
フレンチ・ブルドッグ、通称フレブルは、大きな耳と鼻ぺちゃでシワの多い顔が愛らしい犬種です。アニコム損保の犬種ランキングでもトップ10に入る人気で、たくさんの人を魅了しつづけています。海外でも人気が高く、アメリカでは人気犬種ランキング第2位(※)となっています。見た目がかわいいだけでなく、天真爛漫な性格で子供とも友好的に接することができるところも人気の理由かもしれません。そんなフレンチ・ブルドッグの歴史や性格、気を付けたい病気などをご紹介します。
※アメリカンケネルクラブ(AKC)が発表した2020年の人気犬種ランキング
フレンチ・ブルドッグってどんな犬種?

フレンチ・ブルドッグは名前に「ブルドッグ」とついているように、ブルドッグから改良された犬種です。短い鼻と口元のたるんだ皮膚は似ていますが、耳の形、体つきもよく見ると違っています。
耳は「コウモリ耳」とも呼ばれ、その名の通り、こうもりの羽のような立ち耳をしています。耳の付け根の幅が広く、左右の耳の間隔も広いことが特徴です。
また、フレンチ・ブルドッグのように鼻が短い短頭種はいびきをかきやすいですが、フレブルはまさにその代表例。初めてフレブルと暮らす方はそのいびきの大きさにびっくりしてしまうかもしれません。(※いびきは病気が潜んでいる可能性もあるので、あまりにもひどいときは一度病院で診てもらうようにしましょう。)
いびきをかく様子や寝姿、その表情はもはや人間のように見えてしまうところもまたフレンチ・ブルドッグならではのたまらない魅力と言えます。
歴史
1880年代パリの熱心なブリーダーによって、ブリーディングが盛んに行われ誕生したのがフレンチ・ブルドッグです。
最初は労働階級の人々に飼われていたフレンチ・ブルドッグでしたが、その特徴的な外貌により、次第に上流階級の人々にも注目されるようになりました。上流社会や芸術家の目に止まったことで、急速に広まっていきました。
フレンチ・ブルドッグが、初めてフランスのドッグショーに出陳されたのは1887年。その約10年後の1898年に、フランスのケネルクラブ(畜犬団体)で公認されました。
サイズ

フレンチ・ブルドッグは中型犬に分類される犬種です。筋肉質で、骨格がしっかりとしていて、体重は男の子が9~14kg、メスが8~13kgになります。体高は、男の子では27~35cm、女の子では24~32cmほどです。
性格は?
フレンチ・ブルドッグは、とても社交的で遊び好きです。子供とも友好的に接することができる性格の持ち主です。
一方で、興奮しやすかったり、独占欲が強く、他の犬に対して挑戦的だったりする一面も。もちろん、個体差はありますが、子犬期の頃にさまざまな音や人、犬などに慣れさせておく社会化や、「アイコンタクト」や「まて」などの基本的なしつけは欠かせません。
先述したように、筋肉質で、骨格がしっかりとしているので意外と力が強いフレブル。しつけをしておかないと、お散歩時の引っ張りなどでも苦労してしまうかもしれません。子犬のうちに、しっかりとしつけをがんばっておきましょう。
被毛・毛色について

