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肛門の色の変化について

投稿者:セロリ

投稿日:2017/06/19(Mon) 09:43

No.4810

こんにちは。
トイ・プードル(8歳オス)の事でご相談いたします。

健康で、元気。便秘もなし。

ここ一週間くらいで、いままできれいなピンク色だった肛門が
黒くなりました。
ペット用のおしりふきでふいてみましたが、よごれではないようです。

病院にいったほうがよいのでしょうか?
それとも様子をみてもよろしいのでしょうか?

宜しくお願いいたします

Re: 肛門の色の変化について

- 獣医師 江口

2017/06/21(Wed) 16:59

No.4811

セロリ様

この度はご相談をいただきまして誠にありがとうございます。
さっそくご案内させていただきますが、実際のご様子を拝見していないため、
一般的なご案内となりますことをご了承ください。

8歳のトイ・プードルちゃんの肛門の色がここ1週間ほどでピンク色から黒くなり、
それが拭き取れる汚れではないということですね。

肛門の色が変化する原因は、便や肛門腺からの分泌物による汚れ、または色素沈着や粘膜の変色を起こす病気が関わっている可能性がございます。
今回、ペット用のおしりふきでふいても色が変わらなかったということですので、汚れではない可能性があります。

色素沈着は、加齢性の変化や慢性的な刺激などでもおこりますが、炎症があった部分が治った後や、特に原因がなくても見られることがあります。
症状もなく色素沈着のみであれば、病的なものではないため治療は不要となります。

そして、粘膜の変色を症状とする病気としては、
・甲状腺機能低下症
・黒色腫(メラノーマ)

また、肛門の病気として
・肛門周囲腺炎
・肛門嚢炎
・肛門周囲腺腫
・肛門周囲腺癌
などがあります。

甲状腺機能低下症では、ワンちゃんの運動性低下や、肥満、脱毛、脱毛部の色素沈着が症状として挙げられます。
黒色腫はメラニン色素をつくる色素細胞であるメラノサイトが腫瘍化したもので、シミのような色の変化や皮膚の隆起がみられることがあります。
ワンちゃんでは比較的多く見られ、皮膚やお口の中の粘膜によくできます。

肛門の病気ですが、ワンちゃんの肛門付近には、時計でいうと4時と8時の方向あたりに1つずつ「肛門嚢(こうもんのう)」が収まっており、そのさらに外側には「肛門周囲腺」と呼ばれる小さな分泌腺がたくさん点在しています。
肛門周囲腺炎とは、この小さな分泌腺に炎症が発生した状態のことです。なお肛門嚢炎は、その上にある大きな袋に炎症が生じた状態を指します。
また、炎症が悪化して、肛門の横に小さな穴(瘻管)が開いてしまった状態は「肛門周囲瘻」(こうもんしゅういろう)と呼ばれます。
肛門周囲腺の良性腫瘍が肛門周囲腺腫で、悪性腫瘍が肛門周囲腺癌です。これらは肛門にしこりができて発見されます。まれに表面が黒っぽいしこりができることもあります。

今回、特に便秘などの症状はないということなので、単なる色素沈着であればよいのですが、病気による変色ではないかどうか、念のため一度かかりつけ動物病院さんへご相談いただくことをおすすめいたします。

なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、
しつけ相談サービスを承っております。
気がかりなことがございましたら、お気軽にご利用ください。
お電話番号は、あんしんサービスセンター 
0800-888-8256です。
平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)
土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。

じめじめして、人もワンちゃんも体調を崩しやすい季節でございますので、セロリ様とワンちゃんにおかれましては、くれぐれもご自愛ください。
今後ともアニコムをどうぞよろしくお願い申し上げます。



嘔吐について

投稿者:ドラッチ

投稿日:2017/06/13(Tue) 05:22

No.4804

昨夜少し吐きました。
元気はあります。

Re: 嘔吐について

- 獣医師 山田

2017/06/15(Thu) 11:12

No.4809

ドラッチ 様

すがすがしい初夏の季節となりましたが、ドラッチ様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
この度は、ご相談をいただきまして、誠にありがとうございます。
どうぶつさんが、少し嘔吐をされたことについてのご相談でございますね。
早速ご案内させて頂きますが、実際のどうぶつさんのご様子を拝見しておりませんため、
一般的なご案内となりますことをご了承下さい。

