ペキニーズというと、短い鼻にふさふさの毛を連想する人が多いのではないでしょうか。実はとても古い歴史をもち、神聖な犬とされてきた犬種なのです。ペキニーズの歴史や性格、気を付けたい病気などについて解説します。
ペキニーズってどんな犬種?
ペキニーズは中国原産の犬で、特徴といえば、短い鼻とライオンのたてがみのようなふさふさの毛ではないでしょうか。
その見た目通り「ライオン・ドッグ」と呼ばれていたり、小さく袖の中に隠れてしまうことから「袖犬」という呼び名が付いていたそうです。
似ている犬種として、シー・ズーやチベタン・スパニエル、ラサ・アプソがいますが、それもそのはず、同じ中国のチベットが原産の犬種です。
一説ではラサ・アプソがペキニーズの祖先犬にあたるのではないか、と考えられています。
歴史
ペキニーズの歴史は古く、残されている記録だけでも8世紀の唐の時代までさかのぼることができます。
紀元前5世紀ごろの仏教では、獅子は霊的なシンボルとされていて、邪気を払うなどの伝説もあり、そのことから「獅子のような犬」の繁殖がチベットの寺院で始まったといわれています。
そうして生まれたペキニーズは、チベット仏教の統率者であるダライ・ラマによって、秦の始皇帝をはじめとした中国の歴代の皇帝に贈られてきました。
王宮で大切に飼われ、門外不出の犬であった「獅子犬」ですが、アヘン戦争で戦ったイギリス軍によって1860年イギリスに渡り、1893年にはドッグショーに登場したことで広く一般にも知られることとなりました。
1890年代後半にはアメリカに渡り、1906年アメリカのケネルクラブに登録されると、ペキニーズは世界中で人気の犬種となりました。
サイズ
ペキニーズは小型犬に分類される犬種です。
体高は15〜23cmほどで、体重は3〜6kgになります。
性格は?

貴族の愛玩犬として愛されてきたペキニーズは、気位が高く、媚びないといわれますが、飼い主には甘えん坊な姿を見せてくれます。
その反面、刺激に対して過敏であったり、他の犬に対して攻撃的に出たりすることも。そんな性格が「犬よりも猫に似ている」といわれる所以かもしれません。
子犬のころから十分に社会化を行い、良いことと悪いことをしっかり教えるようにしましょう。
被毛・毛色について

ペキニーズの被毛はまっすぐで長く、アンダーコートは豊かな毛量があります。「獅子犬」といわれるだけあってライオンをイメージさせるたてがみが特徴的です。
毛色はアルビノとレバー以外の色、マーキングが認められています。中でもブラック、ホワイト、フォーンといった毛色が多いようです。
ふさふさの被毛を綺麗に保つには、毎日のブラッシングが必要です。トリミングが必要な犬種ではありませんが、「ライオンカット」「まんまるカット」などさまざまなカットスタイルを楽しむ飼い主も多いです。

寿命はどれくらい?
アニコムの「家庭どうぶつ白書2021」によると、ペキニーズの平均寿命は12.9歳です。 小型犬全体の平均寿命である14.4歳より、若干短い傾向にありますが、ここ数年でフードも色々なものが出ていますし、医療も進んでいるので、寿命はあくまでも目安とし、飼育環境や運動など気を使ってあげるといいでしょう。
ペキニーズの気を付けたい病気
アニコムの「家庭どうぶつ白書2021」によると、ペキニーズは、「乾性角結膜炎(ドライアイ)」「角膜炎」など目の病気にかかりやすいです。
愛らしい目は傷つきやすいので気を付けてあげましょう。腰痛や椎間板ヘルニアにも注意が必要です。
また、短頭種で体温の調整が苦手なので「熱中症」にも気を付けましょう。
【参考】
アニコム家庭どうぶつ白書
まとめ

ペキニーズは人懐っこく運動量も多くないので、比較的飼いやすい犬種ですが、しつけをしないとわがままになってしまいます。
日々のコミュニケーションの時間をうまく活用して、しつけやケアを楽しく行っていくのがおすすめです。