わたしたち人間は、生まれたらすぐに健康保険に入ります。ですが、ペットであるうさぎには公的な健康保険制度がありません。

また、動物病院は自由診療のため、大切なわが子がケガや病気をしたときに、思わぬ高額な診療費がかかることもあります。

とはいえ、わが子に万が一のことがないようにちょっとでも様子がおかしいときには動物病院で適切な治療を受けさせてあげたいですよね。

ペット保険に加入していれば、いざというときにお金のことを気にせずに、安心して大切なわが子に治療を受けさせることができます。今回は、うさぎのペット保険の補償内容や使い方、うさぎがなりやすい病気やケガについてご紹介します。

うさぎのペット保険の基礎知識

うさぎと虫眼鏡

「ペット保険」は具体的にどのような補償が受けられるのでしょうか?ペット保険の利用方法や、利用する場面などをご紹介します。

うさぎのペット保険ってなに?

名前の通りですが、わたしたちと一緒に暮らすペットであるうさぎのための保険のことです。犬や猫のペット保険は、一般的になってきましたが、うさぎもペット保険に入ることができます。

ペット保険に加入すると、毎月一定の保険料を支払う必要があり、わが子がケガや病気をして病院に連れていったときに、診療費の一部が保険金として補償される仕組みとなっています。

人間の健康保険を思い浮かべていただけるとわかりやすいかと思います。

補償される内容は?

保険会社や、その会社が取り扱う保険商品によっても変わってきますが、大きく分けて「通院」・「入院」・「手術」にかかる診療費を補償する内容となっています。

犬や猫同様に、慢性疾患や日数の多い入院、手術などの診療費は高額になることが多く、ペット保険に加入しているメリットを感じやすいでしょう。

知っておきたい!うさぎの病気やケガの診療費

診察を受けるうさぎ

大切なわが子には、病気やケガをせず元気で過ごしてほしいと願うのは当たり前のこと。

ですが、万が一のときにどれくらい診療費がかかるのか、どんな病気やケガに気を付けたらいいのかを知っておくことは、これからうさぎと暮らすうえでとても大切です。

ちなみに、アニコム損保のデータでは、うさぎの年齢別の1頭あたりの平均年間診療費は0歳で26,496円に対し、4歳では56,505円と年齢とともに確実にあがっています。

小さいうちは病気やケガをしないと思っていても、年齢を重ねるごとに起こりやすい病気やケガもあるので要注意です。

3頭に1頭がペット保険を使っている!

キャリーバッグ

アニコム損保に加入しているうさぎの保険契約データによると、1年間で3頭のうち1頭がなにかしらの病気やケガで動物病院で診療を受けています。うさぎは、「いつもよりうんちが小さい/少ない」「下痢をしている」「ごはんを食べない」「じーっとしている」…など、ちょっとした異変を放置しておくことが命取りになることも。

また、飼い始めたばかりだと、慣れない無理な抱っこからの落下や、誤ってうさぎを踏んづけてしまうなど、思わぬケガをさせてしまうこともあります。

万が一の病気やケガに備え、ペット保険に加入しておくと安心ですね。

消化器系疾患の年間最大診療費は…543,714円!

採血されるうさぎ

では、どのような病気が多いのでしょう。アニコム損保のデータによると、5頭のうち1頭がなにかしらの消化器疾患で診療を受けています。消化器疾患の1頭あたりの年間平均診療費は0歳で16,437円、3~4歳で31,076円と倍に!

1頭の年間診療費は最大で543,714円というデータも。消化器系疾患は、症状に応じて、点滴、血液検査、レントゲン検査、超音波検査、入院治療、手術などが必要になります。

また、月別で診療件数を比較すると、12月の寒い時期に消化器系疾患は増える傾向にあります。うさぎは24時間いつでもお腹の動きが活発な動物。急激な温度変化があったり、少しでも体調が悪いと、フードや牧草を食べないことがあります。ストレスが消化器系疾患につながることも。

平均手術費用は、なんと99,231円!

診察を受けるうさぎ

うさぎは手術なんて受けることはないと思っていませんか?実は、50頭に1頭のうさぎがなにかしらの病気やケガで手術を受けていて、その費用の平均は99,231円というデータがあります。手術を終えても、入院・通院やお薬代などがかかる場合もあります。

もちろん、手術になるような病気やケガは事前に予防してあげたいものですが、万が一手術が必要となった場合にも、ペット保険があれば安心です。

※各データは2024年度(2023年4月から2024年3月)にアニコム損保の保険契約を開始したうさぎ 30,678頭を算出の基礎としています。

うさぎのペット保険、いくらかかる?

