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軟便

投稿者:ロッキーママ

投稿日:2014/04/04(Fri) 07:48

No.3473

同じフードで最近内容がリニューアルされたらしく美味しくなったとのことですが 軟便が続いてます フードを変えた方が良いのでしょうか? 軟便時に 狂犬病予防注射は 接種しても 特に問題はありませんか?

Re: 軟便

- 獣医師 秋吉

2014/04/07(Mon) 16:19

No.3477

ロッキーママ 様

うららかな春日和が心地良い季節となりましたが、
ロッキーママ様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
この度はご相談をいただきまして誠にありがとうございます。
ロッキーママ様のワンちゃんは軟便が続いており、
フードを変えた方がいいのかご心配とのことでございますね。
また軟便の時に狂犬病予防注射を接種して問題があるか
ということでございますね。
早速ご案内をさせていただきますが、実際にワンちゃんのご様子を
拝見していないため、一般的なご案内となることをご了承くださいませ。

ワンちゃんの口から入った食べ物は、食道、胃、小腸を経由して
消化・栄養素が吸収され、大腸で水分が吸収されて便になります。
軟便や下痢がおこる原因ですが、消化不良などにより大腸からの
水分吸収が上手く機能していない場合や、まだ水分吸収が不十分で、
排泄される段階ではない便が、何らかの原因で排泄されてしまった場合
などがあります。

下痢や軟便は「小腸性下痢」と「大腸性下痢」とに大別されます。
1.小腸性下痢
小腸は食べた物の消化・吸収を行っています。小腸に異常があり下痢が
起こる場合は、1回の便の量は多いけれど回数はそれほど増えません。
便の性状は様々でやや軟便のこともあれば、水っぽいこともあります。
小腸に出血がある場合は、便の色が黒っぽくなってきます。
小腸性下痢が長期にわたって続くときは、
合併症状として体重の減少や嘔吐、脱水などが見られます。
2. 大腸性下痢
大腸は水分吸収を行っています。大腸に異常があって下痢が起こる場合は、
1回の便の量は正常か少なめの傾向があり、回数は頻回になります。
便の性状は軟便で粘液が混ざっていることが多いです。
大腸で出血がある場合には、血便が見られることもあります。
大腸性下痢では、体重の減少はあまり見られません。

ロッキーママ様のワンちゃんは軟便が続いているとのことでございますので、
「大腸性下痢」の可能性があるのではないかと思います。
一般的に、大腸性の下痢が続く場合に考えられる疾患としては
@感染性腸炎(細菌性、寄生虫性など)A炎症性腸疾患 B腫瘍 
C繊維反応性下痢 D食事性過敏症 などが挙げられます。
明らかに疑う原因があれば、その原因(食事、寄生虫など)を排除し、
対症療法で症状が改善すれば仮診断することができます。
しかし明らかに疑う原因がないものの対症療法で症状が改善した場合や、
症状が自然と改善した場合は原因を特定できないこともあります。
基礎となる疾患がなく、一過性の要因により大腸性下痢を起こした場合は、
通常、経過は良好です。

ロッキーママ様のワンちゃんは、お食事がリニューアルされてから軟便が
続いているとのことですね。
「食事性過敏症」とは、食べ物に対する過敏症で、食事に含まれる成分
によって引き起こされると言われております。
食物アレルギーや食事不耐性などが含まれます。

※食物アレルギー:特定の食物抗原タンパク質に対する
免疫反応によって起こる反応のこと。
※食事不耐性:ある特定の食物を摂取した時に、体質的に消化に
必要な酵素が不足しているなどによって起こる反応のこと。
例、牛乳に含まれる乳糖の不耐性

フードのリニューアルがどのようなものなのかの詳細が分かりかねますが、
リニューアルに伴い、フードに含まれる成分などに少し変更があった
場合などは、同じ製品でもお腹の調子を崩してしまう事もございます。
また、フードの変更の際には、新しいフードを最初は1割程度から今お使いの
フードに加え、徐々に配合の割合を増やしていくと、ワンちゃんのお腹に
優しいのですが、急に変更なさったときなどにも、
調子を悪くすることがございます。

