重が7kgありまして、ダイエットを考えてます。ドックフードはヒルズダイエットを食べてます。最近やっと暖かくなり雪もとけてきたので、毎日散歩してます。散歩でダイエットできるのか教えてください。
2014/03/27(Thu) 11:14
No.3459
そら 様厳しい冬もようやく終わりを告げ、春の花が楽しみな季節でございますね。そら様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。この度はご相談をいただきまして誠にありがとうございます。さっそくご案内をさせていただきたく存じますが、一般的なご案内となりますことを、何とぞご了承ください。そら様におかれましては、そらちゃんのダイエットを考えていらっしゃるのでございますね。ワンちゃんの体格を判断する目安として、BCS(ボディ・コンディション・スコア)というものがあり、この分類ではワンちゃんの体の皮下脂肪の蓄積状態によって5段階に分類されています。この分類では、ワンちゃんの理想的な体格は、・肋骨を皮膚の上から触ることはできるが肉眼で確認することはできない・ 上から見るとウエストのくびれを肋骨の後ろ側にみることができる・ 横からみると腹部にくぼみがある。という程度だとされています。そらちゃんのお体は、触ってみて、どのような感じでしょうか。現在どの程度の状態なのかを把握し、目標体重を設定し、定期的に体重を計測しながら進めていくと、ダイエットが上手くいくとのデータもございます。そのため、一度かかりつけの動物病院さんにご相談いただいてもよろしいでしょう。そらちゃんのお食事は、ヒルズ・ダイエットを与えていらっしゃるとのことですね。日本ヒルズ・コルゲート社からは多くの種類が販売されていますが、どの種類のフードを与えていらっしゃるのでしょうか。サイエンス・ダイエットのシリーズの中には、サイエンス・ダイエットライトという体重をコントロールしたフードも販売されているようでございます。もし、与えていらっしゃるフードが、ライトではなく、通常のタイプのお食事でしたら、体重コントロール用のフードをご検討されてもよろしいでしょう。一般的に体重のコントロールを目的にしたお食事は、繊維類を増やすことで、同じ量を摂取していても、摂取するカロリーが低くなるようにできているとされています。肥満とは、脂肪組織が過剰に蓄積された状態ですが、お食事などにより摂取するエネルギーが、運動などで消費されるエネルギーを上回った場合に生じる状態でございます。いかにエネルギーを消費するか、また消費しやすい代謝の良い体を作るかがポイントですので、お食事を工夫していただくこととお散歩などで十分カロリーを消費することを組み合わせ、生活全般で、体を動かす習慣をつけていくことが重要でございます。そらちゃんのお散歩での運動量は、現在どのくらいでございますか。体重管理を視野に入れた適当な運動量は、少なくとも一日2回、20分間、中断しないで歩くことだとされています。「中断しないで」というところがポイントですので、お散歩中に、20分程度歩き続ける状態を作っていただくことをお勧めいたします。お散歩を通して、体を動かすことを楽しむことが大切ですので、立ち止まって辺りの散策を楽しんだり、「ヨーイドン」とそら様とのかけっこを楽しむ時間を作っていただくなど、メリハリをつけて素敵なお散歩タイムを演出していただいてはいかがでしょうか。「もう歩きたくない」とそらちゃんが立ち止まったときには、そら様が少し先に行き、その場でしゃがんでいただき、「おいで」などと笑顔で誘い、そらちゃんがつられて歩いたら、「オリコウね」と褒めてあげましょう。好きなオモチャなどを利用いただくのもお勧めです。また、そら様は、お散歩中に「楽しいね」などと笑顔で声をかけていただき、お散歩をワクワクする時間だと思わせてあげることも大切でしょう。最初の数ヶ月は、大変かもしれませんが、体が慣れ、歩くことが心地良くなってくると、筋肉も増えて、安静状態で消費する基礎代謝もあがり、次第に体が引き締まり、心身ともも活性化されることが期待できるでしょう。摂取するエネルギーについては、フードやおやつなど、一日トータルで把握いただきます。