日本スピッツは、純白の柔らかい被毛に真っ黒な目と鼻が魅力的な小型犬で、一時大ブームを巻き起こしたこともある人気犬種です。
そんな日本スピッツの性格や魅力を紹介します。

日本スピッツってどんな犬種?

日本スピッツは、神経質で良く吠えるという印象が強かった犬ですが、現在は改良され無駄吠えも少なくなりました。

ジャパンケネルクラブ(JKC)の分類では「5G:原始的な犬・スピッツ」に分類されていて、分類名に使われている「スピッツ」とはドイツ語で「尖っている」という意味があります。
口吻(こうふん、口先や口もと)や耳が立った犬を総じて指す場合もありますが、5G以外の分類に入っている犬種も多く、日本では「スピッツ=日本スピッツ」として呼ばれることが一般的です。

歴史

日本スピッツはその名の通り、日本でブリーディングされた日本原産の犬種です。
誕生の起源は、1920年頃にシベリアを経由して来た大型の白いジャーマン・スピッツだという説があります。

第二次世界大戦後、1948年にジャパンケネルクラブでスタンダードが確立されて以降の1950年代には、日本スピッツが大ブームとなりました。
しかし、当時は、犬は庭につないで飼うのが当たり前だったため、家の前を通る人に反応して激しく吠えるなどのマイナス面が見られたことで、一時は飼育頭数が大きく減少しました。

現在は「吠えやすい」といったマイナス面が改良され、一緒に暮らしやすくなっています。

また、海外でも人気が高く北欧ではアジリティなどのドッグスポーツでも能力を発揮している犬種です。

サイズ

大きさは、体高:男の子30〜38cm、女の子28~36cm、体重:男の子7~10Kg、女の子6~9Kgで、小型犬に分類されます。

▶小型犬一覧はこちら

性格は?

明るく活発であると同時に、よく人を見ていて仕草や表情などから気持ちを読み取ろうとする賢さも持ち合わせています。
改良され飼いやすくなったとはいえ、感覚の鋭さなどは健在なのでしつけは子犬の頃から行いましょう。

被毛・毛色について

日本スピッツの被毛はふわふわのダブルコートで、寒さには強く、暑さに弱いです。 季節の変わり目などは抜け毛も多いので、換毛期はとくに念入りにブラッシングをしてあげましょう。

毛色は白のみです。
汚れや涙やけなどが目立ちやすいので、毎日のお手入れは欠かせません。

寿命はどれくらい?

アニコムの「家庭どうぶつ白書 2022」によると、日本スピッツの寿命は13.3歳です。犬全体の平均は14.1歳なので、やや短いことがわかります。

しかし、ここ数年でフードも色々なものが出ていますし、医療も進んでいるので、寿命はあくまでも目安とし、飼育環境や運動など気を使ってあげるといいでしょう。

日本スピッツの気をつけたい病気

「家庭どうぶつ白書 2022」によると「口腔内外傷」「慢性腎臓病」「泌尿器疾患」「歯周病」などにかかりやすい犬種です。他にも「涙管閉塞」「膝蓋骨脱臼」といった病気に注意が必要です。

また暑さに弱いので、暑い時期の散歩や運動は「熱中症」や「肉球のやけど」にも気をつけましょう。

【関連記事】

日本スピッツを家族の一員として迎える方法

日本スピッツをぜひ家族の一員に!と思ったら、どこで出会えばいいのでしょうか。主に考えられる方法は3つあります。

ペットショップで探す

ペットショップなら、フードやトイレなど、犬との暮らしに必要なものを一緒に揃えられるため、迎えたその日からきちんと住環境を整えてあげることができそうです。とはいえ、日本スピッツをペットショップで見かけることは多くないので、事前に取り扱いがあるか確認してから行くとよいでしょう。

また、ペットショップではどんな親犬から生まれた子犬かを把握することは難しいです。性格や気質については親犬の情報を知ることが必要です。

ブリーダーさんから紹介してもらう

ブリーダーさんからお迎えする最大の特徴は、迎えると決めた子の特徴やクセ、これまでの成長の様子や環境などをブリーダーさんに直接聞いたり、質問できたりすることです。また、親猫や兄弟・姉妹たちの姿を見る機会も得られる可能性があるので「将来どんな風に成長していくのか」を想像しやすいこともメリットです。

繁殖のタイミングは年に1回、多くて2回です。迎えたい!と思ったときに子犬がいない場合もあります。予約待ちの人気のブリーダーさんもいるので調べてみると良いでしょう。

里親になる

最近は「せっかく犬を迎えるなら、保護犬の里親になりたい」と考える方が多くなってきたようです。譲渡会の情報もチェックしやすくなってきました。こうした譲渡会や里親募集で日本スピッツと出会える機会もあるかもしれません。

まとめ

日本スピッツは明るく賢いため、子どもやご年配の方がいる家庭でも飼いやすい犬種です。 日々の散歩や飼い主さんとのコミュニケーションも楽しい時間ですが、トレーニング次第ではドッグスポーツなどの競技でも活躍することができるので、愛犬との楽しみの幅も広がるでしょう。

監修獣医師

長根あかり

長根あかり

大学で動物行動学やアニマルセラピーを学ぶ。保護犬を家族に迎えたこと、野良猫の保護をした経験から、「保護犬・猫について」や「正しい飼い方」の情報発信の必要性を感じ、大学卒業後はペットメディアで勤務。その後はフリーライターとして執筆活動しながら保護シェルターで働き現状を知る。 現在は、動物ライターとしての執筆活動のほか、ドッグトレーナーとして飼い主さんとワンちゃんの暮らしが良くなるように、アドバイスやトレーニングを行っている。