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無題

投稿者:カウンセリング担当 三留

投稿日:2016/09/15(Thu) 14:21

No.4489

福 様

No .4488のご相談につきましては、重複のため削除させていただき、
No. 4487のご相談と併せて獣医師よりご案内をさせていただきたく存じます。
何とぞご了承いただきますようお願い申し上げます。

去勢しているのに発情します

投稿者:レオマ

投稿日:2016/09/11(Sun) 21:44

No.4478

1歳過ぎに精巣除去しましたが発情行動が続いています。去勢時期が遅かったのである程度発情行動が残ってしまうのは仕方がないこととおもってましたが、最近回数が多くハンカチをくわえてはないています。とても可愛そうに思えなんとかしてあげるすべはないものかと、このまま放置していていいのかと思案しています。

Re: 去勢しているのに発情します

- 獣医師 岸田

2016/09/14(Wed) 15:26

No.4485

レオマ 様

この度はご相談を頂きまして、誠にありがとうございます。
1歳すぎに去勢手術を受けた後からも発情行動が続き、ここのところ回数が多いため、
かわいそうに思っていらっしゃるとのことでございますね。
お問合せにつきましてご案内させて頂きますが、
実際のご様子を拝見していませんので、一般的なご案内となりますことをご了承ください。
また、どうぶつさんの種類をネコちゃんとしてご案内いたしますが、
もし他のどうぶつさんである場合には、
お手数ですが、その旨ご返信いただければと存じます。

一般的に、性成熟を迎えた男の子のネコちゃんに見られる発情行動には、次のようなものが
あります。
・スプレー行為(柱や家具などに立ったままおしっこを吹きかける)
・マウンティング(他のネコちゃんや飼い主さんの足、ぬいぐるみ、クッションなどにまたがる)
・特有の甲高い大きな鳴き声で鳴く
・攻撃性の増加

このような発情行動は、精巣から分泌される性ホルモンの影響によって強化されて起こります
ので、去勢手術を行って精巣を除去することで少なくなることがほとんどです。
しかしながら、去勢手術を行った後でも、約10%程度のネコちゃんでは、
男の子のネコちゃんとしての本能的な行動が残ってしまうことがあると言われています。
特に、性成熟を迎え、すでに発情を経験した後に去勢手術を受けたネコちゃんでは、
手術後もこのような行動が残ってしまうことが多いと言われています。
レオマ様のネコちゃんは1歳をすぎてから去勢手術を受けられたとのことですので、
このような男の子のネコちゃんとしての本能的な行動が残っているという
ことなのかもしれません。

しかしながら、上記のような行動は、発情行動以外でも見られる場合があります。
例えば、スプレー行為は、発情期には女の子のネコちゃんに自分の存在をアピールする
目的で行われますが、それ以外にも、自分の縄張りを主張する目的でも行われ、
多頭飼いのネコちゃんや、自分の置かれている環境に不安を感じているネコちゃんが
行うこともあります。
マウンティングに関しても、発情行動としてだけではなく、自分の優位性を示したり、
遊びの一環として行うネコちゃんもいます。
大きな鳴き声で鳴いたり、攻撃的になるのも、何か生活の中で欲求不満やストレスを
抱えていたり、あるいは身体の不調で痛みや不快感などがあってそのような行動が
見られる場合もあります。

レオマ様のネコちゃんは、最近になって発情行動と思われる行動(ハンカチをくわえて鳴く)が
多くなったとのことでございますね、
上記のような行動は、発情以外にも、ストレスや欲求不満(特に多頭飼いや来客、騒音、
環境の大きな変化など)、身体の不調などでも見られることがありますので、
最近になってそのような行動が増えてきたということは、発情以外の要因があることも考えられます。
何か他に考えられる要因がないかどうかを、念のため今一度チェックしていただくとよろしいでしょう。
お水を飲む量や、尿・便の状態、排泄の様子などにも変化がないか観察していただければと
思います。
特に、食欲が落ちている、あまり動きたがらない、元気がない、痩せてきている
などの様子がみられる場合には、体調不良の可能性もありますので、
一度動物病院さんでご相談をなさるとよろしいかと思います。