ロッキーママ様が検討されているように、
フードを変更することで軟便が改善されるのであれば、
お食事が原因であったと言えます。
しかし、軟便が一定期間続いている場合は、お食事の変更だけでなく
内科治療(抗下痢薬、整腸剤など)を併用すべきこともあります。
お食事以外に原因がある可能性もございますし、今のワンちゃんの
便の状態をかかりつけの動物病院の先生に診察して頂いた上、
お食事についてもご相談いただくことをお勧めいたします。

ロッキーママ様のワンちゃんは狂犬病予防接種のご予定がおありで、。
軟便の症状があるときに接種しても問題ないかということでございますね。
狂犬病予防接種や混合ワクチン(5種、6種ワクチンなど)の接種の際に、
以下に該当する場合は注射の適否の判断は
慎重に行うことが必要となります。

・ 発熱・咳・下痢・重度の皮膚疾患などの症状があるとき
・ 疾病の治療を継続中のもの、または治癒後間もないとき
・ 分娩前、分娩直後のとき
・ 非常に高齢であるとき
など

このような場合は獣医師が注射をすべきか延期(または中止)すべきか、
どうぶつさんの体質や健康状態を考慮して判断します。
ワクチン接種後はまれに一過性の副反応(元気・食欲の消失、下痢・
嘔吐など)が起こる場合があります。
ワクチンの副反応と現在ある症状の区別が困難だったり、
すでにある症状の悪化が懸念される場合、治療を優先し、
改善後にワクチンを接種することが望ましいことが多くあります。
ワンちゃんの軟便の治療と合わせて、予防接種の時期についても
かかりつけの先生にご相談いただくことをお勧めいたします。

なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、
しつけ相談のサービスを承っております。気がかりなことがおありの際には、
お気軽にご利用くださいませ。
お電話番号は、あんしんサービスセンター 
0800-888-8256(携帯電話・PHSからは、03-6810-2314)です。
平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)
土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。

一日も早くロッキーママ様のワンちゃんが元気になり、
ロッキーママ様やご家族様と一緒に楽しくお過ごしいただける事を祈っております。
今後ともアニコムをどうぞよろしくお願い申しあげます。



毛玉を吐かない長毛猫について

投稿者:もえは

投稿日:2014/04/03(Thu) 16:00

No.3472

お世話になります。現在7か月になるペルシャ猫のことで相談させてください。

猫草を食べたりもしていますが今までに一度も毛玉を吐いたことがなく、便に出ている気配もありません。以下質問事項を箇条書きさせてください。

・吐かずにいても平気なのかどうか。また、月齢的にまだ余り排出しないものなのかどうか。
・便と共に毛玉を排出させる粘性の毛玉除去剤の使用をした場合に、猫への健康に影響がないかどうか。また連用していいものなのかどうか。
・自然に毛玉を吐かせる良い方法など。

恐れ入りますがご回答を頂けますと幸いです。

Re: 毛玉を吐かない長毛猫につい...

- 獣医師 阿部

2014/04/07(Mon) 09:38

No.3475

もえは 様

この度はご相談をいただきまして誠にありがとうございます。
現在7ヶ月になるペルシャ猫ちゃんが、一度も毛玉を吐いたことがなく、便の中に
毛が排出されている気配がないため、ご心配とのことでございますね。
早速ご案内させていただきますが、実際にネコちゃんのご様子を拝見していないため、
一般的なご案内となりますことをご了承下さいませ。

ネコちゃんは、毛づくろいをする習性があり、ザラザラとした舌で全身をなめて身体をきれいにしています。
その時に舌に引っかかった抜け毛を飲み込んでしまいますので、その毛を毛玉として
吐いたり、便と一緒に排泄したりします。毛玉を吐くこと自体は病気ではありませんが、
吐くときに胃酸や胆汁などの刺激の強い液体が食道や喉を通って逆流し、
食道炎などの二次的な障害を引き起こしてしまうことがあります。
そういった場合には、毛玉はなるべく吐かせないようにすることが大切です。

また、抜け毛の時期に多くの毛を飲み込んでしまい、被毛が消化管内にとどまり、
吐くことも便と一緒に排泄することもできなくなると、「毛球症」という病気になる場合がございます。

