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無題

投稿者:水野

投稿日:2014/08/02(Sat) 01:19

No.3627

4歳の雑種のメス猫です。
3歳の時血液検査にてBUN37、Cre2.0で療法食を開始しております。
6月下旬より口唇炎の症状があり抗生剤、抗炎症剤の服用(ビクタス2T・分2、朝・夕、プレドニン5r0.5T朝食後)しておりますが、なかなか完治せず現在まで3週間以上服用中です。
腎機能の方が心配だったため尿検査を依頼したところ潜血(+)ストラバイト結晶(+)PH7.0で尿石症、膀胱炎とのことで食事をPHコントロールの療法食に変更するよう勧められました。
腎臓への影響が心配だとお伝えしたところヒルズのc/dを試してみるよう指示をいただきました。
血液検査にてBUNは22〜24ですがCreが一年前が1.5、1月1.9、6月2.1とやや上昇傾向です。
頻尿や排尿時の不快な様子等は見られず、手持ちのウロペーパーでは潜血反応はマイナス、ただPH7.0です。
このような場合、やはり尿石症の療法食を優先して摂取すべきでしょうか。
腎臓の療法食で比較的安定していたため食事を切り替えるのに不安があります。
またプレドニン服用の腎機能への影響はどの程度ものなのでしょうか。今回の用法、用量は気にするほどのものではないでしょうか?
ちなみに尿比重については何もおっしゃられなかったため問題なかったのだと思います。
まとまりのない文章でわかりずらく恐縮ですがご意見いただければと思います。よろしくお願いいたします。

Re: 無題

- 獣医師 山田

2014/08/05(Tue) 13:56

No.3630

水野 様

蒸し暑い日が続いておりますが、
水野様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
この度はご相談をいただきまして誠にありがとうございます。
早速ご案内をさせていただきますが、実際のご様子を拝見しておりませんので、
一般的なご案内になりますこと、何卒ご了承ください。

水野様のネコちゃんは腎臓の数値が少し高く、腎臓病用の療法食を開始している
のですね。尿検査を実施したところ潜血とストラバイト結晶が出ており
「尿石症」と「膀胱炎」とのことで、お食事をpHコントロールや
c/dを試してみるように勧められたのですね。
水野様におかれましては、元々の腎蔵の数値のこともあり、
尿石症の療法食を優先して食べさせるべきか、お悩みなのですね。

腎臓は1.尿の生成、2.ネコちゃんの体の中で不要になった老廃物や毒素を
尿の中に排出、3.ホルモンの分泌、などを行っている臓器です。
この腎臓が障害を受けて十分に機能しなくなると、ネコちゃんは
多飲(お水をたくさん飲む)や食欲不振、嘔吐など、さまざまな症状を
引き起こします。この状態を「腎不全」といいます。
すでに破壊されてしまった腎臓の組織は、回復することはないので、
病気は徐々に進行していきます。
治療は病気の進行を遅らせるための内科的治療や食事療法がメインとなってきます。
内科的治療としては、血液中の老廃物や毒素を体外に排出させることが
治療の主体となります。
腸管内毒素を便として体外に排泄させるような吸着剤や腎臓の機能が悪くなることに伴う
高血圧(腎高血圧)をふせぐために降圧剤などの内用薬を投与する場合もあります。
また、腎臓の負担を軽減させるために食事療法が推奨されます。
タンパク質の多い食事は尿毒症を引き起こす老廃物の素となるため、その量を
制限することと良質なものを与えることが重要です。
また、リンやナトリウムについても制限が必要となりますので、
腎不全用の療法食は特別にタンパク質やリン、ナトリウムの含有量を調整したもの
になっております。


慢性腎臓病の進行具合は、IRIS; International Renal Interest Society(アイリス)分類
というものが用いられます。この分類は血液検査のCRE(血漿クレアチニン)の数値を
元に4つのステージに分けます。
・ステージ1
血漿クレアチニン濃度:1.6mg/dl未満 
非窒素血症、尿濃縮能力の低下、腎層の形態的な異常、蛋白尿
・ステージ2
血漿クレアチニン濃度:1.6〜2.8mg/dl 
非窒素血症〜軽度腎性窒素血症、臨床症状は欠如〜軽度
・ステージ3
血漿クレアチニン濃度:2.9〜5.0mg/dl 
軽度〜中等度腎性窒素血症、様々な臨床症状
・ステージ4
血漿クレアチニン濃度:5.0mg/dl以上 
重度腎性窒素血症(→末期腎不全)、最終的には腎移植が必要

このIRIS分類からいくと、水野様のネコちゃんはステージ2なのかと思われます。
この時期は、臨床的な症状はあまり見られない時期ですが、
症状が出る前の早い時期から腎臓病専用の療法食を用いることで、病気の進行を
遅らせることができます。
水野様におかれましては、ネコちゃんが3歳の時の血液検査後から
療法食を開始していらしたとのことですので、
早い段階で療法食が開始されていたのだと思います。