もし体調に特に問題がなく、多頭飼いや環境の変化などに対するストレスなども考えられない
ということであれば、行動の根本的な改善は難しいかもしれませんが、
できるだけ気分をそらしてストレスを軽減できるよう、生活環境を工夫してあげましょう。
外のネコちゃんが見えたりすると落ち着かないこともありますので、
外の見えない静かな場所に、ネコちゃんが安心してくつろぐことのできる隠れ家的な
スペースなどを用意してあげるとよいかもしれません。
また、十分に運動をしてエネルギーを発散させるように一緒に遊んであげたり、
スキンシップの時間を十分に取って気分転換をさせてあげたりするとよろしいでしょう。
ネコちゃんは本来狩りをするどうぶつですので、それを模した遊びをすることは、
ネコちゃんのエネルギーを発散させ、欲求を満たしてあげるためによいと言われています。
また、ネコちゃんを落ち着かせる効果のあるフェロモン剤もあります。
動物病院さんで扱っているところがありますので、ご相談いただくとよいでしょう。

ネコちゃんが発情のような鳴き方を続けていると、欲求を満たしてあげられないことで
心が痛みますね。
まずは本当に発情なのか、何かを訴えて鳴いているのかをよく見極めていただき、
ネコちゃんのストレスが少しでも軽減するような工夫をしていただければと思います。
ネコちゃんが穏やかに過ごせる日が多くなるといいですね。

なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、
しつけ相談のサービスを承っております。気がかりなことがおありの際には
お気軽にご利用くださいませ。

お電話番号は、あんしんサービスセンター 
0800-888-8256です。
平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)
土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。
今後ともアニコムを宜しくお願い申し上げます。



アトピ−性皮膚炎について

投稿者:らら

投稿日:2016/09/09(Fri) 12:03

No.4475

7歳の柴犬です。3歳ぐらいから足の指間、顔、股を痒がり、通院してステロイドを服用してします。時々股間に発疹が出るので、抗生剤を服用していますが、症状が安定しません。食物アレルギ−の有無やハウスダスト、カビなど抗原の特定も行いましたが、小麦と牛肉が注意、アヒルとダニが陽性という結果でした。現在、食事は小麦抜きのドライフ−ドと温野菜を少々、室内飼いでこまめに部屋も掃除をしていますが、執拗に幹部を舐めたり咬んだりして症状が悪化する一方です。日常的にエリザベスカラ−をつけていますが、首回りも剥げてきました。転院も視野に入れてますが、これ以上対策がないのでしょうか?アドバイスをよろしくお願い致します。

Re: アトピ−性皮膚炎について

- 獣医師 江口

2016/09/13(Tue) 17:58

No.4480

らら 様

日ごとに朝夕は涼しくなってきましたが、
らら様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
この度はご相談を頂きまして、誠にありがとうございます。
柴犬ちゃんのアトピー性皮膚炎についてのご相談ですね。
3歳ぐらいからアトピー性皮膚炎の症状が出始め、ステロイドや抗生剤の内服、
アレルゲンの特定、対策として室内の掃除や食餌の改善をされていらっしゃるが、
痒がる症状や脱毛は悪化しているということですね。

お問合せについてご案内いたしますが、実際のご様子を拝見して
おりませんので、一般的なご案内となりますことを何卒ご了承ください。

アトピー性皮膚炎とは、アレルギー症状を起こす原因物質であるアレルゲンが
環境中にあることによって、ワンちゃん体内の免疫機構が過剰に反応するため
生じる皮膚炎のことで、アレルギー性皮膚炎の一種です。
皮膚のバリア機能が低下していたり、気温や湿度などの環境からの皮膚への刺激や、
皮膚へアレルゲンが侵入することが原因となり皮膚の炎症が引き起こされます。

皮膚のバリア機能とは、外界の異物(ハウスダストや細菌など)が体内に侵入
しないように防御したり体内の水分が皮膚から蒸発しないよう内部にとどめて
おく機能です。
皮膚の「角質層」では細胞同士がしっかりと結びつき、細胞と細胞の間に
「角質細胞間脂質」が存在することで、食品包装用のラップのように
皮膚表面を覆って外界からの異物の侵入と水分の蒸発を防いでいます。
また皮膚の皮脂腺から分泌される「皮脂」や角質に存在する「天然保湿成分」も
水分が逃げないよう重要な役割を持っています。
アトピー性皮膚炎ではこれらのバリア機能が何らかの理由により低下している
状態であり、そのバリア機能の低下を起こす原因は遺伝的な素因もあるのでは
ないかと言われております。

