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膝蓋骨脱臼手術について

投稿者:ナナ

投稿日:2012/06/05(Tue) 00:17

No.1376

現在8歳のビーグルです。ずっと手術を勧められているのですが、ずっと元気に走り回っていたの必要性を感じていませんでしたが、先日、とうとう決断を考えさせられるようになりました。朝の散歩では、元気に走り回っていたのに午後急に元気が無くなり横になるのも辛いのかお座りのままただじっとしていました。
 翌日獣医さんで痛み止めを打ってもらい今は落ち着いています。落ち着くとこのまま様子見でもいいのか?と思ってしまいます。
 やはり手術は必要ですか?
 早めの方がいいというのは何故ですか?
 手術をしてもまた走ったり、山に登ったりできますか?

Re: 膝蓋骨脱臼手術について

- 獣医師 松井

2012/06/07(Thu) 14:38

No.1386

ナナ 様

この度はご相談をいただきまして誠にありがとうございます。
ビーグルちゃんの膝蓋骨脱臼の手術についてお悩みとのことでございますね。
早速、お問い合わせにつきましてご案内させていただきますが、
実際のご様子を拝見しておりませんので一般的なご案内となりますことを
何卒ご了承ください。

<膝蓋骨脱臼について>
膝蓋骨脱臼は膝関節にある膝蓋骨(膝のお皿)が正常な位置の内側、
または外側に外れてしまう疾患です。
膝蓋骨脱臼の症状は、無症状な状態から歩くことが困難になってしまう状態までと
幅が広く、その程度(グレード)により次のように4つの段階に分けられています。
・グレード1
ご家族の方でも気づかないことが多く、健康診断などの触診の際に診断されることが多い
ようです。症状は無いことがほとんどですが、たまにスキップのような歩き方をする
ことがあります。脱臼しても自然と正常な位置に戻り、痛みはほとんどありません。
・グレード2
通常は膝蓋骨が正常の位置にありますが、膝を曲げると脱臼をします。
日常の生活で時々脱臼を起こすようになります。また、軽度の骨の変形が見られること
もあります。痛みはあまり伴わないようですが、このままの状態を放置することで、
膝蓋骨自体の表面や滑車溝(膝蓋骨が通常はまる溝)が削れてしまったり、
膝蓋骨を支える靱帯が伸びることになってしまい、グレード3へ進行することもございます。
・グレード3
常に脱臼している状態です。指で押すことで整復できますが、またすぐに脱臼を起こします。
跛行も顕著となり、骨の変形も明らかになってきます。
・ グレード4
常に脱臼をしている状態で、指で押しても正常な位置には戻りません。歩き方は
常に膝を曲げてうずくまるようになったり、地面に足を最小限しか着けられなく
なります。骨の変形もさらに重度となります。

<治療について>
膝蓋骨脱臼に対し、手術すべきかどうかは臨床症状の有無、犬種、年齢、体重、
その他併発疾患の有無などに基づいて判断されます。
ナナ様におかれましては、ビーグルちゃんの手術のタイミングについてお悩みとのこと
でございますね。一般的にはグレード2以上のものが手術適用とされますが、
小型犬のワンちゃんでは、軽度の脱臼であり、また疼痛や機能障害や関節炎がなければ、
手術ではなく、内科治療で経過観察をする場合も多くみられます。
明らかな臨床症状を示す場合には他の要因に関わらず手術を考慮する必要があります。
早期の手術が薦められる理由は、脱臼が長期にわたって膝に負担をかけた結果、骨や関節軟骨、
靱帯に重度の変形が表れますと、手術によって完全な機能回復が不可能となる可能性が
あるためです。
ビーグルちゃんは昨日散歩のときに辛そうなご様子がみられたものの
痛み止めの注射を接種後はいつものように元気になさっていらしゃるとのこと、
まずはご安心でございますね。
ビーグルちゃんのように、常に疼痛を示すわけではなく、
鎮痛剤等を常時使用しなくても通常の日常生活が不自由なく送れているようなケースでは、
手術をせずに経過観察を行うこともございますが、
頻繁に鎮痛剤を使用しなければならないような状態を繰り返す場合には、
手術が勧められることが多いようです
手術の必要性や有効性については、グレードや個々の状況により異なりますので、
手術に際するワンちゃんへの負担など、ご心配な点についても併せて
ビーグルちゃんの病状をよく把握していらっしゃるかかりつけの先生と
今一度よくご相談されることをお勧めいたします。

