大きな耳に飾り毛が魅力的なパピヨンですが、垂れ耳の種類がいることはご存じでしょうか。華奢な見た目でありながら、スポーツも得意なパピヨンの魅力のほか、性格や特徴、寿命についてもご紹介します。

パピヨンってどんな犬種?

パピヨンはマリー・アントワネットが愛した犬として有名で、中世以降のヨーロッパで多くの肖像画や絵画に描かれていたことから、貴族の女性にとても人気があったことがわかります。
「癒やしの犬」と呼ばれるほど、人々の心身を癒やしてきたパピヨンは、現代では家庭犬やセラピー犬として活躍する一方で、アジリティーなどのスポーツで優秀な成績を収める子もいます。

歴史

パピヨンはフランス、ベルギーが原産です。
起源はあまり明らかではありませんが、16世紀にトイ・スパニエル(小型のスパニエル)として知られていた犬種と考えられています。「パピヨン」はフランス語で「蝶」を意味することから「バタフライ・スパニエル」とも呼ばれています。

立ち耳と垂れ耳の違いは?

蝶のように耳が立ったパピヨンに対し、耳の垂れた種類を「ファーレン(ファレーヌ)」と呼びます。両犬を別の犬種とする国もあります。
ファーレンはフランス語で「蛾」を意味します。蛾というと日本ではあまり良いイメージではありませんが、フランス語の「ファーレン」は綺麗な色のものを指すといわれ、日本のイメージとは少し違うのかもしれません。

性格は?

古くから女性貴族のパートナーとして人気だったパピヨンは、賢く、人懐っこく、活発なので家庭犬にふさわしい性格といえるでしょう。ただし、警戒心が強い一面もあるため、しつけが大切です。

しつけのポイント

警戒心の強いパピヨンにとって社会化は特に重要です。社会化期といわれる生後3週齢から12週齢までは、見知らぬものも恐れることなく好奇心いっぱいに接触し、なんでも吸収していきます。
しかし、社会化期を過ぎると恐怖心が芽生え始め、見知らぬものに対しては警戒して近寄らないなど、無害なものでも避けるようになり、環境や物事に慣れるのに時間がかかります。社会化期までに様々な経験をさせてあげましょう。
とはいえ、社会化自体は一生続くものなので、社会化期を過ぎてしまっても、無理のないレベルから色々な経験をさせてあげることが大切です。
人が好きで活発なので、留守番が長すぎたりコミュニケーション不足になるとストレスになりやすく、反対に常に一緒にいたり構いすぎると分離不安やわがまま、要求吠えなどの問題行動に繋がりやすくなります。
「おすわり」や「待て」などの基本的なしつけの他に、留守番の練習なども積極的に取り入れましょう。

サイズ

体高は28cm以下、体重は男の子が4.5㎏、女の子は4㎏程度が理想とされる小型犬です。
抱っこしやすいサイズですが、お散歩中はしっかり自分で歩かせて色々な経験をさせましょう。

被毛・毛色について

パピヨンはアンダーコートのないシングルコートです。
被毛は光沢があり豊富で、動きに合わせて揺れる耳や尻尾の飾り毛が魅力的です。
きれいな被毛を保つためには、日々のブラッシングやケアがかかせません。特に飾り毛はホコリなどで絡まりやすくなるので、丁寧にとかしてあげましょう。
毛色は、白地にレッド、ブラックやブラウン、セーブルなどいずれかが入る2色のパーティカラーと、白地にブラック、セーブルの3色が入ったトライカラーがあります。涙やけが目立つこともあるので、濡れたタオルなどで優しく拭いて清潔に保ちましょう。

寿命

アニコム「家庭どうぶつ白書 2022」によると、パピヨンの平均寿命は14.2歳です。犬全体の平均寿命は14.1歳のため、平均的であると言えます。
しかし、ここ数年でフードも色々なものが出ていますし、医療も進んでいるので、寿命はあくまでも目安とし、飼育環境や運動など気を使ってあげるといいでしょう。

気を付けたい病気

パピヨンは、小型犬に多い膝蓋骨脱臼、膀胱結石などの泌尿器疾患などに注意が必要です。腎不全などの慢性腎臓病にもかかりやすいため、違和感を感じたら早めに動物病院で相談しましょう。

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パピヨンを家族の一員として迎える方法

パピヨンをぜひ家族の一員に!と思ったら、どこで出会えばいいのでしょうか。主に考えられる方法は3つあります。

ペットショップで探す

ペットショップなら、フードやトイレなど、犬との暮らしに必要なものを一緒に揃えられるため、迎えたその日からきちんと住環境を整えてあげることができそうです。とはいえ、パピヨンをペットショップで見かけることは多くないので、事前に取り扱いがあるか確認してから行くとよいでしょう。

また、ペットショップではどんな親犬から生まれた子犬かを把握することは難しいです。性格や気質については親犬の情報を知ることが必要です。

ブリーダーさんから紹介してもらう

ブリーダーさんからお迎えする最大の特徴は、迎えると決めた子の特徴やクセ、これまでの成長の様子や環境などをブリーダーさんに直接聞いたり、質問できたりすることです。また、親猫や兄弟・姉妹たちの姿を見る機会も得られる可能性があるので「将来どんな風に成長していくのか」を想像しやすいこともメリットです。

繁殖のタイミングは年に1回、多くて2回です。迎えたい!と思ったときに子犬がいない場合もあります。予約待ちの人気のブリーダーさんもいるので調べてみると良いでしょう。

※アニコムグループの(株)シムネットが運営する『みんなのブリーダー』へ移動します。

里親になる

最近は「せっかく犬を迎えるなら、保護犬の里親になりたい」と考える方が多くなってきたようです。譲渡会の情報もチェックしやすくなってきました。こうした譲渡会や里親募集でパピヨンと出会える機会もあるかもしれません。

まとめ

パピヨンは明るく活発なので、子どもがいる家庭では良い遊び相手となるでしょう。また、年配の方であっても一緒に散歩に行くことができれば、癒しをくれるパートナーになれる犬種です。もちろん、賢く運動能力も高いのでしつけの延長線として、ドッグスポーツを一緒に楽しむのもおすすめです。

監修獣医師

長根あかり

長根あかり

大学で動物行動学やアニマルセラピーを学ぶ。保護犬を家族に迎えたこと、野良猫の保護をした経験から、「保護犬・猫について」や「正しい飼い方」の情報発信の必要性を感じ、大学卒業後はペットメディアで勤務。その後はフリーライターとして執筆活動しながら保護シェルターで働き現状を知る。 現在は、動物ライターとしての執筆活動のほか、ドッグトレーナーとして飼い主さんとワンちゃんの暮らしが良くなるように、アドバイスやトレーニングを行っている。