バリア機能が低下した状態は、皮膚の乾燥の悪化、細菌感染、アレルギーなどを
発症しやすくなり、炎症を引き起こします。指の間、目の周辺、ワキ、
鼠径部(そけいぶ)、下腹部、肛門周囲などに症状が出やすく、
1〜3歳の若齢で発症し、発症した最初の頃は季節や気温の変化に応じて
症状が出たり消えたりしますが、年齢が上がるにつれて徐々に症状がでる期間が
長くなり最終的には常に症状が出ている状態となります。

症状としては、強い痒み、その痒みにより患部を掻いたり、壁などにこすり
つけることで肌を傷付けたり、舐めることで舐性皮膚炎を起こしたりします。
感染や炎症を起こしやすいので、慢性的な外耳炎や膿皮症、結膜炎なども起こります。

アトピー性皮膚炎の治療ですが、現在、完治というよりは、症状を少しでも軽減させ、
良好な状態を維持するためのものとなります。
アレルゲンの摂取やアレルゲンとの接触を避けること、また炎症を和らげ、
皮膚のバリア機能を改善することが重要です。

まず、何かアトピー性皮膚炎を悪化させている病気がある場合は、その病気の治療も
重要です。例えば、膿皮症、真菌性皮膚炎、疥癬、ノミ皮膚炎などがあることが多く、
抗生剤や抗真菌剤の投与、寄生虫の駆虫を行います。

次に、炎症に対しては内服薬の投与を行います。ステロイドや抗ヒスタミン薬などで
皮膚に起こっている炎症を軽減させます。

アレルゲンに対する反応を抑えるため、免疫抑制剤の投与や、毒性を小さくした
アレルゲンをわざと体内に入れ、アレルゲンに対して慣れさせ痒みを発症させない
ようにする「減感作療法」、まだ試験的ではありますが、低濃度のアレルゲンを
経口的に投与する「舌下免疫療法」も検討されています。
免疫のバランスを修正するインターフェロンの作用を利用して、アトピー性皮膚炎の
症状を緩和させる「インターフェロン療法」もあります。

その他にも、皮膚に栄養を与えると共にバリア機能を改善することを目的として、
脂肪酸製剤のような栄養補助食品を摂取したり、皮膚の保湿のために皮膚に
直接スポット剤やスプレー剤を塗布したりします。

食物アレルギーを併発しているアトピー性皮膚炎のどうぶつには、
アレルゲンとなる食材の入っていない食事を摂取することが重要です。
それとともに、アレルゲンとなる食材と構成が似た特徴をもつ食材にも
アレルギーを起こすこともあります(交差反応)ので注意を要します。
例えば、鶏肉がアレルゲンである場合、七面鳥や鶏卵、ウズラやウズラの卵に
交差反応が出るとされています。
アレルギー用の療法食には、最近では、タンパク質をアレルギー反応の原因に
ならないくらいに小さくした「加水分解タンパク質」を用いたフードが販売されて
います。小さな分子に分解されたタンパク質は、抗体と反応しにくく、
アレルギー反応が起きにくくなりますので、このような加水分解たんぱく質は、
アレルギーを起こしづらいと言われていますが、リンパ球反応検査で陽性が出た
ワンちゃんの場合には、加水分解たんぱく質でも反応してアレルギーが起こって
しまうことが知られています。
そのため、加水分解されていても、検査で陽性が出た食物を使っているフードは
避けた方がよいでしょう。
療法食の効果が出るまで2〜3ヶ月かかることがありますが、薬物療法と併用して
いる場合には、薬の量を減らせることもあります。

アトピー性皮膚炎の管理には、皮膚の状態に合わせた適切な薬用シャンプーの
使用も勧められています。シャンプー療法は、薬物療法のみに頼らずに
アトピー性皮膚炎を管理するとても良い方法ですが、間違った方法で行うと、
皮膚に余計なダメージを与えてしまうことがあります。
どうぶつの皮膚の状態にあったシャンプーを選択し、優しく洗ってあげることが
重要です。
また、被毛が生えかわる季節の変わり目などでは、必要のなくなった抜けた毛を
丁寧にブラッシングで取り除くなどのお手入れが皮膚の状態の管理に役立つことも
あります。