<術後について>
術後の歩行については、一般的には数週間から1、2ヶ月ほどで安定する場合が多い
ようですが、回復までの期間はそれぞれのワンちゃんごとで異なってまいります。
術後しばらくは過度な負担を避けるために、過剰な運動を制限します。
走ることや、山登りなどにつきましては、お子様の筋力の回復状態などを見ながら
かかりつけの先生にご相談していただければと存じます。

また、以下、膝蓋骨脱臼の症状を悪化させないために気をつけていただきたい点について
ご案内させていただきます。
術後の過度な負担を避けるためにご注意いただきたい点につきましても同様ですので、
ご参考にしていただければ幸いです。

1.体重を増やしすぎない
体重の増加は膝の関節に負担をかけます。
ただし、痩せさせ過ぎて筋肉を落としてしまうと逆効果のこともあります。
膝に負担をかけない適度な運動で、筋肉を維持しながら体重管理をしましょう。

2.室内では滑らないような工夫をする
フローリングの床はすべりやすく膝に負担がかかります。
すべり止めのワックスをしたり、マット等を敷くなどの対策をしましょう。
また、足裏の毛が伸びてくると滑りやすくなりますので、こまめにチェックしましょう。

3.ジャンプや過度の運動を避ける
ジャンプや激しい運動は膝に負担がかかります。
ピョンピョンと飛び跳ねたり、ソファーなどを昇り降りすることは避けましょう。
急な方向転換も、膝に無理な力がかかりますので要注意です。
膝蓋骨脱臼のワンちゃんでは、膝をねじる動きをしたときに膝に大きな負担が
かかることがあります。ビーグルちゃんはうれしいときなどにくるくる回ることが
多いようですが、それも状況によっては、膝に負担をかける可能性があるかも
しれませんので、注意していただいた方がよろしいでしょう。
また、お散歩は、すべらない、段差のないところをまっすぐゆっくり歩くように
するとよいでしょう。

ナナ様におかれましては、関節のためのサプリメントをご利用いただいているとの
ことでございますね。関節の保護に役立つものと思われますので継続していただくのが
よろしいかと存じます。ビーグルちゃん、どうぞお大事になさってください。
気温の変化の激しい時期でございますのでナナ様におかれましてもお身体大切に
お過ごしください。

なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、しつけ相談
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お電話番号は、あんしんサービスセンター 
0800-888-8256(携帯電話・PHSからは、03-6810-2314)です。
平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)
土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。
今後とも、アニコムを何卒宜しくお願い申し上げます。



犬と人の相性

投稿者:マイチ

投稿日:2012/06/02(Sat) 13:32

No.1371

いつもお世話になっております。
うちの犬について悩みがあります。
うちのこは人が好きでよくなでてもらおうと
寄っていきますが、犬嫌いな人もいるので
相手の様子を見ながらなでてもらいます。
その時、匂いをかいで最初はシッポをふっていくのですが
なにかのきっかけなのか唸りだしますw
そして、あぶないので引き離そうとすると
かじりそうになり吠え出したりします。
なにが原因かわかりません。
何度か会っている人でも1度そういうことがありました。
もちろんしつけの悪さなのはわかっていますが、
人によって違う態度を見せるのは相性の問題なのか。
なにか原因があるのでしょうか?
いつもなでてもらったりしている間ビクビクします。
宜しくお願いします。

追伸

- マイチ

2012/06/02(Sat) 13:38

No.1372

すいません。
書き忘れました。。。

うちのこはボーダーコリーの雄で
1歳7ヶ月です。



Re: 犬と人の相性

- ドッグライフカウンセラー 三留

2012/06/05(Tue) 15:43

No.1382

マイチ 様

この度はご相談を頂戴致しまして、誠にありがとうございます。
初夏の陽射しに緑が美しい頃ですが、マイチ様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。 

