世界一背の高い犬種についてご存じでしょうか?それはグレート・デーンというドイツが起源の犬種で、国内で見かけることは少ない超大型犬です。その大きさはギネス世界記録にも登録されているほどです。そんなグレート・デーンについて、特徴や性格、寿命、かかりやすい病気などを解説します。

グレート・デーンってどんな犬?

筋肉質な締まった体で威厳あるたたずまいのグレート・デーン。自信にあふれた風格と力強さに、穏やかな心を兼ね備えています。ギリシア神話の万能で美形な神にちなんで「犬の中のアポロ神」とも呼ばれています。成犬は、後足で立ち上がると大人の身長を超えてしまうほどの大きさです。

毛はシングルコートで短く滑らか。耳は垂れ耳です。カラーはブラック、フォーン、ブルー、ブリンドル、白をベースにまだら模様が入ったハールクインがあります。

歴史

グレート・デーンはドイツで誕生した犬種で、ドイツの国犬(国を代表する犬種)に指定されています。姿の似た犬が古代エジプトの彫刻に刻まれていることが知られています。

犬種名はフランス語で「大きなデンマーク人」と呼ばれていたのを英訳したものですが、デンマークとの関連はあきらかになっていません。ドイツでは「ドイツの犬」を意味するドイツ語の名前で呼ばれています。

かつてはドイツの貴族が飼っていて、領地を守る番犬として、またイノシシ狩りに猟犬として同行して活躍していました。この時期にマスチフ系の犬に狩猟性を高めるためにアイリッシュ・ウルフハウンドを、スピードのためにグレーハウンドをかけ合わせたといわれています。当時は単独で荒々しいイノシシを倒すこともあるほど、勇猛で力強い犬でした。

狩猟が行われなくなると、屈強な体格はそのままに、温和で従順な性格に改良されました。やがて番犬として、また家族の一員として家庭に迎えられるようになりました。1880年にベルリンで開催されたショーで犬種のスタンダードが確立され、1887年にアメリカンケネルクラブ(AKC)に犬種として登録されました。

性格

「やさしい巨人」と呼ばれることもあるほど温和な性格で、飼い主や家族には愛情深く献身的に接してくれます。社交的でもあり、ほかの犬とも仲良くできますが、知らない人に対しては控えめです。忍耐強くもありますが、時に頑固になることもあります。

しつけのポイント

飼い主に対して従順で賢いので、しつけは覚えさせやすい方です。トレーニングも楽しんで行います。

しつけのポイントは早くから社会化を促すことにあります。ほかの犬種にもいえることですが、周囲と適切な関係が持てるようになるには、生後3週~12週頃になるべくたくさんの人、犬、どうぶつや異なる環境に触れさせて慣れさせることが重要です。この時期にさまざまな体験をさせてしっかり社会化をしましょう。

グレート・デーンは2歳で成犬になります。生後数ヶ月でもまだ幼い子犬なので、この時期も引き続き社会化を続けていきます。超大型犬なので、しつけの専門家にも相談することがおすすめです。

不満やストレスがたまると、しつけとは関係なく問題行動につながることがあります。グレート・デーンのような大型犬は運動量が多く、散歩などで1日2回はしっかり体を動かす必要があります。走ったり、匂いを追ったりするのが好きなので、さまざまなドッグスポーツが一緒に楽しめるでしょう。

サイズ

大型犬に分類されます。サイズの目安は次の通りです。

  • 男の子:体高80cm以上
  • 女の子:体高72cm以上 

平均的な体重は男の子で54~65㎏、女の子で45~55㎏ほどになります。大きな男の子は90㎏を超えることもあります。

ギネス記録にも登録の大きさ

2022年には、米国テキサス州の2歳のグレート・デーン「ゼウス」が「存命中の世界一背の高い犬」としてギネス世界記録に認定されました。その体高は104.6cmもありました。また、その前に同じ記録を保持していたのもグレート・デーンでした。

寿命

アニコム「家庭どうぶつ白書 2021」によると、犬全体の平均寿命が14.1歳であるのに対し、グレート・デーンのような大型犬の平均寿命は11.5歳となっています。しかし、ここ数年でフードも色々なものが出ていますし、医療も進んでいるので、寿命はあくまでも目安とし、飼育環境や運動などに気を使ってあげるといいですね。

気をつけたい病気

胃拡張・胃捻転は大型犬がかかりやすい病気ですが、中でもグレート・デーンは特にかかりやすい傾向にあります。どんな症状が出るのかあらかじめ把握し、疑わしい症状があれば速やかに動物病院を受診しましょう。また予防として食事は1日1回ではなく2~3回にわけ、食後すぐに運動をさせないようにします。

胃拡張(胃拡張胃捻転)<犬> | みんなのどうぶつ病気大百科

そのほか心筋症やがん、股関節形成不全、変形性関節症、甲状腺機能低下症、目の疾患なども気をつけたい病気となっています。

グレート・デーンを家族の一員として迎える方法

グレート・デーンをぜひ家族の一員に!と思ったら、どこで出会えばいいのでしょうか。主に考えられる方法は3つあります。

ペットショップで探す

ペットショップなら、フードやトイレなど、犬との暮らしに必要なものを一緒に揃えられるため、迎えたその日からきちんと住環境を整えてあげることができそうです。とはいえ、グレート・デーンをペットショップで見かけることは多くないので、事前に取り扱いがあるか確認してから行くとよいでしょう。

また、ペットショップではどんな親犬から生まれた子犬かを把握することは難しいです。性格や気質については親犬の情報を知ることが必要です。

ブリーダーさんから紹介してもらう

ブリーダーさんからお迎えする最大の特徴は、迎えると決めた子の特徴やクセ、これまでの成長の様子や環境などをブリーダーさんに直接聞いたり、質問できたりすることです。また、親猫や兄弟・姉妹たちの姿を見る機会も得られる可能性があるので「将来どんな風に成長していくのか」を想像しやすいこともメリットです。

繁殖のタイミングは年に1回、多くて2回です。迎えたい!と思ったときに子犬がいない場合もあります。予約待ちの人気のブリーダーさんもいるので調べてみると良いでしょう。

※アニコムグループの(株)シムネットが運営する『みんなのブリーダー』へ移動します。

里親になる

最近は「せっかく犬を迎えるなら、保護犬の里親になりたい」と考える方が多くなってきたようです。譲渡会の情報もチェックしやすくなってきました。こうした譲渡会や里親募集でグレート・デーンと出会える機会もあるかもしれません。

まとめ

グレート・デーンは立ち上がると大人の背を超えることもある超大型犬です。力が強く、運動量も食べる量も多いため、容易に飼育できる犬ではありません。日本では一般的に飼育されている犬種ではありませんが、大きくて力強い姿でやさしい性格の家庭犬でもあります。飼育環境や運動量の確保など、さまざまな条件を満たしてお迎えできれば、すばらしいパートナーとなってくれるはずです。

ライター

佐藤華奈子

佐藤華奈子

大学の動物系学科を卒業後、教育情報誌、ライフスタイル誌の編集プロダクション勤務を経て、2009年よりフリーランスの動物ライターに。「動物を飼うことは動物と暮らすこと」をテーマに活動中。おもにペット、動物園、牧場の動物関連の雑誌、書籍などで執筆。2011年よりうさぎ(ネザーランドドワーフ)と暮らしているうさぎ愛好家。