現在、ララ様の柴犬ちゃんはステロイドや抗生剤の内服投与、アレルゲンを特定し
対策として室内の掃除や食餌療法をされているが、痒がる症状や脱毛は悪化
しているということですね。
症状の改善のため、こまめに掃除をするなど対策して頂いているとのことですが、
環境中のダニやハウスダストを完全に排除することは大変難しいので、
現在の治療を続けつつ、柴犬ちゃんの皮膚のバリア機能の改善と痒みの
コントロールを目指すことが重要でしょう。
治療はどうぶつさんの体調や生活環境などを考え、飼い主さんと相談しながら、
その子に一番あった治療法を選択していきますので、もし、上記の治療の中で
現在まだ試していないというものがあれば、かかりつけ動物病院さまへ一度ご相談
いただきますようお願い致します。
また、一度皮膚疾患を専門にしている動物病院さんで、セカンドオピニオンを
お求めになるのも1つの方法だと思います。

なお、次のどうぶつ親子手帳内のご案内に「病気と上手く付き合おう 
<アトピー性皮膚炎>」という記事がございますので、よろしければ参考に
なさってください。http://www.anicom-page.com/all_education_details?type=14&id=127

大切な柴犬ちゃんが痒がる様子をご覧になるのは、たいへんお辛いことと思います。
一日でも早くその辛さが軽くなり、ララ様と柴犬ちゃんが快適に過ごせる日がくる
ことを祈っております。

なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、しつけ相談サービスを承っておりますので、ぜひご利用ください。
お電話番号は、あんしんサービスセンター 
0800-888-8256です。
平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)
土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。

今後とも、アニコムをよろしくお願い申し上げます。



猫の骨髄検査について

投稿者:メル

投稿日:2016/09/04(Sun) 17:33

No.4471

猫 5歳 猫種:ラガマフィン、メスについてです。

今年の5月に血液検査をしたところ白血球の数値が気になるとのことで1ヶ月後に血液再検査の結果、白血球の数値がまた下がっていて3400しかない、普通の子は5000以上のようです。
5年前に避妊手術の際に受けた血液検査では9000ありましたが、今年の5月の検査では5000弱、で7月頭の検査では3400と年々下がっているようです。

白血球の中の好中球ってのが特に低くて1530しかないと。

考えられること
1 好中球は作られていない(作られる数が少ない)
2 作られてはいるが、体内で自分自身で好中球をやつけている
3 体質

このままだと病気になったときや、ウィルスに感染したときに闘えないと詳しい状態を知るために何かしらの症状が出る前に骨髄検査を勧められています。

もちろん詳しい状態を把握しておけば何かしらの対策が出来るかもしれない、病気になってから全身麻酔で検査する方が体に負担なのも理解していますが、今は元気なのに全身麻酔をしたことによって具合が悪くなってしまったら…
体に負担をかける検査をしてただの体質だったら可哀想とずっと悩んでいて結論を出せません。

お盆休み中にゆっくり考えようと思っていましたが、休み中に長く一緒に過ごして、この可愛い我が子同然の子が自分の判断ミスで具合が悪くなってしまったら…と余計に怖くなってしまいました。

このように時間ばかりが過ぎてしまい自分では考えが纏まりません。
何かアドバイスを頂けたらと思い投稿しております。
どうぞ、よろしくお願いします。






Re: 猫の骨髄検査について

- 獣医師 霍田

2016/09/06(Tue) 16:24

No.4473

メル 様

この度はご相談を頂きまして、誠にありがとうございます。
5歳の女の子のラガマフィンちゃんは、血液検査で白血球の減少が見られ、
骨髄検査を勧められているのですね。
お問合せについてご案内いたしますが、実際のご様子を拝見していませんので、
一般的なご案内となりますことをご了承ください。

白血球は、主に外から侵入した細菌などの外敵から身を守る防御や
免疫に関わる働きを担っており、他の血球と同じように骨髄で作られます。
白血球には好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球という5種類が含まれ、
通常好中球が占める割合が最も多いとされます。
白血球の値が基準値より低くても、それだけでは症状が見られることはない
のですが、抵抗力が下がることによって、細菌などの感染を起こしやすくなります。
ラガマフィンちゃんは特に好中球が少なく、先生から減少の原因についての
お話があったのですね。

