うさぎといえば、もうそれだけでかわいい存在ですが、うさぎにもいろいろな品種があります。それぞれの品種を見ていくと、体の大きさ、耳のつき方、毛の長さやカラー、さらには性格まで異なっていて、かわいいポイントは千差万別。そんなさまざまな品種の中から、アメリカンファジーロップについて紹介します。

アメリカンファジーロップはどんなうさぎ?

日本では「アメファジ」という愛称で呼ばれ、ファンが多いアメリカンファジーロップ。いったいどんなうさぎなのか、その特徴や歴史、一緒に暮らす上で気を付けるべきことを見ていきましょう。

アメリカンファジーロップの特徴は?

アメリカンファジーロップは長毛で垂れ耳のうさぎ。ファジー(fuzzy)には「綿毛のよう・毛羽だった」などという意味があり、その名の通りふわふわの毛が魅力的なうさぎです。毛の手触りは少し粗いのが理想で、柔らか過ぎず、シルキーではないのがより良いとされています。

体形はコンパクトで丸く、ぺしゃんとつぶれた愛嬌のある顔をしています。体重は1.3~1.8㎏ほどで、ホーランドロップと同じく垂れ耳うさぎの中で最小クラスの品種です。

アメリカンファジーロップのカラーバリエーションは?

アメリカのうさぎ協会(ARBA)の公認カラーは大きく6つのグループ(アグーチ、ポインテッドホワイト、ワイドバンド、セルフ、シェイデッド、ブロークン)に分かれていて、それぞれにいくつかカラーがあります。

例えば、「アグーチ」グループにはチェスナット、チンチラ、リンクス、オパール、スクワレルが。

「ポインテッドホワイト」グループにはブラック、ブルー、チョコレート、ライラック。「ワイドバンド」グループにはフォーンとオレンジ。

「セルフ」グループにはブラック、ブルー、チョコレート、ライラックなど、「シェイデッド」グループにはセーブルポイント、トータスシェルなどがあります。

「ブロークン」グループは白い地色にすべての公認カラーの模様が入ります。このように、それぞれのグループの中に、いろいろなカラーが存在します。

アメリカンファジーロップの性格は?

アメリカンファジーロップが人気なのは、見た目のかわいさだけでなく、性格にも理由があります。ホーランドロップ同様に、優しくて穏やかですが、好奇心が強く快活でもあります。また甘えん坊でよく懐きますが、あまり知らない人に対しては警戒するというシャイな一面も。飼い主からすると、基本的にはおおらかで飼いやすく、それでいて明るく動き回って楽しませてくれるうさぎです。

アメリカンファジーロップはオスとメスで性格が違う?

一般的に、うさぎはオスとメスで性格が異なるといわれています。オスの方が甘えん坊で懐きやすい傾向にある一方で、縄張り意識が強くマーキングをすることも。メスは気が強いといわれていて、妊娠すると(偽妊娠でも)さらに気性が荒くなります。もちろん性格には個体差があり、オスでも気が強い子、メスでもやさしい子もいます。どんなアメリカンファジーロップをお迎えしても、その子の個性として受け入れてあげましょう。

アメリカンファジーロップの歴史は?

アメリカンファジーロップは、ホーランドロップのカラーバリエーションを作る過程で誕生しました。アメリカでホーランドロップが公認品種となった1980年ごろ、ブロークン(白地に模様が入るカラー)を作りたいと考えたブリーダーたちが、体にスポット状の模様があるイングリッシュスポットという品種と交配しました。その結果、理想通りのカラーにはなったものの、毛質が変わってしまいました。そこで、今度はフレンチアンゴラと交配しました。すると、時々長毛のうさぎが生まれるようになりました。このうさぎは一部で人気を集めました。それに気づいたブリーダーが「アメリカンファジーロップ」という品種として確立させ、1988年にアメリカのうさぎ協会(ARBA)で認定されました。

アメリカンファジーロップの寿命は?

ペットのうさぎの平均寿命は7~8年程度といわれてきましたが、近年伸びている傾向にあり、10歳を超える子も珍しくなくなりました。ちなみにギネス記録によると、最も長生きしたうさぎの記録は18歳10ヶ月とのこと。うさぎのことをよく知ってからお迎えして、大切に飼って長寿を目指しましょう。

アメリカンファジーロップとの暮らし方

その姿も性格も愛嬌たっぷりのアメリカンファジーロップ。このうさぎと暮らしていくには、どんなことに気をつければいいのでしょうか。食事やしつけ、環境、病気について見てみましょう。

アメリカンファジーロップの食事はなにをあげればいい?

うさぎの基本の食事は、良質な牧草(チモシー)とペレットです。牧草は常に切らさないように十分な量をケージに入れ、食べたいときに自由に食べられるようにしましょう。

牧草はさまざまな種類がありますが、メインはチモシーの一番刈り。チモシーをあまり食べないときや、多種類の牧草をあげたいときには、二番または三番刈りのチモシーや他の牧草も与えます。一番刈りであるほど繊維質が多く、茎も硬いため、成長期の子うさぎや、4~5歳までの間は一番刈りの牧草をあげましょう。繊維質が多いチモシーを食べた方が、歯の伸びすぎを防止したり、お腹の調子を整えてくれます。

アルファルファもうさぎの牧草として販売されていて、食いつきはいいのですが、こちらはマメ科の牧草でたんぱく質が多く、カルシウム過多となる可能性があるので与え過ぎてはいけません。特に栄養を必要とする成長期、妊娠期でなければ控えるようにしましょう。