猫の毛球症の症状としては以下のようなものが挙げられます。
・元気がない、食欲が無い、便が出ない
・1日以上吐く仕草をするのに吐けない

もえは様のネコちゃんには、今までこういった症状は見られませんでしたか。
このような症状もなく、お元気に過ごされているようでしたら7か月齢とまだ若いので、
そもそも抜け毛が少ないために便に混ざっている毛が目立たないのかもしれません。
もしくは、もえは様がブラッシングをこまめになさっていて十分抜け毛を取っているために、
ほとんど毛を飲み込んでいないのかもしれません。
また、グルーミングがもともとあまり好きではないネコちゃんの場合にも飲み込む毛の量が少なくなります。

しかしながら、今後、先にご案内をしたような毛球症の症状がみられ、
消化管に毛玉がとどまってしまっている可能性がある場合には、
すぐに動物病院で受診されることをお勧めします。

毛球症を予防するためには、おもに2つの方法がございます。
まず、一つは飲み込む毛をできるだけ減らしてあげることです。
そして、もう一つは毛球除去剤で毛球を吐かせるのではなく便と一緒に排泄するように促すことです。
もえは様は毛球除去剤の使用や連用について、ご不安とのことでございますね。
現在入手することのできる毛球除去剤は数種類ございますが、
ワセリンや流動パラフィンなどが主成分となっているものが
多いようです。
定期的に舐めさせることにより、胃に停滞しがちな毛玉を腸へ流しやすくする効果があります。
これらの成分は石油から得られるものですが、飲み込んでも体内で吸収されずに排泄されるため、
健康なネコちゃんへの使用は問題ないと考えられています。
ただ、このワセリンや流動パラフィンは緩下剤といって便を柔らかくする作用もありますので、
投与量や頻度によっては、軟便になってしまうこともあるようです。
便の硬さをみながら投与量を加減していただくとよろしいでしょう。
また、その緩下効果から、長期にわたって連用することで、
脂溶性ビタミンなどの栄養分の吸収を妨げてしまう可能性も指摘されています。
毛球除去剤の使用だけにたよるのではなく、ブラッシングなどで口に入る毛の量を減らすことを
同時に行いながら、使用回数をなるべく減らすようにしていくとより安心です。

また高繊維の毛球除去効果が期待できるフードも毛球除去剤よりはマイルドな
効果ですが、軟便になる心配がない点ではお勧めです。

なお、飲み込む毛を減らすためにはやはりブラッシングが一番です。
ネコちゃんの毛は柔らかいため、ブラシをかけたときに切れてしまうことがあります。
ブラシを使う場合は力を入れすぎないようにご注意いただけたらと思います。
また、ブラシではなくクシをご利用いただくのも一つの方法です。
最初はクシをあまり寝かさずに、毛の根本まで入れずに柔らかく梳かします。
目の粗い方のクシを使い、スムーズに通るようになったら細かい目の方で行います。
毛は一気に梳かすのではなく、少しずつ分けて毛先から徐々にとかした方がネコちゃんは
嫌がらないでしょう。
次にクシを寝かして毛の根本まで入れてしっかり梳かしていくことで、抜け毛をとっていきましょう。
抜け毛をクシにからませたままにしておくと、抜ける必要のない毛まで一緒に取りすぎてしまいますので、
クシについた抜け毛はなるべくこまめに取るとよろしいでしょう。
ブラッシングを嫌う長毛のネコちゃんは、自分の毛づくろいだけでは不十分で、毛玉ができやすくなりますので、
1年に1回程度、暖かい時期にライオンカットのようにすっきりカットしてあげるのも一つの方法です。

また、多くのネコちゃんは猫草を食べることで毛玉を吐き出しますので、
毛球症の予防にはなりますが、食道炎などの二次的な障害を起こしてしまう可能性
もありますので、猫草を食べて吐いて頻繁に吐いてしまう場合には、
あまりおすすめはできません。

なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、
しつけ相談のサービスを承っております。気がかりなことがおありの際には、
お気軽にご利用くださいませ。
お電話番号は、あんしんサービスセンター 
0800-888-8256(携帯電話・PHSからは、03-6810-2314)です。
平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)
土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。

春の陽射しが心地良い季節ですが、
気温差が大きく、体調維持の難しい時期でもございます。
もえは様におかれましては、お風邪などひかれませんようお気を付け下さい。
今後ともアニコムをどうぞよろしくお願い申し上げます。



去勢について

投稿者:桃太郎

投稿日:2014/04/03(Thu) 14:36

No.3470

お世話になっております。

犬の去勢についてご相談がございます。

現在3月で7歳になったミニチュアダックスフント(6.3s)を
飼っているのですが、先日かかりつけの獣医さんに会陰ヘルニアの予防に去勢を勧められました。

うちの犬は、肛門腺がすぐ溜まり、1〜2週間に一度は
絞らないといけないので、時々肛門腺炎になるときもあります。

このように、肛門腺に異常というか問題のある犬は、
会陰ヘルニアになる可能性が高いのでしょうか?