血液中の好中球が減少する場合、原因によって、一般的には「産生の低下」
、「破壊の亢進」、「分布異常」に大別されます。
1. 産生の低下
骨髄での産生に問題が生じることによる減少です。ウイルスなどによる感染症、
再生不良性貧血、腫瘍性疾患、骨髄異形成症候群〔血液細胞の形態異常により、
正常な血液細胞を作れない状態(=無効造血)〕、薬剤によるものなどが
あげられます。
2. 破壊の亢進
自己免疫疾患により、好中球に対する抗体が作られ、
産生された好中球が破壊されることにより減少します。
3. 分布異常
ショック、好中球の消費亢進(体内で激しい炎症が起こり、好中球が動員
されることによる血液中の好中球の減少)、脾機能亢進症などです。

その他、かかりつけの先生がおっしゃったように常に値が低めの「体質」のような場合もあります。

検査機器などによっても数値は異なりますが、ネコちゃんの白血球数の基準値は、
通常5,000〜19,000/μLほどとされていますが、「基準値=正常値」というわけでは
ありませんので、この値から外れていても、必ずしも異常値とは言えません。
好中球の減少は比較的よく見られることがありますが、基準値より数値が低くても
特に問題なくお元気に過ごしているネコちゃんもいます。
また、複数回検査をしても、常に白血球が低い値のままほとんど変わらない
ネコちゃんもいます。

しかし、万が一ウイルスなどに感染したときのことを考えると、症状が重篤化
したり、完治に時間がかかったりする可能性があるので、かかりつけの先生が
お考えのように、健康状態が良い時に原因解明のために詳しい検査をする
ことは望ましいと思います。

骨髄採取自体は短時間で済むものですが、ご存知のように全身麻酔下での処置
になるため、検査を希望される場合は、先生とよくご相談の上、事前に全体的な
健康状態を把握するために、血液検査などの術前検査を行うことが必要です。
具体的な採取の方法としては、全身麻酔をかけた上で、採取部位の皮膚を
数ミリだけ切開し、専用の骨髄採取針を用いて、少量の骨髄を採取します。
骨髄検査では、造血機能を確認することができ、白血球を作る元の細胞があるか、
数は十分か、腫瘍化していないかなどを調べることができます。

現在、ラガマフィンちゃんが特に問題なく、お元気に過ごしているということで
あれば、骨髄検査は今すぐ必ずしも行わなければいけないものではありません。
しかし、メル様がお考えのように、何らかの症状が出てから検査が必要になった
場合は、全身麻酔による負担も健康なときに比較して大きくなりますし、
その時の健康状態によっては、検査自体を行うことができない場合もあります。
また、特に症状がない場合であっても、一般的には年齢が高くなるほどに
全身麻酔のリスクは上がるとされています。

大切なかわいいお子様の検査について、お悩みになることはもっともでございます。
もしよろしければ、もう一度かかりつけの病院さんで血液検査を行っていただき、
白血球の値を確認してはいかがでしょうか。
その結果、もし7月初め頃の3,400の値とほぼ変わりがなければ、体質的なもので
あり、今後も3,400に近い値で、大きな低下もなく維持していく可能性があります。
その場合は定期的に検診をして、数値の推移をみていただくと良いと思います。
しかし、もし検査の結果、白血球数が前回より減少して3,000を切るような場合には、
健康でご年齢も5歳と、全身麻酔のリスクが低いうちに、骨髄検査をして
原因を解明した方がご安心かと思います。

メル様は、健康なラガマフィンちゃんに負担がかかる検査をして、体調を崩して
しまったり、もしただの体質だったらかわいそうと悩まれているのですね。
確かに全身麻酔をかけて骨髄を採取することの負担はゼロではありませんし、
それにより体調を崩してしまうかは実施してみなければ、
わからない部分でもあります。
しかし、もし検査の結果、白血球の低下はラガマフィンちゃんの体質的なもので
あったと判明すれば、病的な異常ではないということで何よりでございますし、
メル様も安堵されると思います。

ラガマフィンちゃんの様子に変化がないか、よく観察していただき、骨髄検査の
実施についてはかかりつけの先生としっかりご相談いただければと思います。

なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、
しつけ相談のサービスを承っております。気がかりなことがおありの際には、
ぜひご利用くださいませ。
お電話番号は、あんしんサービスセンター0800-888-8256です。
平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)
土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。