あまりお食事量を制限してしまうと、常にお腹が空いて、盗み食いなどをしてしまうことも懸念されますので、フードの容袋に記載されている給与の目安量の少なくとも80%〜90%程度は確保いただき、運動量を増やしてあげることも大切でしょう。なお、フードやおやつについては、動物病院専用の療法食もあり、市販されているフードでうまく減量出来ない場合は、療法食の体重コントロール用フードで減量出来る場合もございます。ダイエットに行き詰まった時は、かかりつけの動物病院さんにご相談いただいてもよろしいでしょう。春を迎え、陽の光も明るく、やわらかでございますね。そら様とミニチュアダックスフンドちゃんが笑顔いっぱい、お元気に春を満喫されますよう心から応援いたしております。なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、しつけ相談サービスを承っておりますので、ぜひご利用ください。お電話番号は、あんしんサービスセンター 0800-888-8256(携帯電話・PHSからは、03-6810-2314)です。平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。今後ともアニコムをどうぞよろしくお願い申し上げます。
手術したのに
投稿者:Bタン
投稿日:2014/03/24(Mon) 07:33
No.3454
ビー玉ぐらいの木の玉をのんでバリウムを飲んでうつっていたから手術したのにないといわれ結局開腹してまた戻したみたいその後検査はしなくてよいでてくるのをまつしかないといわれた不信感でいっぱいです
Re: 手術したのに
- 獣医師 山田
2014/03/26(Wed) 17:52
No.3458
Bタン 様さわやかな風がそっと頬をなでる、気持ちのよい季節となりましたが、Bタン様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。この度はご相談を頂きまして、誠にありがとうございます。Bタン様のどうぶつさんが、ビー玉くらいの木の玉を飲み込んでしまい、バリウム検査、開腹手術を行ったが、異物が便に出てくるのを待つことになったのですね。Bタン様におかれましては、さぞかしご心配な事とお気持ち察し申し上げます。お問合せにつきましてご案内させて頂きますが、実際のご様子を拝見していませんので、一般的なご案内となりますことを何卒ご了承ください。どうぶつさんは私たち人間が思ってもみないものを口にしてしまうことがあります。特に1歳未満の成長期は好奇心が旺盛で様々な事に興味を示すため、飲み込んではいけないものや飲み込んだら危険なものを誤って飲み込んでしまうことが多くみられます。誤飲したものの種類や量、どうぶつさんの体格や体質によって、現われる症状や症状が発現するまでの時間、重症度は異なります。誤飲後に時間が経過してしまうと、治療が困難になる場合や症状が重くなる場合があり、場合によっては死に至ることもあるので注意が必要です。誤飲の症状は様々ですが、一般的に嘔吐や下痢、流涎(よだれ)、食欲不振、元気消失などの症状から無症状の場合まで非常にさまざまです。誤飲が疑われた場合、一般的には触診、エコー検査、レントゲン検査などで診断を行います。飲み込んだものの種類によってはレントゲンに写らないものや写りにくいものもあり、判明が難しい場合があります。このような場合にはバリウムなどを用いた造影レントゲン検査を行うこともあります。検査の結果により、便と一緒に異物の排泄を待つ場合もありますが、異物の種類や状態によっては早急に処置が必要なこともあります。処置の方法としては、催吐処置(異物を嘔吐させる処置)や内視鏡による除去、もしくは胃切開などの外科手術などがあります。「飲込んでしまった異物の種類」や「消化管内のどの部位に異物があるのか」によっても処置方法が異なってきます。催吐処置が適応となるのは、一般的に、飲み込んでから時間がたっておらず、異物がまだ胃内にあり、「吐かせて出させることができる」と判断できる場合です。一方、先端が尖っているような竹串や画鋲などを飲み込んでしまった場合は、飲み込んだ後にそれほど時間がたっておらず胃の中に異物があったとしても、吐かせることで胃や食道を傷つける危険性があるため、催吐処置ではなく外科的手術や内視鏡により異物の摘出を行います。