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わが子がケガや病気をしたとき、飼い主さまであれば「治してあげたい」「また元気な姿に戻ってほしい」という思いで、わが子を動物病院に連れていくことでしょう。しかし病気によっては、これまでの薬や治療法では治らないものもあります。そうした場合の治療法の選択肢として、動物の幹細胞を用いた「再生医療(細胞治療)」が注目されています。

「再生医療(細胞治療)」とは?

犬の再生医療のフロー図

「再生医療(細胞治療)」とは、化学的な成分の薬とは異なり、生きた細胞をそのまま体内に投与して、ケガや病気の治療を行うものです。現在、人の医療だけではなく、獣医療でも新しい治療法として世界中で研究され、実用化されつつあります。

従来の治療法では、効果がなくなってしまったり、副作用が強すぎて治療を継続できなくなったりすることがあります。そのような場合に、身体が本来持つ修復機能や自己治癒力を利用する、従来の治療法とは考え方の異なる再生医療(細胞治療)なら、新たに治療の効果を期待したり、副作用をおさえて治療を継続したりできる可能性があるのです。

「再生医療(細胞治療)」による効果とは? ―実例をご紹介―

これまで「治らない」と言われていた病気が、再生医療(細胞治療)によって改善したケースをいくつかご紹介します。

※治療の効果については、その子の状態、対象の病気、投与方法などによって大きく異なります。

Case1:椎間板ヘルニア1

椎間板ヘルニアにより、後ろ足が立たなくなった6歳のダックスの子。再生医療(細胞治療)実施前は歩けないどころか、腰を上げることもできない状態でした。

■Before  再生医療(細胞治療)実施前

■After 再生医療(細胞治療)実施後
再生医療(細胞治療)実施6ヶ月後の様子です。少しずつですが、歩き始めています。

Case2:椎間板ヘルニア2

この子も椎間板ヘルニアにより、歩けなくなった7歳のダックスです。人の後をついて行こうとしますが、思うように動けない状況です。

■Before  再生医療(細胞治療)実施前

■After 再生医療(細胞治療)実施後
再生医療(細胞治療)実施後、1ヶ月後の様子です。一生懸命歩こうとして、少しずつ足が動くようになってきました。

Case3:慢性腸症

慢性腸症とは、腸に原因不明の炎症がおこり、食欲不振、嘔吐、下痢といった症状が長く続く病気です。

慢性腸症で、すっかり痩せてしまった12歳のビーグルの子です。ごはんを食べても十分に栄養を吸収することができず、肋骨が浮き出ており、ウエストもほとんど肉が無い状態です。

■Before  再生医療(細胞治療)実施前
一般的な治療では効果がみられず、以前は10kg以上あった体重が5.8kgまで落ちてしまいました。

慢性腸症のビーグル

■After 再生医療(細胞治療)実施後
再生医療(細胞治療)実施から2年後の様子です。

慢性腸症を再生医療で治療した後のビーグル

腸から栄養を吸収できるようになり、5.8kgしかなかった体重も、11.0kgまで増やすことができました。

Case4:乾性角結膜炎

乾性角結膜炎とは、いわゆるドライアイで、涙が少なく目の表面に炎症を起こしてしまう病気です。

この6歳のキャバリアの子も、一般的な治療では改善することができず、目が赤くなり、濁ってきてしまいました。

■Before  再生医療(細胞治療)実施前

【幹細胞治療例】乾性角結膜炎の犬の眼

■After 再生医療(細胞治療)実施後
再生医療(細胞治療)実施から、わずか3週間後の様子です。涙の量が改善し、目の赤みや濁りがかなり改善したことが分かります。

乾性角結膜炎を再生医療で治療した後

Case 5:椎間板ヘルニア3

椎間板ヘルニアにより、後ろ足が立たなくなった5歳のダックスの子。 手術をしましたが、あまり効果がみられなかったため、再生医療(細胞治療)を実施しました。

■After 再生医療(細胞治療)実施後
治療14日目の様子です。 まだ治療してから間もないにも関わらず、右の後ろ足に体重をかけることができるようになりました。

Case 6:椎間板ヘルニア4

椎間板ヘルニアにより、後ろ足が立たなくなった7歳のダックスの子。手術をしましたが、思ったような効果はありませんでした。

■Before  再生医療(細胞治療)実施前
歩こうとするものの、しっぽを動かすことも、足の裏を地面につけることもできません。

■After 再生医療(細胞治療)実施後
再生医療(細胞治療)実施14日目の様子です。 うれしそうに尻尾をぱたぱたと動かせるようになり、まだ少しだけですが足の裏を地面につけることまでできるようになりました。