メル様とラガマフィンちゃんが心穏やかにお元気に過ごされますよう、
心よりお祈り申し上げます。
今後ともアニコムを宜しくお願い申し上げます。



気管虚脱?について

投稿者:あや

投稿日:2016/09/01(Thu) 13:03

No.4470

今年で10才になるポメラニアン、メスの気になる症状

昨日の明け方4時頃に「ガーガー」という声を出してました。その8時間後位に、前日の夜に食べたハミガキガムを吐きました。(固形で残っていたので、あまり噛んでいないものが消化されずに出た感じです。)

ネットなどで調べて「気管虚脱の症状?」と心配になり、先ほど近所の動物病院で診察してもらったところ「咽頭炎では?」と言われ、薬を処方されました。

質問は
1.レントゲンを撮らなくても、聴診器だけで気管虚脱かどうか分かるのですか?

2.咽頭炎でも「ガーガー」と鳴きますか?

3.気管虚脱は興奮したりした時にアヒルのような声が出る…とネットで見たのですが、正常時は呼吸も普通ですか?うちのポメは明け方4時頃に「ガーガー」していただけで、その後は苦しそうな様子もなく、アヒルのような感じになっていません。

以上

宜しくお願い申し上げます。

Re: 気管虚脱?について

- 獣医師 江口

2016/09/05(Mon) 18:51

No.4472

あや 様

残暑の中にも、秋の気配がほのかに感じられる季節となりましたが、
あや様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
この度はご相談を頂きまして、誠にありがとうございます。
あや様の10歳のポメラニアンちゃんが「ガーガー」という声を出し、
その8時間後位に、前日の夜に食べたハミガキガムを
吐いたことについてのご質問ですね。
お問合せにつきましてご案内させて頂きますが、実際のご様子などを拝見して
いませんので、一般的なご案内となりますことを何卒ご了承ください。

まずはワンちゃんの気管虚脱と咽頭炎について、ご説明いたします。

【気管虚脱について】
喉と肺を結ぶ管のような器官である気管は、35-45個のC字型の気管軟骨と
筋肉の膜の膜性壁でできています。
縦に一定の間隔で管状にならぶ気管輪を弾力性のある輪状靱帯が連結し、
パイプのような形をしています。この輪状靱帯が弾力性を失ったり、気管筋が
伸びきってしまったり、気管軟骨がC型の形状を保てなくなると気管は
押しつぶされたように扁平化(へんぺいか)して、つぶれます。
ワンちゃんの気管虚脱は、このように気管が本来の強度を失って押しつぶされた
ように変形したことにより、呼吸に障害を起こす病気です。

はっきりとした原因は明らかになっていませんが、遺伝や肥満、老化による
気管周辺の筋力の低下、口腔内の感染性疾患などが関係していると考え
られています。
また、暑い時期の高温環境や興奮、ストレスなど、過呼吸を引き起こす状況も
発症の要因となるといわれています。

特徴として、小型犬や短頭種に多い疾患で、中高齢のワンちゃんに多くみられ
ますが、若齢のワンちゃんでもみられます。
気管虚脱の症状は急性に発症し、数ヶ月から数年にわたって
少しずつ進行していく病気と言われています。
喉の部分の気管に起こる頚部気管虚脱と、胸の部分まで起こる胸部気管虚脱
があり、症状が進行し、その両方を併発する例もあります。

頚部気管虚脱は気温が上がる春から夏にかけて発症が多くみられ、激しい運動
や興奮、首輪による圧迫があった後などに咳や特徴的な「ガーガー」という
アヒルの鳴き声のような喉鳴り(のどなり)が聞こえるようになります。
舌を出したままよだれを垂らすようになり、重度の場合は、呼吸困難や
チアノーゼ(舌の色が紫色になる)、失神などの症状を起こすことがあります。
胸部気管虚脱では気管が胸部まで押しつぶされる状態となり、
呼吸困難が進行します。
また、気管虚脱は扁平化の程度により4つに分類されます。
グレード1:気管の直径の25%減少。
グレード2:気管の直径が50%減少。
グレード3:気管の直径が75%減少。
グレード4:気管の直径が90%以上減少。気管腔の消失。

グレード1やグレード2では症状が自然と落ち着いたりします。グレードが進行
して症状が重篤化し再発することがあるので経過観察や定期的な検査など
注意が必要です。
診断には、通常の問診、視診、聴診、触診に加え、首筋の触診、
コフテスト(首を軽く圧迫することで咳が誘発されるかどうかのテスト)、
呼気時と吸気時のレントゲンなどの画像診断が加わります。

