うさぎは骨が折れやすいとよくいわれます。もし歩きにくそうにしたり、足を浮かせたりしていたら、骨折の可能性があります。今回は、骨折したときの対処や治療、予防法についてお伝えします。

うさぎの骨は折れやすいの?

ジャンプ力に優れ、軽々と跳び回ることができるうさぎ。そんなうさぎの骨は人や犬、猫などと比較するとずっと軽くて薄く、もろいものです。

全身に占める骨の重量は鳥と同じくらい。鳥は空を飛ぶために体重を軽くする必要があり、骨も軽く進化しました。うさぎの場合は、外敵から逃げやすくするために骨が軽くなったといわれています。そのため、うさぎの外傷では骨折がとても多くなっています。特に腰や足の骨の骨折が多いといわれますが、全身の骨がもろいので、状況によってあらゆる骨を骨折します。

外傷を受けるような出来事があったあと、いつもと違う様子が見られたら骨折も疑いましょう。

うさぎはどんなときに骨折するの?

子うさぎ

うさぎの骨折は強い外傷や落下、人の不注意が原因となることが多いものです。

  • 抱っこしているときに暴れてしまい、人の胸の高さから落下したとき
  • ソファーや椅子などにのぼり、飛び降りたとき
  • 爪切りや抱っこが嫌で、抵抗して足を蹴り上げたとき
  • ケージのすのこの穴や、カーペットに爪をひっかけてしまったとき

飼い主さんが見ていないところで骨折する可能性もあるので、思い当たることがなくてもうさぎの動きがおかしいときは、早めに動物病院を受診するようにしましょう。歩いているときに足が両足揃っていなかったり、執拗に足を舐めて気にしているようであれば要注意です。

うさぎが骨折してしまったらどうしたらいい?

足の骨を骨折すると、足がつけなくなって浮かせていたり、歩き方がおかしくなったりします。また骨折の痛みで動かなくなることや、食べられなくなることも。

腰椎や骨盤などの骨折で神経が傷つくとと、下半身の麻痺が起こり、後ろ足の麻痺のほか、うんちやおしっこが出せなくなったり、おしっこを漏らしてしまうことがあります。骨折が疑われるようなときは、すぐに動物病院を受診して治療を受けましょう。

うさぎの骨折の治療法は?

抱っこされるうさぎ

骨折の治療法は次の3つがあります。

骨折の程度はもちろん、うさぎの年齢や性格なども考慮して最も適切な方法を選びます。痛み止めを投与し、食欲がない場合はその治療も行います。まれなことですが、治療が難しいと判断された場合、足を切断することもあります。

手術をする

手術をしてピンやプレートを使って骨を整復し、くっつくのを待ちます。全身麻酔を使う、手術に時間がかかるといった負担もあります。

骨折箇所を固定する

ギプスや包帯で骨折箇所を固定して骨がくっつくのを待ちます。うさぎによってはギプスや包帯をかじってしまうため、エリザベスカラーをつけることも。

動きを制限して自然治癒を待つ

軽い骨折や、手術や固定ができない場合は、なるべく動かないように狭い場所で飼育して、自然治癒を待ちます。

治療費は?どれくらい通院が必要?

みんなのどうぶつ病気大百科』によると、骨折における1回あたりの治療費は5,356円程度、年間通院回数は2回程度です。

病気はいつわが子の身にふりかかるかわかりません。万が一、病気になってしまっても、納得のいく治療をしてあげるために、ペット保険への加入を検討してみるのもよいかもしれません。

うさぎの骨折の予防法は?

骨折によって脊椎を損傷すると、麻痺が残り、食事や排せつの介助が必要となることもあります。骨折の影響が生涯にわたることは、飼い主さんにとっても辛いことです。日常生活の中で次のことに気を付けて予防しましょう。

ケージの中

ケージのすのこの穴に足が落ちたり、引っかかったりしないよう注意しましょう。すのこの穴が適度な大きさのケージを選び、子うさぎのときに足が落ちそうであれば、成長するまで金網やマットを敷いておくといいでしょう。

ケージにロフトを取り付けると、ロフトから降りた際にケージの穴に足を引っかけて骨折の原因となることがあります。若いときは大丈夫でも、年を取ってから骨折することも。ケガの予防のためにロフトは取り付けない方が良いでしょう。

へやんぽ中

へやんぽ中に飼い主さんが誤って踏んだり蹴ったりすることがないよう、よく気を付けましょう。うさぎが近くにいなくても、ダッシュで急に近づいてくることもあります。

うさぎは大人しいので、近くにいないと思っていたら、実は足元にいた、ということも。特に床に座るときは、うさぎの動向をよく見ておきましょう。

また、うさぎは椅子をつたってテーブルに登ったり、ケージの横に物があるとそれをつたって上に登ったりすることがあります。思いがけず高い場所に登って落下することがないよう環境にも注意してください。

普段のふれあい

抱っこから落下して骨折することを防ぐために、できるだけ座って抱っこしましょう。うさぎが抱っこに慣れていても、我慢できなくなると急に暴れて降りようとしたり、噛みついたりすることがあります。

立って抱っこをするのは必要最低限に。もし立っているときに急にうさぎが暴れたら、慌てずにしゃがみ、低いところでゆっくりとうさぎを放すようにしましょう。

また、仰向けの抱っこを嫌がって足で蹴り上げて骨折することもあるため、むやみに仰向けで抱っこをしないようにしてください。爪切りや健康チェックなど必要な場合もありますが、どうしても嫌がる場合、爪切りは別の姿勢で行うなどうさぎの性格に合わせて対応しましょう。

まとめ

まずは、うさぎにとって危険の少ない飼育環境を整えることが第一です。

例えば、「爪や足が引っかかるような床を歩かせない」、「高い台の上などに乗せない」、「抱っこをするときは正しい抱き方をする」などです。また普段から、爪切りをし、偏りのないバランスの良い食事を与えるように心がけましょう。

うさぎは骨が軽くて薄いため、骨折しやすいというのは本当です。骨折は飼い主さんの不注意による事故だけでなく、うさぎ自身が自分でが足をひっかけて暴れることでも起こります。

骨折が疑われる場合はなるべく早く動物病院を受診して治療を受けましょう。骨折はうさぎに痛みを与えるだけでなく、入院や通院など治療中もストレスを与えることになり、時に後遺症を残すこともあります。うさぎと健やかに楽しく暮らすために、日常的に注意して予防しましょう。

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ライター

佐藤華奈子

佐藤華奈子

大学の動物系学科を卒業後、教育情報誌、ライフスタイル誌の編集プロダクション勤務を経て、2009年よりフリーランスの動物ライターに。「動物を飼うことは動物と暮らすこと」をテーマに活動中。おもにペット、動物園、牧場の動物関連の雑誌、書籍などで執筆。2011年よりうさぎ(ネザーランドドワーフ)と暮らしているうさぎ愛好家。