この度はご相談をいただきまして誠にありがとうございます。
早速ご案内をさせて頂きますが、
一般的なご案内になりますことを何卒ご了承下さいませ。

お話のご様子からはマイチ様のボーダーコリーちゃんが楽しそうに青空の下を
お散歩中している様子が目に浮かぶようでございます。
1歳7ヶ月とのことですので、元気いっぱいでございますね。

さて、ボーダーコリーちゃんのお散歩のときの
人に対するご様子に戸惑っていらっしゃるとのことでございますね。
マイチ様がおっしゃるように、人にも相性がありますが、
ワンちゃんと人であっても、同様でございます。
特に、ワンちゃんは、その場の空気を読む力にたいへん長けたどうぶつですので、
私たちには気付かない、人の持つ雰囲気を察知しているのかもしれません。
また、飼い主さんがリラックスしているか、緊張しているかなどの
様子により、相手の方とリーダーである飼い主さんとの関係を読むことも
ワンちゃんの行動の変化の要因であるかもしれません。

また、人のことが大好きなワンちゃんであっても、お散歩中に知らない方やあまり馴染みの
ない方に触られるということはワンちゃんにとっては緊張の伴うことかもしれません。
特に頭の上や後ろから急に手が出てくるような撫で方には強く反応するのが普通ですので、
注意が十分に注意をしてあげましょう。
お散歩中に撫でてもらうときの注意点を以下、ご案内させていただきますので
参考にしていただければ幸いでございます。

1.マイチ様が堂々と、相手の方と親しげにする
「大丈夫かしら」と心配しながら、不安げな表情をマイチ様がなさっていると、
ボーダーコリーちゃんも、相手の方に対して、警戒心を強めることもあるでしょう。
ゆったりと、堂々としていただき、落ち着いた表情を見せていただくことが望ましいでしょう。
立ち話をなさるときなど、できればボーダーコリーちゃんのリードを足で踏むなどなさると
ボーダーコリーちゃんの行動の変化にあわてなくてもよろしいかもしれません。

2.撫でてもらうときはボーダーコリーちゃんを座らせる
ワンちゃんは座っているときは、通常、落ち着いていますので、撫でてもらうときは、
オスワリと指示に従わせ、座った状態で撫でてもらうようにしましょう。
また、指示に従わせるということは、マイチ様がボーダーコリーちゃんを守るという雰囲気
を作ることにもなりますので、何かにつけ、指示を出して、従ったら良いことがある、
と思わせる習慣をつけるとよろしいでしょう。

3.相手の方に注意を促す
ボーダーコリーちゃんが警戒心を抱いたり、びっくりしないように撫でてもらうことが大切です。
例えば、マイチ様がしゃがむと、それにつられて相手の方もしゃがんで
いただけるかもしれません。
そのような状態で、まず相手の方の手をボーダーコリーちゃんに嗅がせていただいたり、
手を出す方向も、ボーダーコリーちゃんがびっくりしないようなところから、
頭の上や尻尾や足先などの体の先端などの急所には触らないように
してもらいましょう。

4.飼い主様が自信満々な表情でいる
お散歩は群れの移動をもいわれますが、群れのリーダーであるマイチ様がいるから
安心だと思わせることが大切です。叱るときの声は低くて落ち着いた声で
褒めるときは、明るくて楽しげに、安心して着いていけば安心だと思わせてあげましょう。


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土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。

時節柄、マイチ様におかれましては、お体ご自愛いただき、
ボーダーコリーちゃんとの素敵な毎日を楽しんでください。
今後ともアニコムを宜しくお願い申し上げます。



僧帽弁不全症のフード選びについ...