ドラッチ様のどうぶつさんは、夜に少し吐いたとのことでございますが、吐き出した内容物はどのようなものでしょうか。
お食事をしてから直ぐに、未消化なフードを吐いたのか、食事をして時間が経ってから、消化したような状態のフードを吐いたのか、
フードなどではなく、白っぽい泡のようなものや黄色い液を吐いたのかなど、
「吐いた」といってもその内容物やその後のどうぶつさんの状態などによって、考えられる原因も異なります。

たとえば、空腹の時間が長くなることで、胃酸が活発に分泌されると泡のような白い液を吐いたりすることがありますし、
食べ過ぎや水の飲み過ぎで吐き戻してしまったりもいたします。
このような場合は一過性のことが多く、その後、食事を与えても吐くことは少ないようですが、
嘔吐の原因は多岐にわたるので、以下に考えられる原因について記載いたします。

【消化器の病気】
・胃腸炎 ・膵炎 ・腸閉塞 ・胃捻転 など
【感染症】
・パルボウイルス感染症 ・コロナウイルス感染症 ・犬伝染性肝炎 ・レプトスピラ症  など
【全身疾患】
・肝機能不全 ・腎機能不全 ・腫瘍性疾患 ・老犬の突発性前庭疾患 など
【その他】
・車酔い ・急な食事内容の変更 ・毒物、異物の誤食 など

原因が明らかで元気もあり、その後に食事をしても嘔吐を繰り返さないようであれば、様子を観察しても良いかと思いますが、
繰り返し吐く、吐いたものに血が混じる、嘔吐後にぐったりするなどの様子が見られたり、嘔吐が連日見られたりする場合は、
何か慢性的な病気が隠れている可能性がございますので、かかりつけの動物病院に相談されることをお勧めします。
 
なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、
しつけ相談サービスを承っております。
気がかりなことがございましたら、お気軽にご利用ください。

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平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)
土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。

ドラッチ様とどうぶつさんが笑顔にあふれた毎日を過ごされますよう、心よりお祈り申し上げます。
今後ともアニコムをどうぞよろしくお願い申し上げます。今後ともアニコムを宜しくお願い申し上げます。



ドライフードが上手に食べられま...

投稿者:らんたろう

投稿日:2017/06/10(Sat) 18:16

No.4803

牙が長いせいか、嚙むことが苦手のようで、ドライフードは丸呑みしてしまいます。その為、時折毛玉と一緒にフードが形の残ったまま大量に吐いてあります。猫缶のようなウエットフードも舐めるようにしか食べられないようです。食が細くて痩せているという訳ではなく、健康ではあるのですが、フードを時折(月に1度程度)吐いているのと、他の猫に食事をとられてしまうのが気になります。

Re: ドライフードが上手に食べら...

- 獣医師 江口

2017/06/15(Thu) 09:12

No.4808

らんたろう 様

梅雨明けが待ち遠しいこの頃ですが、らんたろう様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
この度はご相談をいただきまして誠にありがとうございます。
ネコちゃんがドライフードを丸呑みして吐いてしまうことと、他のネコちゃんに食事をとられてしまうことについてのご相談ですね。
早速ご案内をさせていただきますが、実際のご様子を拝見していないため、一般的なご案内となりますことをご了承ください。

まず、ネコちゃんは人間のように食べ物をしっかり咀嚼しません。
尖った奥歯で食べ物を飲み込める大きさに小さくし、飲み込むという方法です。
人間よりも消化能力が高いため、そのような食べ方でもしっかり消化吸収ができます。
他にも、らんたろう様のネコちゃんもしているように舐めながら食べる食べ方もあります。
ざらざらした突起(糸状乳頭)がついた舌で食べ物をそぎ取って食べる食べ方です。
このざらざらは毛繕いの時のブラッシングの役割も担っています。
ドライフードを丸呑みする点については、ドライフードの大きさがネコちゃんの飲み込む大きさに適していれば問題ないと考えられます。
猫缶を舐めて食べるということもネコちゃんの食べ方のひとつなので、食べることができていれば心配ないかと思います。

ただし、牙(犬歯)が長いため噛むことが苦手という点は、歯のかみ合わせが大丈夫かどうかのチェックが必要です。
犬歯が通常より長く出ているためにかみ合わせの不正(不正咬合)がある場合、お口の開閉がしにくかったり、
口唇やお口の中を傷付けたりします。
そのため食欲不振となったりうまく採食できなかったりします。
そのような様子があればかかりつけ動物病院にお早めにご相談いただくことをおすすめします。

