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無題
投稿者:ミントコちん
投稿日:2013/12/03(Tue) 13:49
No.3337
8歳になったばかりのゴールデンレトリバーの女の子ですが、最近、すっかり活気がなく、寝てばかりいます。以前なら遊んで欲しいと誘いに来たり、遊ぼうと誘うと喜んでいました。それが、全く興味を示さなくなりました。外に出ても、走ることがなく、トボトボ下を向いて歩くようになりました。8歳の大型犬はこんな感じで老いて行くのでしょうか。元のように元気になる方法はありませんでしょうか。よろしくお願い致します。
Re: 無題
- 獣医師 山田
2013/12/05(Thu) 16:54
No.3342
ミントコちん 様日に日に寒さが厳しくなってまいりましたが、ミントコちん様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。この度はご相談をいただきまして、ありがとうございます。8歳になったばかりの女の子のゴールデンレトリバーちゃんが最近寝てばかりで活気が無いことをご心配されていらっしゃるのですね。さっそくお問い合わせについてご案内させて頂きますが、実際のご様子を拝見していないため、一般的なご案内となりますことを何卒ご了承ください。獣医学の進歩や、予防意識・飼育環境の向上などにより、ワンちゃんたちの平均的な寿命は年々伸びてきています。しかしながら、老化現象は人と同じように、どのどうぶつにも起こり、老化が始まる年齢は、一般的には、小型犬で11歳、中型犬で9歳、大型犬で7歳、超大型犬では5〜6歳くらいからだと言われています。サインとしては、被毛のつやがなくなってくる、白い被毛が増えてくる、視力や聴力・筋力が衰えてくるなどがあげられます。その他、老化に伴って体の代謝率が減少することから肥満になりやすく、かかりやすい病気も増えてきます。ミントコちん様のゴールデンレトリバーちゃんは、遊びに全く興味を示さなくなったり、走ることがなく、トボトボ下を向いて歩く様子がみられるのですね。ワンちゃんも年を重ね、シニア期を迎えますと、あまり走ろうとしなくなったり、今までと興味の表し方が変わってきたりするようになります。こういった加齢による変化は、程度の差こそあれ、避けられないものです。しかし、自然な変化以外に、何らかのご病気によって、行動の変化が起こることもございます。この場合は、治療によって改善する可能性がございます。例えば、元気がなくなる疾患に「甲状腺機能低下症」がございます。甲状腺は、代謝を活発にするホルモンを分泌する器官ですが、甲状腺機能低下症で、甲状腺ホルモンの分泌が減少すると、「元気がなくなる」、「顔つきがぼんやりとしている」、「脱毛」、「肥満」、「暖かい季節でも寒がる」などの症状がみられます。この病気は高齢のワンちゃんで多いとされています。ほかにも「活気が無い」「遊ばない」「走らない」とういうような症状を示す病気は数多くございます。中でも高齢期を迎えたときの発症率が比較的高い疾患をいくつか挙げますので、ご参考にしていただけたらと存じます。1.内分泌疾患◇ 副腎皮質機能亢進症「クッシング症候群」とも呼ばれる、中高齢のワンちゃんでしばしば見られる病気です。副腎は、代謝や免疫、ストレスに関係するホルモンを分泌しています。副腎皮質機能亢進症は、この副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されることにより、多飲多尿、腹部膨満、左右対称性の脱毛、筋力の低下、嗜眠(しみん:睡眠を続け、強い刺激を与えなければ目覚めて反応しない状態)等の症状がみられます。2. 関節疾患関節に痛みがあるため、運動を嫌ったり、姿勢がしょんぼりして見えるという場合がございます。◇変形性関節症変形性関節症は関節軟骨の変化により、痛みなどの症状があらわれる進行性の関節疾患です。特に中高齢以上の大型犬に発生が多く、肘、肩、膝、股関節など様々な関節に起こります。関節周囲に、腫れや痛みなど見られ、四肢の関節に発生した場合は、痛がったり肢を引きずる(跛行)仕草や散歩を嫌がったり、歩く様子に異常がみられたりします。3. 神経疾患◇椎間板ヘルニア背骨にある、椎間板の変性により、内容物が突出して神経を圧迫・障害する病気です。過激な運動、強い外力が加わった場合や、老化が原因で起こります。椎間板が突出した位置により、影響を受ける神経が異なるため、症状は様々です。ソファーや階段の登り降りを嫌がる、動くことを嫌がる、背中を丸めてじっとしている、後肢がふらつく、麻痺や運動失調などの症状がみられることがあります。4.循環器疾患◇僧帽弁閉鎖不全老齢の小型犬での発症が多いとされる心臓の病気ですが、大型のワンちゃんでも発症します。血液の循環不全がおこるため、運動を嫌がったり、ゼーゼーといった喉につかえるような咳をしたり、激しい運動や興奮時に倒れたりするといった症状がみられることがあります。◇拡張型心筋症何らかの原因で心筋が変性して、収縮力が弱まり、血液の循環不全を起こします。大型、超大型犬種に多く見られ、元気消失、食欲低下、体重減少、運動を嫌がるなどの症状がみられます。肺に水がたまったり(肺水腫)、咳が出たり、呼吸困難をおこしたりすることもあります。このほか、免疫介在性溶血性貧血(IMHA)のような貧血を起こす病気でも食欲不振や元気喪失、疲れやすく動くと息切れをする、などの症状がみられることがあります。胃腸や肝臓、腎臓などに疾患があった場合にも、初期のころは「なんだか元気がない」という症状を示します。さて、ミントコちん様のゴールデンレトリバーちゃんのご様子が、加齢に伴う変化なのか、あるいは例に挙げたような疾患による症状なのかを判断するためには、やはり、一度、かかりつけの先生にご相談、受診なさることをお勧めいたします。検査の結果、どこにも異常が見つからなければ、ゴールデンレトリバーちゃんの行動の変化は「加齢によるもの」という可能性が高くなります。無邪気で子供の頃のゴールデンレトリバーちゃんの可愛さを残したままシニア期をお迎えになられるのですから、ミントコちん様におかれましては、何だか淋しくお感じになられているのではないでしょうか。