耳の垂れたうさぎ

足を浮かせている、引きずるなど、うさぎの歩き方に異常を感じたら、脱臼を起こしている可能性があります。

放っておくと関節が固まってしまったり、皮膚の炎症を起こしたりすることがあるため、気が付いたら早めの対処が大切になります。

今回はうさぎの脱臼についてお話ししたいと思います。

うさぎの脱臼ってどんなケガ?

うさぎの画像

脱臼とは、関節を構成する骨同士の位置関係が、正しい位置からずれてしまう状態のことをいいます。

うさぎでは、股関節や膝関節、肘関節、背骨が脱臼しやすい部位になります。

若齢の場合には先天性の可能性があり、

後天性の場合は以下のような外傷性の原因によるものがよく見られます。

  • 高いところから落ちた
  • 爪や足がカーペットやケージにひっかかったり挟まったりした
  • 飼い主が誤って踏んだり蹴ったりしてしまった
  • 爪切りなどをしている最中に暴れた

うさぎが脱臼すると、どんな症状が出る?

うさぎの診療中の写真

うさぎの脱臼は、触ると痛がる、患部が腫れる、歩かないでじっとしている、患肢を引きずる、患肢が床に着かないなどの症状がみられますが、軽傷だとほとんど症状が出ないこともあります。

痛みや上手に立てないことにより、食事が取れなくなってしまうと、うさぎが弱ってしまうことがあるため注意が必要です。

膝関節脱臼は膝のお皿が内側にずれることが多く、それにより膝が外側に突出することがあります。うさぎの足の形がいつもと違う方向に向いていたり、歩いているときのクセがおかしかったり、異常がある場合には脱臼の可能性があります。

うさぎの脱臼に関連する病気やケガはある?

脱臼がある方をかばって歩くために、反対側に負担がかかって足底皮膚炎(ソアホック)ができることがあります。足底皮膚炎はかかとに近い部分の皮膚がジュクジュクしてしまう病気ですが、悪化すると骨まで細菌感染が波及して敗血症や骨膜炎を起こすこともあります。

また、痛みで食欲が低下し、十分に食事が取れなくなることで、胃腸うっ滞を生じることもあります。

うさぎの脱臼には、どんな治療をするの?

脱臼があるかどうかは、レントゲン検査で確認します。

軽傷の場合は、積極的な治療は行わず様子を見ることもあります。その場合には、ケージ内にいれてしばらく安静にします。

治療が必要な場合脱臼した骨をもとの位置に整復し、必要であれば包帯などで固定する処置をします。痛み止めや炎症止めの投与も同時に行います。

脱臼を繰り返す場合には、関節をもとの位置に整復しピンなどで固定する手術や、股関節脱臼の場合には大腿骨頭を切除する手術を行うこともあります。

うさぎの脱臼の予防法、気を付けることは?

高いところから落ちないように部屋の中のレイアウトを考えましょう。うさぎがのぼってしまうソファーなどは低いものを設置するようにしましょう。うさぎは抱っこが苦手な動物ですが、抱っこをするときは落とさないよう十分に気をつけたり、降ろすときにはゆっくり直接床の上に抱き下ろしたりするようにしましょう。万が一暴れても、落ち着いてうさぎが飛び降りたりしないようにしてください。

また、爪や足をカーペットやケージの金網に引っかけてしまい脱臼することがあるため、こまめに爪切りをし、網目の細かなケージを使用する、ケージに内張りをするなどの工夫をするといいでしょう。ただし、爪切りを嫌がって暴れることも脱臼の原因になります。無理せず動物病院に相談しましょう。

また、あやまって蹴ったりしないように、うさぎがお部屋を散歩しているときには様子をよくみながら行動しましょう。

また、びっくりして暴れることでケージに足を引っかけないように、大きな音をたてないように気を付けるなどの配慮も必要です。


うさぎは骨が軽くて薄いため、脱臼や骨折を起こしやすい動物です

そのため、うさぎにとって安全な飼育環境を整えてあげることが非常に大切です。

また、歩き方に異常を感じた場合には、脱臼や骨折が疑われるため、なるべく早く動物病院を受診するようにしましょう。

監修獣医師

石川美衣

石川美衣

日本獣医生命科学大学卒業。2008年、獣医師免許取得。卒業後は横浜市の動物病院で診察に従事、また東京農工大学で皮膚科研修医をしていました。2016年に日本獣医皮膚科認定医取得。現在は川崎市の動物病院で一次診療に従事。小さいころからずっと犬と生活しており、実家には今もポメラニアンがいて、帰省のたびにお腹の毛をモフモフするのが楽しみ。診察で出会う犬猫やウサギなどの可愛さに日々癒されています。そろそろ我が家にも新しい子を迎えたいと思案中。