嘔吐についてですが、一般的にネコちゃんは、私たち人間と比べて嘔吐しやすいどうぶつさんだといえます。
もちろん、ネコちゃんごとの個体差もあり、よく吐くネコちゃんもいれば、滅多に吐かないネコちゃんもいます。
また、私たち人間が嘔吐した後は、一般的にかなり気分が悪い状態となり、吐いた後もぐったりしてしまうことがほとんどだと思いますが、
ネコちゃんの場合は、生理的な嘔吐の場合、嘔吐後はケロッとして元気なことも珍しくなく、
すぐに次の食餌を欲しがったりすることもあるくらいです。

しかし、らんたろう様がご心配のようになんらかの病気の症状のひとつとして、ネコちゃんが吐くということも十分考えられます。
また、「吐出」と言って、食べたお食事が胃に入る前に、勢いよく口からはき出す症状があります。
吐出は食べた直後に起こすことが多く、消化されていないフードの形そのものを塊状ではき出します。
ほとんど胃液が混じっていないのが特徴です。
嘔吐と異なり、吐く前におなかを上下させたり、気分が悪そうなしぐさはしません。
ただし「嘔吐」と「吐出」は時に区別することが難しいこともあります。

さて、ネコちゃんの嘔吐の原因は、一般に以下のようなものが挙げられます。
1.食べ過ぎ、一気食い、傷んだ食べ物の摂取、食物アレルギー、フードの変更など、食事に関する原因によるもの
2.毛玉、糸やひも、おもちゃ、ビニールなど異物の摂取や中毒によるもの
3.食道、胃、腸、肝臓、膵臓など消化器系の異常、炎症、腫瘍などの疾患によるもの
4.腎疾患、ホルモンの異常、伝染病など、消化器系以外の疾患によるもの

また、吐出の主な原因には以下が挙げられます。
1.一気食い、フードの変更など、食事に関する原因によるもの
2.食道の拡張あるいは閉塞、圧迫が原因によるもの

らんたろう様のネコちゃんの場合、食が細く痩せているというわけではないということですが、その他の様子はいかがでしょうか。
ネコちゃんがたまに(月に1.2回程度)吐くくらいで、吐いた後ケロッとしていて、
フードも普通に食べており、他の症状が見られないようであれば、
病気とは関係のない嘔吐もしくは吐出であり、特段の心配がないことがほとんどです。
また、ネコちゃんは環境の変化に敏感なことが多いので、例えばいつも以上に来客があるなどで、ご家族のご様子がいつもと違う
場合には、一時的なストレスから嘔吐がみられる可能性もございます。

ただ、病気ではないからといって放っておいてもよいとも言えません。
嘔吐する時には、必ず嘔吐物に混じって、強酸性の胃液などが食道を逆流するため、食道が荒れて食道炎を起こすことがあります。
その食道炎が原因となって嘔吐を繰り返す、といった悪循環に陥らないためにも、
なるべく「吐かない」ようにケアをしてあげる方が良いのです。

ネコちゃんの嘔吐でよく見られるのは、フードやおやつを一気にがつがつ食べた後に、
ほとんど消化されないものを嘔吐するというケースです。
これは、フードやおやつが胃の中で水分を含んで膨れ、胃の容量いっぱいになってしまうことが原因と推測されています。
吐きやすいネコちゃんであっても、フードを少量ずつ分けて与える、ゆっくり食べさせる、
あらかじめふやかしたフードを与える、などの工夫で吐かなくなることがあります。
また、フードやおやつの粒の大きさ、形状、脂肪分など、いろいろな要因で誘発される可能性があり、
特定の食べ物を食べさせると嘔吐や吐出するケースもあります。
その場合、フードを変えたり、そのおやつをやめることで吐かなくなることもあります。

ネコちゃんの嘔吐後の様子が、吐き気がなく、食欲や元気があれば、現時点では大きな問題はないと推測しますが、
今後も嘔吐が頻回続く場合や、食欲、元気や便の状態などに変化が見られる場合には、
何らかの病気が原因の嘔吐である可能性が高くなります。
また、嘔吐があまり続くと、脱水や体内の電解質バランスの異常など、様々な問題が出てきます。
今後、嘔吐の頻度に変化がみられるようでしたら、ご安心のためにも、動物病院を早めに受診されることをおすすめいたします。

