
うさぎといえば一般的に「寂しがり屋」「やさしい」というイメージがあります。ペットのうさぎの性格も本当にこのイメージ通りなのでしょうか?うさぎの性格について、共通する特徴や品種、性別ごとの特徴、年齢による変化などを紹介します。
うさぎの性格の特徴は?
うさぎはみんな怖がりで繊細です。野生では敵に狙われる立場だったので、今も警戒心が強く、ちょっとした変化を気にすることもあります。聴覚や嗅覚が鋭いので、人間は気づかないような音やにおいも気になります。
飼い主が気づかないことが気に触り、足を踏み鳴らして怒っていても、飼い主は理由が分からないので、うさぎがストレスをためてしまうこともあります。うさぎを飼うときは静かで落ち着ける環境を用意し、よく様子を観察することが大切です。
うさぎは「やさしい」というイメージもあるでしょう。確かに攻撃的な動物ではなく、よほど警戒しているか怒っていない限り、噛みつくことはありません。ただ一緒に暮らして慣れてくると、マイペースな部分も見えてきます。
犬より猫の性格に近く、飼い主の都合より自分が優先。おやつやへやんぽをしつこく要求して、叶わないと怒ることもあります。そんなとき、大声や大きな音を出して叱ってしまうと、怖がって心を閉ざしてしまうこともあるので気をつけましょう。
うさぎの性格は千差万別
うさぎは寂しいと死んでしまう、といわれることがありますが、そんなことはありません。では寂しがり屋かどうかというと、実際はそのうさぎの性格によって分かれるところです。一羽でいる時間が長くても平気という子もいれば、できるだけ飼い主と一緒にいたい子もいます。
うさぎの性格はその子によってそれぞれ異なります。共通して「怖がり」「繊細」ではありますが、その程度はうさぎによってまちまちです。例えば初めて聞く音が最初は怖くてもすぐに慣れて順応する子もいれば、慣れるまで時間がかかる子もいます。好奇心旺盛な子は、知らないものでも警戒しつつ積極的に近寄っていきますが、なかなか近づかない子もいます。
下でも紹介するように、うさぎの品種や性別、年齢によってある程度性格の傾向はあります。ですがあくまで傾向なので、中にはちがうタイプの子もいます。同時に生まれた兄弟姉妹でもそれぞれ性格はちがうのです。
お迎えした子がどんなタイプか、一緒に暮らすまでわかりません。個性が幅広いことで「想像していたのと性格がちがう」「ほかのうさぎと全然ちがう」と飼い主は混乱してしまうこともあるでしょう。この一羽一羽が個性豊かであることこそ、うさぎの奥深さと考えましょう。
品種によって性格がちがうって本当?
品種の特徴としてあげられる性格のおおまかな傾向はあります。あくまで傾向ですが、その品種にはこのような性格の子が多い、ということなので品種を選ぶときの参考にもなります。代表的な品種をあげると次のようにいわれています。
ネザーランドドワーフ
うさぎの中でも特に「臆病」で「神経質」です。警戒心も強いので、飼い主に慣れるまで時間がかかります。それでも慣れれば甘えるようになり、「おやつちょうだい」「なでてちょうだい」と何かと要求するようになります。この瞬間はとてもかわいいのですが、甘やかしすぎるとわがままが酷くなってしまうことも。
飼い主がリードして付き合っていくことが大切です。活発でよく動き回るのもネザーの特徴。へやんぽでは、ダッシュをしたりジャンプしたりと素早く動く姿を見せてくれます。
ホーランドロップ
フレンドリーで温和な性格です。快活で好奇心も旺盛。懐きやすく、飼い主のあとを追いかける姿もよく見られます。抱っこを嫌がらない子も多いです。その分、寂しがり屋なので、あまり構ってもらえない、長時間1羽で過ごすといった状況がストレスになる可能性があります。
ミニレッキス
あまり物怖じしない天真爛漫な性格が特徴。激しく自己主張をすることもありますが、基本的に穏やかです。好奇心旺盛な一面も。抱っこも比較的嫌がらない慣れやすいうさぎです。
アメリカンファジーロップ
ホーランドロップと同じく、好奇心旺盛で快活。やさしく温和な性格で良く懐き、甘えん坊なうさぎです。恥ずかしがり屋なところもあります。
ジャージーウーリー
のんびりした控えめな性格でおとなしいうさぎです。抱っこもおとなしくさせてくれることが多く、甘えん坊でもあります。
ミックスのうさぎでは性格の傾向はわかりませんが、見た目が近い品種と似ている可能性もあります。下で紹介する体の大きさや耳によるちがいも参考にしてみてください。
体の大きさによる性格のちがい
小さいうさぎは警戒心が強く、気が強くて頑固。大きなうさぎはおおらかでやさしいという傾向があるといわれています。
小さいから扱いやすい、飼いやすいと考えていると、うさぎがなかなか慣れない、警戒されて噛みつかれる、わがままで困るといったことも起こり得ます。一方で大きなうさぎは一見どっしり構えているように見えても、やはり怖がりで繊細な部分はあります。触れ合うときは、うさぎが嫌がること、怖がることは絶対にやめましょう。
立ち耳と垂れ耳の性格のちがい

立ち耳のうさぎは独立心が強く、マイペース。垂れ耳のうさぎはよく懐き、飼い主のあとを追いかける子や、抱っこに慣れやすい子が多いといわれています。
性別による性格のちがい
男の子は飼い主に対して甘えん坊でやさしい子が多く、女の子は気が強くてわがままな子が多いといわれています。女の子は妊娠をすると、より気が強くなり攻撃的になることがあり、偽妊娠でも同じ傾向が見られます。男の子は発情するとマーキングのためにおしっこをスプレーすることや、気が荒くなることもあります。
年齢によって性格は変化する?
どんなうさぎも、子うさぎのころが一番元気で好奇心旺盛です。活発に動き、ジャンプもしながらたくさん走り回ります。知らないもの、知らない人にも興味津々。自分から近づいて鼻でつつき、安全かどうか確かめようとします。
大人になると落ち着きますが、若いうちはまだ元気で活発です。発情に伴って怒りっぽくなる、わがままになるなど性格が変わったと感じる場合もあります。それから年を経るごとに活動量が減り、寝ている時間が増えておとなしくなります。
高齢になると発情に伴う問題行動が減って静かになります。その分、頑固になって警戒心が強くなり、新しいものを受け入れにくくなります。老化で聴力や視力が衰えたことから周囲の状況がつかみにくくなり、警戒しているとも考えられます。
年齢に応じて遊び方や接し方を変えて、その時のうさぎと向き合っていきましょう。

まとめ
うさぎの性格は品種や性別などによってある程度の傾向はあるものの、実際はそのうさぎの個性や飼い主の捉え方で変わってくるものです。幼少期の過ごし方や飼い主の接し方でも変わりますし、慣れてからようやくわかってくる部分もあります。まずはうさぎが素の性格を出してくれることを目指し、慣れてわかってきたら、その子の個性を大切に付き合っていきましょう。