去勢をすれば病気の予防になるのは承知しているのですが、
もう7歳ですので躊躇しています。

もし、肛門腺炎も会陰ヘルニアの要因になるなら
すぐ去勢手術を受けようと考えています。

以上、よろしくお願い致します。

Re: 去勢について

- 獣医師 竹田

2014/04/07(Mon) 09:30

No.3474

桃太郎 様

この度はご相談を頂きまして、誠にありがとうございます。
会陰ヘルニアの予防のため、ミニチュアダックスフントちゃんの去勢手術を
かかりつけの獣医師さんで勧められ、
お悩みでいらっしゃるとのことでございますね。
お問合せにつきましてご案内いたしますが、実際のご様子を拝見して
おりませんので、一般的なご案内となりますことを何卒ご了承ください。

会陰ヘルニアは肛門周囲の筋肉が衰え、薄くなり、排便時のいきみや、
吠えたりした際に腹圧がかかってできた隙間から直腸や膀胱などが飛び出す病気です。
ウンチが出にくい、肛門の周りがぽっこりと膨らんできた、などの症状から
飼い主さんが異常に気づき、受診される場合が多いようです。
ほとんどが高齢の去勢をしていない男の子に発症し、前立腺肥大を併発している
場合も多くみられます。
原因として男性ホルモン(アンドロゲン)が関与していると強く推測されており、
去勢によって予防できる(発症のリスクを軽減できる)病気の1つと
考えられています。

一方、肛門腺炎(肛門嚢炎)は犬が便に自分の臭いをつけるための分泌物を
産生する腺の炎症です。
肛門嚢は袋状になっており、肛門の斜め下方向、4時と8時の位置に一対ある
のですが、分泌物が多かったり、詰まりやすかったりという原因がある場合には、
両方または片方がしばしば炎症を起こします。

このように会陰ヘルニアと肛門嚢炎とは別々の原因で発症する病気のため
ミニチュアダックスフントちゃんが肛門嚢炎になりやすいことが、
会陰ヘルニア発症のリスクを直接高めるというわけではないと思われます。
しかし肛門腺の炎症が繰り返し起こっているために、周囲に炎症が波及し、
肛門周囲の皮膚や筋肉が脆弱になっている可能性はあるかもしれません。
会陰ヘルニアの発症自体は肛門嚢炎と関連して起こるものでなくても、
今までの肛門嚢炎の経過によっては、もし会陰ヘルニアになった場合に、
整復手術が困難になるので去勢手術をすすめられたのかもしれません。

肛門周囲の皮膚や筋肉に特に問題が無くても
ある程度の年齢に達していて、将来交配させる予定のない男の子のワンちゃんに、
会陰ヘルニアを含む生殖器関連疾患の予防のため、去勢手術をおすすめになられる
獣医師さんは多くいらっしゃいます。
会陰ヘルニアは症状の程度や年齢などにより便を出しやすくするなどの内科療法で
維持することもありますが、根本治療は手術での整復になります。
全身麻酔下での手術となるため高齢で発症した場合には手術自体のリスクが
高くなることが予想され、最悪の場合、麻酔に耐えられないため手術できない、
ということも考えられます。
会陰ヘルニアに関して言えば、好発年齢は8歳以降と言われていますが、
昨今、ワンちゃん達の平均寿命は長くなってきており、
末永く元気にお過ごしいただくために、
健康で体力のある6〜7歳くらいまでに、獣医師さんが予防的に
去勢手術をすすめるのはこういった理由からです。

もちろん健康であっても、麻酔や手術のリスクはゼロではありませんから、
実際に手術するかどうかはメリット・デメリットを検討のうえ、
かかりつけの獣医師さんとよく相談されて決めていただければと存じます。

