夏が近づき気温や湿度が上がってくると、スイカを食べたくなる人も多いのではないでしょうか。
飼い主がスイカを食べていると、愛犬が「それちょうだい!」とおねだりしてくることがありますが、あげても大丈夫か気になりますよね。
今回は犬にスイカをあげても大丈夫か、またあげる場合の注意点や分量についてお話しします。
スイカは食べても大丈夫
スイカは犬にとって毒性のある成分は含まれていないため、基本的には与えても大丈夫です。約90%が水分なので、夏に水分補給を兼ねておやつとして与えるのがおすすめです。食欲がないときのごはんのトッピングとしても利用できます。ただし、アレルギーやのどに詰まらせる危険性があるため、あげ方には注意が必要です。また、種や皮を食べると消化不良を起こす可能性があるため、果肉のみをあげましょう。
どれくらいの量が良い?

おやつの量の目安は1日の摂取カロリーの10%以内ですが、スイカは水分が多く含まれているため、たくさんあげるとカロリーは少なくても下痢をしてしまう可能性があります。また、おなかがいっぱいになって主食を食べられず、栄養バランスが崩れてしまうかもしれません。そのため、一口分や食事のトッピングとして少量あげるのみにしましょう。2cm程度にサイコロカットしたものを、2.5kg前後の超小型犬で1個、5kg前後の小型犬で2~3個、10kg前後の中型犬で4~5個、それ以上で6~7個程度にしましょう。
与える際の注意点は?
犬にスイカを与える際には、注意すべき点がいくつかあります。
皮や種は食べても大丈夫?
皮や種は、犬にとって消化しにくく、食べることで下痢や嘔吐などの消化器症状や、腸閉塞を起こす可能性があります。そのため、赤い果肉部分のみを与えましょう。
アレルギー
まれに、スイカやメロンなどのウリ科の果物・野菜に対してアレルギー反応を起こす場合があります。また、ブタクサ花粉やイネ花粉に対してアレルギーがあると、似たアレルゲンを持つウリ科の植物に対してもアレルギー反応が起こりやすくなる可能性があります(交差反応と言います)。
アレルギーの症状としては、皮膚症状(かゆみや赤みなど)や、消化器症状(下痢や嘔吐など)が認められます。大量に摂取すると呼吸困難や血圧低下などのアナフィラキシーショックを起こす危険性があります。初めて与えるときはごく少量を与え、症状が出ないかよく確認しましょう。
ウリ科の果物・野菜や、ブタクサ花粉やイネ花粉にアレルギーがある場合にも、スイカでアレルギーを起こす危険性があるため、あげるのを控えましょう。
スイカの大きさ
サイコロカットしたスイカでも、そのままの大きさであげた場合、のどに詰まらせてしまう危険性があります。スイカをあげるときには、さらに小さくカットするか、すりつぶすようにしましょう。特に小型犬はのどが細く詰まりやすいため、そのままあげると大変危険です。
スイカの栄養素について

スイカは水分量が多く、89.6%は水分です。
100gあたりのエネルギー量は37kcalと低カロリーで、糖質が9.5g含まれています。
その他には、カリウムやシトルリン、リコピン、β‐カロテンなどの栄養素を含みます。
① カリウム
余分なナトリウムを体外に排泄する働きがあり、むくみの予防などの効果が期待できます。
腎臓の機能が落ちている場合、カリウムを尿に排泄できず高カリウム血症になる可能性があるため要注意です。
② シトルリン
アミノ酸の一種で、血管拡張作用のある一酸化窒素の産生を助ける働きがあります。また、アンモニアを解毒して排泄するのを助ける作用もあります。
③ リコピン
スイカの赤色の色素成分で、強い抗酸化作用があり、がんや老化の予防に効果があると言われています。
④ β‐カロテン
体内でビタミンAに変換し、皮膚や粘膜の健康維持や、視力の維持に役立ちます。また、抗酸化作用もあります。
まとめ
スイカは少量与える程度であれば大きな問題にならないケースがほとんどですが、与えすぎやアレルギーには注意が必要です。愛犬とのコミュニケーションや食欲がないときのトッピングとして、上手に与えるようにしてください。
