血液検査で2ワンコとも尿酸窒素が高い値がでました。
食べ物が原因と言われました。確かにお肉中心なのです。
ドッグフードも85%がお肉・内臓で、他は野菜・果物のグルテンフリーです。
とてもいいドッグフードだと聞いて食べさせていたのですが。。。
おやつがお肉だったのもいけないのかもしれません。
野菜が確かに少ないのですが、アミノ酸値は、
お肉は100だし、野菜の方が100ないものが多いし。。。
ほとんどの食べ物でタンパク質が入ってるし。。。
何をあげたらいいのかわからなくなってしまいました。
たんぱく質が多いといけない!と言われても、野菜に変えてもタンパク質はあるし。。。
一体、何を食べさせたらいいのでしょうか?
肉のタンパク質だけがダメなのでしょうか?
それとドッグフードの箱に書かれてる、
粗タンパク質○○%の表示がたんぱく質が
含まれてる量なのでしょうか?
獣医さんにたんぱく質が3割と言われました。
ドッグフードをみたら、39%以上と書いていたので、
1割多い?と思ってる所です。
よろしくお願い致します。
Re: ドッグフード&ご飯
- 獣医師 山田
2015/04/15(Wed) 15:28
No.3956
はっしー 様
木々もすっかり芽吹き、新緑の葉が茂る季節となりましたが、
はっしー様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
この度はご相談をいただきまして、誠にありがとうございます。
はっしー様の2頭のワンちゃんたちは血液検査で、尿素窒素が高く、
かかりつけの先生からは「食べ物が原因」というお話があったのですね。
早速ご案内させていただきますが、一般的なご案内となりますことをご了承下さい。
タンパク質は被毛や筋肉などを作るために必要なアミノ酸を供給するだけでなく、
酵素やホルモン、病気に対する免疫反応の担い手となる抗体などの構成成分にも
なる重要な栄養素です。
もともと肉食動物のワンちゃんは米などの炭水化物が主食である人間より
多くのタンパク質の摂取が必要です。
タンパク質が体内で分解されると、アンモニアが発生します。
このアンモニアは有毒なため、肝臓で無毒な尿素に代謝されます。
尿素は再利用されることなく、腎臓から尿中に排泄されますが
腎機能が低下していると、尿素の排泄量が減少するため、
血液中の尿素量が上昇します。
このことから、血液中の尿素に含まれる窒素成分(尿素窒素-BUN)の値は、
腎機能の指標として広く用いられています。
腎臓の働きが悪くなると尿素窒素(BUN)は高値になりますが、
それ以外に、食事内容(タンパク質の摂りすぎ)や脱水、循環不全、
消化管出血等の腎臓以外の影響でも尿素窒素の数値は高くなります。
尿素窒素の基準値は検査機器にもよりますが、おおよそ 7 – 30 mg/dL程度
となります。高タンパク食の摂取などによっては、 50 mg/dL程度までの上昇する
こともあると言われています。
はっしー様はワンちゃん達のお食事をいろいろ考えたところ、
何を与えたら良いのかわからなくなってしまったとのことですね。
上述のように、タンパク質は体を作ったり免疫力を保つために、大変重要ですが、
ただ、たくさんタンパク質を摂取したら良いというものではなく、
バランスが大切になります。
ドッグフードは、毎日の主要な食事として給与することを目的とし、
ペットフードと水だけでそれぞれの成長段階における健康を維持できるような
栄養的にバランスのとれた製品であり、「ペットフード公正取引協議会」の定める
分析試験の結果、その基準を満たしている総合栄養食と、
特定の栄養の調整又はカロリーの補給を目的とするその他の目的食に
大きくわかれています。
はっしー様のワンちゃんが現在食べているお食事は、おそらく総合栄養食
かと思われますが、この総合栄養食はワンちゃんに必要な栄養を
バランスよく含んでいます。
フードのタンパク質含有率は、低いものから高いものまで様々ですが、
ワンちゃんの健康維持に際して妥当だとされている範囲だと考えられます。
ただ、タンパク質はメインのフードだけではなく、おやつにも含まれます。
一般的に、総合栄養食の他に、おやつを与える場合には、
栄養のバランスから考えると、一日に与えるすべての食事量の一割程度、
多くても二割以内であることが推奨されております。
おやつを与える時には、その分だけ、フードの量を減らす必要があります。
はっしー様のワンちゃんはおやつにお肉を食べていらっしゃるとのことですので、