大切に育ててきたワンちゃんが老いていくという現実を前にすると、私たち人間より、短い時間を濃密に生きるワンちゃん時間の流れの速さに戸惑ってしまいますね。ただ、老いを迎えるゴールデンレトリバーちゃんを見守ることができるということは、それだけ素敵な、長いときを共にお過ごしになられてきた証ではないでしょうか。次に、これから素敵なシニア期を迎えにあたって、次に少しでも活き活きと健康状態を保ちながら、少しでも快適にゴールデンレトリバーちゃんがお過ごしになるためのポイントをご案内いたします。1. 適度な刺激と運動 加齢に伴ってゴールデンレトリバーちゃんの表現は変わってきますが、ゴールデンレトリバーちゃんは、今までと同じように、ミントコちん様と遊ぶことを楽しみにしているのかもしれませんね。今までと変わらず、たくさん声をかけ、たくさん優しく撫ぜてあげましょう。適度な刺激をお与えいただき、お散歩などの運動を続けていただくことが活力を維持するためにはたいへん大切です。年齢を重ねるごとに段々とご家族に甘えなくなってくるようにみえることが多いのですが、無理のない範囲で、たくさん愛情を注いで、一緒に時を過ごし、一緒に風の心地良さを感じてください。ただし、関節の調子が芳しくないなど、体調の変化などがみられる場合には、一回あたりの散歩の時間を短くして頂き、散歩の回数を増やすなど、関節へかかる負担を軽減するなど、状況に応じて調節をしてあげましょう。どうしても、加齢に伴い体の様々な機能は低下してきますが、嗅覚は最後まで残ると言われております。匂いを嗅ぐことで脳を刺激することができますので、ご褒美を使用して宝物探しゲームを行うなど、ワクワクするような時間を過ごさせてあげると良いでしょう。2 お食事若い頃にくらべシニア期に入ると、一日に必要とするエネルギー量は20%ほど減少するといわれていますので、体の変化に合わせた食事内容、食事量やカロリーを調節してあげましょう。その上、シニア期のワンちゃんはどうしても億劫になり体を動かしたがらない傾向があり、肥満につながりやすくなりますので、食事量を調節してあげるようにしましょう。高齢になってもたんぱく質の要求量は変わらないといわれており、筋肉量の維持のためにも、消化の良い適量のタンパク質が必要といわれています。良質のたんぱく質を与えることは筋肉量をキープに必要なだけでなく、免疫力を付けることにもつながります。また、繊維類を多く含むことで消化機能を改善し、同じ量を食べたときに満腹感を感じるように工夫してあるシニア用のフードを検討なさるのもよろしいでしょう。抗酸化作用を持つビタミンEやビタミンC、ベータカロチン、セレンなどが強化されていたり、脂肪分やたんぱく質の代謝をたすけるビタミンB群が含まれるなど、それぞれの商品によりいろいろな工夫がされていますので、ゴールデンレトリバーちゃんの状態にあわせてお選びいただければと存じます。年齢にあわせたフードに移行する際の注意点ですが、ウンチの状態をみながら、変更する食事内容への割合を少しずつ増やしていきます。食欲がないときには、「ドライフードに缶詰のスープをかける」、「トッピングを加える」などで、食欲を刺激することもよろしいでしょう。加齢に伴い消化能力も若いときと同じようにはいかなくなることもあるかもしれませんが、一回の食事量を減らして回数を増やしていただくとよろしいでしょう。食欲が落ちたりした場合には、嗜好性が高まるように工夫していただくのも方法の一つです。また、ワンちゃんはお食事のときには下を向いて食べることになるのですが、首に痛みを感じている場合などには食べるのが辛そうであったり、上手く食べられないようなときはお食事台を用意してあげたり、食器を持ち上げてあげた状態で食べさせてあげても良いでしょう。2. 生活環境の見直し加齢してくると足腰が弱ってきます。ソファーへ上がろうとして失敗したり、ケガをしたりすることもありますので、なるべく段差のない環境を作ってあげる事が大切です。例えば、スロープを取り付けたり、ソファーの前に踏み台などを用意して階段状にしたりするなどの方法がございます。また、視力が弱くなってきた場合、物にぶつかったりしてしまいますので、ぶつけたら危ない部分には軟らかい素材の物で覆ったり、危険なものを片付けていただくとご安心です。だんだん横になることを好む傾向がありますので、からだに当たる部分が柔らかく、清潔を保てる素材の寝床を用意してあげることも良いでしょう。体温の調節機能はシニアになると段々低下しますので、ワンちゃんも年齢を重ねる毎にだんだん寒さに弱くなってきますが、ちょっと暑い、寒い、というときも動くのが面倒でそのまま寝ているということもあるようですので、快適な気温・湿度が保てそうな場所とスペースを確保していただけたらと思います。ゴールデンレトリバーちゃんは8歳になったばかりとの事ですので、これからもずっと、末長くミントコちん様やご家族様と一緒に楽しく穏やかな生活を過ごしていただくよう心から応援いたしております。なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、しつけ相談サービスを承っておりますので、ぜひご利用くださいませ。お電話番号は、あんしんサービスセンター 0800-888-8256(携帯電話・PHSからは、03-6810-2314)です。平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。朝夕冷え込む季節になりましたので、ミントコちん様もどうぞお身体に気をつけてお過ごし下さい。今後とも、アニコムをよろしくお願い申し上げます。
粗相
投稿者:のんのん
投稿日:2013/12/03(Tue) 12:03
No.3336
子猫ミックス3か月♀1.6kgお兄ちゃん猫2歳ミックスと調子よく遊んでいたら突然私のベッドで粗相(うん○)をして、片づけていたらこんどはおしっこをしてしまいました。子猫は叱らないで「トイレまで我慢できなかったのね。」「今度はトイレでしようね。」と撫でました。うちに来てまだ10日目、やっとおにいちゃんにも慣れて仲良く遊んでいたのに凹みます。遊びに夢中でトイレを忘れたのでしょうか?今までトイレの失敗はありませんし、保護主さん宅でもトイレは使いこなしていたそうです。トイレは清潔で4個ありこの子猫が好んで使うものにはお兄ちゃん猫は使いません。この先、トイレが上手にできなくなるとか、何かの病気なのでしょうか?
