大切な家族の一員として猫を迎えるなら、末永く一緒に暮らしていきたいと願うのが親ごころ。そのため、「猫の寿命がどのくらいの長さなのか、あらかじめ知っておきたい」と考える方もいらっしゃることでしょう。

今回は、猫の平均寿命や寿命の長い種類、短い種類などについてご紹介したいと思います。

※猫の寿命は環境や個体差によって左右されるものです。記事は一般論として参考にしつつ、「寿命が短い種類とされているので、日頃から変化に気をつけてあげよう」や「寿命が長い種類と言われているけれど、様子がおかしいから病院に相談してみよう」というふうに、飼い主さんがこれから猫ちゃんとより長く過ごすためのヒントにしていただければと思います。飼い主さんはどうぞ、猫ちゃんの健やかな暮らしを支えてあげてください。

猫の平均寿命は何歳?20年は長い?

2017年12月22日付けで一般社団法人ペットフード協会が発表した「全国犬猫飼育実績調査」によると、猫全体の平均寿命は15.33歳。犬全体は14.19歳だったので、比較すると猫の方が長生きだという結果が出ました。
(「平成29年(2017年)全国犬猫飼育実態調査 結果」 一般社団法人ペットフード協会 調査設計についてはこちら

また、2016年9月14日に発表された、東京農工大と日本小動物獣医師会が実施した大規模調査の結果によると、「日本でペットとして飼育される犬と猫の平均寿命が2014年時点で、13.2歳と11.9歳でそれぞれ過去最高」だったことが分かっています。

ちなみに、2017年9月に実施したアニコム損保の契約どうぶつにおける調査では、損保に加入していた猫の平均寿命は14.2歳。損保に加入している猫は飼い主さんによって健康管理がしっかりなされていると考えられるので、この年数は不思議ではないでしょう。

人の寿命が伸びている今日、そのパートナーとも言える愛猫の寿命が伸びることはとても喜ばしいことです。

猫の寿命のギネス記録は?

一方で、一般的に「猫は犬より長生きする」と捉えられることが多いということもあり、前述の内容を見て「猫の寿命って、実はそれほど長くなかったんだ」と感じられた方もいらっしゃるかもしれません。

では、最長寿の猫はどのくらい長生きしたのでしょうか?

ギネス世界記録※によると、史上最長寿命の猫はアメリカの家庭で飼われていたクリーム・パフちゃん(女の子)。なんと、38歳3日というご長寿だったそうです。人間の年齢に換算すると、約170歳まで生きたことになります。
※記録は2015年12月16日に発行されたものです

せっかく愛すべきわが子を迎え入れたなら、この記録には及ばずとも、できるだけ長く健康に育ってほしいもの。そのためにも、猫ちゃんの「飼い方」「お手入れ」「食べ物・おやつ」「猫の病気」といった知識をしっかりと身に付けておきたいですね。

猫の年齢を人間に換算すると?

一般的に、猫が生まれてから1年(1歳齢)で、人間の20歳程度に相当すると言われます。1歳齢以降は、1年間にだいたい4歳ずつ年をとる計算で考えると、イメージしやすいかもしれません。そうすると、6歳齢では人間の40歳、11歳齢で人間の60歳、16歳齢になると人間の80歳に相当します。

およそ10歳を超えると「高齢期」となります。一緒に過ごしていると、猫の身体や感覚の衰えが感じられるようになるでしょう。それまで以上のケアが必要になるので、日頃の行動や食事・水分の摂取がきちんとできているかなど、とくに注意してあげるようにしましょう。

猫の種類別の平均寿命は?

では、いよいよ飼い主さんが気になるポイント。猫の種類別の平均寿命についてひも解いていきたいと思います。しかし、冒頭でもお伝えした通り、あくまでも傾向であることをご理解ください。

下記は、2017年12月15日にアニコムグループが発表した「家庭どうぶつ白書2017」で示したものです。猫の契約頭数上位10品種の平均寿命が比較されています。

<猫の品種別の平均寿命(契約頭数上位10品種)>
※順位は契約頭数の多い順です。
1位 混血猫 14.3歳
2位 スコティッシュ・フォールド 13.4歳
3位   アメリカン・ショートヘア 13.5歳
4位 日本猫 14.3歳
5位 マンチカン 11.2歳
6位 ロシアンブルー 13.1歳
7位 ノルウェージャン・フォレスト・キャット 12.6歳
8位 ペルシャ(チンチラ) 13.9歳
9位 メイン・クーン 12.5歳
10位 ラグドール 13.5歳
(猫全体 14.2歳)

寿命が長い傾向の種類

上記の品種を猫の平均寿命(14.2歳)を基準値として判断するなら、混血猫や日本猫は平均よりも寿命が長い、という風に捉えることができます。
また、近似値である13.9歳のペルシャ(チンチラ)やアメリカン・ショートヘア、ラグドール(いずれも13.5歳)も寿命が長い傾向の種類と考えることができるでしょう。

寿命が短い傾向の種類

一方、平均寿命にいま一歩届かなかったマンチカン、メイン・クーン、ノルウェージャン・フォレスト・キャットは寿命が短い傾向の種類と考えることができます。

寿命が長い/短いは個体によるところも多いため、あまり気にしすぎなくてよいと思いますが、猫のお迎えを考えている方は、ひとつの参考にしてみてはいかがでしょうか。

野良猫や雑種の寿命は?