フレンチ・ブルドッグは短毛で柔らかい毛質をしています。抜け毛が多いので、こまめなブラッシングが必要です。家の中やお出かけ先で抜け毛が気になる場合には、洋服を着せて毛が舞うのを防ぎましょう。
毛色について
犬種の認定などを行う団体・ジャパンケネルクラブ(JKC)によると、毛色は「フォーン」「ブリンドル」およびそれらにホワイトの斑が入っているものとされています。
フォーン:
金色がかった茶色の毛色
ブリンドル:
黒地のベースにホワイトやベージュの色が入ってくる毛色。
ちなみに…
ホワイト一色の毛色もかわいくて大変人気ですが、難聴のリスクがあるため、繁殖には適さないという理由からジャパンケネルクラブでは標準として認められていません。ただし、目の周りや鼻周辺に黒色が入っている場合は認められています。
寿命はどれくらい?
アニコムの「家庭どうぶつ白書2023」によると、フレンチ・ブルドッグの平均寿命は11.2歳(2021年時点)です。犬全体では14.2歳なので、全体と比べると少々短いことがわかります。
しかし、ここ数年でフードもさまざまなものが出ていますし、獣医療も進んでいるので、寿命はあくまでも目安とし、飼育環境や運動などに気を付けて、少しでも長く一緒にいられるといいですよね。
フレンチ・ブルドッグの気を付けたい病気

フレンチ・ブルドッグの魅力でもある短い鼻は、短頭種と言われ、呼吸がしづらくガーガーというような呼吸音が出やすいです。呼吸がしづらいため、体温調節も苦手なので夏の暑い時期の散歩や運動は人一倍気を付けてあげましょう。
「家庭どうぶつ白書2022」によると、他犬種に比べ、「軟口蓋過長症※」「耳血腫」「中耳炎」「毛包虫症」「潰瘍性角膜炎(かいようせいかくまくえん)」にかかりやすいです。
その他にも、皮膚がデリケートで「皮膚炎」などの皮膚疾患にかかる子も多いです。
デリケートな皮膚のためにも、先述したように体温調節も苦手であることから洋服を上手に取り入れてあげるといいでしょう。皮膚を守るためや、暑さ対策や寒さ対策に優れた洋服を取り入れることで体温調節を助けることができます。
皮膚を含め、身体も繊細な一面をもっているフレブルなので、たとえ今は健康体でも、定期的な健康診断などは欠かさないようにしましょう。日ごろから、愛犬の様子をよくみて、些細な変化があったら早めに動物病院へ連れて行くようにしてあげてくださいね。
※軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう):
口腔内の天井部(硬口蓋)から後方にのびた柔らかい部分を軟口蓋といいますが、この部分が通常よりも長いことで呼吸が妨げられておこる呼吸器系の疾患のこと。
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軟口蓋過長症 <犬>
家族の一員として迎える方法
ペットショップでフレンチ・ブルドッグを探す
人気の高いフレンチ・ブルドッグはペットショップで迎えることもできますが、ペットショップではどんな親犬から生まれた子犬かを把握することは難しいです。性格や気質については親犬の情報を知ることが必要です。
ブリーダーさんから紹介してもらう
ブリーダーさんは親犬を飼育し繁殖をしているため、親犬の性格や気質をよく理解しています。親犬に会えるようなら、実際に大きさや性格に注目してみると良いでしょう。もちろん最後は子犬を直接見て、相性の良い子を迎えたいですね。
繁殖のタイミングは年に1回、多くて2回です。迎えたい!と思ったときに子犬がいない場合もあります。予約待ちの人気のブリーダーさんもいるので調べてみると良いでしょう。
※アニコムグループの(株)シムネットが運営する『みんなのブリーダー』へ移動します。
里親になる
最近は「せっかく犬を迎えるなら、保護犬の里親になりたい」と考える方が多くなってきたようです。譲渡会の情報もチェックしやすくなってきました。こうした譲渡会や里親募集でフレンチ・ブルドッグと出会える機会もあるかもしれません。
お迎えの費用は?
フレンチ・ブルドッグの子犬を迎えるにあたってかかる費用は、ペットショップの場合は平均40万~60万円程度、ブリーダーの場合は、30万円~50万円程度です。ショップやブリーダーによっても価格に差があります。
まとめ

フレンドリーな性格で表情豊かなフレンチ・ブルドッグは一度ハマるととことんハマってしまう中毒性の高い犬種のようです。元気いっぱいで天真爛漫なフレンチ・ブルドッグは最高のパートナーになってくれることでしょう♪