Re: 粗相
- アニコムカウンセラー 能登
2013/12/03(Tue) 16:49
No.3340
のんのん様クリスマスの彩りに街並みが華やぐ頃でございますが、のんのん様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。このたびはご相談をいただきまして誠にありがとうございます。早速ご案内させていただきますが、一般的なご案内となりますことをご了承くださいませ。のんのん様の子ネコちゃんが、遊んでいる途中でベッドにウンチをして、片付けている間にオシッコをしてしまったとのことでございますね。ネコちゃんは繊細ですので、些細な環境の変化等であっても、いつもしていたトイレでしなくなることがあります。ネコちゃんがトイレ以外のところでするようになるきっかけとして、主に以下のようなものが挙げられます。1. トイレの砂などの環境が変わった2. トイレの場所が「人の出入りが多い」などの理由で落ち着かない3. 同居しているどうぶつへの縄張り意識、対抗意識4. トイレに嫌な思い出がある5. ご家族の生活のリズムなどに変化があったネコちゃんのトイレは、ご高承のように、一般的に「ネコちゃんの頭数プラス1個以上が望ましい」といわれています。のんのん様は2頭のネコちゃんにトイレを4個ご用意されているとのことですので、トイレの個数は十分かと存じます。しかしながら、先住ネコちゃんがよく利用するトイレと隣同士であったり、トイレが先住ネコちゃんの姿がいつも見える所にあったりすると粗相につながることもあります。トイレの砂(目の粗さや材質など)やタイプ(蓋の有無など)も含め、今一度、子ネコちゃんがトイレを気に入っているかを見直していただければと存じます。のんのん様がおっしゃるように、遊びに夢中であったのかもしれませんし、気持ちが良くて、思わずしまったのかもしれませんね。基本的にトイレですることは分かっていても、ネコちゃんの中には、布団やソファ、クッションなど、フワフワとした所での排泄を好む子はたいへん多くいます。出来れば、布団での排泄がお気に入りにならないように、物理的に布団のある場所に行けないようになさるか、ビニールシートなどネコちゃんがあまり好まないタイプのカバーを布団にかけておくのもよろしいかもしれません。なお、粗相をすると構ってもらえると思う子もいます。今回は、叱らずに優しく声をかけられたとのことでございますが、粗相をしてしまったことに気付いたときは声をかけたり、叱ったりはなさらず、そっと片付けてしまいましょう。ネコちゃんは比較的スムーズにトイレを覚えるといわれておりますが、迎えられて10日目ということでございますので、しばらくの間は、1日数回トイレのある場所まで優しく誘導し、上手にトイレで排泄ができたときに「お利口ね」と声をかけて褒めてあげましょう。また、膀胱炎や尿路結石などの泌尿器疾患においても、トイレ以外の不適切な場所での排泄がみられることもございます。そのような疾患にかかっていないことを確認するために、念のため、ついでの折にでも、一度動物病院さんにご相談されるとご安心かと存じます。なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、しつけ相談のサービスを承っております。気がかりなことがおありの際には、ぜひご利用くださいませ。お電話番号は、あんしんサービスセンター 0800-888-8256(携帯電話・PHSからは、03-6810-2314)です。平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。日々、寒さが増しておりますが、のんのん様とネコちゃんたちがお元気に楽しくすごされますよう心よりお祈り申し上げます。今後ともアニコムをよろしくお願いいたします。
生野菜について
投稿者:アルファ
投稿日:2013/12/02(Mon) 15:40
No.3335
チワワ♀(1歳6か月、体重2.8kg)、Mダックス♀(1歳6か月、体重5.2kg)です。手のひら大の生キャベツを、1日2〜3枚ほど与えています。いろいろ調べた結果、結石等になりやすいと書かれておりまして、心配しているのですが、どうでしょうか。ちなみに2匹とも大好きで、よく食べます。キャベツ以外では、茹でた人参、かぼちゃ(1cm程の大きさ)を毎日ではありませんが、約10個程、生の白菜も芯の部分を中心に同様の量をあげています。お忙しい中申し訳ありませんが、ご意見をお聞かせ願えれば幸いです。
Re: 生野菜について
- ペット栄養管理士 三留
2013/12/03(Tue) 16:38
No.3339
アルファ 様クリスマスのイルミネーションが街を彩る頃ですが、アルファ様におかれましてはいかがお過しでしょうか。この度はご相談を頂戴いたしまして誠にありがとうございます。チワワちゃんとMダックスちゃんの好物のキャベツの結石等への影響についてご心配をなさっているとのことでございますね。早速ご案内をさせていただきたく存じますが、一般的なご案内となることをご了承くださいませ。尿石症は尿路結石症ともいわれますが、尿に含まれるリン、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル成分が結晶化し、腎臓、膀胱、尿道などの泌尿器で結石となるために様々な症状を引き起こします。尿がアルカリ性に傾くことでできるリン酸アンモニウムマグネシウム結石(ストラバイト結石)はワンちゃんで最も一般的な結石です。