うさぎにも好き嫌いがあるため、硬い牧草を食べないうさぎもいます。いろいろな牧草を試してみて、わが子にぴったりのものを探してあげましょう。そして年齢によって与える牧草を変化させていくことも重要です。

また、ペレット(ラビットフード)もいろいろなメーカーからうさぎ専用ペレットが出ています。こちらも年齢や悩みによってうさぎの健康を第一に考え、質が良いものを選びましょう。

ペレットは、子うさぎのうちは食べ放題にして、大人になったら1日に2回決まった量を与えます。また、水もいつでも好きなだけ飲めるようにしてください。ケージに設置して使う給水ボトルが便利です。目盛りがついているタイプなら、飲んだ量を確認できます。

野菜や果物、ハーブ、野草などはおやつとして補助的にあげてください。

■参考:牧草の刈る時期によって異なる特徴

一番刈り:春~初夏にかけて刈った牧草のこと。茎が太く繊維質が豊富。

二番刈り:夏~秋にかけて刈った牧草のこと。一番刈りの牧草と比べて、茎や葉が柔らかく食べやすい。

三番刈り:冬(のはじめ)に刈った牧草のこと。全体的に葉が多く柔らかい。

アメリカンファジーロップにしつけはできる?

うさぎは決まった場所で排泄をする習性があるので、トイレを覚えます。また名前を呼ぶと寄ってくるように教えることができます。おやつでコミュニケーションをとりながら、名前を呼んでおやつをあげることを繰り返し、少しずつ距離をとっていくことで覚えてくれます。一方で、かじってほしくないものをかじる、噛みつく、足を踏み鳴らす、マーキングをするなどの問題行動は、うさぎの本能的な行動なのでしつけでやめさせることはできません。これらの行動は、かじってほしくないものや汚されたくないものは保護する、うさぎが怯えて攻撃的になったりストレスをためたりしないよう配慮するなどして解決していきましょう。

アメリカンファジーロップに必要な飼育環境や適温は?

まずはうさぎ用のケージを用意します。ケージはできるだけ静かで温度変化が少なく、直射日光が当たらない場所に置きましょう。ケージの中には、ペレットの容器、牧草の容器、給水ボトル、トイレを設置します。さらにうさぎが落ち着ける巣箱やマット、うさぎが遊ぶおもちゃを入れてもいいでしょう。

うさぎは暑くても寒くても体調を崩してしまいます。うさぎの飼育に適した温度は18~24度、湿度は40~60%です。夏はエアコンを利用する、日差しを遮るなどして、室温は25度以下に保つようにしましょう。冬の夜間や留守中はケージに毛布やカバーをかける、ペットヒーターを使用するなどして保温するとよいでしょう。

アメリカンファジーロップはどんな病気に気を付けたらいい?

皮膚の病気

うさぎは全身毛に包まれていますが、ダニやノミなど虫によって起こる皮膚炎や、カビが原因で起こる皮膚糸状菌症などの皮膚病にかかることがあります。アメリカンファジーロップは長毛なので、週に1度はブラッシングをする必要があります。お手入れの際に皮膚の状態も観察するようにしましょう。蒸し暑い夏の時期には特に注意してください。もし脱毛やフケ、かゆみによる掻き傷が見られたら、動物病院に相談を。原因にあわせて、駆虫剤や抗真菌剤などを用いて治療します。慣れないうちは、うさぎの専門店などで正しいブラッシングの仕方を教えてもらうのもよいでしょう。

熱中症

うさぎは人のように汗をかくことができず、暑さに弱いため熱中症にかかりやすくなっています。うさぎが熱中症になると、呼吸が荒くなる、体温が上がる、ぐったりする、耳が赤くなるなどの症状があらわれます。進行するとショック状態や出血性の下痢などを起こし、死につながる恐れも。夏はエアコンで温度調節をするほか、うさぎのケージに日光が当たらないようにする、うさぎ用の冷却グッズを使うなどしてなるべく涼しく過ごせるように工夫してください。万一、熱中症の症状が見られたら、応急処置として涼しい場所へ移して濡らしたタオルで包むなどして体を冷やし、早急に動物病院を受診しましょう。また、普段から水分補給を十分にするために新鮮な水を用意しておきましょう。

まとめ

たれ耳で、毛が長くてふわふわのうさぎを家族としてお迎えしたい。そんなとき、理想的なうさぎがアメリカンファジーロップです。おっとり穏やかでありながら、好奇心を持って楽しく遊んでくれて、よく懐いて甘えてくれる性格もチャームポイントです。このうさぎをお迎えしたら、きっと楽しいうさぎライフを送れることでしょう。お手入れの時間も楽しいコミュニケーションタイムにして絆を深めていってくださいね。

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監修獣医師

別府雅彦

別府雅彦

北海道大学獣医学部を2009年に卒業。学生時代は野生動物学教室でクマのフェロモンに関する研究を行う。卒業後は神奈川県の地域中核病院に勤務。脊椎外科や整形外科を中心に、ワンちゃんとネコちゃんの医療に従事。アメリカ獣医内科学会など、学会での発表も行う。信念はどうぶつと飼い主さんが主人公の物語をお手伝いすること。2020年アニコムホールディングス株式会社に入社。信念を日本に、世界に広げるべく活動中。