一方、尿石症は尿路結石症ともいわれますが、
尿に含まれるリン、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル成分が結晶化し、
腎臓、膀胱、尿道などの泌尿器で結石となるためにさまざまな症状を引き起こす
病気です。
特にネコちゃんでは、尿がアルカリ性に傾くことでできる
リン酸アンモニウムマグネシウム結石(ストラバイト結石)が多く見られます。
結石の形成については、食事の種類や飲水量の減少、細菌の尿路感染、遺伝的体質
などが原因であるといわれています。
治療方法は、尿道内の結石を超音波で破砕したり、カテーテルを尿道に挿入する
処置などを行うことがありますが、
尿石の大きさや位置によっては外科手術で摘出する場合もあります。
また、結石溶解や結石形成予防のために食事療法を行ないます。
血尿がある場合は止血剤、尿路感染がある場合は抗生物質の投与など、
症状を抑える治療を行います。
療法食以外の尿石症の予防方法ですが、特に肥満が関わっていると言われて
おりますので、肥満にならないようにしてあげることが大切です。
また、飲みたいときに新鮮な水を飲める環境にすることや、
排尿しやすい環境を作ってあげることも重要です。

ご存じかと思いますが、尿石症の治療や予防に使用する療法食は
ストラバイト結石やシュウ酸カルシウム結石を形成されにくくするため、
マグネシウム、リン、カルシウムを調整しております。
また、尿石症の療法食は塩分がすこし多い事がありますが、
c/dは塩分控えめで長期的な投与に適していると言われているフードになります。

水野様におかれましては、腎臓用の療法食で比較的安定している現状で、
お食事の切り替えに不安を感じられていらっしゃるのですね。
腎臓のことを考えると腎臓用の療法食を継続していただくことが一番なのですが、
尿石症になってしまった場合には、お食事で尿石症をコントロールしなければ
なければならないこともございます。


一般的には、慢性腎臓病のネコちゃんは尿石症にかかりづらいといわれています。
その理由は、腎臓の機能が低下すると、尿の濃縮が上手く出来なくなるため、
尿が薄くなり結晶ができづらくなるためです。
また、ネコちゃんの場合ストルバイト結晶は無菌性にできることが多いのですが、
中には細菌感染が原因で尿のpHがアルカリ性に傾くことが原因でできる
場合もあります。その場合、細菌感染をコントロールすることで、
ストルバイト結晶を防ぐことができる可能性もあります。
以上のことから、慢性腎臓病で尿比重が低下気味で、かつ細菌感染を伴う
ストルバイト結晶の場合には、お食事を変更しなくても、適切な抗生物質を使用
することと、水分を十分にとることなどで治療することができる可能性も
あるかと思います。
しかしながら、尿比重がある程度高く、また、細菌感染を伴わない
無菌性のストルバイト結晶が継続的にみられる場合には、
やはり尿石症の食事療法などを行わないと、
維持していくことができない可能性もあります。

同時に二つ以上の疾患を持っていて、療法食の利用の仕方に悩むケースは
多くあります。一般的に、腎臓病のネコちゃんで腎臓病用の療法食が
利用できない場合には、病気のステージにもよりますが、通常の食事や他の療法食に、
食事中のリンの吸収を抑えるリン吸着剤や、尿毒症の毒素を吸着する
活性炭などを併用することで、
腎臓病用の療法食と同様に症状の進行を抑える効果を期待することもできます。
また、ストルバイト尿石症のネコちゃんでその療法食が利用できない場合には、
その他の食事に、尿のpHを下げてストルバイト結晶ができづらくするための
サプリメントを併用することもあります。
腎臓病と尿石症とどちらの治療を優先して行っていくかは、その時の状況による
と思いますが、どちらの病気も進行しないようにしていくために
どのように治療をすすめていくか、主治医の先生とよくご相談いただければと
思います。

また、腎臓病と尿石症と共通して必要なのは、
十分な水分摂取を行うことです。
たくさん水分をとって尿量を増やすことは、血液中の老廃物や毒素を体外に排出
させ、尿毒症を悪化させる要因でもある脱水を防ぎ、
また、尿の濃度を薄くして結晶をできづらくするためにとても重要です。
水分摂取量を増やすためには、
水の温度や置き場所などを変えてネコちゃんの好むタイプの水を用意する、
飲み水に混ぜて嗜好性を高めるための液体状のサプリメントを利用する、
フードをドライからウェット(缶詰)に変えたりドライフードをぬるま湯で
ふやかして与える、などの方法がありますので、
お試しになられてはいかがでしょうか。

さて、口唇炎で内服している「プレドニン」の腎臓への影響も
ご心配とのことですね。「プレドニン」はいわゆるステロイド薬です。
その作用は多岐にわたり、糖代謝作用、脂質代謝作用、タンパク質代謝作用、
抗炎症作用、免疫抑制作用、抗アレルギー作用、血液細胞への影響、中枢神経に
対する作用などがあります。
副作用としては多食、多飲・多尿、胃潰瘍、肝障害、糖尿病、高脂血症など、
さまざまですが、ワンちゃんよりネコちゃんはステロイドに対して
比較的抵抗性を示すため、副作用は出にくいと言われております。