ストラバイト結石に次いで発生しやすい結石はシュウ酸カルシウム結石であり、尿が酸性に傾くとできやすくなります。結石の形成については、細菌の尿路感染、食事の種類や飲水量の減少、遺伝的素因などが関与していると言われています。アルファ様のワンちゃんたちが大好きなキャベツだけではなく、お野菜は全般的に、カルシウム、リン、カリウム、マグネシウム、鉄などのアルカリ性のミネラル分が多く含まれています。先にご案内をさせていただいた通り、結石の形成にはお食事以外のたくさんの要因が関係してはいますが、継続して過剰にお野菜を与え続けると尿がアルカリ性に傾き始め、結晶が出来る可能性はあるかと思いますので、特定のお野菜の継続的な摂取はお避けいただいたほうが望ましいでしょう。もちろん、キャベツには健康維持にとってプラス面も多いので、与え方を工夫いただければと存じます。与える分量は、チワワちゃんとMダックスちゃんのお体の大きさにあわせ、今与えていらっしゃる分量より、もっともっと少なくてもよろしいかもしれません。また、お与えになるお野菜もキャベツは時折にしていただき、アルファ様の食卓に上がる旬のお野菜をほんの少し、取り分けていただき、いろいろなものを与えていただいてはいかがでしょうか。お野菜以外にも、時には、お魚やお肉などでもよろしいでしょう。アルファ様が与えていらっしゃるカボチャやニンジンは、抗酸化作用の高いβカロチンも豊富ですし、とても良いお野菜でございます。キャベツは消化酵素を含んでいますので本来は生で摂取するのが望ましいと考えられます。しかしワンちゃんは生野菜を食べると消化不良を起こすこともありますので、刻んでお与えいただいたり、湯がいてお与えいただいた方が望ましいこともあります。同様に白菜も生ではなく、できれば湯がいて刻んでお与えいただいたほうがよろしいでしょう。毎日の便の状態をチェックしていただき、もしも軟便がでているような時にはお野菜はお控え頂くと良いでしょう。また、キャベツはアブラナ科のお野菜なのですが、アブラナ科のお野菜には甲状腺のヨウ素を取り込むことを抑制するゴイトロゲンという物質が含まれています。したがいまして、甲状腺腫などの病気を予防するためにも、キャベツなどのアブラナ科のお野菜を継続的に多く摂取することは、お避けいただいたほうがよろしいでしょう。なお、キャベツに含まれるゴイトロゲンはほんの微量ですので、それほどご心配いただかなくてもよいとされております。ちなみに、アブラナ科のキャベツ以外のお野菜には、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、菜の花、カブ、白菜などが挙げられます。なお、血尿などの明らかな症状がなくとも結石が形成されることもあるため、安心してお野菜をお与えいただくためには、念のため尿検査をしていただくのもよろしいでしょう。もしも尿検査で結石の元になる結晶成分が認められたら、現在のお食事の内容を再度検討していただく必要があるかもしれません。なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、しつけ相談サービスを承っておりますので、ぜひご利用くださいませ。お電話番号は、あんしんサービスセンター 0800-888-8256(携帯電話・PHSからは、03-6810-2314)です。平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。チワワちゃんもMダックスちゃんも元気いっぱい、毎日を楽しんでいらっしゃいますでしょうか。アルファ様とワンちゃんたちの笑顔いっぱいの毎日を応援いたしております。今後ともアニコムをどうぞよろしくお願い申し上げます。
アレルギー食について
投稿者:ちい
投稿日:2013/11/26(Tue) 13:24
No.3166
マルチーズ3歳です。以前、手足をよく舐める事でご相談し、その後、アレルギー検査をしましたら、穀物系のアレルギーを持っていました。今は、推奨のドッグフードを食べています。質問なのですが、アレルギーを調べてもらった項目にりんご、サツマイモ、キャベツがありませんでした。これらについてはどうなのでしょうか?実は うちの子の好物なので。別に調べてもらった方がいいのでしょうか。ジャガイモはOKでした。また、検査会社の推奨ドッグフード以外に、手作りのドッグフードも試したいと思っていますが、かかりつけの先生は 大手のドッグフード会社の方が、研究をかさねているからおすすめだといわれます。ご意見をお聞かせ願えれば幸いです。ただ、舐めるのは完全にやめていません。ストレスというか、基本的に舐めるのが好きな子なので・・・構って欲しいときに舐めることもあるようです。
Re: アレルギー食について
2013/11/28(Thu) 12:07
No.3313