投稿者:

投稿日:2012/06/01(Fri) 15:13

No.1370

いつも、お世話になっております。
当家、6月で10歳になるチワワ♀のフードについて教えてください。
昨年10月、喉に果物が詰まり緊急で受した病院で心臓に雑音が聞こえるとのことで、検査をすると僧帽弁不全症初期であることが判明しました。只今、血管拡張のお薬を処方され加療中です。先生の助言によりフードも療法食に切り替えました。
この療法食は酸化防止剤として【BHA】を含んでおります。

今までの食事は、良質のオーガニックフードを与えておりましたので、原材料に家禽や発がん性物質(人間は禁止)を含んでいるような粗悪なフードは避けたいのですが、療法食となると素人の私には探しようもなく、困っております。

出来れば、犬の食事を研究されているドクターに、心臓病の犬にも与えられる、オーガニックフードを教えていただければと思います。

宜しくお願い致します。

Re: 僧帽弁不全症のフード選びに...

- 獣医師 岸田

2012/06/05(Tue) 15:28

No.1380

森 様

この度はご相談を頂きまして、誠にありがとうございます。
僧帽弁閉鎖不全症初期のワンちゃんのお食事についてのご相談でございますね。
お問合せにつきましてご案内させて頂きますが、実際のご様子を拝見しておりませんので、
一般的なご案内となりますことを何卒ご了承ください。

僧帽弁閉鎖不全症のワンちゃんに勧められる食餌療法は、病気の進行具合によって異なります。
それぞれの病期において、一般的には次のようなことが推奨されております。

ごく初期の段階で、心雑音は認められるが心不全の症状(運動に耐えられない、咳、呼吸困難、
食欲不振、ひどくやせている)は認められず、画像診断において心臓肥大などの所見が
認められない段階においては、塩分やカロリーの摂りすぎに注意するなど一般的な注意の範囲で
良いとされることが多いようです。

症状は認められなくても、画像診断において明らかな心臓肥大が認められる段階(※)になると、
賛否両論あるようですが、多くの先生が次のような食事療法を行うことを推奨されています。
内容としては、次の2つが挙げられます。
1.軽度のナトリウム制限 
2.適正な体重を維持するためにタンパク質とカロリーを十分に含む食事を与えること
※心臓肥大は僧帽弁の逆流によって心臓に負担がかかっていることを示唆しています。

心不全の臨床症状が認められる段階になると、食餌療法の必要性はかなり高くなります。
内容は以下のようなことが挙げられます。 
1.体重減少(筋力の減少)を抑えるためカロリーを十分摂取できるようにすること
2.重度の腎不全を併発していないかぎり、十分な量のタンパク質を摂取できるようにすること
3.ナトリウム摂取の適度な制限
4.適切な電解質バランスの維持

また、心不全に関連して食欲低下や体重減少の認められるワンちゃんでは、
EPAやDHAなどのω3不飽和脂肪酸の有効性についての可能性も指摘されており、
積極的な摂取を推奨される先生もいらっしゃるようです。

森様のチワワちゃんはかかりつけの先生から僧帽弁閉鎖不全症の初期と診断された
とのことでございますね。
心臓病ということでとてもご心配されていることと思いますが、
初期の段階で病気を発見し、適切な時期に治療を開始することは、
今後の病気の進行を遅らせるためにとても重要なことですので、
早期に発見できたことはとてもよかったと思います。

食餌療法を勧められたとのことでございますが、
初期の段階と言うことですので、まだ気になるような臨床症状が見られていない段階であれば、
食餌療法として必要な内容としては、「軽度にナトリウムを制限しながら、適切な体重を維持しておくこと」
ということだと思います。

心不全の症状が進んでくると、循環不全から体内に水分がたまりがちになり、
浮腫が起こったり血圧が上がったりして心臓にさらなる負担をかけることになります。
それを防ぐためにナトリウムの摂取制限を行いますが、
初期からの過度のナトリウム制限はかえって良くないことがわかってきており、
心臓病の進行具合によって、ナトリウムの制限度合いの異なった療法食の種類を選択していく必要が
あります。森様のチワワちゃんのかかりつけの先生は、チワワちゃんの僧帽弁閉鎖不全症の
進行具合から、最も適切な段階の療法食をお勧めになったのだと思います。