【咽頭炎】
咽頭炎(いんとうえん)とは咽頭、つまりのどに炎症がある状態を言います。
咽頭とは口と食道の間にある筋肉の膜のような部位です。
部位の名称は口側を咽頭口部、鼻側を咽頭鼻部、呼吸器の入り口である
喉頭(こうとう)に近い部分を咽頭喉頭部といいます。

原因としては、誤食・誤飲による喉の傷、口内炎や鼻炎からの波及した炎症、
刺激物や毒物の吸引、感染等があります。
症状としては咳、食欲不振、頚部リンパが腫れる、よだれ、えづき、呼吸困難
などです。
診断は問診、視診、聴診、触診に加え、必要に応じて血液検査や画像診断が
加わります。

さて、あや様からいただいたご質問についてご案内いたします。
1. レントゲンを撮らなくても、聴診器だけで気管虚脱かどうか分かるかについて
聴診器での聴診だけでは気管虚脱と診断は難しいでしょう。
気管虚脱の聴診では呼吸音の異常の有無はわかりますが、実際、気管に扁平化が
起きているかどうかはレントゲン検査を行います。
レントゲン検査もグレード1や2などの初期であればレントゲンをとっても
診断がつかない場合がございます。グレードが進み、気管の扁平化が進むと
レントゲンで確認できるようになります。

2.咽頭炎でも「ガーガー」と鳴くのかについて
ガーガーと鳴く可能性はあります。
固いものや尖っている食べ物を摂取した後に喉が刺激をうけ、
傷ついたことにより炎症がおこったり、扁桃腺が腫れたりすることによって
呼吸がしづらくなったり、えづいたりすることがあります。
その際にワンちゃんによっては喉鳴りのような音を出すことがあります。
また、「ガーガー」という音を出すものには、逆くしゃみというものもあります。
大きな音を出しながら息を吸い込むという動作です。
「咽頭絞扼反射」もしくは「発作性呼吸」といいますが、
何の前触れもなく、突然始まり、数秒から数分で収まります。
その後は特に異常も無く、何事もなかったかのように収まります。
原因は定かではありませんが、炎症、タバコなど吸引・吸入時の刺激、
喉への刺激、ホコリやハウスダストなどが考えられています。

3. 気管虚脱の際、興奮していない時は呼吸も普通なのかどうかについて
正常時の呼吸音は気管虚脱の程度でも変わってきます。
グレードも低く、症状も軽度であれば、興奮したときや食餌の時に喉鳴りが
起きるだけで、それ以外は呼吸音も正常ということがあります。
しかし、グレードが高くなり、気管の虚脱が進行すると空気の通り道が常に
狭くなるため、息を吐くときは「ガー」と鳴り、息を吸うときは高い音で
「ヒー」と鳴ります。
呼吸をする度に「ガー・ヒー・ガー・ヒー」と音が鳴るようになります。

あや様のポメラニアンちゃんは、明け方だけ「ガーガー」という声を出すだけで、
その後は苦しそうな様子もないとのことでございますね。
また、かかりつけ動物病院さんは「咽頭炎の疑い」という診断でございますね。
おそらく、問診、視診、聴診、触診に加え、喉の様子、ポメラニアンちゃんの
ご様子からの診断ではないかと存じます。
もし、咽頭炎の治療を行っても改善が見られなかったり、呼吸が苦しそうなどの
症状が見られるようであれば、再度かかりつけの動物病院へご相談頂き、
レントゲンなどの詳しい検査をお受けいただくとよろしいでしょう。
また、もし呼吸の度に「ガーガー」という声を出すことが続くようであれば、
その時のポメラニアンちゃんのご様子を動画で撮っていただき、
動物病院の先生へお見せ頂くことで、診察の一助となります。

なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、
しつけ相談のサービスを承っております。気がかりなことがおありの際には、
ぜひご利用くださいませ。
お電話番号は、あんしんサービスセンター 
0800-888-8256です。
平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)
土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。

あや様とポメラニアンちゃんが不安などなく、お元気に過ごされますよう、
心よりお祈り申し上げます。今後ともアニコムをどうぞよろしくお願い申し上げます。