プランと年齢によって保険料が変わるので、ここでは一例をご紹介します。

かかった診療費の70%をアニコム損保が補償するプランに1歳のうさぎが加入するとしたら、1年分の一括払いで36,470円、月々払いでは1ヶ月3,340円となっています。年齢が上がると保険料も高くなりますが、保険をつかった回数に応じて健康割増引制度があります。また、多頭割引もあるので、2頭目からは保険料が割引されます。また、うさぎは4歳になると、アニコム損保の「どうぶつ健保 ふぁみりぃ」に新規で加入することができなくなります。

継続は一生できるので、できるだけ若いうちから保険に加入し、年齢を重ねても元気で長生きできるように備えておくことが重要です!

アニコム損保のペット保険のメリットは?

アニコム損保のうさぎのためのペット保険も、もちろん「通院」・「入院」・「手術」に対応。(※どうぶつ健保 ふぁみりぃ)

アニコム損保の「どうぶつ健保ふぁみりぃ」は、対応している動物病院に行ったときに「どうぶつ健康保険証」を提示すれば、自己負担分だけを支払えばOKで、面倒な書類手続きは必要ありません!

さらに、年に1回腸内フローラを測定できるどうぶつ健活を無料で受けることができます。わが子のうんちを少しだけとって、アニコムに送るだけで、腸内年齢や病気のなりやすさを判定します。

そのほかにも、アニコムの獣医師にラインで相談できるどうぶつホットラインや、万が一わが子が迷子になったときの迷子捜索サービスも付帯。

“ペット保険”は、病気やケガだけじゃなく、トータルでうさぎとの生活を守ってくれるお守りのような存在です。

元動物看護師が語る!うさぎの救急エピソード

ホーランドロップ

『今日の午前中から急にご飯をたべなくなりました…。昨日まで走りまわって元気だったのに…』

ある日動物病院に真っ青な顔をした飼い主さんがいらっしゃいました。

その子は、ホーランドロップの2歳のおっとり系の男の子のうさぎさん(仮名:しろちゃん)、来院理由は昨日からごはんを一切食べなくなったことと、うんちを昨日からしていないとのこと。

とても辛そうにうずくまっていて、体温はなんと34度台(38~40度台が正常)、体温が落ちると危険が伴うので急いで保温を開始しました。 レントゲン検査するとお腹にかなりのガスが溜まっていて、急いで処置をすることになりました。

処置を終え、数日後、しろちゃんは少しだけごはんを食べたとのこと。ただし、十分な量ではないので2週間は毎日皮下点滴、内服薬を飲んでもらい、少しずつ回復に向かっていきました。検査と治療、通院にかかった金額は20,900円で、決して安くはない金額がかかったことがわかります。

■診療費の内訳

項目 料金
診察代 1,000円
レントゲン検査代 4,000円
エコー代 3,000円
血液検査代 7,000円
皮下点滴代 2,000円
内服代 2,000円
小計 19,000円
税込合計 20,900円

(※診療項目別の費用は動物病院によって異なります。)

幸いにもしろちゃんは、飼い主さんが異常に気付いてからすぐに動物病院に行ったことで適切な処置を受けることができました。

うさぎは1日でもごはんを食べないと、消化器の動きが悪くなり体になにかしらの異変が現れます。1~2日様子を見た結果、手遅れになってしまうことも少なくありません。

最後に、うさぎと暮らす人に伝えたいコト

うさぎはとても可愛らしいどうぶつですが、自分が痛いときや辛いときにそれを本能的に隠そうとします。しかし、痛いときや辛いときはいつもと少し様子が違います。

「動物病院に行った方がいいかな?」そう思ったときには、迷わず動物病院を受診してください。

ペット保険があれば、金銭的な負担を少しでも減らすことができます。大事な家族を助けたいと思ったときに、気持ちに余裕ができ、落ち着いてわが子のSOSに対応することができるのです。

アニコムグループでは、ペット保険や「うさぎとの暮らし百科」を通してこれからも、うさぎさんと暮らす飼い主さんが少しでも長く一緒に笑顔でいられる日が続くようにサポートします。

監修獣医師

うさぎ百科編集部

うさぎ百科編集部

うさぎの飼い主歴10年以上の編集者が集い、毎日、うさぎの「あるある話」に花を咲かせ、情報交換している。編集部員の面々は、うさぎとの暮らしがより健やかに、よりハッピーになるよう正確な情報をお届けするため、自己研磨の毎日である。