総合栄養食+αでタンパク質の摂取が少し多くなっているのかもしれません。
おやつを一度やめて、今の総合栄養食のみにしていただいたり、
おやつをお肉よりもタンパク質が少ないものに切り替えてみるのなど
試してみてはいかがでしょうか。
それでも、尿素窒素の数値が高いようであれば、
主食のフードの変更を検討されてみてはいかがでしょうか。
次に「粗タンパク質」についてですが、「粗タンパク質」とは、
直接たんぱく質を定量するのではなく、食品中の窒素量を定量し、
タンパク質に換算する方法で測定したものになります。
窒素はタンパク質のほか、アミノ酸やアミン、アンモニアなどからも由来することから、
粗タンパク質と言われます。
つまり、タンパク質の原料となる成分がどれくらい含まれているか、
おおよそのタンパク質の含有量がどれくらいかというものを表しています。
そのため、はっしー様のワンちゃんが今現在食べているフードは
粗タンパク質が 39 %以上とのことなので、
39 %以上タンパク質の原料となる成分が含まれているという、
大まかな目安となります。
ワンちゃんが必要とするタンパク質の量は、年齢や運動量、健康状態など
によっても異なります。
一般的に、幼齢犬や妊娠・授乳中の母犬や運動量の多いワンちゃんには
高タンパク食を与えることが良いとされていますし、逆に高齢犬では、
あまり高タンパクな食事は内臓機能に負担がかかると言われています。
その子その子に合ったバランスの良いお食事をご選択いただく事が重要です。
ただ、どのようなフードを選択すべきかは、大変悩まれる事だとおもいます。
はっしー様がおっしゃる通り、「タンパク質」といっても、肉など動物性タンパク質
と植物由来の植物性タンパク質があり、その種類は多種多様です。
野菜も植物性タンパク質を含んでいますが、その種類によって含有量が異なります。
例えば、タンパク質を多く含むものとしては豆類、トウモロコシ、ブロッコリー
などで、キャベツやキュウリ、レタスは豆類に比べるとタンパク質の含有量が
比較的少なくなります。
また、植物性タンパク質ではワンちゃんの必須アミノ酸を全て
まかなうことができず、ワンちゃんは植物性タンパク質の分解が苦手という事も
ありますので、今後、どのようなお食事をご選択いただくかについては、
かかりつけの先生ともご相談いただき、今の2頭のワンちゃんに適した
フードをお選びいただけたらと思います。
春風が気持ちよく、過ごしやすい季節になってきましたが、
はっしー様とワンちゃん達がお元気にお過ごしいただけたらと存じます。
また何か気がかりなことがございましたらご相談下さい。
なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、
しつけ相談のサービスを承っております。気がかりなことがおありの際には、
お気軽にご利用くださいませ。
お電話番号は、あんしんサービスセンター0800-888-8256です。
平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)
土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。
今後ともアニコムをどうぞよろしくお願い申し上げます。
Re: ドッグフード&ご飯
- はっしー
2015/04/15(Wed) 22:43
No.3959
こんばんは。なるほどですねぇ〜
やはり、おやつとトッピングに問題があったのですね。。。
ドッグフードが規定量だとあまりに少なくて。。。
ちゃんと計算されてるものをいじってはいけないですね。。。
お兄ちゃんワンコの親戚が2ワンコ、門脈シャントの疑い(1ワンコは手術済)で、病院で「その病気のワンちゃんにこの肉量のドッグフードは。。。」と言われてしまいました。
なので余計分からなくなってしまいました。
ドッグフードは難しいですね。。。
数値が悪いのは事実なので、がんばってみます!
獣医さんでもご飯まで詳しい方はあまりいないので、
ほんとこういう時は困ります。。。
ありがとうございました!
Re: ドッグフード&ご飯
- はっしー
2015/04/15(Wed) 23:29
No.3960
ちょっと分かりにくい文章になっていたので。。。
うちの子がシャントの診断を受けた訳ではありません。
血液検査の時に一緒にできなか?という事で先生にお話ししたんです。
そしたら、再検査の時に、
「もし、シャントだったら、このご飯は辛い」
と言われたのです。。。
栄養学をもっと勉強してみます!