飲み込んでしまった異物が大きい場合や、すでに胃から十二指腸に異物が流れてしまっている場合には外科手術で摘出することとなります。この度、Bタン様のどうぶつさんはビー玉くらいの大きさの木の玉を飲み込んでしまったのですね。かかりつけの病院さんでは、バリウムを飲んで異物がレントゲンに映っていたので手術を実施したけれども、手術で異物は摘出せずに、便から出るのを待つようにと言われたのですね。異物を飲んでからどれくらい時間が経過したのかという事や、バリウム検査で異物が消化管のどのあたりにあったのかという事によっても処置の方法が異なってまいります。木製のビー玉くらいの大きさの木の玉だったという事ですので、飲み込んだ直後でまだ胃の中に異物があるようであれば、催吐処置で吐き出せる可能性があります。ただし、異物を飲み込んでから時間が経過して胃内に存在していなかったのであれば、吐かせることはできませんし、胃内に存在していたとしても、どうぶつさんの月齢が若齢だった場合や体格によっては、催吐処置を行う事がかえって危険な場合もございます。Bタンのどうぶつさんの場合も、異物を飲み込んでから時間が経過していたり、吐かせる処置がかえってどうぶつさんの負担になる可能性があり吐かせる処置をなさらなかったのかもしれませんね。また、異物が腸に流れてしまい腸閉塞を起こす可能性が危惧される場合には内視鏡や外科手術で摘出を試みますが、胃腸は動きのある臓器ですので、検査を実施した時は胃の中に異物が見られていても、手術を実施した時にはすでに腸管に異物が流れてしまっていたという事もあります。異物が腸管の中に流れてしまった場合、腸のどの位置まで異物が流れているかによって、腸を切開して異物を取り出す場合と、排便から出るのを待つ場合があります。どうぶつの腸は胃に近い方の部分を小腸、肛門に近い方を大腸と呼びます。小腸はさらに十二指腸、空腸、回腸に分類され、大腸は盲腸、結腸、直腸に分類されます。小腸につながる胃の出口を幽門といい、そこから十二指腸にかけては特に異物が詰まることが多い部位ですが、空腸や回腸、大腸への移行部(回盲結腸部)にも異物が詰まる事があります。 この小腸から大腸への移行部を抜けると、幅の広い大腸になります。腸のこのような構造から、開腹した時点で異物が小腸から大腸への移行部を越えて、大腸内に入っていた場合は、異物の大きさにもよりますが排便と共に出る可能性があるので、腸を切開しない事があります。腸を切開すると、術後に絶食が必要だったり、完治するまでに時間がかかってしまうため、あえて切開しないという事もあります。あくまでも憶測となりますが、もしかするとBタン様のどうぶつさんも、開腹して確認したところ、便と一緒に排泄されるくらいのところまで異物が流れていたのかもしれません。その後、どうぶつさんの調子はいかがでしょうか。便に異物は出てきましたでしょうか。もし、元気や食欲がなく、吐いているような症状が見られるようであれば、今一度、病院の先生に診察をしていただく事をお勧めいたします。Bタン様におかれましても、どうぶつさんが木の玉をのみこんでしまい、びっくりなさったことと存じます。思ってもしないものを口にしてしまうことは、本当に多く、何でも口にしてしまうのがどうぶつさんだと思っていただき、どうぶつさんが遊ぶ場所はある程度制限していただくなどなさって、遊ばせる場所にはお口に入れて困るものを置かないようにしていただくとご安心でございますね。また、取上げようとすると夢中で飲み込んでしまいますが、日頃からお口の中の物を出すと、もっと嬉しいことがあるという経験をさせていただくとよろしいかもしれません。そのためには、日頃からお口の中の物を「出して」などという掛け声と共に、どうぶつさんがお口の中の物を出したら、「お利口」とおっしゃって、好きな物を与えていただくなどなさっておくのもよろしいでしょう。万が一、ワンちゃんが異物を飲み込んでしまった場合、または、摂取したことが疑われる場合には、とにかく早く動物病院にご連絡をいただき、ご通院されることをお勧めします。飲み込んだ物を把握することは、治療方針の目安となりますので異物が食品や薬物の場合は、内容の表示がある袋や箱を持参すると良いでしょう。