また、毛玉と一緒にフードが形の残ったまま大量に吐いてあるとのことですね。換毛期や長毛のネコちゃんでは、毛玉が原因の嘔吐も
よく見られます。
吐いたものに毛が混ざっている場合もありますが、混ざっていない場合でも、飲み込んでしまった毛が原因のことがあります。
これは、こまめにブラッシングをして不要な毛を飲み込まないようにすることで防ぐことができます。
また、毛玉をうんちに出すためのサプリメント等を使用するのもよい方法ですので、
こちらにつきましても、動物病院さんに通院の際にご相談いただければと存じます。

最後に、他のネコちゃんに食事をとられてしまうということですが、
野良猫ちゃんの場合、女の子は群れを作り、男の子達は単独行動をする傾向にあります。
その中で身体の大きさやケンカの強さにより優劣ができます。
多頭飼いのネコちゃんは群れで生活している状態であると考えると、もしかしたらネコちゃん同士で順位があるのかもしれません。
そのためご飯を譲るという行動がみられる可能性があります。またはネコちゃん自身の優しい性格のせいかもしれませんね。
同居ネコちゃんにフードを少し食べられてしまっても、体重や様子に変化がないのであれば、問題ないかと思います。
ただ、毎日のように給与量の多くを食べられてしまったり、体重の減少などがある場合、食事の場所を分けるなどの対策が必要かと思います。
ネコちゃんによってフードを食べる速度も異なりますが、ゆっくり食べるネコちゃんであれば、マイペースで落ち着いて食べられるように
工夫していただくと良いでしょう。
歯周病や口内炎、不正咬合などがある場合、食事に時間がかかってしまうこともあるので、今までよりも食べる速度が落ちた場合は、
お口の様子も診察していただくと安心です。
なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、しつけ相談のサービスを承っております。
気がかりなことがおありの際には、ぜひご利用くださいませ。
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平日9:30〜17:30 / 土日・祝日9:30〜15:30 (年末年始を除く)
土日・祝日は予約のみ、実際のご相談は翌営業日以降となります。

らんたろう様とネコちゃんの不安がなくなり、笑顔の日々を過ごされますよう心よりお祈り申しあげます。
今後ともアニコムをどうぞよろしくお願い申し上げます。



トイレの失敗について

投稿者:しまこ☆

投稿日:2017/06/10(Sat) 12:17

No.4802

愛猫(雌猫避妊済み、推定15歳)のトイレについての相談です。

食欲、元気ともに普通なのですが、時々トイレで後ろ足を立てたまま、真後ろにおしっこを飛ばしてしまいます。

トイレにはいけており、また時々以外はきちんとお尻を下げておしっこしています。

以前から時々あったのですが、最近は数日に一度は真後ろにするようになりました。

なお、以前は友人が来た後などに上記の粗相をしていたのですが、今回はそういったことはありません。環境の変化ということでは、飼い主の私自身が4月からフルタイムの仕事についたため、留守番をする時間は長くなりましたが、そのくらいです。
ただ、齢とともに甘えが大きくなり、帰ると隙あれば抱っこを要求して来ています。

ちなみに、半年前の検診では、腎臓の数値は緩やかには悪くなっているものの、まだ正常の範囲内ということで薬などは飲んでおりません。

上記のことから、考えられる病気などありますでしょうか?もしあれば、教えていただけると幸いです。

よろしくお願いします。

Re: トイレの失敗について

- 獣医師 山田

2017/06/14(Wed) 08:59

No.4807

しまこ☆ 様

紫陽花が大輪の花を咲かせる頃となりましたが、しまこ☆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
この度はご相談を頂きまして、誠にありがとうございます。
推定15歳の避妊済みのネコちゃんが、最近、トイレで後ろ足を立てたまま、真後ろにおしっこを飛ばしていて、
ご心配とのことでございますね。
お問合せにつきましてご案内させて頂きますが、一般的なご案内となりますことをご了承ください。

ネコちゃんが後ろ足を立てたまま、真後ろにおしっこを飛ばす場合、「尿スプレー」と言われる、
尿をかけて自分の縄張り(テリトリー)を示すマーキング行動のことがございます。
尿スプレーは通常の排尿とは異なり、少量の尿を垂直な物に、立ったまま後方に向かって噴射し、
スプレーした尿には性別や年齢、健康状態などの様々な情報が含まれ、独特な臭いをしています。
この尿によるマーキング行動は、性的行動だったり、自分の存在を誇示する防衛・威嚇行動だったり、
不安・葛藤を解消する行動として見られます。
しまこ☆様のネコちゃんの行動は、避妊済みで推定15歳ということから、性的行動や自分の存在を誇示する行動というよりは、
「環境の変化」などによる不安を感じる出来事がきっかけとなって、おこっている可能性があるかもしれません。
お留守番の時間が長くなったとのことでございますが、
「知らない人の訪問があった」「家具やトイレ(箱・砂)などの変化」「飼い主様が不在がち」などは、
スプレー行動のきっかけとなることがございますので、環境の変化について今一度ご確認いただき、
不安要因の影響をなるべく感じないようにしていただけたらと思います。

