よく「うさぎはストレスに弱い」といわれますが、うさぎにはどのようなことがストレスになるのでしょうか?また、ストレスを感じるとどんな行動をとるのでしょうか。うさぎも飼い主も快適に暮らしていくためにうさぎのストレス対処法を知り、できる限りその原因を取り除いてあげましょう。

うさぎがストレスを感じるのは本能から。

うさぎは聴覚も嗅覚も人よりずっと敏感な動物。また野生では敵に追われる立場のため、本能として警戒心が非常に強く、臆病でもあります。そのため、わたしたちはあまり気にならない刺激や音が、うさぎにはストレスになってしまうことがあります。そして気づかないうちにストレスを溜め込み、問題行動や体調不良を引き起こしてしまうことも。ストレスがきっかけで病気になり、悪化して命を落とす危険もあります。うさぎには自分が弱っていることを周囲に知られないように病気やケガを隠す習性があり、気づいたときにはかなり状態が悪くなっているものです。うさぎがストレスをためないよう飼い主が気を配らなくてはいけませんが、心配しすぎはかえってデリケートな性格になる傾向があるのでおおらかに接することも必要です。

うさぎはどんなときにストレスを感じる?

座るうさぎ

まずはどんなことがうさぎのストレスになるのか見てみましょう。うさぎのストレスの原因は多岐にわたりますが、ここでは主に日常生活で注意したいものを紹介します。

①音

聴覚が敏感なうさぎは、大きな音が苦手。特に突然大きな音がしたり、聞き慣れない音がすると、固まって耳を立て、音がする方向に耳をむけて警戒します。うさぎがいる部屋で大きな音を立ててドアを閉めるなど、むやみに大きな音を出すことは避けましょう。テレビの音や掃除機、ドライヤー、洗濯機の音といった生活音は慣れるものですが、お迎えしたばかりの数日は、できるだけ静かにして徐々に慣れてもらうようにしましょう。また、夏休みやお正月など人の出入りがある場合には、予め静かな部屋に移動させましょう。

環境

環境はうさぎのために最も気をつけたいポイント。特に次の3つは注意しましょう。

・不適切な温度、湿度

うさぎの適温は18~24度、湿度は40~60%です。暑すぎても寒すぎても、うさぎに負担がかかってしまいます。適温の範囲であっても、急な温度変化は体調を崩す原因となります。

・不衛生な環境

トイレが汚れてきついアンモニア臭がする、床がこぼれた水やおしっこで濡れているといった不衛生な環境にいることもストレスになります。いつでも新鮮な牧草やお水があるようにし、鮮度が落ちた牧草は、入れっぱなしにするのはやめましょう。

・不慣れな場所

うさぎには環境の変化もストレスになります。お迎えの直後はもちろん、引越しや通院、入院、ホテルに預けることも、少なからずストレスになっています。お部屋の模様替えにも困惑することがあります。模様替えをするときは、うさぎが普段“へやんぽ(お部屋の中をお散歩すること)”している範囲にある家具や物はできるだけ変えないようにしてあげましょう。また、一気に模様替えをするのではなく、少しずつお部屋の様子を変えていくようにしましょう。うさぎは、部屋のレイアウトを変えるだけでもストレスがかかってしまうほど繊細な動物だということを理解してあげましょう。

におい

うさぎの鼻はとても敏感。特に魚などが焦げたにおいやタバコのにおいが苦手といわれています。においがきつすぎる香水、芳香剤も避けましょう。うさぎが落ち着くにおいは、自分自身のにおいです。必要以上に消臭してうさぎ自身のにおいを消してしまわないようにしましょう。

④うさぎが苦手な方法でのふれあい

抱かれているうさぎ

人は抱きしめるという行動が本能としてありますが、抱っこは多くのうさぎが苦手です。嫌がるうさぎを長時間抱っこしていたら、それだけでストレスです。うさぎの様子を見ながら、無理せずゆっくり慣らしていきましょう。また、抱っこをする際は、うさぎが急に逃げるなどしたときにケガをしないよう、飼い主が床に座るなど高さのない状態で行い、慣れた後も途中で飽きていないか、嫌がっていないか気をつけて見てあげましょう。またうさぎが嫌がる場所をさわったり、うさぎがほかのことに集中しているときになでたりするのもやめましょう。また、うさぎは追われることもストレスになります。逃げるうさぎを追い回すことはやめましょう。うさぎを追いかけまわしすぎると、『人間=怖い』と認識してしまい、遊んでも寄ってこなくなってしまうことがあります。

小さな子どもは、遊びでうさぎを追いかけたり、無理やり触ったり、予期できない動きをしてうさぎを不安にさせます。うさぎが身の危険を感じると、お子さんに噛みついてしまうことも。大人が充分気をつけて、うさぎと子どもだけにしないようにするのもポイントです。