また、異物の一部などが残っていれば、ご持参されることをお勧めします。治療法については摂取した異物の種類や量、摂取後経過している時間によっても異なりますので、動物病院とよくご相談いただけたらと思います。なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、しつけ相談のサービスを承っております。気がかりなことがおありの際にはお気軽にご利用くださいませ。電話番号は、あんしんサービスセンター 0800-888-8256(携帯電話・PHSからは、03-6810-2314)です。平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。一日も早くBタン様のどうぶつさんが元気になり、Bタン様やご家族様と一緒に楽しく雄護持いただける事を祈っております。今後ともアニコムをどうぞよろしくお願い申しあげます。
8歳オス猫について
投稿者:nana
投稿日:2014/03/21(Fri) 19:49
No.3453
我が家の8歳オス猫について質問させてください。家族は義母、主人、4歳と2歳の息子と私です。ここ1年程で、猫が変わってしまいました。変化の始まりとしては餌への執着が異常になりました。昔はテーブルにのることもなく、人間の食べ物に興味をまったくしめさず、餌を食べるだけでした。それが1年程前から段々とエスカレートし、子供だけでなく、大人もパンなどを持っていると、飛びかかり走り去り、袋ごと凄い勢いと早さで食べます。果物以外はなんでも食べてしまいます。 餌をあげるときも襲われそうになります。食べる時は唸りながら、貪ります。固めた油や、フライパンの油も何でもあさり、食べます。ゴミ箱、ごみ袋は全部引き裂いて撒き散らします。最近は子供のオムツも引き裂いて口に入れている事もあります。 最近現れた行動で、粗相もあります。ウンチをトイレから少し離れた所にします。オシッコはトイレにしています。餌は常に欲しがっています。回数や量を増やしても何の効果もありません。猫を閉じ込めないと、食事もできない状況になりつつあります。病気だとして、治療すれば改善されるのでしょうか。猫自身がかわいそうで、何とかしたいです。
Re: 8歳オス猫について
- 獣医師 東
2014/03/25(Tue) 18:31
No.3457
nana 様日ごとに暖かさを感じられるようになってきましたが、nana様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。この度はご相談をいただきまして、誠にありがとうございます。早速ご案内させていただきたく存じますが、実際にネコちゃんの様子を拝見しておりませんので、一般的なご案内になりますこと、どうぞご了承くださいませ。nana様のネコちゃんが、ここ1年程で食に対して異常に執着するようになり、今までは人間の食べ物に興味がなかったのに今は飛びかかって取るようになり、ご心配されているということでございますね。ネコちゃんの様子をご覧になられているとかわいそうで、胸を痛めていらっしゃるご様子で、ご心配なお気持ちお察しいたします。フードを常に欲しがっており、フードの量や回数を増やしても効果がなかったということでございますが、フードの量を増やしてネコちゃんの体重は増えているのでしょうか。あるいは、食べているのに痩せてきているでしょうか。nana様のネコちゃんのように、中高齢になってからよく食べるようになった場合には、甲状腺機能亢進症が疑われます。甲状腺とは、甲状腺ホルモンを分泌する内分泌器官です。頚部に一対ありますが、通常は皮膚の上からは触ることはできません。この甲状腺が腫瘍化したり過形成になったりすることで甲状腺ホルモンの分泌量が過剰となった状態が甲状腺機能亢進症です。人間でいうと「バセドウ病」となります。ワンちゃんよりネコちゃんに多い病気で、特に中高齢のネコちゃんによく見られます。甲状腺ホルモンは体のほとんどの組織に作用して代謝を活発な状態にするホルモンです。このホルモンの分泌が過剰になると体の代謝が常に亢進して活発な状態が続くため、様々な症状が現れます。甲状腺機能亢進症では、以下のような症状がみられることがあります。