チーズは、人はもちろん、犬も大好物。チーズ入りのドッグフードがあるくらいですので、基本的に犬が食べても問題ありませんが、あげすぎには要注意!

そこで、チーズってそもそも体に良いの?どれくらい食べていいの?など、ポイントをご紹介します。

チーズに含まれている成分とその特徴

チーズの主な栄養分は、たんぱく質・脂肪・ミネラル(カルシウム)・ビタミン・塩分と、愛犬の体調維持に必要な栄養素が多く含まれています。

なかでも骨を作り、神経・血圧のバランスを調節しているカルシウムがとても豊富であることが特徴です。また、犬は牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素を持っていないため牛乳や乳製品を与えるとお腹を壊してしまいます。しかし、チーズは製造過程で「乳」に含まれる乳糖の大半が取り除かれるため、牛乳に比べておなかを壊しにくいというメリットもあります。

たくさん食べてもいいの?

ゴールデンレトリーバー

栄養があるからといって、あげすぎには要注意!過剰にあたえてしまうと、健康になるどころか、肥満や消化器などの内臓に負担がかかってしまうなどの問題が生じる可能性があります。

市販されているドッグフードは「総合栄養食」という「愛犬がそのフードと水だけで健康維持できる栄養素的にバランスのとれた製品」です。つまり、チーズで栄養を補わないと!と考えなくても大丈夫。犬の体重や食欲、体調(排便の状態)に気を付けて「おやつ」や「ご褒美」としてあげてください。食欲が落ちているときに嗜好性の高いチーズで栄養を補ったりトッピングとして使ったりするのもよいかもしれません。

犬の食事は手作りごはん、という方はチーズを材料のひとつとして検討してみるのもよいですね。

チーズには塩分が入っているけど大丈夫?

大丈夫です!犬用に市販されているチーズは、人間用に比べ塩分も少なめに作られています。

ただ人間用のチーズは要注意。人間用は塩分が多く含まれているため、犬の健康を阻害する恐れがあります。手作りごはんに使う場合や、どうしても人間用のチーズをあげたい場合は塩分の少ないモッツァレラチーズ、リコッタチーズ、カッテージチーズを選びましょう。

アレルギー症状には注意

犬によっては、チーズをあげた後に下痢、嘔吐、かゆみや脱毛などの症状が起きる場合があります。特に初めて与えるときは少量ずつ、与えた後は体調の変化がないかしっかり観察しましょう。

また、最初のうちは大丈夫だったのに、たくさんあげていたら発症してしまったということも。あげる量はもちろん、普段から犬の行動に気を配り、異常が見られた場合は速やかに獣医師に相談してください。

まとめ

ラブラドールレトリーバー

いかがでしたか?チーズを欲しがり目を輝かせる愛犬に見つめられると、ついついあげてしまいがち。ただあげすぎには注意してください。

また嗜好性の高いチーズだからこそ、ご褒美効果は抜群です。普段のしつけや薬が苦手な子の場合は、一緒にあげることで上手にしつけができたり、薬を飲んでくれたりするかもしれませんよ。

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監修獣医師

太田麻衣子

太田麻衣子

2012年麻布大学獣医学部を卒業後、都内の動物病院にて勤務、2018年アニコム損害保険株式会社に入社。 入社後は小動物臨床、電話健康相談、保険金査定業務などを担当している猫好き獣医です。写真は月一回”猫吸い”に会いに行く全くなついていない実家猫です。