また、心臓病用の療法食は、段階に応じてナトリウムが制限されている他に、
適正体重を維持するために低ナトリウムでもおいしく食べられるように嗜好性を高める工夫が
されていることや、心臓機能の維持に必要とされるビタミンやミネラルなどの栄養素が適切に配合
されているという特徴があります。

森様におかれましては療法食に酸化防止剤である「BHA」が含まれていることをご心配され、
心臓病のワンちゃんにも与えられるオーガニックフードを探していらっしゃるとのことでございますね。
ドッグフードに含まれる酸化防止剤の「BHA」ですが、ラットで高用量投与された場合に
発がん性が認められたものの、ワンちゃんやそれ以外の動物での発がん性は認められておらず、
また、ドッグフードに添加される量はごく少量であることから、
ワンちゃんには安全であると考えられているようです。
天然の酸化防止剤が使われているものもございますが、BHAなどの酸化防止剤と比べると
効果が小さいため長期間の保存という点では悩ましい点でもあるようです。
ドッグフードを保存させるためには、フードの中の脂質が酸化することによる肝毒性や発がん性、
フードにカビが生えるカビ毒が健康にあたえる被害を防ぐため、
何らかの形で酸化防止剤を使わざるを得ないようですが、
どのようなことを優先すべきかということは、また難しい点でございます。
天然の酸化防止剤を利用した商品を選ぶ際にはなるべく小袋のものをご購入いただき、
極力新鮮なフードを与えていただくことが理想的です。
また、フードの保存に際しては、なるべく空気に触れさせないように密封して、日の当たらない
風通しの良い場所に保存し、短期間で食べきっていただくなど、十分注意していただくことが必要
だと思います。

さて、心臓病の犬にも与えられる、オーガニックフードについての具体的なご案内をご希望とのことで
ございますが、多くのワンちゃんで臨床試験を行い効果が認められて販売されている、
一般的な動物病院で扱われている療法食以外のものとなりますと、
心臓病のワンちゃんに安心して与えられるものかどうかの詳細な情報を
弊社では持ちあわせておりませんので、詳しいご案内は出来かねます。
お役に立てず申し訳ございません。

心臓病のワンちゃんに与えられる療法食で「BHA」を使用していないもので、
一般的に動物病院で扱っている療法食には数種あるようでございますので、
こちらにつきましても、実際にワンちゃんの様子をご覧いただいている先生に
ご相談なさってお選びいただくようお勧めいたします。

また、もう一つの選択肢として、ワンちゃんが現段階でそれほどナトリウムを制限する必要がない
ようであれば、おやつやご褒美などの間食で塩分をとらないように気をつけた上で、
療法食以外の安心して与えられるフードの中でできるだけ心臓病に配慮してあるもの(シニア用など)
を選んでいただくことも可能かもしれませんので、この点につきましても、かかりつけの先生と
ご相談されてみてはいかがでしょうか。
あるいは、それぞれのメーカーさんに「心臓病の初期で、軽度のナトリウム制限と体重の適切な維持が
必要なこと」をお話して、適切なフードがあるかどうかをお問い合わせいただくとよろしいかもしれません。

食事療法というのは治療の一つで、状態によってはとても効果があることですが、
食事は毎日のことですし、基本的には、「おいしく楽しく食べられる」ということが一番大事だと思います。
そのためには、「飼い主さんが安心して与えられる」というのはとても重要な要素だと思いますので、
よくご検討され、ご納得された上で選択していただければと思います。

また何か気がかりなことがございましたらご相談下さい。
アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、しつけ相談
サービスを承っておりますので、ぜひご利用くださいませ。
お電話番号は、あんしんサービスセンター 
0800-888-8256(携帯電話・PHSからは、03-6810-2314)です。
平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)
土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。

今後ともアニコムをよろしくお願い申し上げます。



尿道結石

投稿者:サイケント

投稿日:2012/06/01(Fri) 12:44

No.1369

病院でヒルズの結石を溶かすご飯缶を購入したのですが、どうしても食べてくれません。温めても、好きなふりかけを使っても逃げて食べてくれません。このままだと手術になってしまいます。注射とか何か違う方法はないのでしょうか?あれば病院と相談して治療していきたいのですが。