最後に去勢手術についての一般的な内容をご案内します。
去勢手術は、外科的に男の子の精巣を摘出する手術です。
去勢手術のメリットは、男性ホルモンを分泌する精巣が無くなるために、
男性ホルモンに関連して起こる病気や行動を抑えることができることです。
予防できる病気としては、先にご案内をした、会陰ヘルニアをはじめ、
肛門周囲腺腫、前立腺の病気(前立腺肥大など)、精巣腫瘍
などがあげられます。
また、男性ホルモンの影響で起こる攻撃性を抑えたり、マーキングやマウンティングなどの
性行動を抑える効果も期待できます。
性的欲求から解放してあげることで、穏やかな落ち着いた生活ができるようになることも
期待されます。

しかしながら、ワンちゃんの攻撃的な行動に関しては、男性ホルモンの影響以外に
原因があることもあります。マーキングやマウンティングなども、性的行動としてではなく、
縄張りや順位の主張として行っているような場合、あるいは去勢手術以前にすでに
行動として記憶している場合などには、去勢手術をしても
行動が改善されないこともあります。

また、手術のデメリットとしては、
去勢手術後は、代謝エネルギー量が減るために太りやすくなることですが、
手術後に体重の変化をチェックしながら食事の量を調節していただくことと
適度な運動を続けることでリスクが軽減できると
いわれています。
また何か気がかりなことがございましたらお気軽にご相談下さい。

アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、しつけ相談
サービスを承っておりますので、ぜひご利用くださいませ。
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平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)
土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。

今後ともアニコムをよろしくお願い申し上げます。



血液検査の結果について

投稿者:ペルちゃん

投稿日:2014/04/01(Tue) 21:19

No.3469

お世話になっております。
我が家のトイプードル2歳3ヶ月♂の血液検査の事でご相談があります。先週血液検査でast(got)の数値が55と少し高めの数値が出ました
。一年前は参考値の範囲に入ってました。獣医の先生は経過観察で良いとの事ででしたが心配です。
おやつにチーズを毎日与えています。おやつやフード等が原因でしょうか。動物病院から検査結果が郵送で送られてきてから病院には行ってません。診察もしてもらったほうがいいのでしょうか。よろしくお願いします。

Re: 血液検査の結果について

- 獣医師 山中

2014/04/03(Thu) 15:46

No.3471

ペルちゃん様

お花見の季節を迎え、春風に吹かれれば、
身も心も生き生きしてくるような気が致しますが、
ペルちゃん様におかれましてはいかがお過ごしですか。
この度はご相談を頂戴いたしまして誠に有難うございます。
ペルちゃん様のトイプードルちゃんは、血液検査でAST(GOT)の値が
少し高めで、ご心配なさっているご様子でございますね。
早速ご案内をさせて頂きたいと存じますが、
お子様の実際のご様子を拝見していないため、
一般的なご案内となりますことをご了承下さいませ。

肝臓の状態をあらわす主な指標である、ALT(GPT)、ALP、AST(GOT)、γ-GTP(GGT)
などは肝臓やそれ以外の組織に存在し、肝臓に障害があった際など血液中の濃度
が上昇して高値を示します。

AST(GOT)はアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの略で、
肝細胞や筋肉、心臓、小腸などに広く分布している酵素です。
何らかの理由で肝細胞や筋肉、心臓、小腸に障害が起こり、
ASTが血中に出てしまうと、血液検査でASTの値が上昇しますので、
肝障害だけでなく、運動直後に筋肉の炎症があった時や腸炎などの際にも
ASTの数値が上昇することがあります。
そのため、ASTのみの上昇だけで「肝臓に異常がある」と判断するのではなく、
他の肝酵素(γ-GTP 、ALT、ALPなど)と合わせて、総合的に判断をしていく
ことが必要となります。

ALT(GPT)はアラニンアミノトランスフェラーゼの略で、肝臓での活性が高く、
肝臓に特異な酵素ですので、肝臓の働きを測る指標となります。
肝細胞の壊死や障害が起きると値が上昇します。
ALPはアルカリフォスファターゼの略で、肝細胞や胆管上皮細胞、骨芽細胞など
で産生される酵素です。
ステロイド薬の投与、胆汁の流出経路の異常、肝疾患、腎疾患、骨の病気など
により上昇します。
また健康な子犬の成長期にも骨の成長に伴って上昇がみられます。
また、ある種の腫瘍でも上昇がみられることがあります。

