可愛らしい柴犬

ミニチュア・ダックスフンドを飼いたい方必見!特徴や性格・費用をご紹介♪ ミニチュア・ダックスフンドといえば、短い足と長い胴が印象的です。でも、どうして胴長短足なのでしょうか? ミニチュア・ダックスフンドの歴史や性格、気を付けたい病気などをご紹介します!

ミニチュア・ダックスフンドの特徴は?

ミニチュア・ダックスフンドといえば、胴長短足が大きな特徴です。短い足で一生懸命に歩いたり、飛ぶように走る姿が愛らしいですよね。

多くの人に知られている犬種ですが、実はダックスフンドには

  1. 「ミニチュア・ダックスフンド」
  2. 「カニーンヘン・ダックスフンド」
  3. 「スタンダード・ダックスフンド」
の種類があり、大きい順に「スタンダード」>「ミニチュア」>「カニーンヘン」となっているので、覚えておくと見分けるポイントになります。

サイズ

小型犬に分類されます。アナグマの猟犬として穴の中に入っていかなければならなかったダックスフンドは、体高よりも胸囲が重要視されて、生後15ヶ月に測定した胸囲が定められています。

  • スタンダード:男の子が37~47㎝以下、女の子が35~45cm以下
  • ミニチュア:男の子が32〜37cm以下、女の子が30~35cm以下
  • カニーンヘン:男の子が27~32cm以下、女の子が25~30cm以下

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性格は?

狩猟犬として活躍してきたダックスフンドは、遊び好き、いたずら好きで活発な性格です。自立心があり縄張りなどの防衛意識も高いので、吠えや知らない犬とのトラブルには注意が必要です。一方で、とても明るく温和な性格の持ち主で、家庭犬として愛され、多頭飼育されることも少なくありません。

被毛・毛色について

4頭のミニチュア・ダックスフンド

ミニチュア・ダックスフンドには「スムース・ヘアード」「ロング・ヘアード」「ワイアー・ヘアード」と3タイプの毛質があり、それによってお手入れ方法も変わってきます。
毛色は「単色」「2色」「混合色」があり、「ワイアー・ヘアード」のみ「マルチ・カラー」が存在します。

■主な毛色

・レッド:明るい茶色
・クリーム(イエロー)
・ブラック(タン・マーキング (※))

ブラック・タンのミニチュア・ダックスフンド

※タン:茶色や黄褐色などの褐色のこと。
マーキング:頭部や体にでるまだら模様のこと。分布や大きさなどさまざまです。

ブラックのタン・マーキングとは、ブラックがベースカラーで、マズルや目の上、胸元、足などにブラウンの毛が混じっているような毛色のことをいいます。

・チョコ(タン・マーキング)

チョコ・タンのミニチュア・ダックスフンド

・ダップル:ブラック、ブラウンのベースカラーに、不規則なグレーやベージュの斑があるもの。
・ブリンドル:レッドのベースカラーに暗い色で濃い縞があるもの。
・マルチカラー:ワイルド・ボア(イノシシ色)が特徴的。

ミニチュア・ダックスフンドの飼い方

しつけの方法

ダックスフンドは、獲物を見つけると吠えて知らせていた狩猟犬の特性から、吠えやすい傾向があるといわれています。早い段階で、無駄吠えなどのしつけをしっかりしておくことで一緒に暮らしやすくなるでしょう。賢い犬種なので、しつけもしやすい犬種だといえます。

フード

成長段階に合わせた、犬用の「総合栄養食」と表記されているものを選びましょう。よく食べていい便をするフードをあげてください。

ミニチュア・ダックスフンドには「みんなのごはん ミニチュアダックスフンド」がおすすめです。「みんなのごはん ミニチュアダックスフンド」には「パピー用」「アダルト用」「シニア用」があるため、年齢にあったものを選ぶことができます。一方で疾患などがある場合、かかりつけの先生に相談して、疾患にあった専用のフードを与えるようにしましょう。

1回の食事はどれくらい?

