チャウ・チャウは、クマのようでもありライオンのようにも見える姿をしています。 たるみのある皮膚と顔まわりの被毛が長く、目は埋もれがちで愛くるしい印象です。舌の色が青黒いところもまた特徴的です。 そんな、チャウ・チャウの歴史や特徴、性格、気を付けたい病気まで紹介します!
チャウ・チャウってどんな犬種?

チャウ・チャウは中国原産の犬種です。
その歴史は長く、2000年以上とも3000年ともいわれていて、正確なルーツはわかっていませんが、北方のスピッツ犬とマスティフの血が入っていると考えられています。
珍しい特徴として、舌の色が青黒いので知らずに見た人はびっくりするでしょう。
歴史

チャウ・チャウは今でこそ、愛玩犬として多くの人に愛されていますが、長い歴史を見ると昔からそうだったわけではありません。
中国王朝の時代、チャウ・チャウは、お寺で悪霊から守ってくれる犬として飼われていました。一般に広まると、番犬や猟犬、荷物を引くそり犬として人々の生活の助けになる役割を担うようになっていきました。
しかし一方で、モンゴルや満州といった一部の地域では、食用や衣服として使用されていたという歴史もあります。
中国の鎖国政策のため他国に出ることはなかったチャウ・チャウですが、1880年頃にイギリスへ数頭輸出されました。1925年にはイギリスで開催される世界最大のドッグショーであるクラフト展に出陳され、次第に広く知られることとなりました。
サイズ
チャウ・チャウは男の子の体高が48〜56cm、女の子では46〜51cmで体重は20〜32kgです。
性格は?

チャウ・チャウは、番犬として活躍していたこともあり警戒心が強く、頑固な一面もあります。基本的には大人しくて、誰にでもフレンドリーな子は少なく、人や犬に対して素っ気ない子が多いようです。猫っぽい性格で、ベタベタ甘えるよりは、飼い主さんにそっと身を寄せて甘える子が多いようです。
また、マイペースな性格で、「嫌なことは嫌」とハッキリとした意思表示をします。気が乗らないと集中力が切れてしまったり、長時間の我慢は苦手な子が多いようです。わが子の集中できる時間やタイミングを見計らって、上手にトレーニングしてあげるとよいでしょう。
しつけやトレーニングは楽しくできるように、遊びや散歩と組み合わせることもおすすめです。
チャウ・チャウの咬傷トラブルは少なくないので、子犬の頃からしっかりしつけをして、トラブルを未然に防げるようにしてあげましょう。
被毛・毛色について

チャウ・チャウの被毛のタイプは2種類あり「ラフコート」と呼ばれる粗い被毛か「スムースコート」と呼ばれる短くて滑らかな被毛があります。
どちらも上毛、下毛からなるダブルコートなので、抜け毛やラフコートは毛玉対策としても毎日のブラッシングが欠かせません。
また、お手入れという観点では、皮膚のたるみ部分に汚れが溜まりやすく炎症を起こしやすいので、丁寧に拭いてあげるといいでしょう。また、皮膚が弱い子が多いので、シャンプー後のドライヤーはしっかり行う必要があります。毛が多く、乾かすのには一苦労ですが、乾きが甘いと皮膚トラブルの原因になります。

毛色は単色のみでブラック、レッド、ブルー、フォーン、クリーム、ホワイトがあります。斑(パッチ/不規則で大きなまだら模様のこと)やパーティーカラーは認められていません。
寿命はどれくらい?
アニコムの「家庭どうぶつ白書2021」によると、大型犬の平均寿命は11.5歳です。チャウ・チャウは大型犬に属するので、目安に考えられるでしょう。
しかし、ここ数年でフードも色々なものが出ていますし、医療も進んでいるので、寿命はあくまでも目安とし、飼育環境や運動など気を使い、少しでも長く一緒にいられるといいですよね。
チャウ・チャウの気を付けたい病気

チャウ・チャウは短頭種でもあるため、鼻から気管にかけての気道が狭くなり、呼吸の通りが悪くなる「短頭種気道症候群」や、口腔内の天井部(硬口蓋)から後方にのびた柔らかい部分である軟口蓋(なんこうがい)が、通常よりも長いことで呼吸が妨げられておこる「軟口蓋過長症」にも注意が必要です。
また、「股関節形成不全」などの関節の疾患にもなりやすいため、段差など負荷をかけすぎないように日頃から注意してあげましょう。
その他、「緑内障」「アロペシアX」なども気をつけたい病気です。
【関連リンク】
チャウ・チャウ| みんなのどうぶつ病気大百科
また、寒さに強く暑さには弱い犬種のため、暑い時期は要注意です。
散歩は早朝や夜の涼しい時間帯に行くなど、熱中症対策をしてあげましょう。
まとめ

チャウ・チャウは古くからいる犬種で、時代や環境によってさまざまな用途で人と関わってきた歴史があります。今では、番犬として犬を飼うという家庭は少ないですが、それでも変わらず今も家族として飼われ続けるチャウ・チャウは、他の犬種にはない魅力が詰まっているといえるでしょう。