お薬は「体重1kgあたりに何mgを与えるか」で計算いたします。
誠に申し訳ありませんが、ネコちゃんの体重が正確にわからないと、
現在のお薬の量が多すぎるかどうかがわかりかねます。
ただ、一般的に、ワンちゃんやネコちゃんに用いる抗炎症作用の薬用量は
0.5〜1mg/kgとなっております。5mg錠のプレドニンを1/2錠であれば、
逆算すると体重2.5kg〜5kgのネコちゃんの抗炎症作用の薬用量に該当します。
(※ネコちゃんはワンちゃんよりもステロイドに対して抵抗を示すことが多いので、
この倍量でないと薬の効果がない場合もございます。)
低用量でそれほど長い期間の使用でなければ、大きな副作用などは問題が
ないかと思いますが、吐き気や食欲不振など、いつもとご様子が異なる場合には、
かかりつけの先生にご相談いただきますようお願いします。

水野様のネコちゃんは6月下旬より口唇炎の治療も行っていらっしゃるのですね。
なかなか完治せずご心配な気持ち、お察しいたします。
一日も早く口唇炎と尿石症、膀胱炎が落ち着き、
水野様とご家族様、そしてネコちゃんが笑顔でお暮らしいただけるように祈っております。

なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、
しつけ相談のサービスを承っております。気がかりなことがおありの際には、
ぜひご利用くださいませ。
お電話番号は、あんしんサービスセンター 
0800-888-8256(携帯電話・PHSからは、03-6810-2314)です。
平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)
土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。

厳しい暑さが続きますが、水野様におかれましては、くれぐれもご自愛くださいませ。
今後ともアニコムをどうぞよろしくお願いいたします。



お茶について

投稿者:のんのん

投稿日:2014/07/31(Thu) 16:19

No.3624

いつもおせわになります。
猫メス1歳のことで相談します。
夏なのでテーブルに麦茶などコップに入れたまま離籍すると、ちょっとのスキをみて猫が飲んでしまいました。っすぐにやめさせました。
お水は毎日取り換えて3か所に置いています。
これから注意して飲みかけはおかないようにします。
猫がお茶を飲んだら健康に害はありますか?
教えてください。

Re: お茶について

- 獣医師 山中

2014/08/04(Mon) 15:24

No.3629

のんのん 様

梅雨明けと同時に連日猛暑が続いておりますが、
のんのん様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか
早速ご案内をさせていただきますが、実際のご様子を拝見しておりませんので、
一般的なご案内になりますこと、何卒ご了承ください。

1歳の女の子のネコちゃんが、テーブルの上の麦茶を飲んでしまい、
のんのん様は、ネコちゃんの健康にお茶が有害であるかどうかご心配されて
いるのですね。

日本では、昔からお茶を飲む習慣があり、お茶には様々な効能があることが
知られています。
しかし、ご存じのように、多くのお茶にはカフェインが含まれています。
ネコちゃんがお茶を飲んでしまった場合、一番心配なのは、このカフェインの摂取による
カフェイン中毒です。
今回、のんのん様のネコちゃんが飲んでしまった麦茶は、
代表的なノンカフェイン飲料として知られていますので、カフェインについては心配ないと
思われます。
ただし、麦茶は大麦などが原料ですので、小麦にアレルギーのあるお子様では注意が必要です。
なお、ミネラル分を調整しているタイプの麦茶は体内のミネラル分の不均衡を招いたり、
尿石の発生の要因となる可能性もございますので、ご注意いただいたほうがよろしいでしょう。

さて、カフェインは植物に含まれ人や動物に薬としての効果や毒性を示すアルカロイドと
呼ばれる物質のひとつで、中枢神経を興奮させます。
カフェインは、脳に直接働きかけて興奮させるのではなく、神経にブレーキがかからないように
作用するため、人では穏やかな覚醒作用を示します。
他にも強心作用(心臓の働きを促進する)、気管支拡張作用、利尿作用、
平滑筋弛緩作用、胃酸分泌促進作用もあります。
そのため、栄養ドリンクや風邪薬などに配合されていて、集中力アップや
眠気・倦怠感・頭痛の防止効果が期待されます。
しかし、一度に大量摂取をすることによる急性中毒や、継続的に摂取することによる
慢性中毒があることも知られています。
どうぶつさんの場合には、毎日習慣的に、コーヒーや薬を飲むことはありませんので、
通常問題になるのは、一度に大量摂取をすることによる急性中毒です。

人における急性中毒の症状は、精神症状と身体的症状が確認されていて、
重症になると、命に危険が及ぶこともあります。体重1kgに対して約200mgのカフェインの
摂取が致死量と言われていて、体重50kgの人が、5-10gのカフェインを一度に摂取すると
何らかの中毒症状を呈することになります。
しかし、カフェイン含有率の高いコーヒーでも10杯、20杯と摂取しない限りは急性症状に
ついては気にする必要はありません。
なお、人によって、年齢やカフェイン分解酵素の量や肝機能が異なるため、
急性症状を呈する摂取量については大きな幅があります。
ご参考までに、各種飲料に含まれるカフェインの量は1杯(150ml程度)あたり、玉露180mg、
コーヒー60〜180mg、紅茶45mg、ほうじ茶30mg、煎茶30mg、番茶15mg、ウーロン茶30mg、
ココア45mg、です。