Re: ドッグフード&ご飯
- 獣医師 山田
2015/04/17(Fri) 17:06
No.3963
はっしー 様
この度はご丁寧にご返信をいただきまして、誠にありがとうございます。
はっしー様のこんなにも深く強い愛情に包まれて過ごすワンちゃんは
ほんとうに幸せでございますね。
ワンちゃんの血縁に門脈シャントで手術をされた子がいらっしゃるのですね。
門脈シャントは肝臓で無毒化されるべき有害物質が処理されないまま
直接全身を回ってしまい、さまざまな症状が引き起こされる病気です。
そのため、アンモニアの産生をできるだけ抑制する必要があり、
低タンパク質の食事を与える食事療法やアンモニアの産生や吸収を防ぐ薬剤の投与、
その他、さまざまな症状に応じて症状を抑える薬を投与します。
また、症状が強くみられる場合や根治を目的とする場合などは、
シャント血管の閉鎖手術を行ないます。
はっしー様のワンちゃんは、門脈シャントではないとのことですが、
尿素窒素は正常より高い数値とのことですので、
是非、かかりつけの先生にもお食事面のご相談をいただけたらと思います。
また、気がかりなことやご心配なことがございましたら、いつでもお気軽に
お声掛けください。
今後もどうぞよろしくお願い致します。
Re: ドッグフード&ご飯
- はっしー
2015/04/19(Sun) 10:46
No.3964
すいません。
もぉ1つ、質問が。。。
穀物がワンちゃんは苦手という情報と雑食だから大丈夫という情報と両極端で迷ってます。
消化が苦手なものが入っていた場合、消化はどうなるんでしょう?
分解されず、ウンコになって出てしまうのでしょうか?
野菜のたんぱく質の分解が苦手と書かれているので、分解されないと分解された時の副産物はできないから尿素窒素は上がらいのでしょうか?
それとも、分解されなくても、尿素窒素は上がるのでしょうか?
情報を調べれば調べるほど、分からなくなりました。
すいませんが、よろしくお願い致します。
Re: ドッグフード&ご飯
- 獣医師 山田
2015/04/21(Tue) 19:36
No.3968
はっしー 様
この度はご質問いただきありがとうございます。
ワンちゃんに穀物を与えることについての両極端の情報をご覧になり、迷ってしまっていらっしゃる
とのことでございますね。
どうぶつたちの口の中に入った食べ物は唾液と混ざり合い、飲み込まれて食道に入ります。
食道に入った食べ物は、食道の壁から産生される粘液の働きと筋肉の収縮によって
胃に送られます。胃は袋状をしており、食道に続く入り口部分を噴門(ふんもん)、
十二指腸へと移行する出口部分を幽門(ゆうもん)と言います。
胃の主な働きは「食べ物の貯蔵」と「消化の準備」です。
胃では、強酸性の胃酸とタンパク質の分解酵素であるペプシンを主成分とする胃液が分泌されます。
胃粘膜から分泌される粘液が胃内部を覆い、加えてプロスタグランジンという生理活性物質(※)が
胃粘膜の血流を促進したり細胞を修復したりすることで、強酸性の胃液からどうぶつ自身の胃を
守っています。胃で軟らかくドロドロの状態になった食べ物は少しずつ小腸に送られ、小腸で本格的な
消化・吸収に入ります。
※ホルモンや神経伝達物質のように、体の機能の調節や活性化などの作用をもたらす物質が
生理活性物質です。
本格的な消化と吸収をする臓器である小腸は、胃に近いほうから十二指腸、空腸、回腸と呼ばれます。
膵臓からは膵液が、肝臓からは胆汁が分泌され、どちらも十二指腸に流れてきます。
また十二指腸を含む小腸全域には腸液が流れてきています。
これらの消化液の力により、脂肪は脂肪酸とグリセリンに、タンパク質はアミノ酸に、炭水化物は単糖に
というように、食べた物がさらに小さな成分へと消化されていきます。
膵液には、「食べ物を分解して体内に吸収しやすい大きさにする」という働きがあり、リパーゼ、
アミラーゼ、トリプシンといった消化酵素が含まれています。
胆汁は脂肪を水に溶けやすく変え、小腸で吸収しやすくするという働きがあります。
膵液や胆汁はアルカリ性ですので、胃を通過して十二指腸や小腸に入った内容物のpHは、