Re: 尿道結石

- 獣医師 羽鳥

2012/06/05(Tue) 09:16

No.1378

サイケント 様

この度はお問い合わせを頂戴致しまして誠に有難うございます。
尿道結石の治療のために始めた処方食に口をつけてくれず、治療が進まなくて悩んでいらっしゃる
ということでございますね。
様々な工夫をされても上手くいかないとのこと、ご心配なお気持ちお察しいたします。
早速頂戴しましたご相談についてご案内させて頂きますが、実際のご様子を拝見しておりませんので、
一般的なご案内になりますことを何卒ご了承下さい。

尿石症は尿に含まれるミネラル成分が結晶化し、尿道や膀胱、腎臓などの泌尿器で結石となるため、
血尿や排尿障害、発熱や食欲不振などの様々な症状を引き起こす病気です。
ワンちゃんやネコちゃんでは、ストラバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム結石)が一般的に多くみられ、
次に多くみられるのがシュウ酸カルシウム結石です。その他にもシスチン、尿酸塩結石など様々な
種類の結石があり、結石の性質にあった治療を行うことが必要になります。

これらの結石の中には、ストラバイトやシスチン、尿酸塩結石など、食事療法を含めた内科療法で
結石を溶解することが期待できるものと、シュウ酸カルシウム結石のように溶解できないものとがあります。
サイケント様のお子様は現在結石を溶かす処方食で治療を行われているということなので、
前者の結石にあてはまるものと思われます。

このような溶解できる性質の尿石の場合、尿路閉塞がなく、緊急の外科処置が必要ではないケースでは、
まず内科療法による結石の溶解と尿路感染に対する治療を行います。
尿石症が起こる原因としては体質や尿路感染、飲水量の低下などが考えられますが、
食事の種類も原因の一つといわれており、結石の性質に適した処方食の給与を行うことは
内科療法のメインの治療の一つとなっています。
また、適した処方食を給与することにより、尿石の溶解に適した尿のphに調節することができ、
結石を形成しやすい成分を制限することなどができるため、処方食の給与は尿結石によって
有効な方法となっています。

しかしながら、今まで食べ慣れているフードがあったり、嗜好性の高いご飯やおやつを食べていた
場合などでは、処方食を食べてくれずに治療が進まず、悩んでしまうケースは多くあります。
また、処方食の給与と尿路感染に対する治療を行っていても効果がみられない場合もあり、
これらの場合には、結石の種類によっては、尿のphを調整する薬剤の投与や、
サプリメントの併用を行うことで効果が期待できることがあります。

また、結石ができた部位や数、大きさによっては、尿の生成を増加させることによって
尿中に結石が排泄されるように促すこともあります。
その場合には、点滴や利尿剤の投与、水分摂取量を増加させるなどの対処法を行います。

現在試していらっしゃるフードは缶詰ということですので、ドライタイプのフードより
水分摂取量が多くなるため、尿の生成増加という点では、缶詰のご飯を食べてくれることは理想的といえます。
また、水飲み場を増やす、水に肉のゆで汁などを添加して風味付けするなどで飲水量を増加させる方法もあります。
また、ドライフードを食べさせる場合には、ふやかして与えて頂くことで飲水量を増加させることができます。
水に何かを添加する場合には摂取させてもよいものかどうかを、かかりつけの先生にご相談下さい。
また、水に添加をすることで腐敗しやすくなりますので、衛生面でもご注意いただければと思います。
なお、処方食の治療を受けられる場合にはおやつを始め食事全般の管理を行うことが重要です。

サイケント様のワンちゃんの場合も、「現在与えていらっしゃるお食事を摂取しないので
困っていらっしゃる」ということをかかりつけの病院さんにご相談いただき、
今の状況に適した方法をお選びいただくとよろしいのではないでしょうか。