次に、何らかの病気に起因して、排尿姿勢に変化が生じる可能性もございますので、
疾患に起因した可能性についてご案内いたします。
例えば膀胱炎や尿路結石などの尿路疾患の場合には、排泄時に痛みを伴うことがあり、
そのため、排尿回数や排尿場所、排尿姿勢に変化が生じる可能性がございます。
その他にも、糖尿病や腎不全などの疾患がある場合には「多飲・多尿」という、お水を沢山飲んで、
おしっこをたくさんするという症状にともない、トイレまで我慢ができなかったり、
トイレに間に合っても正しく排泄できないということも起こりえるかと思います。

なお、上記の疾患以外にも「馬尾症候群」の場合には、尿失禁や排尿障害が見られることがございます。
馬尾症候群とは馬尾神経(※)が様々な要因によって圧迫を受けることにより発症する神経症状の総称をいい、
この神経が障害を受けることで排尿や排便の調節がうまくできなくなったり、
尻尾の麻痺、腰部や後肢の痛みや後肢の筋肉の萎縮、ふらつきや跛行が見られることがあります。
※脊髄神経の末端は腰椎の部分で馬の尻尾のように細かく分かれており、この部分を総称して馬尾神経と呼びます。
今のネコちゃんの症状は尿失禁や排尿障害ということではございませんので、馬尾症候群の可能性は低いかと思いますが、
足のふらつきや腰部や後肢の痛みが見られないかご確認いただけたらと思います。

この度のネコちゃんの排尿については、「尿スプレー」の可能性が考えられますが、高齢になったネコちゃんでは、
加齢に伴ってトイレの失敗が多くなり、病気の可能性も高くなります。
そのため、食欲や元気以外にも、飲水量や尿の回数、尿の色、尿の臭い、排泄時の痛みの有無などをチェックいただき、
今までと違うように感じましたら、動物病院で診察していただく事をおすすめいたします。

なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での健康相談、
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時節柄、しまこ☆様におかれましてはくれぐれもご自愛ください。
今後ともアニコムをよろしくお願いいたします。



咳について

投稿者:みりん

投稿日:2017/06/09(Fri) 12:05

No.4800

現在生後約7カ月のMIX犬がいるのですが、たまに咳(比較的ですが夜間帯が多いように思います)をしたり、吐く動作(実際には何も吐かない)をすることがあります。咳は傍から見ると喘息のような感じです。その他に気づく範囲では症状は無く、食欲はあるし、走って遊びまわるくらい元気ですが、これは診察を受けた方が良いのでしょうか?

ご返答頂けると幸いです。

Re: 咳について

- 獣医師 霍田

2017/06/13(Tue) 14:31

No.4806

みりん様

雨に濡れたあじさいの花が、ひときわあざやかに咲いておりますが、みりん様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
この度はご相談を頂きまして、誠にありがとうございます。
約7ヶ月のMIX犬ちゃんが、咳や吐くようなしぐさをすることについてのご相談でございますね。
お問合せにつきましてご案内させて頂きますが、一般的なご案内となりますことをご了承ください。

ワンちゃんが咳の症状を示す病気は、大きく2つに分けられます。
1つは呼吸器疾患によるもの、もう1つは心臓疾患によるものです。
呼吸器の疾患には、喉頭炎、気管炎、気管支炎、肺炎など、主に感染が原因となり発症する病気があります。
症状は咳の他にも、鼻水や目やになどを伴うことがあります。
まだ免疫力の弱い子犬期に多い感染症の代表が「ケンネルコフ」で、咳を主症状とした伝染力の強い呼吸器疾患です。
種々のウイルス(犬アデノウイルス2型、犬パラインフルエンザウイルス、犬ヘルペスウイルスなど)や細菌(ボルデテラ菌、
マイコプラズマ菌など)が、単独または混合感染することにより起こります。
症状としては、咳、鼻汁、発熱、元気消失、食欲低下などがみられることがあり、特に子犬では重症化することもあります。
感染経路は、病原体を含む飛沫の経鼻・経口感染や、感染しているワンちゃんとの接触感染といわれています。

