
うさぎと仲良くなるためには、うさぎならではの感情表現を知ることがコミュニケーションの助けになります。よかれと思ってしていても、うさぎを怒らせてばかりいると、なかなか懐いてくれなくなるでしょう。どんなにかわいいうさぎでも、怒ることはあり、そのサインもしっかり見せています。うさぎが怒ったときに見せる仕草や様子を知っておきましょう。
後足を蹴り上げる
後足をバッバッと勢いよく蹴り上げながら走っていくのは、うさぎがイライラして怒っているサイン。耳をすませると、足音が聞こえるのでよく聞いてみましょう。
抱っこから下ろしたときや爪切りが終わって放したときなど、怒りのもとから走り去って行くときによく見られます。この仕草が見られたら、どうしても必要なとき以外はそれ以上追いかけるのはやめましょう。
前足でうさパンチ!
前足を素早く動かして目の前のものをパンチする動作も、イライラして怒っているサインです。うさぎ用語でうさパンチと呼ばれています。うさぎがイラだっているときに目の前に何か差し出すと、うさパンチを浴びることがあります。通り道にある邪魔なものに対して行うことも。新しいおもちゃが気に入らないときにすることもあります。うさパンチをしたときは原因になるものを取り除き、それ以上刺激しないようにしてください。
ブウブウと鼻を鳴らす

うさぎは怒ったとき、鼻を勢いよくブッと鳴らしたり、ブウブウ鳴らしたりして不満な気持ちを表現することがあります。おやつが欲しいときやなでてほしいとき、待ちきれなくてすることもあります。怒ったとき以外にも鼻を鳴らすことがあるので、怒ってしているかどうかはそのときの状況から判断することになります。
「本当に怒ったぞ!」足ダンをする
うさぎが後足を大きく踏み鳴らす「足ダン」は、怒っているときの代表的な行動です。もともとは野生で地中の巣穴にいる仲間に危険を知らせるためにしていた行動。警戒しているときに行うこともあります。
警戒しているときは、警戒する対象がなくなるまで何度も繰り返すことがあります。怒っているときは、1度だけダン!と鳴らして走り去っていくことも。夜中に目を覚まして、寂しくなって足ダンをすることもあります。
ここまで怒ったら要注意!威嚇のポーズ
うさぎが低い姿勢をとり、いつでもとびかかれるように前足を前に出して緊張しているのは、威嚇のポーズ。ひどく怒っているか怖がっているときです。ここまで怒っていると、不用意に手を出すといつ噛みつかれてもおかしくない状況です。通院や投薬など必要なことでも、まずはうさぎが落ち着くまで待ちましょう。緊急の場合は嚙まれないよう充分注意し、しばらく時間をかけてうさぎの様子をよく観察するようにしましょう。
耳と目を見るとわかることも
うさぎの耳は斜め45度くらい後方に倒れているのが基本の位置ですが、それより耳を後に倒し、体にぴたりとつけていることもあります。耳がこうなるのは、リラックスしているときか怒っているとき。正反対の感情ですが、怒っているときは耳が倒れていても、寝そべることなく、しっぽを立てて目も少しつり上がっています。
ケージに飼い主が手を入れたとき、うさぎが素早くとびかかり、手に鼻がつかないギリギリのところで止まることがあります。好奇心から飼い主の手に寄ってきたことも考えられますが、このとき耳が倒れて目がつり上がっていると、うさぎは怒っています。ケージはうさぎの縄張りなので、そこに不意に入られた怒りから威嚇しているのです。噛まれてしまってもおかしくない状況ですが、うさぎは飼い主のにおいを覚えているので、大半は瞬時に噛まない判断をします。飼い主以外の人が同じことをすると噛まれる可能性があるので注意してください。
うさぎが怒るのはこんなとき

うさぎはどんなときに怒るのでしょうか。一番見かけることが多くわかりやすいのは、嫌なことをされたときや、されそうなときです。うさぎは抱っこを嫌うことが多いので抱っこの前後や、爪切りをしたとき、体の嫌な場所を触られたときなどに怒ります。またケージの中などうさぎが縄張りだと思っている場所に入られることで怒ることも。うさぎが嫌がっても、抱っこのしつけや爪切り、ケージの掃除などしなくてはいけないこともあります。「うさぎのためにしている」ということをよく話して聞かせ、無理のない範囲で少しずつ慣らしていきましょう。爪切りは1本ずつでも構いませんし、動物病院で切ってもらうのもいいでしょう。
また発情したときや妊娠中もイライラしやすくなり、怒ることが多くなります。この時期はなるべくそっとしておき、部屋を散歩することやおもちゃで遊ぶことなど、ほかのことでストレスを解消できるようにしてあげましょう。
聞き慣れない音がする、知らないにおいがするなどの理由から警戒して怒ったようにみえることもあります。原因がわかればやはりよく話して聞かせ、落ち着くのを待ちましょう。このとき、落ち着いたトーンの声で優しく語りかけるようにしてください。感情的に怒鳴ったり、大きな声でたたみかけたりするのは逆効果です。
「そんなことで怒るの?」ということで怒らせてしまうこともあります。たとえば部屋の模様替えをして物の位置が変わったとき。変わったことに気づくと足ダンをして怒ることもあります。食事や散歩の時間が少し過ぎただけで怒りだすことも。それだけその時間を楽しみにしていたのでしょう。
うさぎがいつも怒っているときは

懐いていて健康なうさぎは、たまに怒ることはあっても、基本的には機嫌よくリラックスして過ごしています。あまりに怒っていることが多く、噛みついてばかりという場合は心配です。
ケガや病気によって体に痛みがあることや、発情の影響が大きいことなどが考えられるため、うさぎに詳しい動物病院で診てもらいましょう。体に問題がなくても、過去の経験から人間を恐れているなど、精神的な理由から怒りやすくなっている場合も。その場合は、うさぎに直接ふれずにケージの前で優しく話しかけたり、飼い主自身がくつろいで過ごす姿を見せたり、ケージ越しにおやつをあげたりして、時間をかけて飼い主が危険な人でないこと、今いる場所は安全であることを伝えていきましょう。
まとめ
うさぎの怒ったときのサインを紹介しました。いずれにしても、うさぎが怒っていたら早めに原因を取り除くか、できるだけそっとして落ち着くのを待つしかありません。怒っているうさぎに構うとストレスを与えたり、噛みつかれて飼い主がケガをしたりすることにもなりかねません。
必要なお世話で怒ってしまうときは、まず言葉でよく説明してあげましょう。飼い主のうっかりで怒らせてしまったときも、素直に謝ってあげると落ち着くことがあります。うさぎが怒っているからと、怖がったり不安になったり、こちらまで感情的になるのはよくありません。あくまで冷静な態度で対応するようにしてくださいね。