さて、ペルちゃん様のトイプードルちゃんにおかれましては、
先週、動物病院さんで血液検査をしたところASTの数値が少し高く出たので
ございますね。
ASTの数値ですが、検査器械によって幅もありますが、
一般的に正常値はおおよそ50〜60 IU/lくらいまでではないかと思われます。
ペルちゃん様のトイプードルちゃんのASTは55 IU/lで、病院の検査結果の参考値
よりも少し高かったのですね。
どのような機器で測定し、参考値の上限が幾つなのかというところまでは分かり
かねますが、55 IU/lという数値は、おそらく参考値よりごくわずかに
上昇しているだけではないかと思います。
先にご案内した通り、ASTとALTの両方の数値が高い場合は肝臓に異常がある
可能性が高いと判断しますが、ASTのごく軽度の上昇のみなので、
かかりつけの先生は、経過観察と判断されたのかもしれませんね。

ペルちゃん様におかれましては、血液検査の結果を郵送でお受け取りに
なられてから通院をされていないとのことですね。
ASTの値も含めASTの上昇が一時的なものかどうかや、他に精密な検査
が必要かどうかを判断いただくため、
一度、ご安心のためにもご通院なさってはいかがでしょうか。
また、先にご案内した通り、ASTは心臓や筋肉に異常があっても上昇する
こともあり、血液検査だけで病気の判断をするのは難しいため、
健康診断の際に、併せて聴診や触診等をしていただくとよろしいでしょう。
検査の頻度についてはかかりつけの動物病院さんにご相談して頂くのが
良いのですが、まずは最初の血液検査から2〜4週間での検査をお勧めいたします。

【食事について】
ペルちゃん様におかれましては、おやつやフードが肝臓に与える影響を
ご心配されているご様子でございますね。
現在チーズをおやつに与えていらっしゃるとのですね。

チーズはカルシウムやタンパク質、脂質の他に、ビタミンやミネラルを多く含み、
最近、注目を集めている発酵食品でもあるため、乳酸菌も含まれています。
そのため、とても優れた食品ですが、栄養価が高いため、
1日に必要なカロリー量の中には、チーズなどのオヤツのカロリーも含めて
お与えいただき、摂取頻度や摂取量を適度に保ち、肥満には注意をする必要が
あるでしょう。
ペルちゃん様がどんな種類のチーズをどの程度の量与えていらっしゃるかにも
よりますが、適量であれば、肝臓に影響を与えることはそれほど考えなくても
よろしいのではないでしょうか。
ただし、ヒト用のチーズは塩分が多く含まれていますので、
どうぶつさん用の、塩分を考慮した商品をお与えいただければと思います。

なお、肝臓は解毒や代謝を行う臓器であり、合成保存料、合成着色料、
合成香料などの合成添加剤を摂取することにより肝臓に負荷がかかる可能性
がございます。したがいまして、おやつを選ばれる際には、脂肪分を多く
含みすぎているタイプのものを避けていただき、また、合成添加物の使用も適切に
なされているものを選んでいただければと存じます。

なお、アニコムでは下記の受付時間で、お電話でのご契約者様への健康相談も
承っておりますので、こちらのサービスもお気軽にご利用くださいませ。

お電話番号は、あんしんサービスセンター 0800-888-8256
(携帯電話・PHSからは、03-6810-2314)です。
平日9:30〜17:30 / 土日祝9:30〜15:30
土日祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。

新しい年度を迎え、気忙しさを感じますが、ペルちゃん様におかれましては、
ぐれぐれもお体ご自愛ください。
今後とも、アニコムをどうぞよろしくお願いいたします。



膝蓋骨脱臼について

投稿者:

投稿日:2014/03/29(Sat) 10:58

No.3466

お世話になっております。
我が家の3歳になるチワワなのですが、先日、混合ワクチンで動物病院へ行ったところ、右後脚がグレード3、左後脚はグレード2の膝蓋骨脱臼であると診断を受けました。
先生に、痛がる様子もなく元気に走り回っていると伝えたところ、グレード3は手術を考えてもいい段階ではあるけど、痛がってないなら内科的治療(サプリメント服用)で様子を見てもいいかも…とのお話でした。
サプリメントを飲ませれば、症状が酷くなるのを抑える事が出来るのでしょうか?
また、病院でサプリメントを出してもらった場合、保険適用になりますでしょうか?
また、体重管理や飛び跳ねたりだとかの行動に気をつける他に、何か飼い主としてしてあげられる事があればお教え頂きたいと思います。
宜しくお願いいたします。