このように人に対してはカフェインの毒性は低いものですが、ワンちゃんやネコちゃんでは、
カフェインを分解出来る能力が人より低く、分解に時間がかかるため、
人より少ない20mg/kgで症状が出ると言われています。
そのため、少量を口にしただけでも、体重の少ないどうぶつさんですと、重篤な症状が出る
可能性があります。
のんのん様におかれては、飲みかけの飲料は置かないようにご注意なさるとのことですが、
ネコちゃんを守るためにはたいへん大切なことでございます。
今回はおそらく季節的にネコちゃんが飲んでしまったのは麦茶で、カフェインについての問題は
ありませんでしたが、他のお茶でしたら何か症状が出ていた可能性もございます。
ぜひ飲みかけの飲料を置いてネコちゃんから目を放すことがないよう
今後も気をつけていただければと存じます。

また、ネコちゃんは、泌尿器系の病気にかかることが多いため、新鮮なお水を充分に飲むことが
できる環境が望ましいと言われています。
飲み水は一か所だけでなく数か所に置いた方が、飲水量が増えるというデータもございますので
お水を3カ所において毎日取り替えるという工夫も大変素晴らしいことだと思います。
ネコちゃんは、くみ置きの水が好きな子、新鮮な水が好きな子、蛇口から出る水が好きな子、
冷たい水が好きな子、温かい水が好きな子など、飲み水の好みはどうぶつによってさまざまです。
いろいろなタイプの飲み水を用意しておき、どのような飲み水を好むかを観察してみましょう。
また、お水の置き場所も重要です。静かな所で飲むのが好きな子、家族の近くで飲むのが
好きな子、窓の近くの外が見える場所で飲むのが好きな子など、さまざまですので、
いろいろな場所において試してみましょう。
また、飲み水に混ぜて嗜好性をあげるための液体状のサプリメントなどもありますので
動物病院で相談なさるとよろしいでしょう。

なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、
しつけ相談のサービスを承っております。気がかりなことがおありの際には、
ぜひご利用くださいませ。
お電話番号は、あんしんサービスセンター 
0800-888-8256(携帯電話・PHSからは、03-6810-2314)です。
平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)
土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。

厳しい暑さが続きますが、のんのん様におかれましては、くれぐれもお体ご自愛くださいませ。
今後ともアニコムをどうぞよろしくお願いいたします。



フードについて

投稿者:さだ

投稿日:2014/07/31(Thu) 06:55

No.3623

フードを変えると便の色が変わりますと雑誌などで見たことがありますが、家の犬(10才) もフードを変えると色ががらりと変わります。元のフードに戻すとまた前の色になりますが私としてはフードを交代で二種類のものをあげたいのですががらりと色が変わるのをあげてもいいのか?
それとも同じものを与えた方がいいのでしょうか?

Re: フードについて

- 獣医師 小西

2014/08/01(Fri) 15:40

No.3626

さだ 様

暑さ厳しき折でございますが、さだ様におかれましては、
いかがお過ごしでしょうか。
さだ様のワンちゃんはこの暑さ、上手に乗り切れていらっしゃい
ますでしょうか。
さて、この度はご相談をいただきまして、誠にありがとうございます。
早速ご案内をさせていただきますが、実際のご様子を拝見して
おりませんので、一般的なご案内になりますこと、何卒ご了承ください。

さだ様のワンちゃんはフードを変えると便の色ががらりと変わるということで
ございますが、どのような色調でしょうか?
また硬さ・量・におい等の性状についてはいかがでしょうか。
はじめに、健康状態に問題のある時の便の色調についてお話しをいたします。
・「赤色の便」・・・血液が混入していることが考えられ、大腸・直腸・肛門等
下部消化管での出血の可能性がある
・「黒褐色あるいは黒色の便(海苔の佃煮のような色と
表現されます/多くは軟便)」・・・血液が混入していることが考えられ、
胃、小腸等の上部消化管からの出血の可能性がある                   
・「強い黄色〜山吹色の便』・・・過剰な胆汁分泌を伴う場合がある
・「白色の便』・・・胆汁分泌が極端に少ないことなどにより、便に脂肪分が
多く含まれている
・『緑色』・・・黄疸や溶血性貧血、腸炎など

便の色調から健康面の不調を疑うものとして上述のようなものが
挙げられますが、このようなものでなければ、与えるフードの構成成分の違い
により色調に変化がもたらされていると考えられます。
例を挙げますと、緑色野菜由来成分が多いフードでは緑色を帯び、
皮膚のケア用のフードの一部で構成タンパク質を限定しているフードでは
全体的に暗色調となり、繊維質の多いダイエット用のフードなどでは淡色調の
便になることが多いとされています。
未消化な便では食べたフードの色がそのまま便の色となることもあります。