ちい 様暦の上では冬を迎え、吹く風の冷たさも鋭さを増しておりますが、ちい様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。この度はご相談をいただきまして、ありがとうございます。3歳のマルチーズちゃんのアレルギーについてのご質問でございますね。さっそくお問い合わせについてご案内させて頂きますが、一般的なご案内となりますことを何卒ご了承ください。アレルギーとは、特定の原因物質(アレルゲン)に対して体内の免疫機構が過剰に反応して、体に有害な作用が起こる状態のことを言います。ワンちゃんのアレルギーで多い抗原としては、食物、ハウスダスト、花粉、ノミなどがあります。症状として多いのは皮膚症状で、特に皮膚の柔らかい部分の痒みや発赤、湿疹などがよく見られます。食事が原因のアレルギーでは皮膚症状と同時に外耳炎や、嘔吐、下痢などの消化器症状をひき起こす場合もございます。ちい様のマルチーズちゃんも手足をよく舐めるというアレルギーの様な症状があり、アレルギー検査をされた結果、穀物系に反応が出たと言うことでございますね。アレルゲンを特定するためには、パッチテスト、皮内反応、血液検査などの様々な検査方法があり、血液で調べることのできるアレルギー検査には次のようなものがあります。1. アレルギーの強度を調べる検査アレルギー反応の発生時に血液中に増えるリンパ球を検出することで、アレルギー反応が起こっているかどうかを調べます。数値で表すことにより、反応の強さを調べることができます。原因となるアレルゲンを特定できませんが、現在起こっている症状がアレルギー反応によるものかを確認したり、あるいは治療の効果を確認する際にも行います。2. IgE抗体を調べる検査血液中のIgE抗体を調べることで、何に対してアレルギーを持っているかを調べます。環境中のアレルゲン(花粉やハウスダストなど)や食物アレルゲンを同定するために行います。なお、IgE抗体の上昇がはっきりとあらわれないタイプのアレルギーについては用いることができません。血液を用いてのアレルギーの検査として最も行われている検査です。※IgE抗体とは 体内に異物が入ってくると、それを防ぐために血液中に様々な種類の抗体と呼ばれるタンパク質ができます。アレルギーに密接に関係する抗体がIgE抗体です。3. リンパ球反応検査食物アレルギーのワンちゃんでは、IgE抗体ではなく、リンパ球によるアレルギー反応も関与している場合があります。リンパ球を介した反応を調べることにより食物アレルゲンの同定を行うことができます。なお、アレルギー検査につきましては、「どうぶつ相談室」にもご案内がございますので、よろしければご参考になさってください。検査について知ろう!その4 「アレルギー検査」http://www.anicom-page.com/labo/2012/11/post-456.html 、検査について知ろう その2 「特殊な血液検査」http://www.anicom-page.com/labo/2012/09/post-450.html食物アレルギーの治療は原因となる食物を除去した食事に変更することが重要となってきます。つまり、食事療法の目的は、「アレルゲンを避けてアレルギーの発症を防ぐこと」となります。その為には、上述のようなアレルゲンを特定する「アレルギー検査」が必要となります。ちい様のマルチーズちゃんは、しっかりと検査をなされて、その結果「穀物系」に反応があることが分かり、アレルギー反応を引き起こす「穀物系」が除去されている療法食を食べて、アレルギー症状が出ないようにコントロールしていらっしゃるのですね。今回のご相談は、検査結果の項目にマルチーズちゃんの大好物なリンゴ、サツマイモ、キャベツの記載がなく、これらの食材を与えても大丈夫かどうか、またこれらの項目を検査した方が良いのかとご心配をなさっているのでございますね。食事療法では、アレルギー反応が出る食材を極力避ける必要性がありますが、もう一つ重要な事として『交差反応』と言われるものがあります。例えばですが、ちい様のマルチーズちゃんが「人参」に反応あった場合、人参ではなく「リンゴ」を食べたときにアレルギー反応が出たりすることがあります。これは「人参」と「リンゴ」のアレルゲンの構造分子が似ているために起こる反応で、抗体が「人参」と「リンゴ」を識別できないから起こり、これを「交差反応」と言います。この交差反応アレルゲンは大変複雑で、すべての交差反応が解明されているかというとそうではないのが現状です。現在、報告されている交差反応の例としては、雑草のヨモギに反応がある場合、人参、セロリ、リンゴ、キウイ、メロンなどに交差反応があると言われております。また、ブタクサという雑草に反応がある場合には、メロン、スイカ、セロリ、バナナ、キュウリ、レタス、トマト、リンゴ、ズッキーニなどに交差反応があると言われております。ちい様のマルチーズちゃんは「リンゴ」「キャベツ」「サツマイモ」が大好物との事ですが、もし万が一、「ヨモギ」や「ブタクサ」「人参」にアレルギー反応があるのであれば、リンゴを食べた場合にも交差反応でアレルギー症状がみられる可能性があるので控えていただいた方が良いかと存じます。ただ、ちい様のマルチーズちゃんの好物である「キャベツ」と「サツマイモ」の交差反応についてもお調べしましたが、詳細については分かりかねず、お力になれずに申し訳ございません。しかし、このような交差反応がありますので、食事療法を行っている間は、なるべく他のものは与えないようにしていただいた方がよろしいかと存じます。ただ、おやつが全く無いとなると、マルチーズちゃんも悲しくなるかと思いますので、療法食をおやつやご褒美として与えたり、アレルギー検査で問題が無いとはっきりとわかっている野菜や果物をご選択いただく事をお勧めいたします。ちい様におかれましては、今後手作りフードも試していきたいとお考えなのですね。かかりつけの先生には、フード会社の製品の方が研究を重ねているからおすすめだと言われており、そのあたりも悩まれていらっしゃるのですね。近年、フードを手作りされる方も増えてきているようです。ペットフード、手作りごはんそれぞれにメリット、デメリットがあると思いますが、一般的によく言われるのは次のようなことではないでしょうか。■ ペットフードについて1.