サイケント様のワンちゃんは療法食を食べてくれないとのご様子ですが、以下のような方法で食べるようになる
場合もございます。
1.他のメーカーのフードも試して見る
結石の種類により適したフードは異なりますが、他のメーカーでも同様の効果が期待できる
フードが出ていることがあります。お子様の好みに合わせて試してみてはいかがでしょうか。

2. 今までのフードと混ぜながら与えてみる
理想的には処方食のみ食べてほしいところですが、どうしても無理な場合には、
初めは今までのフードと混ぜつつ与え、徐々に処方食の量を増やして慣らしていくという方法もあります。
この場合、好みのフードのみを選んで食べてしまわないよう、しっかり混ぜて頂くなどご注意下さい。
なお、食事制限をされている場合は混ぜていいものかどうかは、かかりつけの先生の相談するように
して下さい。

3. ある程度の期間は根気よく処方食を続けてみる
どうぶつもお利口なので、食べないでいれば美味しいご飯が出てくるといことが分かってしまって
口をつけないケースもあります。また、もともと食の細い子であれば、ご飯自体に執着がなく、
更に好みのご飯でなければ食べてくれないという場合もあります。
そのような場合には、15〜30分程度で食事を食べないようであればお食事を下げてしまい、
お食事が出てきた時に食べないと困るということを学習させます。
どうしても食べる量が少なくて心配な場合には1〜2時間後に再度お食事の時間を作ってもよいでしょう。
どうぶつの種類や状態にもよりますが、ワンちゃんの場合であれば数日間お食事を摂取しなくても
問題がないことがほとんどですが、ネコちゃんの場合は絶食は好ましくありません。
また、元気がない、衰弱しているなどの状態によっては絶食が不適切な場合もありますので、
気がかりの場合には獣医師に判断を仰ぎましょう。

雨の合間にのぞく太陽はもう夏のような日差しですね。雨の季節が過ぎれば、
お出かけの楽しい夏がやってきます。
お子様の状態が1日も早く改善し、素敵な夏を迎えられますよう、
アニコムスタッフ一同お祈り申し上げております。

今後ともアニコムをどうぞよろしくお願いいたします。



フード難民です

投稿者:ももんが

投稿日:2012/06/01(Fri) 12:42

No.1368

いつもお世話になっております。

我が家の愛犬(Mix♀2歳4.4kg避妊済)のフード選びについての相談です。

現在、胆泥症で約1年前から毎月通院しています。
その間に泥が無くなったのは1度だけで、それ以外は毎日投薬の日々です。
胆泥発覚前、脂肪が高めのフードを与えていましたが、真逆の低脂肪フードに切り替えました。
が、なかなか治りません。

アレルギーも持っており、牛・鶏・小麦粉がダメなので、フードはフィッシュ系です。

また、時々レタスやブロッコリー、豚ガム、しつけ教室でのご褒美のおやつ(米粒くらいの市販のさつまいもふりかけ)を与えてます。

今、成犬一般食のドライフードを与えておりましたが、総合栄養食の方が良いのでしょうか?

それともアレルギーより胆泥を治す為、療養食に切り替えた方が良いのでしょうか?

Re: フード難民です

- 獣医師 岸田

2012/06/05(Tue) 09:08

No.1377

ももんが様

この度はご相談を頂きまして、誠にありがとうございます。
胆泥症で治療中のワンちゃんのお食事についてのご相談でございますね。
お問合せにつきましてご案内させて頂きますが、実際のご様子を拝見しておりませんので、
一般的なご案内となりますことを何卒ご了承ください。

胆泥症とは、胆汁が変質し泥状になったもの(胆泥)が胆嚢に貯留した状態をいいます。
ワンちゃんでは、胆嚢炎や内分泌疾患(甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症など)
に伴って胆汁の性状が変化し胆泥症となることが多いようです。
治療法としては、胆汁の生成を促して胆汁の流れをよくしたり、
胆嚢からの胆汁の排泄を促したりする目的で利胆剤が使われます。
胆嚢炎や内分泌疾患(甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症など)に伴う胆泥症の場合には、
原因となる疾患の治療が必要となります。
胆泥の貯留により胆嚢が腫大したり胆嚢壁がもろく破裂しやすい状態になっていたり、
総胆管閉塞の危険が高い場合には、外科的に胆嚢を切除する手術を行うこともあります。
原因となる疾患がなく、特に症状を示さず、肝障害なども伴っていない場合には、
治療をせず経過観察を行うことも多いようです。