また生理的な変化により便の色が変わることも多いため、健康状態を把握する
ためには便の性状を確認することがたいへん重要です。
健康状態に問題のある便の性状についてお話しいたします。
・「膜状のもの(消化管粘膜)が便に付着」・・・腸管の粘膜がはがれていることが
考えられる
・「表面の光沢が失われている」・・・消化管に滞留する時間が長く、便秘気味
であることが考えられる
・「脂肪分が浮いている(多くは軟便)」・・・脂肪の消化異常や肝臓や膵臓に
問題があったり感染症であることが考えられる
・「腐敗臭や酸臭がする(多くは軟便)」・・・腸内細菌のバランスや消化機能に
問題が生じていることが考えれる
もちろん、上述のような変化および下痢便や軟便などがみられた場合には、
動物病院さんの診察を受けていただいたほうがよろしいでしょう。

一方、フードの種類によっては消化吸収の効率が異なることで健康な便で
あっても便の量に増減を生じることが考えられます。吸収効率の高いフード
では硬い便で量が減少し、逆に繊維質を多く含む吸収効率の低いフード
では軟らかい便で量が増加する傾向がみられます。
動物由来タンパク質の多いフードでは一過性で便のにおいが強くなる
ものもあり、これとは逆にオリゴ糖やプロバイオティクス等を含むフードでは
便のにおいが減ることがあります。

さて、さだ様のワンちゃんは食べるフードによって便の色ががらりと変わる
とのことでしたが、目的の異なる二種のフードをご使用なさりたい
とのことでございますね。
色調の変化がフードの色の違いに由来しており、軟便や下痢便などの
性状の変化を伴わなければ、かかりつけの先生とも相談の上様子を
見ながらあげていただくのが良いかと存じます。
また、交互に与えることで、消化器官に負担がかかり下痢をしたり
便が軟らかくなる場合がございますので、二種のフードを混ぜてあげる
という方法も考えられるかと思います。どちらかのフードの嗜好性が悪く、
混ぜて与えてしまうと食事全体の嗜好性が下がるというのであれば
お勧めは致しませんが、便の色を見ながら数週間程度の時間をかけて
徐々に混ぜて与えていかれるのもよろしいかと存じます。

さだ様のワンちゃんがいいウンチでいつまでも健康でいらっしゃるよう
お祈りしております。
なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での
健康相談、しつけ相談サービスを承っておりますので、ぜひご利用ください。

お電話番号は、あんしんサービスセンター 
0800-888-8256(携帯電話・PHSからは、03-6810-2314)です。
平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)
土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。
今後ともアニコムをどうぞよろしくお願い申し上げます。



無題

投稿者:ばろねす

投稿日:2014/07/27(Sun) 11:38

No.3620

トイプードル4歳♀です。昨年10月から尿路結石があり、ヒルズc/dを食べていますが、我が家にきた4年前から皮膚が弱く、足、あご、胸にふけがいっぱいたまっており、かきむしっています。病院にいっても原因がわからず、オレンジ色のふたのVGローションしかくれません。それを塗るとましですが、すぐにまた元に戻ります。シャンプーは週1回しています。ブラッシングは毎日しています。サプリ等で治せるでしょうか。おすすめサプリ等があれば教えてください。

Re: 無題

- 獣医師 山中

2014/07/30(Wed) 18:05

No.3621

ばろねす 様

厳しい暑さが続いておりますが、
ばろねす様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。
この度はご相談をいただきまして、誠にありがとうございます。
早速ご案内をさせていただきますが、実際のご様子を拝見しておりませんので、
一般的なご案内になりますこと、何卒ご了承ください。

ばろねす様におかれましては、4歳のトイ・プードルちゃんの皮膚が弱く、
病院で診て頂いても原因がわからずお困りなのですね。
皮膚の痒みの原因は多岐にわたります。
皮膚のトラブル以外にも痒みやフケが出ることもあり、
原因として、シャンプー剤が残っているなどの物理的な刺激、
乾燥といった環境の影響なども挙げられます。
現在、トイ・プードルちゃんは、足・あご・胸にふけが多く、頻繁に掻いて
いらっしゃるのですね。
皮膚の表面は角質細胞がブロックのように並んでいます。
このブロックの間を埋めて、ブロックの接着剤のような役割を果たして
いるのが皮脂です。
そのため皮脂が少なくなると、皮膚の角質細胞が乱れて、刺激に弱くなり、
少しの刺激で痒みが生じてかきむしるようになるので、角質層がはがれやすくなって
ふけを生じます。
これが、皮膚が乾燥して、フケが出る状態です。
ワンちゃんの皮膚は人間の皮膚よりも薄く、かえってシャンプーの回数が多すぎると、
皮膚の表面にある皮脂をはがしてしまいトラブルの元になってしまうことがあります。
ワンちゃんに適切なシャンプーの回数は、通常の状態では1ヶ月に1〜2回で十分と
言われています。
もちろん皮脂が多く皮膚がべたつくどうぶつさんや、薬浴の目的でシャンプーをお使いになる
時など、週1回のシャンプーが必要な場合もありますが、シャンプーの回数についても
一度かどうぶつ病院さんにお尋ねいただくとよろしいかもしれません。