ケンネルコフの治療としては、主に細菌性の病原体や二次感染を防止するために抗生物質の投薬を行うことが一般的です。
また、症状に合わせて、鎮咳薬や気管支拡張剤の投薬やネブライザーによる吸入治療などを行うこともございます。
発症にはワンちゃんの免疫力が関与しているため、充分に栄養をつけ、免疫力を高めることで治癒が促進されます。

ケンネルコフなどの感染症以外でワンちゃんが咳をする疾患として「気管虚脱」があります。
この気管虚脱は小型犬や短頭種に発生が多く、遺伝的な素因や肥満などが原因で、
気管が押しつぶされたようになり、空気の流れが悪くなることで、興奮時に咳をしたり、ひどい時には呼吸困難を起こします。
年齢を重ねるにつれて悪化する傾向があり、夏の暑い季節には特に注意が必要です。

その他にも、「逆くしゃみ」をするワンちゃんもいます。
逆くしゃみは、飲水時や食事のとき、興奮した時などに起こることが多く、突然ズーズーと大きな音を立てて
息を急激に吸い込み続ける状態が見られます。
多くの場合、何の前触れもなく突然始まり、数秒から数分以内に落ち着き、発作後は、何事もなかったかのように
けろっとしているというのも特徴です。
原因は不明ですが、可能性としては軟口蓋の炎症、タバコなど強い匂いによる刺激、急激な運動、急激な気温の変化、
ハウスダスト・花粉などの吸引、リードを引っ張るというような喉への刺激などが考えられます。
また短頭種の小型犬でやや発生頻度が高いとされます。

心臓疾患による咳は中高齢のワンちゃんに多くみられ、子犬ではまれです。
ワンちゃんに多くみられる心臓疾患として、僧帽弁閉鎖不全が挙げられます。
この病気は小-中型犬に特に多く、心臓の僧帽弁という弁がしっかり閉まらなくなることで、
全身に血液を送り出す際に血液の逆流がおこり、様々な症状を示します。
その症状の一つに、心臓の左心房が肥大することにより気管支が圧迫されて出る咳があります。

これらの病気に起因して起こる咳以外でも、首輪にリードをつけて、飼い主さんを引っ張りながらお散歩をするワンちゃんなどでは、
気管に負担がかかり、興奮時に咳がでることもあります。

また、MIX犬ちゃんはお水を飲んだ後に咳をすることはありますでしょうか。
飲水後に咳、むせる、嘔吐するといった症状は、お水の温度や飲水量が関係していることもありますし、
お水の誤嚥やなどでも起こり得るものです。

また、ワンちゃんの中にはお水を飲むのがあまり上手ではなく、病気ではなくても、むせるような咳をする子もいます。
のどに負担をかけないようにお水の与え方を工夫することで、症状が改善する場合があります。
床など低い位置にあるお皿でお水を与えると、気道を圧迫しやすい姿勢で飲むことになるため、
お水は清潔なものを常温で、また台などを利用して、水皿を少し高めの位置にすることをお試しいただければと思います。
一気にお水を飲むとのどに負担がかかり、咳やむせるといった症状が出やすくなる可能性があります。
そういったことを避けるために、運動したり遊んだりするときは、こまめに休憩を入れてお水を飲むように促してあげるのも一つの方法です。
肥満傾向のワンちゃんでは心臓や呼吸器などにも負担がかかるので、適切な体重管理も大切です。

上述しましたように、咳や咳のような症状の原因は様々です。
みりん様のワンちゃんがどのような原因で咳をしているかは、症状だけで判断するのは難しいかもしれません。
その他の症状もなく食欲や元気もあるとのこと、何よりですが、感染症や心臓病など、治療開始が遅れると悪化する病気もありますので、
なるべくお早めにかかりつけの動物病院を受診なさることをお勧めいたします。
なお診察時にはワンちゃんが咳をしないことが多いため、携帯電話などでワンちゃんの咳の様子を撮影し、
先生に見せていただくと、診断の助けになります。

落ち着くまでの間は、咳を誘発しないよう、なるべく気管に刺激を与えないように
激しい運動は控え、首輪を使用しているようでしたら、胴輪など、気管に直接刺激のないタイプのものに変更することをお勧めいたします。

なお、アニコムでは下記の受付時間で、ご契約者様からのお電話での
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お電話番号は、あんしんサービスセンター0800-888-8256です。
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