ももんが様のワンちゃんは、1年ほど前より毎日の投薬治療を行い、
低脂肪のお食事を与えていらっしゃるけれども、胆泥がなくならないとのことですね。
胆泥症の予防には、高カロリー、高脂肪の食事を避けることと、
栄養バランスのとれた食生活をすることが大切だと言われております。
低脂肪であるというだけではなく、炭水化物やタンパク質など、それぞれの栄養のバランスが
重要でございます。
現在ワンちゃんに与えていらっしゃるお食事は、低脂肪だけれども、「総合栄養食」ではなく
「一般食」ということでしょうか。
ドッグフードの「総合栄養食」とは、主食としての栄養をすべて満たしているもので、
「一般食」はそれを満たしていない、嗜好性をあげることなどを目的としたものとなります。
栄養バランスという面で考えると、主食として与えるのは
「総合栄養食」と記載されているフードの方が適切であると言えます。

胆泥症のワンちゃんには低脂肪で栄養バランスのよい総合栄養食か療法食を与えて
いただくのが安心だと思いますが、
ももんが様のワンちゃんは牛・鶏・小麦粉のアレルギーも持っていらっしゃるとのことで、
悩むところでございますね。
牛・鶏・小麦粉を使ったフードを食べると、アレルギー性の皮膚症状や消化器症状が出てしまう
のであれば、それらのアレルゲンはできる限り避けるのが原則です。
牛・鶏・小麦粉を使っていない、低脂肪の総合栄養食や療法食があれば最も理想的だ
と思いますが、そのようなものが見つからないようであれば、どちらの病気を優先させる必要があるか
を考えることが必要です。

状況にもよりますので一概には申し上げられませんが、
胆泥はたまっていても少量であれば特に臨床症状を引き起こさず、
身体に悪影響を及ぼさずに長期間経過することもございます。
現在のところ胆泥の増加傾向が見られていたり、肝障害を伴っていないようであれば、
胆泥を全くない状態にすることではなく、
胆泥を増やさないこと、胆泥がたまっているために起こってくる二次的な障害(肝障害など)を
起こさないようにすることを目標として、
治療の方針を考えていただくことも可能ではないかと思います。
そうはいっても、状態によって、胆泥症は胆嚢破裂や胆管閉塞など、急性に重篤な状態になるリスク
もかかえているため、決して軽視してよい病気というわけではございません。
そのために、それぞれのワンちゃんで、食餌療法をどこまで徹底させる必要があるのか、
経過を見ながらよく検討していく必要があります。
特にももんが様のワンちゃんのように食物アレルギーをお持ちの場合、難しい選択となります。

アレルギーを重視してアレルゲンを含まない食事にするか、
胆泥症を重視してアレルゲンを含むけれども低脂肪の食事にするかは、
胆泥の貯留状態やアレルギーの病状にもよって変わってきますので、
現在のワンちゃんの病状を一番よく把握していらっしゃるかかりつけの先生にご相談いただき、
経過をよく見ながら検討していくのが一番だと思います。
いずれを選択するにしても、
胆泥の増加傾向がないかどうか、二次的な肝障害などが起こっていないか、
胆道閉塞や胆嚢破裂など急激な病態の悪化の可能性がないかどうかを定期的にチェックして、
状態の変化をできるかぎり事前に察知できるような対策をしていくことが重要でしょう。

また、近年では、特に臨床症状や合併症がなくても、
長期的に胆泥がたまっているケースや内科療法に反応しない場合には、
胆道閉塞や胆嚢破裂など重篤な状態になることを事前に予防するために
胆泥症の外科手術を積極的に行っているような病院さんもあるようです。
アレルギーとの兼ね合いで食事療法や内科的管理での維持が難しい場合には、
そのような方法も選択肢の一つと言えると思います。

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