Case 7:IMHA(免疫介在性溶血性貧血)

IMHA(免疫介在性溶血性貧血)は、何かしらのきっかけによって体の免疫機能に異常がおこり、赤血球を破壊してしまい、貧血の症状が現れる病気です。酸素を運ぶ役割の赤血球が破壊されてしまうため、呼吸が苦しくなったり、食欲がなくなったりします。

この病気になってしまった8歳のトイマンチェスターテリア は、再生医療(細胞治療)実施前はぐったりとした様子であまり動けませんでした。 しかし、再生医療(細胞治療)実施19日目には、こんなに元気に動き回ることができるようになりました。

■After 再生医療(細胞治療)実施後

再生医療(細胞治療)にまつわる疑問

そうは言っても、再生医療(細胞治療)はまだ一般的ではないですし、飼い主さまにとっては未知な部分が多いです。「どんな病気に効果が期待できるの?」「いつ、どこで、どのように治療を始めればいいの?」など、様々な疑問にQ&A形式でお答えします。

Q&A

Q.再生医療(細胞治療)はどのようなときに行う治療ですか?

A . 一般的な治療法で改善されない時、副作用によって治療が続けられない時に、次の一手として行う治療です。

Q.再生医療(細胞治療)の良いところは?

A.再生医療(細胞治療)は本来身体が持つ自然治癒力を利用するため、副作用が少ないところです。

Q.再生医療(細胞治療)は手術も必要ですか?

A.治療する病気の種類にもよりますが、ほとんどは手術・麻酔・鎮静等は行わず、点滴により細胞を投与します。

(注:画像は再生医療(細胞治療)実施のイメージです。実際に治療を行っているものではありません)

Q.治療は長期間?入院は必要?

A.治療する病気、どうぶつの状態、治療する時間帯にもよりますが、ほとんどは日帰りでの治療が可能です。

Q.どんな病気に効果が期待できる?

A.治療の効果については、その子の状態、病気の種類、投与方法などによって大きく異なりますが、以下の病気が挙げられます。

  • 慢性腸症
  • 膵炎
  • 肝炎
  • 免疫介在性血小板減少症
  • 免疫介在性溶血性貧血
  • 非再生性免疫介在性貧血
  • 赤芽球癆
  • 再生不良性貧血
  • 椎間板ヘルニア
  • 非感染性髄膜脳脊髄炎
  • 乾性角結膜炎
  • アトピー性皮膚炎
  • 関節炎
  • 糖尿病

Qどこの動物病院でもできるの?

A.すべての動物病院でできる訳ではありません。再生医療(細胞治療)を受けたい場合は、以下のアニコム損保あんしんサービスセンターへご連絡ください。
なおアニコム損保では、飼い主さまに代わってかかりつけの動物病院へご連絡することも行っています。

あんしんサービスセンター
0800-888-8256

受付時間:平日 9:30~17:30 / 土日・祝日 9:30 ~15:30
※サービス向上のため、通話内容を録音させていただきます。

愛するわが子のために新たな治療法の選択肢を

なでられる犬

再生医療(細胞治療)は、さまざまな病気への効果が期待でき、新たな治療法として選択される飼い主さまも増えています。「治らない」と諦めていたその病気を、「治す」ことができるかもしれません。

アニコム損保では、病気に苦しむどうぶつさんを少しでも減らしたいと考え、再生医療(細胞治療)の普及に協力しています。再生医療(細胞治療)を受けたい、もっと詳しく知りたいという場合は、些細なことでも構いませんのでお気軽にお問合せください。

あんしんサービスセンター
0800-888-8256

受付時間: 平日 9:30~17:30 / 土日・祝日 9:30 ~15:30
※サービス向上のため、通話内容を録音させていただきます。

「動物再生医療技術研究組合」で行われる再生医療を受けた方に対して協力金のお支払い

アニコム損保では、「動物再生医療技術研究組合」において対象となる臨床研究を受けた方に、「再生医療協力金」をお支払いすることになりました。

協力金の概要や申請方法については、以下リンクをご確認ください。
▶詳細はこちら

監修獣医師

河本光祐

河本光祐

岩手大学農学部獣医学科卒業後、岐阜大学大学院 連合獣医学研究科にて博士号を取得。2011年 アニコム損害保険株式会社に入社、保険金支払や経営企画、 獣医師としての臨床業務など幅広く従事。現在はアニコム先進医療研究所の代表取締役社長を務める他、再生医療の研究を行う動物再生医療技術研究組合の理事長も兼任する。 愛猫は病院保護猫のカキタロウ、ツブスケ。