Re: 膝蓋骨脱臼について

- 獣医師 東

2014/04/01(Tue) 12:33

No.3468

笑 様

暖かな春の日差しが心地よい季節となってきましたが、
笑様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
この度はご相談をいただきまして、誠にありがとうございます。
早速ご案内をさせていただきますが、実際のご様子を拝見して
おりませんので、一般的なご案内になりますこと、何卒ご了承ください。

笑様の3歳になるチワワちゃんが、膝蓋骨脱臼であると診断をお受けに
なられたのでございますね。
すでに動物病院の先生からご説明があったかと存じますが、
膝蓋骨脱臼とはワンちゃんの後肢にある膝蓋骨(膝にあるお皿)が
内側もしくは外側に向かって正常な位置からずれる状態のことをいいます。
笑様のチワワちゃんのような小型犬のワンちゃんでは、膝蓋骨が内側に脱臼
する内方脱臼が多く見られます。
膝蓋骨脱臼になるワンちゃんは、先天的に骨や関節、靭帯などの
構造的異常が認められることが多く、これらが原因になっています。

膝蓋骨脱臼では、脱臼の程度によってグレード1からグレード4まで
分かれています。
症状もグレードによって様々で、無症状や日常生活では目立たない程度
の軽度のものから、重度のものまでさまざまです。
笑様のチワワちゃんは、右後肢がグレード3、左後肢がグレード2という診断
だったということでございますね。

膝蓋骨脱臼は、グレードによって以下のように分類されます。
(1)グレード1
膝蓋骨が脱臼しても、自然と正常な位置に戻る程度の脱臼です。
通常の生活をしている中で膝蓋骨が脱臼することは少ないです。
痛みや症状はほとんどありませんが、時折スキップのような歩き方をしたり、
挙上することもあります。
病院に行って触診の際に見つかることが多いです。
(2)グレード2
膝蓋骨は正常な位置にありますが、膝を曲げたときに脱臼が起こります。
日常生活でも時々脱臼が起こるようになりますが、自然と整復できます。
痛みはあまり強くありませんが、脱臼している時には跛行が見られることも
あります。
(3)グレード3
膝蓋骨は常に脱臼している状態です。
膝蓋骨は手で正常な位置に整復できますが、
膝を屈伸することで、またすぐに脱臼が起こります。
跛行も見られるようになり、また、骨の変形も明らかになってきます。
Cグレード4
膝蓋骨は常に脱臼している状態です。
グレード3とは異なり、手で正常な位置に整復させることはできません。
膝関節を伸展させることができないため、うずくまるような歩き方になります。
骨の変形もさらに重度になります。

膝蓋骨脱臼の治療方法は、内科的治療(鎮痛剤やサプリメントなど)と
外科的治療(手術で脱臼を整復)があります。
グレードによって治療方法は異なりますが、
そのどうぶつさんの年齢や脱臼の状態、症状、関節炎の有無などによって
治療方法が決まります。
状態によっては外科的治療を行わず、内科的治療で経過を観察する場合も
多くみられます。

笑様のチワワちゃんは痛がっていないので、サプリメント投与の内科的治療で
様子をみるという先生のお話だったのでございますね。
膝蓋骨脱臼を起こすワンちゃんは膝の関節が不安定なため、
脱臼を繰り返すことによって将来的に膝の関節炎を起こしてしまう場合が
多くみられます。
また、膝をかばって歩いたり走ったりすることで、股関節にも負担がかかり、
股関節の関節炎を招く可能性もございます。
そのため、関節を保護する目的でサプリメントをお勧めすることが多く、
使用するサプリメントは関節軟骨を強化したり軟骨の再形成を促す成分を
含んでいます。、
その成分はコンドロイチンやグルコサミン、緑イ貝などが代表例になります。
コンドロイチンとグルコサミンは一緒に摂取することで、より効果が期待できると
言われています。

