
犬や猫と同じようにうさぎにもさまざまな品種があり、姿形や性格、カラーなどそれぞれに特徴があります。ここでは世界最大級のうさぎ、フレミッシュジャイアントについて、その特徴から性格、飼い方のポイント、かかりやすい病気まで紹介します。
フレミッシュジャイアントはどんなうさぎ?
最小のうさぎといえば、日本でも人気のネザーランドドワーフですが、対照的に最大の品種として知られているのがフレミッシュジャイアントです。日本で見かけることは少ないものの、観光牧場や動物園などで見ることができます。また、限られた場所にはなりますが、ペットとしても販売されています。
フレミッシュジャイアントの特徴は?
品種名に巨人を意味する「ジャイアント」とつくとおり、世界で最も大きなうさぎです。標準的な体重は7~10㎏ですが、10㎏を越えることは珍しくありません。13㎏になることもあるほどです。最小種のネザーランドドワーフの体重がおよそ1㎏程度なので、なんと約7~10倍! うさぎの品種の多様さがうかがえます。
ラビットショーでは身体が大きいことだけでなく、全身のバランスがとれていることが最も重要とされます。身体の大きさに見合う大きさでつけ根がしっかりとした耳、長くて力強い脚が理想とされています。
フレミッシュジャイアントのカラーバリエーションは?
アメリカのうさぎ協会(ARBA)の公認カラーには、ブラック、ブルー、フォーン、ライトグレー、サンディ、スティールグレー、ホワイトの7色があります。
フレミッシュジャイアントの性格は?

「ジェントルジャイアント」と呼ばれるほど、とても優しくて穏やかな性格です。また、人懐っこくて賢いうさぎでもあります。大きな身体で足を放り投げるように、どーん! と伸びて寝そべっていたり、静かに丸まって座っていたり、おっとりとした仕草で癒してくれるでしょう。ただ、いくら大きくて優しい性格だといっても、うさぎは本来、繊細で怖がりな生き物です。驚かせたり怖がらせたりすると、激しく抵抗して噛みついたり、うさぎ自身がケガをしたりする可能性もあります。ゆっくり近づいてそっと触れるなど、思いやりを持って接するようにしましょう。
フレミッシュジャイアントはオスとメスで性格が違う?
一般にうさぎはオスの方が甘えん坊で懐きやすいのですが、縄張り意識が強く、マーキングのためにあちこちにおしっこをすることがあります。メスはそれほど縄張り意識は強くありませんが、オスより気が強く、妊娠すると(偽妊娠でも)さらに気性が荒くなる傾向があります。あまりにも気性が激しい場合には、オスもメスもともに、うさぎ自身がストレスを抱えないように、去勢や避妊を行う場合があります。
フレミッシュジャイアントの歴史は?
フレミッシュジャイアントは古くから存在している品種です。起源には諸説ありますが、アルゼンチンのパタゴニアンラビットが祖先といわれています。16~17世紀にオランダ人がパタゴニアンラビットをヨーロッパへ持ち込み、ほかの大型の品種と交配しました。1860年ごろにはフレミッシュジャイアントとしての記録が残っています。1880年代にイギリスからアメリカへ輸入され、その後、大きさと毛色の美しさで人気を集めました。1916年にはアメリカのうさぎ協会(ARBA)の前身の団体で公認されました。もとは毛皮や食用の肉のために飼育されていましたが、今では主にペットとして飼われています。
フレミッシュジャイアントの寿命は?
うさぎの平均寿命は約7~8年といわれていましたが、近年伸びている傾向にあり、10歳を超える子も珍しくなくなりました。ただフレミッシュジャイアントは、小型のうさぎより老化が早く、寿命はやや短めのようです。海外ではその寿命は4~6年で、8歳を超えることは珍しいといわれています。飼育している人が少ないため、データの数は多くありません。もし、フレミッシュジャイアントと暮らすことになった場合には、できるだけ長く健康に生きられるようにサポートしていきたいですね。
フレミッシュジャイアントとの暮らし方
フレミッシュジャイアントはうさぎといっても身体が大きいので、暮らし方も小型のうさぎとは異なります。どんなところが違うのか、飼うことを決める前に確認しておきましょう。
フレミッシュジャイアントの食事はなにをあげればいい?