メリット(1)どうぶつ種、ライフステージに合わせた適切な栄養が手軽に摂取できる。(2)調理をする習慣のない飼い主さんでも、栄養面で安心できる食事を与えることができる。(3)保存しやすい。(4)必要な食事療法に適した療法食を選択できる。(5)ペットホテルなどに預ける際など、飼い主さんが食事を与えられないときに困らないで済む。(6)毎日同じ食事を与えることで便の状態(固さや色など)が一定となりやすく、便の状態の変化で体調の変化を知ることができる。また、食いつき具合で体調を知ることができる。2.デメリット(1)保存料、添加物などに対する心配(2)使用している食材の品質に対する心配(3)加熱加工処理した食材や人工的に添加した栄養成分に対する不安■ 手作りごはんについて1.メリット(1)自分の目で選んだ安心、安全な食材を利用することができる。(2)生の食材や旬の食材から自然の栄養素を摂ることができる。(3)どうぶつの好みや体調に合わせて作ることができる。2.デメリット(1)信頼できるレシピが少ない(2)それぞれのどうぶつ種やライフステージに必要な栄養素をバランスよく摂取できる食事をつくるのが難しい。(3)手間がかかる。(4)保存がきかないので、長期的にホテルに預ける時などに不便。(5)嗜好性が高いので、次にドライフードを与えようとしたとき、食べなくなってしまう可能性がある。(6)病気ごとに適した食事の信頼できるレシピが少ないので、病気にかかったときに、食事療法を行うのが難しい。(7)材料や調理の仕方によって、食いつきや便の硬さや色が変化するため、体調の変化に気付きづらい。ペットフードがよいのか手作り食がよいのかについては、飼い主様や獣医師、メーカーさんなどによってそれぞれいろいろな考え方や意見があります。長期的に寿命や病気の発生率などについて、ペットフードと手作り食で比較したような研究があるわけでもなく、現在のところ、どちらが絶対に良いというだけの根拠はおそらくないかと思います。上に挙げたようなそれぞれの食事のメリット、デメリットをよく検討していただき、ワンちゃんの健康状態や性格、好み、飼い主様のライフスタイルなどに合った方を選んでいただくと良いのではないかと思います。また、これは私個人の所感となりますが、手作りフードに関しては、与える材料が目に見えるという安心の反面、栄養バランスを取るのが難しいという点、ホテルに預けた際や何か災害時など、新鮮な材料が手に入らなくなる可能性などをもございますので、できれば療法食をご利用いただくのが良いのではないかと思います。特にアレルギー疾患の場合は、アレルゲンとなる食材を極力使用していない療法食を利用することで、症状の悪化を抑えたり、アレルギーの治療薬の投薬量を減らすことができるかもしれません。どうぶつと飼い主様の双方の負担を減らすという意味でもとても大きな役割を果たしてくれるのではないかと考えます。ちい様のマルチーズちゃんは療法食を試されていても、手足を舐める事が完全にはなくなっていないのですね。構って欲しいときに舐めていることもあるようですので、舐めることでちい様の気をひこうと思っているのかもしれませんね。アレルギーを持っているワンちゃんは、皮膚のバリア機構が弱く、刺激物質や細菌などの微生物、アレルゲンなどが皮膚に侵入しやすい状態になっていて、皮膚トラブルを起こしやすくなっている場合がありますので、舐めている部分の皮膚に炎症や赤みなどがないかご確認いただき、皮膚炎の症状がみられるようでしたら、かかりつけの先生に診察していただく事をお勧めいたします。朝夕冷え込む季節になりましたので、ちい様もどうぞお身体に気をつけてお過ごし下さい。なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、しつけ相談サービスを承っておりますので、ぜひご利用くださいませ。お電話番号は、あんしんサービスセンター 0800-888-8256(携帯電話・PHSからは、03-6810-2314)です。平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。今後とも、アニコムをよろしくお願い申し上げます。
- ちい
2013/11/29(Fri) 17:37
No.3332
回答ありがとうございました。とても詳しくて、感激しています。そうだったんですね。リンゴあげてました。反省します。処方されたドッグフードで健康生活をめざします。本当にありがとうございました。
2013/12/02(Mon) 14:52
No.3334
ちい 様この度はご丁寧にご返信をいただきまして、誠にありがとうございます。マルチーズちゃんの大好きなリンゴなども控えなければならず、ちい様におかれましては、もどかしい思いをされていらっしゃるとは思いますが、ちい様の大きな、深い愛情が実を結び、アレルギー用の療法食で、症状が出ないようにコントロールが出来ると良いですね。ちい様とご家族様、そしてマルチーズちゃんが健やかに、毎日楽しい時間をお過ごしになられますよう、お祈りいたしております。また何かございましたらお気軽にご相談下さい。今後ともアニコムをどうぞよろしくお願い申し上げます。
耳の脱毛
投稿者:水野
投稿日:2013/11/27(Wed) 21:15
No.3182
