長期間の治療が必要となる場合や時には命の危険に繋がる病気として、「慢性肝炎」があります。しかし、近年、こうした病気を「改善させる」可能性を秘めた選択肢として、動物の幹細胞を用いた「再生医療(細胞治療)」が注目されています。
本記事では、「慢性肝炎」に対して再生医療(細胞治療)を実施した結果、改善の兆候がみられた症例をご紹介します。
※治療の効果については、その子の状態、対象の病気、投与方法などによって大きく異なります。

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犬の肝炎とは?

肝炎は、肝臓の炎症を中心とした肝機能低下がおこる一連の状態のことで、「急性肝炎」と「慢性肝炎」に分けられます。

①急性肝炎
ウイルス感染(犬伝染性肝炎など)や細菌感染(レプトスピラ症など)、中毒が主な原因です。中毒は、人の風邪薬などに含まれるアセトアミノフェンや、殺鼠剤に含まれるヒ素剤、駆虫剤、カビ毒のアフラトキシン、ソテツなど、さまざまな物質により引き起こされます。

②慢性肝炎
原因がはっきりとわかることは少なく、慢性的な炎症が長く続くことにより、最終的には「肝硬変」になります。遺伝的に体内に銅を蓄積しやすい犬種や、薬剤の長期使用、ウイルス感染(犬伝染性肝炎など)が引き金になる場合もあります。

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11歳/マルチーズの例

■Before  再生医療(細胞治療)実施前

■After 再生医療(細胞治療)実施後
飼い主さまの「体重が少し増えた」というお話の通り、少しふっくらした様に見えます。

伊倉(坂巻)みるくちゃんの飼い主さまのお声
便が少し硬くなり、回数も減りました。また、体重が少し増えました。

15歳/マルチーズの例

■After 再生医療(細胞治療)実施後

森ココちゃんの飼い主さまのお声
慢性肝炎から肝硬変になりつつありましたが、一縷の望みをかけて幹細胞治療を受けました。
以前は週3回の点滴をして嘔吐していたのが、嘔吐しなくなり、胆管の詰まりがなくなりました。また、点滴の回数も週2回に減りました。

11歳/イングリッシュ・コッカー・スパニエルの例

■After 再生医療(細胞治療)実施後

宮口じゅなちゃんの飼い主さまのお声
再生医療を受けてから、少し食事がとれるようになりました。

再生医療を受けられる病院はこちら

再生医療は、全国どこの動物病院でもできるという訳ではありませんが、以下の病院で受けていただくことができます。

■アニコムどうぶつ病院グループ病院(一部)
アニコム先進医療研究所株式会社が運営する動物病院の一部では、再生医療の適切な普及・拡大を目的とする「動物再生医療技術研究組合」に加入しているため、再生医療を受けることが可能です。

アニコムどうぶつ病院グループ一覧はこちら
※アニコム先進医療研究所株式会社のHPに移動します。注射器のマークがある動物病院で再生医療が受けられます。

■動物再生医療技術研究組合の加入病院
「動物再生医療技術研究組合」に加入している他の動物病院でも再生医療を受けることが可能です。

動物再生医療技術研究組合参加病院一覧はこちら
※アニコム損保が加入している再生医療の研究を行う組合(動物再生医療技術研究組合)のHPに移動します。

なおアニコム損保では、飼い主さまに代わり、かかりつけの動物病院へご連絡することも行っています。ご希望の場合は以下のアニコム損保あんしんサービスセンターへご連絡ください。

【あんしんサービスセンター】
► 0800-888-8256
受付時間: 平日 9:30~17:30 / 土日・祝日 9:30 ~15:30
※サービス向上のため、通話内容を録音させていただきます。

【WEBでお問い合わせ】
お問い合わせはこちら※1,2

【再生医療対応の病院をさがす】
全国の実施可能病院一覧※1

※1 動物再生医療技術研究組合のHPに移動します。
※2 お問い合わせへの回答は動物再生医療技術研究組合から行います。

「動物再生医療技術研究組合」で行われる再生医療を受けた方に対して協力金のお支払い

アニコム損保では、2021年7月より、「動物再生医療技術研究組合」において対象となる臨床研究を受けた方に、『再生医療協力金』をお支払いしています。臨床研究をさらに進めることで、病気で苦しむ犬や猫を少しでも減らしたいという思いで取り組みをすすめています。ご興味のある方は、ぜひ下記をご確認ください。

協力金の概要や申請方法についてはこちらから▼
再生医療協力金詳細バナー

監修獣医師

河本光祐

河本光祐

岩手大学農学部獣医学科卒業後、岐阜大学大学院 連合獣医学研究科にて博士号を取得。2011年 アニコム損害保険株式会社に入社、保険金支払や経営企画、 獣医師としての臨床業務など幅広く従事。現在はアニコム先進医療研究所の代表取締役社長を務める他、再生医療の研究を行う動物再生医療技術研究組合の理事長も兼任する。 愛猫は病院保護猫のカキタロウ、ツブスケ。