・ 食欲が異常に増すが、痩せてくる(必要なカロリー量が増えるため食欲は増すが、基礎代謝が亢進するため痩せてしまう)・ 多飲多尿になる・ 性格が変わる(例えば、活発になる、攻撃的になる、落ち着きがなくなる、など)・ 眼がランランとするようになる・ イライラして毛づくろいを過剰にするようになるため、脱毛したり、毛づやが悪くなる・ 嘔吐・下痢・ 呼吸が速くなったり、心雑音、心拍数の増加がみられる(活発になった結果、代謝や酸素要求量が増えるため)・ 腫大した甲状腺が触って分かるようになるただし、このような症状がすべてみられるのではなく、ネコちゃんによってみられる症状は様々です。甲状腺機能亢進症の診断は、血液検査による甲状腺ホルモン濃度の測定で行います。ホルモン濃度の測定と同時にその他の血液検査も行うことが多いです。仮に、甲状腺機能亢進症だった場合、治療は内科的治療と外科的治療があります。内科的治療では甲状腺ホルモンの合成を阻害する抗甲状腺薬の投与、外科的治療では手術で甲状腺を取り出す方法がありますが、それぞれの治療法にはメリット・デメリットがありますので治療が必要な場合はかかりつけの先生とよく相談することが大切です。nana様のネコちゃんは、多尿(おしっこの回数や量が多いこと)はございませんでしょうか。例えば、糖尿病になると食欲が亢進し、多飲多尿(お水をたくさん飲んで、おしっこをたくさんすること)になります。副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群とも呼ばれます)も食欲が亢進し、さらには多飲多尿などの症状も見られます。この病気はワンちゃんで有名ですが、ネコちゃんでも稀に発症することがあります。食欲が増していること以外に何か症状がないか、注意してみてあげてくださいませ。その他に、脳疾患がある場合も異常に食欲がでたり、行動の変化・性格の変化などがみられることがあります。脳疾患があるとふらつきや発作など神経症状がみられることも多いので、もし神経症状があるならすぐに動物病院で診察を受けられることをお勧めいたします。また、お腹の中に寄生虫がたくさん寄生している場合にも異常な食欲を示す場合がありますが、下痢や嘔吐なども一緒にみられることが多く、通常、食欲が亢進するほど寄生することは稀です。病気以外で食欲が増す原因としては、精神的なものも考えられます。ネコちゃんが食に執着するようになった頃に、環境に変化はございませんでしたか。精神的に不安定になっている状態でも食欲が増すこともございます。その他に、現在、投薬中のお薬はございませんでしょうか。お薬によっては、食欲が増し、いつも以上にフードを欲しがる状態になる場合もございます。nana様のネコちゃんは食に執着するあまり、固めた油を食べたり、ゴミ箱なども撒き散らすということでございますね。ゴミ箱には、ネコちゃんにとって中毒となってしまう食べ物や食べてしまうと危険な食べ物以外の物も入っているかと存じます。すでに対策をしていらっしゃるかもしれませんが、ゴミ箱やゴミ袋はネコちゃんが手の届かない場所に置く、ゴミ箱は蓋を閉めてネコちゃんが開けられないようにする、など対策が必要かと存じます。nana様のネコちゃんの食への執着は、ご案内したように、病気が原因の可能性が十分に考えられます。ネコちゃんは8歳でシニア期になってきておりますので、健康診断も含め、かかりつけの動物病院さんで診察していただくことをお勧めいたします。なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、しつけ相談サービスをご承っております。お電話番号は、あんしんサービスセンター0800-888-8256(携帯電話・PHSからは、03-6810-2314)です。平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。今はとてもご心配だと存じますが、ネコちゃんの状態が落ち着き、nana様家族の不安が少しでも軽減されますことをお祈り申し上げております。また、何か気がかりな事などがございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。今後ともアニコムをよろしくお願い申し上げます。