では、野良猫の寿命はどうなのでしょうか? 野良猫の寿命を正確に測ることは難しいでしょうが、環境省や各地方自治体の動物愛護センターなどが出している情報によると、およそ3~5年程度だと認識されているようです。

室内飼いと室外飼いで寿命は変わる?

先程触れましたが、野良猫と飼い猫では平均寿命に倍以上の差が出てしまうことが分かりました。では、室内飼いと室外飼いで寿命はどれほど変わるのでしょうか?

ここで再び、ペットフード協会の調査結果を見てみましょう。

<平成29年(2017年)結果>
「家の外に出ない」猫の平均寿命 16.25歳
「家の外に出る」猫の平均寿命 13.83歳
(猫全体の平均寿命は15.33歳)

どうやら室内飼いの方が長く生きるようです。確認のため、もう数年遡ってみましょう。

<平成28年(2016年)結果>
「家の外に出ない」猫の平均寿命 15.81歳
「家の外に出る」猫の平均寿命 13.26歳
(猫全体の平均寿命は15.04歳)

<平成27年(2015年)結果>
「家の外に出ない」猫の平均寿命 16.40歳
「家の外に出る」猫の平均寿命 14.22歳
(猫全体の平均寿命は15.75歳)

このように、室内/室外飼いでは平均寿命に大きな差が出ていることが分かります。原因としては、猫が室外に出た際に被る事故の危険性やケンカによるケガ、感染症など、不慮のリスクにさらされる機会が多くなる、ということが推測できるでしょう。

猫に長生きしてもらう秘訣は?

では、猫に長生きしてもらうための秘訣はどんなものが挙げられるのでしょうか? 飼う際に気をつけたいポイントをいくつか挙げてみたいと思います。

秘訣1.食事

何と言っても飼い主さんが気をつけるべきは「毎日の食事」。食べることは生きることに直結するので、これは当然のことだと言えますね。とくに、自分で食べるものを選べない飼い猫は、飼い主さんが与えるもので身体を作っていきます。

そのため、栄養の摂り方だけでなく、量やカロリーを適切に管理してあげることが一緒に暮らすうえでの大前提です。フードやおやつをあげすぎないことはもちろん、「おねだりする仕草がかわいい」といって自分が食べているものを与えてしまうことは、場合によっては猫の身体に大きな負担をかけてしまうこともあり得る、と肝に銘じる必要があります。

秘訣2.住まいの環境

「衣食住」が満たされた状態が人間にとっての幸せの第一歩だとすると、猫だって同じこと。では、彼らにとって最良の住環境とはどのようなものでしょうか?

たとえば、上下運動ができるようなキャットタワーを用意してあげたり、隠れたり探索できる場所をつくってあげることは欠かせません。猫の習性に合わせた環境を用意してあげましょう。

また、私たちが日常の中で何とも思わないことも猫の目線では「負担になる」ことだってあるかもしれません。猫が家の中で自由に行動できるよう、工夫をこらしてあげるとストレスなく過ごしてもらえるはずですよ。

秘訣3.活動量の確保

室内飼いの場合、運動量が少なくなってしまうことが懸念されます。そうすると、筋肉量が減ってしまったり、肥満になってしまうことも考えられます。肥満のリスクとしては、糖尿病や高脂血症、心臓病、尿路結石症、関節炎、肝リピドーシスといったものが挙げられます。日常的に活動量が増えるような機会を用意して、そうしたリスクを減らすようにしましょう。
もしもの場合は根気よく、食事療法も視野に入れて、適正体重に戻すように努力しましょう。

一方、かわいい猫と遊びたい! という飼い主さんの気持ちを押し付けてムリに追いかけ回すようなことはストレス増に繋がりかねません。遊ぶのはいつでも、猫がその気になったとき。飼い主さんは「構ってもらえたらラッキー」くらいのスタンスで、猫にとってストレスフリーな生活ができるよう配慮してあげましょうね。

秘訣4.病気への対策ともしもの時に備える

当然ながら、猫は飼い主さんに「体調が悪い」とか「ここが痛い」なんて教えてくれません。そのため、病気になってもなかなか気づきづらいものです。そこで、日頃から健康に配慮するだけでなく、定期的に健康診断に連れて行ってあげることが大切です。もちろん、必要なワクチン接種も。

猫によっては病院を怖がったり、全力で拒否したりすることもあります。そうならないために、小さいころから動物病院に慣らすようにしましょう。定期的な健康チェックで病院に訪れるのは、慣らすためにも有効な手段ですね。

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監修獣医師

麻生拓也

麻生拓也

2012年、日本大学獣医学科卒業。在学中は繁殖学の研究室に在籍、卒業後は都内の動物病院で勤務、現在は予防、食事を中心にペットサービス事業の企画、運用に従事している。 猫アレルギー疑惑があるも新生活を機に保護ネコを迎えようと画策中…。犬も猫もストレスなく暮らせるライフスタイルを夢見る獣医。