3歳♀猫MIXです。8月中旬頃に右耳のかゆみがあり掻把による脱毛がみられました。以前にも同様の症状があり処方されたリンデロンVGで症状の軽快みられたため今回も自己判断にてリンデロンを塗布していました。かゆみは治まってきたものの発毛してくる様子がなかったため10月初旬に受診しました。真菌等は認めずかゆみも治まってきているようなので様子をみるようにいわれました。その際にステロイドの塗りすぎで毛根がダメになりこのまま毛が生えてこないかもしれないとも言われています。それから1か月ほど経過しましたが脱毛部位が黒っぽく色素沈着してきているようです。これは日光刺激によるものなのでしょうか?(日中は日当たりのよい窓辺にいることが多いです)だとすれば扁平上皮癌等の発症がとても心配なのですが・・・。ただの発毛段階の皮膚の変化なのか判断がつかず相談させていただきました。またやはりステロイドの塗りすぎでこのまま毛が生えてこない可能性は高いですか?その際対策として刺激な少ない日焼け止めクリームの塗布は有効でしょうか?参考として画像を添付させていただきます。よろしくお願いいたします。
Re: 耳の脱毛
- 水野
2013/11/27(Wed) 21:49
No.3186
すみません、画像を添付するのを忘れました。耳の状態としては耳垢もなくかゆみもありません。皮膚は凹凸のない状態です。
2013/12/02(Mon) 14:49
No.3333
水野 様日に日に寒さが厳しくなってきましたが、水野様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。この度はご相談をいただきまして、ありがとうございます。3歳の女の子のネコちゃんの右耳の脱毛についてのご質問でございますね。さっそくお問い合わせについてご案内させて頂きますが、一般的なご案内となりますことを何卒ご了承ください。水野様のネコちゃんは、今年の8月頃に右耳の痒みに伴い脱毛が見られたのですね。以前にも同様な症状があり、その時と同じ塗り薬を使用して経過を見たところ、痒みは落ち着いてきたようだけれども、脱毛部位の被毛が生えそろわない状態が続いているのですね。また、脱毛部の皮膚が黒っぽく色素沈着しているようで、その原因が日光によるものなのか、使用した塗り薬の影響なのか、ただの発毛段階の皮膚の変化なのか判断がつかないため、ご不安を抱いていらっしゃるのですね。被毛は一定の周期で発育と脱毛を繰り返していますが、脱毛の状態とは、一般的に発毛が見られない状態のことを言います。表皮が内側に筒状に入り込んだ最も底の部分を毛包といい、毛の元となる毛母細胞が集まって盛んに分裂していくことで毛を成長させていきます。(この被毛の周期を発育周期と言い、成長期→退行期→休止期を繰り返しています。)成長期には毛根から徐々に新しい毛が伸び、古い毛を上に押しあげていきます。個々の被毛の毛周期は異なり、常に適正な被毛が保持される仕組みとなっています。 被毛の伸長には温度や日照時間、屋内の照射などの環境要因が関与するといわれております。一般的に毛周期は、短毛の子で短く、長毛の子で長いと言われています。また、トップコート(上毛)やアンダーコート(下毛)といった毛の種類や体の部位によっても様々となっています。脱毛の原因は一般的に「毛周期の異常」「毛包が病的な状態である場合」「自傷または外傷によるもの」などが考えられます。また、被毛に糸状菌(しじょうきん)の感染などがあると被毛が弱くなり、どうぶつが引っ掻く行動ですぐに被毛がちぎれてしまうこがあります。この様な場合、被毛は生えてきているが、毛がちぎれており「裂毛(れつもう)」と言われる状態で、見かけは脱毛しているようになります。脱毛なのか、被毛が薄く見えるだけなのかは、難しい判断となりますので被毛の検査が必要となります。さて、水野様のネコちゃんのように、耳の後ろが脱毛している場合は、外耳炎などを起こし、耳が痒くて後肢で耳の周囲を掻いているうちに脱毛していることが多くございます。痒みから後肢で耳を引っ掻く行動が続いている間は、被毛が擦れてちぎれてしまうので、被毛が薄い状態がいつまでも続いてしまいます。水野様のネコちゃんは、耳の中が汚れていたり、赤く腫れているようなことはありませんでしょうか。外耳炎が認められないようでしたら、その他の原因も考えられますが、脱毛をひきおこす可能性のある疾患は多岐にわたります。下記に代表的なものを記載させていただきます。1.外部寄生虫(疥癬など)疥癬(かいせん)はヒゼンダニ類というダニが皮膚に寄生することで起こる皮膚病のことをいい、どうぶつに激しい痒みをもたらします。主に、顔や耳に皮膚炎をおこし、脱毛と激しい痒みがみられます。そのため、ネコちゃんは爪で病変部を引っかき、出血したり化膿してしまったりすることがあります。2. アレルギー性皮膚炎アレルギー性皮膚炎とは、アレルギー症状を起こす原因物質(アレルゲン)によって、ネコちゃんの体の中の免疫機構が過剰に反応するために生じる皮膚炎のことをいいます。アレルゲンの種類には蚊、ノミやハウスダスト、花粉や食物などがあります。元々毛が他の部位より薄いため、ネコちゃんでは耳が特に蚊にさされやすい部位です。蚊に刺されることが多い夏から秋かけて症状が出ることが特徴的です。皮膚の痒みが主な症状で、ネコちゃんが体をしきりに舐めたり噛んだり、後肢でひっかいたりする行動が見られます。症状が進行すると脱毛や小さな発疹が見られます。 3. 皮膚糸状菌症皮膚真菌症の発症には、どうぶつの免疫力が関与しています。免疫力が低い子犬・子猫での発症や、抵抗力が落ちているときの発症が多い病気です。また、毛の生え変わる時期(換毛期)や、被毛が活発に発育する時期にも感染が起きやすいようです。症状は全身にみられますが、顔や四肢に発症することが多く、円形の脱毛がみられます。