すぐに酸性から中性へと中和されます。
小腸で栄養を吸収した血液は門脈を通って肝臓に送られます。肝臓では血液の栄養成分の加工と
貯蔵、血液中の有害成分の解毒が行われます。その後、血液は肝静脈を経て心臓に戻ります。
栄養が吸収された後の不要な物は、盲腸、結腸、直腸から成る大腸に送られ、
水分が吸収され、ウンチが作られ、最終的には肛門から排泄されます。
さて、多くの穀物は、炭水化物だけでなく、タンパク質も含んでいます。
炭水化物は、消化・吸収できる「糖質」と消化ができない、あるいは難しい「食物繊維」の総称になります。
食物繊維には水溶性のものと不溶性のものがありますが、不溶性の繊維の代表的なものは
野菜など植物の繊維類であるセルロースです。
ワンちゃんの食性の特徴として、かつては肉食動物であったが、人との生活の中で雑食化したと
されていたこととも関わりがあるのかもしれませんが、はっしー様がおっしゃるように、
ワンちゃんはもともと穀物などの炭水化物の消化があまり得意ではないと言われています。
肉などの動物性食品は消化吸収が速やかであるのに対して、植物性のものはやや時間がかかります。
そのため、草食動物は肉食動物よりも長い腸をもっています。
ワンちゃんの腸は草食動物よりも短いため、穀類などの炭水化物の消化があまり得意ではないと
言われています。その代りに、肉などのたんぱく質を効率よくエネルギー源として使用するようになっています。
消化されない食物繊維を沢山摂取した場合、胃腸は時間をかけて分解しようと頑張りますが、
上手くできず、そのまま便として排出されます。
しかし、食物繊維を上手く消化できない事が利点になることもあります。
1.消化されないので、便の量を増やし、腸壁を刺激するため、便秘予防。
2.消化されないので、胃の中でとどまる時間が長くなるので、腹持ちがよい。
3.適度な量の食物繊維は小腸内の腸内細菌のバランスを維持し、整腸作用を持つ。
野菜には、ビタミンやミネラル、食物繊維などの他、タンパク質も含まれます。
先にご案内した通り、ワンちゃんは食物繊維のうち、不溶性の食物繊維を消化することができないので、
食物繊維が豊富な野菜は、なかなか消化されませんし、
動物性たんぱくに比べると植物性たんぱくの消化吸収には時間がかかります。
また、野菜、穀物(小麦・米)などの植物性たんぱくが分解された際にも、尿素窒素は発生します
もちろん、尿素窒素を産生するという点は心配でございますが、
健康な体を維持するためには適度のタンパク質の摂取はたいへん重要なことでも
ございます。
何をどれだけの分量で与えるかについては、とても難しく悩まれるところだと思いますが、
消化性の高い蛋白質でバランスの良い食事がよろしいかとは思います。
そして、何より、2頭のワンちゃんたちがおいしくお食事を摂取いただける事
ではないかと思います。
花冷えの時節でございますが、はっしー様におかれましては
くれぐれもお体をご自愛ください。
今後もどうぞよろしくお願い致します。
Re: ドッグフード&ご飯
- はっしー
2015/04/21(Tue) 22:28
No.3969
ありがとうございます!
とっても分かりやすかったです!
そういう経路でウンコになるんですね。。。
消化とはそういうものなんですねぇ〜
人間もそうですが、食べ物は難しいです。
自分のものより気を使います!
私があげるものでこの子達の健康が決まるかと思うと
責任がありすぎて、今の知識ではダメだわ!って思います。
まだまだ勉強したいと思います!
Re: ドッグフード&ご飯
- 獣医師 山田
2015/04/22(Wed) 11:44
No.3970
はっしー様
この度はご丁寧にご返信をいただきまして、誠にありがとうございます。
お話のご様子からはっしー様のワンちゃんに対する責任感の強さと、
愛情の深さが伝わってまいります。
はっしー様のワンちゃんは幸せでございますね。
はっしー様とワンちゃんの、笑顔いっぱいの毎日をいつも応援いたしております。
今後ともアニコムをどうぞよろしくお願いいたします。