サプリメントは関節を保護したり、炎症を起こしにくい丈夫な関節を作る
ことを目的として投与しますが、膝蓋骨脱臼の原因となる骨などの構造異常を
治すものではございません。
また、膝蓋骨脱臼の発症を予防できるわけではございません。
したがいまして、サプリメントの服用は、膝蓋骨脱臼が起こった時の
関節への負担を減らすことが目的であると考えていただくとよろしいでしょう。
サプリメントを飲ませていれば症状が進行しないというわけでは
ございませんので、後でご案内いたしますが、
負担がかからない生活環境を作っていただくことが大切でしょう。

さまざまなワンちゃんの関節用のサプリメントが販売されており、
製品によって含まれている成分、含まれている成分量が異なり、
また、効果は個体差がありますし、製品によって効果や吸収率も
さまざまです。
形態もカプセルタイプ・タブレットタイプなどがございますし、
その風味や大きさも異なります。
タブレットタイプのサプリメントは全体的にサイズが大きいものが多いようです。
笑様のチワワちゃんがサプリメントを服用するのであれば、
チワワちゃんに適したサプリメントを主治医の先生に伺っていただくことを
お勧めいたします。
しかしながら、誠に恐れ入りますが、アニコムではサプリメントは保険の
補償対象外とさせていただいておりますので、ご了承くださいませ。

膝蓋骨脱臼では、脱臼を繰り返すことでグレードが上がることもあります。
膝蓋骨脱臼を起こしているチワワちゃんと一緒に過ごす上で、
状態を悪化させないため、やはり大切なことは関節に負担をなるべく
かけない生活をさせることです。
関節に負担をかけないようにして、症状の悪化を防ぐことが重要になります。
気をつけていただきたいポイントを以下にご案内いたしますので、
ご参考にしていただければ幸いです。

■ 体重管理
笑様がおっしゃっていただいているように、体重管理は大切です。
体重の増加は膝の関節に負担をかけますので、適切な体重を維持する
ようにしましょう。
体重の増加を気にするあまり、痩せすぎて筋肉を落とした状態になって
しまった場合も膝関節に負担がかかりますので、筋肉は維持しながら
適切な体重管理をすることが大切になります。

■ジャンプや過度の運動は避ける
こちらも、笑様がおっしゃっているように、飛び跳ねたりする行動は避けるように
しましょう。
ぴょんぴょんと飛び跳ねる・ベッドやソファー、椅子などにジャンプして
飛び乗ったり飛び降りたりする・階段を昇り降りする、といった行動は
膝関節に負担がかかってしまいます。
もし、ソファーなどに飛び乗ったりする習慣がすでにある場合には、
スロープなどを使って飛び乗ったりしないようにする・ソファーなどの
足元の位置にチワワちゃん専用の場所を作ってあげる、など
対策をしていただくことをお勧めいたします。
もしくは、ベッドのある部屋には入らないようにする・階段を昇り降り
できないように昇り口に柵をつけるなど、物理的にガードなさるのも
よろしいでしょう。
ある程度の運動は大切ですが、激しい運動は負担がかかります。
お散歩中に走り回ったりしないように、笑様の横について
歩かせるようにしましょう。

■ 室内ではすべらないようにする
室内でチワワちゃんがよく居る場所はフローリングでしょうか。
フローリングは滑りやすく、滑ると関節に負担がかかります。
フローリングなどの滑りやすい床にはマットを敷く・滑り止めのワックスを
利用する、などの対策をしましょう。
また、爪が伸びていたり、肉球の間や周りの毛が伸びていると、
床を歩く際に滑ってしまうことがありますので、定期的に爪や足裏の毛の
ケアをしてあげてくださいませ。

膝蓋骨脱臼は手術をしない場合は、今後も経過観察が必要な病気です。
かかりつけの先生とよくご相談されて、チワワちゃんにとって
一番良い治療方法を決めてあげてくださいませ。
チワワちゃんが今後も元気に過ごせることをお祈りいたしております。

アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、
しつけ相談のサービスを承っております。気がかりなことがおありの際には、
お気軽にご利用くださいませ。
お電話番号は、あんしんサービスセンター 
0800-888-8256(携帯電話・PHSからは、03-6810-2314)です。
平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)
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今後ともアニコムをどうぞよろしくお願い申し上げます。