また、フケを伴うことが多く、細菌の二次感染が起こるまでかゆみはあまりありません。4. 日光過敏症強い紫外線にあたることによって皮膚炎になる病気で、高齢の白いネコちゃんがなりやすい傾向があるといわれています。日光に含まれる紫外線が原因と考えられていますが、詳しい発症のしくみは分かっていません。紫外線が強い夏期によく発生します。頭部、特に毛の少ない耳や目、口の周りに皮膚炎がおき、脱毛や皮膚の赤みの症状の程度はさまざまですが、進行するとただれたり潰瘍ができます。5. 内分泌性疾患(甲状腺機能亢進症など)甲状腺は、のどの気管の両脇にある組織で、甲状腺ホルモンを分泌する内分泌器官です。甲状腺ホルモンは体の新陳代謝をコントロールするはたらきがあります。中高齢のネコちゃんでは甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気がときどきあります。よく食べるのに痩せてくる、異常に活発になるなどの症状が一般的ですが、まだらに脱毛する症状が出るネコちゃんもいます。(水野様のネコちゃんは右耳だけの脱毛症という事なので、このご病気の可能性は低いのではないかと思います)6. 免疫介在性疾患(天疱瘡など)天疱瘡(てんぽうそう)は、人をはじめワンちゃんやネコちゃんなど多くの哺乳動物でまれに発生する自己免疫性(※)の皮膚疾患です。病変がみられる部位や症状に基づいて、落葉(らくよう)性天疱瘡、紅斑(こうはん)性天疱瘡、尋常(じんじょう)性天疱瘡、増殖(ぞうしょく)性天疱瘡に分類されます。落葉性天疱瘡では主に眼瞼(がんけん=まぶた)、鼻梁(びりょう=鼻筋)、耳介(じかい)、肉球や指の間に小さな水疱や瘡蓋(かさぶた)ができ、皮膚炎が続くことで脱毛も認められます。重傷になると全身の皮膚に症状がみられることもあります。※自分の組織を抗原として体が抗体を作り(自己抗体)、自分の組織を攻撃してしまうことによる疾患が自己免疫性疾患です。7. 薬物療法(外用剤、注射など)糖質コルチコイド(ステロイド剤)などの注射や外用薬を使用した際、患部に脱毛が見られることがあります。自然に発毛することが多いですが、発毛までに時間がかかったり、被毛の再生が不完全な場合もございます。8. 心因性皮膚炎(神経性皮膚炎)過剰なグルーミングや自らの被毛を舐めたり咬んだり引っ張ったりすることで脱毛が見られます。環境のストレスや不安など心理的な要因によりおこると考えられています。ネコちゃんが自分でグルーミングしやすい、腰や後肢(太もも、内股)に多く認められます。持続的に舐めることで、脱毛だけでなく、潰瘍や炎症を起こすことがあります。水野様のネコちゃんはかかりつけの先生に診察していただいたところ、真菌等の異常は認められないので、脱毛の可能性として「ステロイド剤の影響」とお話があったのですね。かかりつけの先生がおっしゃる通り、糖質コルチコイド(ステロイド剤)などのお薬を使用した場合、皮膚に脱毛が見られる場合がございます。その場合、発毛までにかなり時間がかかったり、完全には発毛を認めない事もございます。水野様のネコちゃんにおかれましては、約一か月様子をみていただいているとのことですが、これから少しずつ発毛が見られる可能性もあるかもしれませんので、もう少し様子をみていただけたらと思います。また、ネコちゃんの脱毛部の中央に色素沈着が見られるとの事ですね。色素沈着は元々の体質である先天性のものと、加齢や皮膚疾患が完治した後におこる後天性のものがあります。水野様のネコちゃんの今回の色素沈着は、皮膚疾患に伴う後天的なものではないかと思います。ただし、色素沈着と共に脱毛が少しずつ広がりを見せていたり、痒がりや発赤、フケが増えて臭うようなことがあれば、ステロイド剤による脱毛以外の皮膚疾患の可能性もございますので、もう一度かかりつけの先生に脱毛の状況を診ていただく事をお勧めいたします。紫外線は表皮内のメラノサイトで産生されるメラニン(黒褐色の色素)によって皮膚の内部へ到達するのを阻止されています。紫外線は皮膚の炎症を引き起こすだけでなく、自己免疫性疾患の発症や症状の悪化に関係したり、発がんの可能性もございます。したがって、紫外線の遮断のためには皮膚のメラニンが重要なはたらきを担っています。人では紫外線の防御は主にメラニンですが、ワンちゃんやネコちゃんは被毛とメラニンにより行われます。ですから、白い色のどうぶつでは被毛の少ない耳や目、口の周りに皮膚炎がおき、脱毛や皮膚の赤みの症状が現れると言われています。予防は、できるだけ紫外線を避けることです。特に紫外線の強い春先から秋口にかけては、できるだけ室内や日陰での生活がよいでしょう。窓ガラスをUVカット化のものを利用していただくのも方法でしょう。また、ネコちゃんがお外に出る場合には、紫外線があたりやすい耳先や鼻先に低刺激性のUVカットやサンスクリーンを使う方法もございますが、その場合には必ずかかりつけの先生の指示に従って使うことが必要です。朝夕冷え込む季節になりましたので、水野様もどうぞお身体に気をつけてお過ごし下さい。なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、しつけ相談サービスを承っておりますので、ぜひご利用くださいませ。お電話番号は、あんしんサービスセンター 0800-888-8256(携帯電話・PHSからは、03-6810-2314)です。平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。今後とも、アニコムをよろしくお願い申し上げます。