ワイマラナーといえば、まず目につくのが美しい毛並みではないでしょうか?グレーの光沢ある短毛は、優美な印象を与えます。そんなワイマラナーの性格や歴史、飼い方についてご紹介します。

ワイマラナーってどんな犬種?

ワイマラナーってどんな犬種?

ワイマラナーはドイツ原産の大型犬です。

狩猟犬である一方、その毛並みの美しさからショードッグや家庭犬としても人気です。

歴史

ワイマナラーの起源についてはさまざまな説がありますが、ワイマール地方の貴族が飼育していた、と多くの書籍で語られています。

しかし、ワイマラナーの作出は貴族間で秘密裏に行われていたため、正確な犬種の掛け合わせはわかっていません。ブラッドハウンドにポインターやセッターなどの異種交配、選択交配が繰り返され、優れた狩猟犬となっていったとされています。

狩猟犬といっても、実際は犬によって細かく役割が分かれています。

獲物を見つける役、獲物を飛び立たせる役、撃ち落とした獲物を回収する役、そしてその対象もクマやシカなど大型の野生動物から、うさぎやキツネなどの小型動物、鳥などさまざまです。ワイマラナーは、このすべてを担うことができる優れた狩猟犬です。

ワイマラナーが初めてドイツからイギリスに渡ったのは1952年。その翌年にはワイマラナー・クラブが創設され、ワイマナラーは一躍人気の犬種となりました。

一方、アメリカではイギリスより早く1943年に犬種として登録され、大統領や映画スターの愛犬になるなど、1950年代から人気を博しました。

サイズ

ワイマラナーが草むらの上で起き上がっている

ワイマラナーは大型犬に分類されます。

  • 体高:男の子59〜70cm、女の子55〜65cm
  • 体重:男の子30〜40kg、女の子25〜35kg

しつけ

散歩中に突然走ったり、飛びついたりすると、大人の男性でも転倒するほどの力を持っているので、子犬の頃からしっかりとしつけを行いましょう。大型犬なので、トレーナーなどにしっかりと基本を教えてもらうのもおすすめです。

性格は?

ワイマラナーは好奇心旺盛で活発です。とにかく人と一緒にいることが好きで、訓練次第で作業犬としても家庭犬としても有能なパートナーになってくれるでしょう。

一方で、その好奇心と活動量を、散歩や遊び、頭を使うトリック、ドッグスポーツなどできちんと満たしてあげなければ、それがストレスとなり、問題行動に発展してしまう恐れがあるので注意しましょう。

被毛・毛色について

長毛(ロングヘアー)のワイマラナーも

ワイマラナーの美しい被毛は、短毛(ショートヘア―)と長毛(ロングヘア―)の2つのタイプがあります。

もともと短毛のみでしたが、ブリーディングの過程で長毛のバラエティーも誕生しました。

アメリカンケネルクラブ(AKC)では長毛タイプは認められていませんが、イギリスのケネルクラブ(KC)をはじめとする多くのケネルクラブでは長毛も認められています。

短毛・長毛どちらも毛並みは滑らかで光沢があります。

毛色はグレーですが、グレーの中でもシルバー・グレー、マウス・グレー、ノロジカ色(黄みがかったグレー)、そしてこれらの色のシェード(根本側と毛先側で色の濃淡がある)が認められています。

お手入れ

ワイマラナーのお手入れ

ワイマラナーの被毛は短く、下毛がほとんどありません。トリミングは基本的に必要ありませんが、定期的にブラッシングやシャンプーなどを行い清潔に保ってあげましょう。

寿命はどれくらい?

アニコムの「家庭どうぶつ白書2021」によると、大型犬の平均寿命は11.5歳です。

ワイマラナーは大型犬に属するので、目安に考えられるでしょう。

しかし、ここ数年でフードも色々なものが出ていますし、医療も進んでいるので、寿命はあくまでも目安とし、飼育環境や運動など気を使ってあげるといいですよね。

ワイマラナーの気をつけたい病気

気をつけたい病気には、大型犬に多く見られる「股関節形成不全」や「胃拡張胃捻転」が挙げられます。

また、「眼瞼内反症」も先天的に発症しやすいので、瞼の状態がおかしいと感じた場合は早めに動物病院へ行きましょう。


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ワイマラナーを家族の一員として迎える方法

ワイマラナーをぜひ家族の一員に!と思ったら、どこで出会えばいいのでしょうか。主に考えられる方法は3つあります。

ペットショップで探す

ペットショップなら、フードやトイレなど、犬との暮らしに必要なものを一緒に揃えられるため、迎えたその日からきちんと住環境を整えてあげることができそうです。とはいえ、ワイマラナーをペットショップで見かけることは多くないので、事前に取り扱いがあるか確認してから行くとよいでしょう。

また、ペットショップではどんな親犬から生まれた子犬かを把握することは難しいです。性格や気質については親犬の情報を知ることが必要です。

ブリーダーさんから紹介してもらう

ブリーダーさんからお迎えする最大の特徴は、迎えると決めた子の特徴やクセ、これまでの成長の様子や環境などをブリーダーさんに直接聞いたり、質問できたりすることです。また、親猫や兄弟・姉妹たちの姿を見る機会も得られる可能性があるので「将来どんな風に成長していくのか」を想像しやすいこともメリットです。

繁殖のタイミングは年に1回、多くて2回です。迎えたい!と思ったときに子犬がいない場合もあります。予約待ちの人気のブリーダーさんもいるので調べてみると良いでしょう。

里親になる

最近は「せっかく犬を迎えるなら、保護犬の里親になりたい」と考える方が多くなってきたようです。譲渡会の情報もチェックしやすくなってきました。こうした譲渡会や里親募集でワイマラナーと出会える機会もあるかもしれません。

まとめ

ワイマラナーの子犬が2匹

ワイマラナーは姿の美しさだけでなく、その賢さや運動能力の高さにも定評があります。

今でこそ、狩猟犬として飼われることは少なく、日本では主に家庭犬として飼われていますが、その能力はドッグスポーツなどの活躍からも見てとれます。しっかりとしつけることで本来の魅力を発揮することができるでしょう。

監修獣医師

犬百科編集部

犬百科編集部

獣医師を含む犬の飼い主歴10年以上の編集者が集い、犬の凄さや可愛らしさについて情報交換している。編集部員の面々は、犬との暮らしがより健やかに、よりハッピーになるよう正確な情報をお届けするため、自己研磨の毎日である。