また、ワンちゃんの皮膚の状態に適したシャンプーをご利用いただくことが重要であり、
シャンプーの種類によっては、かえって皮膚のトラブルの要因となってしまうこともあります。
現在、ばろねす様のトイ・プードルちゃんには、どのようなシャンプーをお使いになって
いらっしゃいますか。
一般的には渇いたフケが多くでるワンちゃんには出来るだけ皮膚の乾燥を抑えるために、
ワンちゃん用の保湿力の高いシャンプーがおすすめです。
どのようなシャンプーが良いか迷われた時には、動物病院さんに一度ご相談頂くとよいでしょう。
また、シャンプー剤が皮膚に残ったままにならないように、
よく洗い流していただくことも重要です。

皮膚が弱いワンちゃんには皮膚の弱いお子様用のフードをおすすめすることが多いのです。
ばろねす様のトイ・プードルちゃんは、現在尿路結石の治療で、ヒルズc/dをお食べに
なっており、皮膚用の療法食などはお試し頂けず、皮膚に良いサプリメントをお探しなのですね。
たいへん申し訳ございませんが、具体的なサプリメントなどの情報につきましては、
弊社では持ち合わせておりません。
また、最近では食物アレルギーと下部尿路疾患のワンちゃん専用の療法食なども販売されて
いますので、お食事やサプリメントなどについても、かかりつけの動物病院さんに
ご相談いただきたく存じます。

ご高承のこととは存じますが、サプリメントは皮膚を健康な状態に保つのに重要な栄養素が
含まれておりますが、お薬ではございませんので、効果には個体差があるようでございます。
もちろん、今後の皮膚病の予防のために皮膚を強くするなど体質改善の目的で
お飲み頂くとよろしいと思います。

皮膚を健康に保つために良いとされている栄養素についてでございますが、
バリア機能を強めるためには、適度に脂肪を摂取することが重要です。
必須脂肪酸にはEPAやDHAなどのn-3系列脂肪酸と呼ばれるタイプのものと
アラキドン酸やリノール酸といったn-6系列の脂肪酸があります。
n-3脂肪酸には炎症を抑える機能があり、n-6脂肪酸には皮膚のバリア機能を
維持する機能があります。
また、ビタミンAやビタミンB群、ビタミンEなども良いとされていますが、
ビタミンAやビタミンEなどの脂溶性ビタミンの過剰摂取は栄養性の疾病状態を引き起こす
ため適度に摂取することが重要でございます。
亜鉛などのミネラルも皮膚の健康のためにたいへん重要ですがミネラルは相互に
バランスをとって均衡をたもっていますので、こちらも過度の摂取はなさらないことが重要です。

ばろねす様は毎日トイ・プードルちゃんにブラッシングをなさっているとのこと、
素晴らしいことでございますね。
ブラッシングは、皮膚の血行を良くし、毛並みを良くします。
また、ブラッシングをすることによって、ノミやダニなどの寄生虫を見つけたり、
できものや皮膚の腫れがないかどうかも確認できます。
一方で気をつけいただきたい点ですが、皮膚が弱いワンちゃんにとっては、
ブラシの素材によっては刺激が強く、痒みの原因になっている可能性があります。
出来るだけ刺激がない素材のブラシを選び、ブラッシングを心がけましょう。

現在、トイ・プードルちゃんはVGローションを処方されご利用なのでございますね。
利用されるといったんは良くなるが、また痒みが出てくるのでございますね。
皮膚は長期間にわたって刺激を受け続けていると、痒みの原因がなくなっても、
痒みが長期間に渡って継続します。
VGローションには、痒みを抑える成分(ステロイド)と、細菌の繁殖を抑える抗生剤が
配合されていますので、VGローションを塗布すると痒みが抑えられて、
一時的に良くなったように見えます。
しかし、皮膚の状態が戻ったわけではありませんので、痒みが再発するのかもしれません。

たいへんではございますが、現在のケアについて上述の点をご確認いただき、
動物病院さんとご相談いただきながら、トイ・プードルちゃんの痒みがおさまり楽になるように
根気強くケアいただければと存じます。

なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、しつけ相談
サービスを承っておりますので、ぜひご利用くださいませ。
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まだまだ暑い日が続きますので、ばろねす様とトイ・プードルちゃんにおかれましては、
くれぐれもお体を大切になさってください。
今後ともアニコムをどうぞよろしくお願い申し上げます。



猫の乳ガン(抗がん剤治療につい...