うさぎの食事は質のよい牧草とペレットが基本です。特に牧草は主食といえるほど大切で、いつでも好きなだけ食べられるようにしておきます。さらに補食として野菜やハーブ、野草、果物などをあげます。食事内容はほかのうさぎと変わりませんが、フレミッシュジャイアントは身体が大きい分、食べる量は遥かに多いものです。牧草やペレットは多めに用意して、カビが生えたり虫がついたりしないよう、湿気が少なく高温にならない場所に保管する必要があります。保管場所も前もって考えておきましょう。また、太りやすい体質なので、ペレットやおやつを与え過ぎないように気をつけなければいけません。
フレミッシュジャイアントにしつけはできる?
うさぎはトイレを教えたり、名前を呼ぶと寄ってくるようにしつけたりできます。フレミッシュジャイアントは身体が大きい分、抱っこを嫌がって抵抗したり、嫌なことがあって暴れたりすると、噛みついたり、動いた反動で爪が引っかかり、ケガの原因となってしまうことも。よく慣らして信頼関係を築いておきましょう。
ただ、ものをかじる、足を踏み鳴らす、マーキングをするなどの行動は、うさぎの本能的な行動なので、しつけでやめさせることは難しいことです。これらの行動が気になるときは、かじられたくないもの・汚されたくないものを保護し、うさぎがストレスをためていないか、運動不足になっていないか見直してみましょう。
フレミッシュジャイアントに必要な飼育環境や適温は?
フレミッシュジャイアントはうさぎ用のケージで飼うことはできません。大型犬用のケージで飼うか、庭に小屋を作って外で飼育することになります。運動できるスペースも充分確保できる広さの部屋か庭が必要です。また、飛び跳ねる力も通常のサイズのうさぎと比べても強いので、ケージには屋根のあるタイプが必須です。
また、適温は一般のうさぎよりも高めで20~25度といわれています。夏は空調を使う、日差しを遮る、風通しを良くするなどして涼しく、冬はペット用の暖房や毛布を使うなどして暖かくしましょう。適温の範囲であっても急な温度変化には注意してください。
フレミッシュジャイアントはどんな病気に気を付けたらいい?
フレミッシュジャイアントにはかかりやすい病気もあります。あらかじめ病気について知っておき、日常生活の中で予防を徹底すると同時に、日ごろの健康チェックの参考にしてください。
ソアホック
うさぎの足裏には肉球がなく、毛で覆われているだけです。この足裏に起こる皮膚炎がソアホックです。脱毛から始まって皮膚が炎症を起こし、悪化すると潰瘍になります。命に関わる病気ではありませんが、痛みのために足を引きずったり、歩かなくなったりしてしまいます。
すべてのうさぎがかかる可能性がありますが、特にフレミッシュジャイアントには遺伝的にかかりやすい体質を持っている子がいます。そうでなくても、体重が重い大型のうさぎはなりやすいので注意したい病気です。予防のためには、床は固い素材を避けてすのこやマットを敷く、爪が伸びすぎないうちに爪切りをする、肥満にならないようにするといった心がけが大切です。また足ダンを繰り返すことも足裏によくないので、嫌がっているものを遠ざけたり、充分に運動させたりしてストレスを取り除いてあげましょう。
スナッフル
うさぎの鼻風邪のようなもので、細菌感染によって鼻水が出たり、くしゃみをしたりします。原因となる菌は、健康なうさぎでも持っていることがある常在菌です。菌を持っていても症状がみられない場合もありますが、急な気温の変化や寒さ、ストレスなどで体調を崩すと症状が現れます。始めは水のような透明でサラサラの鼻水が出て、進行すると粘液性の鼻水になります。軽いうちであれば暖かくすることで治っていきますが、症状によっては抗生物質の投与が必要なことも。進行すると肺炎を起こして呼吸困難となり、死につながることもあるので、気づいたら早めに動物病院を受診しましょう。
まとめ
うさぎの中で最も大きなフレミッシュジャイアント。小型のうさぎとは飼育環境も食事量も大きく異なります。それでも、大きいゆえの独特な存在感はもちろん、穏やかでやさしく懐きやすい性格、きれいな毛色と魅力もたっぷりのうさぎです。もし広い飼育スペースなど必要な環境が準備できれば、お迎えを検討する価値は充分あります。

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