⑤ほかのうさぎの存在

意外に思うかもしれませんが、状況によってはほかのうさぎの存在がストレスになります。男の子は野生ではなわばりを持ち、ほかの男の子うさぎが入ってくると追い払う習性があります。そのため、自分のケージや部屋にほかのうさぎがやってきて、それを追い払えない状況はストレスになります。妊娠した女の子は男の子と一緒のケージに入れられることを嫌がります。また多頭飼育で過密になると、なわばり争いや相性が合わないことによるケンカが起こり、ストレスがかかります。

うさぎを複数飼育する場合には、うさぎ同士の相性を見極め、相性があまりよくない場合には一定の距離感をもたせてあげましょう。

⑥孤独と退屈

うさぎは群れで生活する動物です。そのため、ずっと単独で孤独に過ごすこともやはりストレスとなります。飼い主さんがなでたり一緒に遊んだりして毎日かまってあげる必要があります。刺激がなさすぎて退屈に過ごすこともストレスの原因に。部屋で散歩させる際に隠れる場所を作ったり、おやつを探させたり、ケージの中にもおもちゃを入れるなどして、安全で楽しく過ごせる刺激を用意しましょう。

うさぎのストレス対処法は?

何よりも、うさぎにストレスがかからない生活環境を整えることが大切です。ケージはできるだけ静かで直射日光があたらない場所に置き、温度管理を徹底し、毎日掃除をして清潔に保ちます。できれば毎日1時間以上はケージから出して、部屋の中を散歩させましょう(通称:へやんぽ)。ただしお部屋に放す際は、うさぎの届くところに齧ると感電の恐れのある電気コードや、食べると有毒な植物など、危険なものがないか、十分気を付けてあげてください。またお世話の時間や順序を決めておき、なるべくいつも同じにして変えないようにします。飼い主の気分によってたくさん構ったり、まったく構わなかったりするといった極端な対応も避けてください。それでもうさぎがストレスを感じている様子が見られたら、その原因を探り、取り除いてあげましょう。

うさぎがストレスを感じるとどんな行動をとる?

「うさぎはあまり感情を表現しない」といわれますが、よく見ているとさまざまな方法で気持ちを表しています。いらだっているときは、明らかにそわそわとして落ち着かず、頻繁に耳を立てたり立ち上がったり、鼻をヒクヒク動かすなど「警戒」の行動をとります。さらに、噛みつこうとする、後足を蹴り上げながら立ち去るなど「怒り」を表現する行動もとります。また、ストレスを感じることで足ダンまたはスタンピングと呼ばれる、足を踏み鳴らす行動が多くなることも。低い「ブウブウ」という音を出して不満を表現することもあります。毛づくろいの回数が増えることもあり、それが過剰になって皮膚に傷がつくほど自身をひっかいてしまうこともあります。

また、食欲や排泄物の変化は一番気づきやすい兆候かもしれません。ストレスによっても、食欲が落ちる、下痢をする、うんちの量が少なくなるといった様子が見られます。変化が出た場合には、すぐに動物病院へ行きストレスの原因を探り、改善しましょう。

ストレスを感じさせないために

立ち上がっているうさぎ

環境を整えるほかに、飼い主がいることでうさぎが落ち着けるような信頼関係を築いていくようにしましょう。たとえ通院や外出がストレスになっても、飼い主が側にいればまだ安心できる、という状態を目指します。そのためには、日頃のコミュニケーションの中でうさぎに話しかけて言葉で伝えることも大切です。飼い主がよく話しかけている家庭は、信頼関係が強くうさぎが懐いている傾向にあります。引越しやお出かけ、留守番など何か変化がある場合は、あらかじめ言葉で説明してあげましょう。日頃から「ごはんだよ」「掃除するよ」など、ちょっとしたことでも言葉にしてワンクッション置く習慣をつけるといいですね。

また、飼い主が気にしすぎないことも大切かもしれません。乱暴に扱うことはもちろんいけませんが、びくびくしながら扱われることや、いつも様子を見に来られることもかえってストレスに。飼育の基本を守り、快適な環境が用意できていれば、あとは過剰な要求に応えることはありません。甘やかしすぎると、うさぎが自分の方が優位だと思い込み、問題行動が増えてお互いにストレスがたまる可能性も。適度な距離感を保ち、何事もやり過ぎないようにすることが大切です。

まとめ

うさぎはストレスを感じやすいもの。何がうさぎにとってストレスなのかを知り、飼育環境や毎日のお世話、ふれあいの中で気をつけて、過剰にストレスをかけないことが大切です。過干渉がストレスの元になることもあるので、何事も極端にせず、バランスをとることも心がけていきましょう。

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監修獣医師

萱原英実

萱原英実

2006年日本大学獣医学科卒業。卒業後は埼玉県の動物病院、東京都のうさぎの専門病院で、犬猫以外のエキゾチックアニマルの診療も行い、学会ではウサギの食欲不振や子宮疾患に関する発表を行う。 現在はりあんペットクリニック川西分院で診療にあたりながら、予防医療の啓蒙等を行っている。