投稿者:みーちゃんママ

投稿日:2014/07/21(Mon) 16:57

No.3613

小さい頃から、お世話になっています。猫のみーちゃん(11歳、女の子、mix)です。六月末に右上の乳首に湿疹?とすぐそばに小豆粒のしこりを発見。乳首ら少し湿潤液もみられたのもあり、7月5日に乳腺腫瘍を摘出しました。結果、腺管癌(乳管上皮由来の乳ガン、陥没乳頭直下に癌細胞増生、周囲組織の湿潤ほとんどなく、腫瘍境界明瞭、取りきれており、脈管侵襲なしという病理の結果です。)でした。来月中頃には、左側の乳腺を一列すべて切除する予定です。
その後、抗がん剤投与を勧められました。
投与は3週間に一度、二泊三日の入院をして、投与するとのこと。抗がん剤で、食欲減退する可能性があり、栄養管理を行いたので、入院だそうです。五回目の治療でかんかい(癌細胞がなくなること?)を迎えた子もいるそうです。ただ、前回の手術で、すごいストレスだったようで、お迎えに行った時の顔が今までの顔からは想像できない表情とフーシャーといううなり声も始めて聞きました。幸い術後の経過はよく、傷口もきれいに治ってきています。元気も食欲もあり、いつもと何ら変わらない日常です。二度目の手術は転移のことや、皮膚に癌が出てきて、辛いと聞き、納得しましたが、その後の抗がん剤治療をするかしないかで迷っています。治癒が多いに望め、延命効果も望めるのなら、受けさせたいのですが、みーちゃんの余生を安らかに辛くないように過ごさせてあげたいというのもあります。また、みーちゃんは以前、膀胱炎になり、尿結晶ができたことがあり、phコントロールの療養食を食べています。このおかげで、こちらの再発はありません。
一般的な抗がん剤の効果または逆効果、抗がん剤投与しない場合の余命を教えて下さい。

Re: 猫の乳ガン(抗がん剤治療に...

- 獣医師 山中

2014/07/24(Thu) 17:21

No.3617

みーちゃんママ 様

連日厳しい暑さが続いておりますが、
みーちゃんママ様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。
この度はご相談をいただきまして、誠にありがとうございます。
早速ご案内をさせていただきますが、実際のご様子を拝見して
おりませんので、一般的なご案内になりますこと、何卒ご了承ください。

みーちゃんママ様は、6月にみーちゃんにしこりがあるのを発見され、7月5日に乳腺腫瘍
を摘出し、腺管癌との診断だったのですね。
また、来月中旬に左側の乳腺を全て摘出した後に、再発防止のために、抗がん剤の投与
をすすめられているのですね。

乳腺組織に発生する癌のうち、乳管で発生した癌を「乳管癌」と呼びます。
乳管とは、乳頭を中心に乳房全体に広がる母乳を運ぶ管のことで、乳腺を構成する組織
の一つです。乳管は別名「腺管」とも言いますので、今回、みーちゃんから摘出された癌は、
乳管癌ということになります。
通常、ネコちゃんには乳腺が左右4対あり、その乳腺にはリンパ管や血管が入り込んで
います。
左右の乳腺は正中(中央)で隔たれていますが、片側にある乳腺は血管とリンパ管で
繋がっています。
頭側の乳腺は腋窩(えきか)リンパ節から胸骨リンパ節に流入していますし、尾側の乳腺は
鼠径(そけい)リンパ節に流入しています。
例えば、しこりが悪性腫瘍で転移の可能性があるような場合、この所属するリンパ節に関係
する乳腺に転移が起こりやすいため、可能であれば、片側の乳腺全てとリンパを含めて
大きく摘出します。
この方法は、傷口は大きくなりますが、新たな乳腺腫瘍の発生リスクを減らせると言う
メリットがあります。また、乳腺腫瘍の場合は、通常、複数の乳腺で発生いたしますので、
良性悪性にかかわらず、もう一方の乳腺を全て摘出することが殆どです。
ネコちゃんの状態によっては、全身麻酔のリスクを考慮して、手術時間の短い部分的切除
や結節状の乳腺のみを摘出する方法もございます。
どの手術様式を用いるかは、腫瘤の大きさや発生部位、腫瘤の数、腫瘍の悪性度など
によって決定していきます。

がんは上皮細胞の異常増殖によって起こります。上皮細胞は基底膜の上に配置されるように
並んでいます。この基底膜をがん細胞が超えるかどうかが、体の他の部分に広がっていくかの基準
となります。乳管は筒状の組織ですが、基底膜はこの一番外側にあり、その内側を裏打ちする
ように上皮細胞が並んでいます。がん細胞が、乳管内にとどまり、この基底膜を超えずに
いる場合には非浸潤性の乳管癌であり、がん細胞の周囲の組織へ入り込んでいませんので、
外科手術での摘出は非常に効果があります。
みーちゃんの場合、検査の結果、非浸潤性の乳管癌と判断されたので、もう一方の左側
の乳腺の摘出によって、再発のリスクがかなり抑えられると、主治医の先生は判断された
のでしょう。

しかし、ネコちゃんの乳腺腫瘍の場合、全体の80%が悪性であると言われています。
ワンちゃんでは悪性は50%と言われていますので、ワンちゃんに比べるとネコちゃんでは
悪性であることがとても多いことがわかります。また、悪性の場合には摘出しても再発や
他の組織に転移をすることがあり、経過が悪い場合もあります。
そのため、再発のリスクを抑えるために、かかりつけの先生はもう一方の乳腺も
全て摘出した上で、抗がん剤の投与をおすすめされたのでしょう。

みーちゃんママ様におかれましては、手術の際のみーちゃんの様子から、入院が必要な
抗がん剤の治療に不安を持っていらっしゃるのですね。
術後の抗がん剤の投与は、微小転移による癌の再発リスクを下げるために行われます。
微小転移とは、どんな検査でも確認できないほどの小さながん細胞の転移のことを言います。
悪性腫瘍の場合は、全身に微小転移が起きている可能性がありますので、
抗がん剤の投与を行うことがあります。
抗がん剤は、活発に分裂している細胞にダメージを与える作用がありますので、
増殖を続けているがん細胞に効果があります。通常、成長期を過ぎた場合は、
活発に増殖している細胞はほとんどありませんので、実は全身投与とは言っても、
全ての細胞にダメージを与えているわけではありません。
正常でも絶えず細胞分裂を行っているのは、骨髄(骨の中にある血液細胞を産生する場所)
や腸の粘膜細胞、毛根細胞などです。そのため、抗がん剤を投与すると、これらの細胞が
ダメージを受けます。例えば、骨髄がダメージを受けたら骨髄抑制が出ますし、
腸粘膜がダメージを受けたら食欲がなくなったり、吐き気が起こります。
よくテレビドラマなどで見かける、ヒトの頭髪が抜け落ちるシーンは、毛根細胞がダメージ
を受けるためです。また、用いる抗がん剤の種類によっては腎障害などを起こすものもございます。
抗がん剤の副作用を完全になくすことは難しいのですが、抗がん剤の量を調節したり、
吐き気止めなどのお薬を使用することで、副作用をある程度の範囲に抑えるようにすることは
可能でございます。

みーちゃんの主治医の先生は「寛解」を目指していらっしゃるのですね。
寛解とは、いったん症状がなくなったり軽くなった状態で、このまま治る可能性もあるし、
再発する可能性もある状態を言います。
状況によっては勿論完治を目指すこともありますが、みーちゃんの場合は、11歳と高齢ですし、
寛解の状態までもっていき、少しでも長くみーちゃんママ様とみーちゃんが一緒にいられる
ようにと配慮されているのかと存じます。そのため、もし副作用の症状が酷かったり、
みーちゃんが入院生活に耐えられないと判断されたら、いつでも抗がん剤の投与を
おやめ頂けると思います。
ネコちゃんは、確かにストレスで体調を崩しやすい生き物ですが、
先生もネコちゃんがそのような生き物であることはご存じでしょう。
おうちで様子をご覧になって、みーちゃんママ様がご不安に思われたら、
ぜひご相談してみて下さい。

最後に、抗がん剤の投与をしないことによる余命についてですが、どうぶつやがん細胞の
状態によって大きく異なりますし、ヒトと比べて動物の抗がん剤治療は歴史が浅いため、
大変申し訳ござしませんが、具体的なデータはございません。
また、抗がん剤を投与しなくても長生きするお子様もいらっしゃいますし、抗がん剤を投与
しても残念ながら効果のないお子様もいらっしゃいます。
また、抗がん剤の副作用も様々です。みーちゃんは以前、膀胱炎になったり、尿結晶が
できたことがおありとのことでございますね。使用する抗がん剤によっては出血性の膀胱炎
などを起こしやすいものなどもございますので、もう一度、抗がん剤のメリット・デメリットについて
主治医の先生にもご相談頂ければと思います。

なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からの
お電話での健康相談、しつけ相談サービスを承っておりますので、
ぜひご利用くださいませ。
お電話番号は、あんしんサービスセンター 
0800-888-8256(携帯電話・PHSからは、03-6810-2314)です。
平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)
土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。

これからますます暑い日が続くと思いますので、
みーちゃんママ様におかれましては、何とぞ、お体をご自愛いただき、
みーちゃんと一日でも長くお過ごし頂けるようにお祈りしております。
今後ともアニコムをどうぞよろしくお願いいたします。



Re: 猫の乳ガン(抗がん剤治療に...

- みーちゃんママ

2014/07/24(Thu) 23:28

No.3618

この度はご丁寧にありがとうございました。
ちゃんと説明は受けたのですが、ショックの方が大きく、理解しないで帰ってしまいました。その後、本屋に行き、抗がん剤、乳ガンの詳載の本を探したのですが、あまりなく、もがいていた所でした。獣医さんは信頼をおいておりますので、抗がん剤については、再度、膀胱炎の件も併せて、相談し家族で検討したいです。お忙しい中、ありがとうございました。暑さ厳しいおり、先生もお身体ご自愛くださいませ。



Re: 猫の乳ガン(抗がん剤治療に...

- 獣医師 山中

2014/07/25(Fri) 13:55

No.3619

みーちゃんママ 様

こちらこそ私にまでお気遣いをいただき、恐縮でございます。
みーちゃんママ様におかれましては、お気持ちの面でも、肉体的な面でも、
猫ちゃんの看護でたいへんでいらっしゃったのではないでしょうか。
お疲れがたまっていませんでしょうか。
どうかしっかりと休養と栄養をお取りいただき、お体ご自愛くださいませ。
ご心配なことがおありのとき、つらいお気持ちになられたときは、
お気軽にお声がけくださいませ。心から応援いたしております。
今後ともアニコムをどうぞよろしくお願いいたします。