適切な食事量はフードの種類によって異なるので、フードの説明書をよく読んで与えましょう。成犬は1日2回程度に分けて与えるのがおすすめです。消化機能が未発達な子犬のうちは、基本的に1日3回にしてあげると安心です。

・散歩

もともと狩猟犬であるため、運動量が必要です。1日2回、30分程度を目安に散歩に連れて行ってあげましょう。

・トリミング

ダックスフンドの被毛は一定の長さ以上は伸びないため、トリミングは基本的に必要ありません。ただある程度伸びた場合、おしりの周りや耳回りなど、汚れが溜まったり、蒸れやすい場所はお手入れをして清潔に保ってあげましょう。

・ブラッシング

ミニチュア・ダックスフンドはダブルコートのため抜け毛が多く、ブラッシングが必要です。週に1度を目安にブラッシングをしてあげると良いでしょう。また、被毛によってブラッシングのコツが異なります。

スムース・ヘアードの場合
短い被毛でツルッとした、光沢のある毛並みです。短毛のため、日々のお手入れも簡単です。獣毛ブラシでホコリや汚れを毛並みにそって払い落としてあげましょう。
時には、ラバーブラシを使ってマッサージをするようにブラッシングをしてあげると、抜け毛も一緒にきれいにしてあげることができます。

ロング・ヘアードの場合

長く柔らかい被毛で、美しい毛並みです。毛が長い分ホコリや汚れが付きやすく絡まりやすいため、日々のお手入れは丁寧にしてあげる必要があります。耳の下や足の付け根、しっぽの付け根などは擦れて毛玉になりやすいので、特に意識してブラッシングをしてあげてください。
スリッカーブラシで毛の絡まりをとくようにブラッシングをして、ピンブラシを使って毛並みを整えます。
時々コームを使って、毛の中に埋まった毛玉がないか確認するようにすると、きれいな毛並みを保つことができます。


ワイアー・ヘアードの場合

ワイアー・ヘアードのミニチュア・ダックスフンド

その名の通り、針金のように硬い毛質をしています。硬い毛質は枝葉から体を守るメリットがありますが、トリミングの仕方によって毛質が変わってしまうこともあります。トリミングに行く場合は、トリマーさんによく相談するのがいいでしょう。
日々のケアは、ピンブラシで毛の絡まりをといてあげましょう。

・歯磨き

歯磨きは毎日行うのが理想です。歯磨きをしなければ歯垢・歯石がたまり、歯周病になりやすくなります。歯磨きが嫌いにならないよう、子犬の頃から歯や口の周辺を触ることに慣れさせましょう。歯ブラシをどうしても嫌がる場合は、歯磨きガムやシートを使うことも考えましょう。

・耳掃除

汚れがない場合には基本的に必要ありません。汚れがついている場合は優しくふき取ってあげましょう。

費用について

お迎えの費用は?

ミニチュア・ダックスフンドの子犬を迎えるにあたってかかる費用は、ペットショップの場合は平均35万~50万円程度、ブリーダーの場合は、30万円~40万円程度です。ショップやブリーダーによっても価格に差があります。

お迎え後に必要な費用

お迎えした後に必要な費用は、混合ワクチン、狂犬病ワクチン、自治体登録料、フィラリア予防の費用を合わせると5万円程度になります。

お迎えの方法

ペットショップ

人気ランキング上位のミニチュア・ダックスフンドは多くのペットショップで迎えることができます。しかしながら、ペットショップではどんな親犬から生まれた子犬かを把握することは難しいです。性格や気質については親犬の情報を知ることが必要です。

ブリーダーからお迎え

ブリーダーさんは親犬を飼育し繁殖をしているため、親犬の性格や気質をよく理解しています。親犬に会えるようなら、実際に大きさや性格に注目してみると良いでしょう。もちろん最後は子犬を直接見て、相性の良い子を迎えたいですね。繁殖のタイミングは年に1回、多くて2回です。迎えたい!と思ったときに子犬がいない場合もあります。予約待ちの人気のブリーダーさんもいるので調べてみると良いでしょう。

里親になる

最近は「せっかく犬を迎えるなら、保護犬の里親になりたい」と考える方が多くなってきたようです。譲渡会の情報もチェックしやすくなってきました。出会えるのは必ずしも子犬とは限りませんが、こうした譲渡会や里親募集でミニチュア・ダックスフンドと出会える機会もあるかもしれません。

年間の飼育費用は?

2021年度のアニコムの調査によると、小型犬は年間で33万円程かかっているようです。病気やケガをした場合にはさらに医療費がかかる場合もあるので、金銭面の備えが必要です。

フード・おやつの費用

ミニチュア・ダックスフンドのような小型犬で最も大きな支出は「フード・おやつ」で約5.8万円になっています。

診療費用と保険料

「フード・おやつ」と同じくらい大きな支出が「病気やケガの資料費」で5.8万円、そして「ペット保険料」が4.6万円となっています。「ワクチン・健康診断等の予防費」が3.2万円で、あわせて年間約13万円が病院の受診や保険など、健康維持のために必要とされていることがわかります。

その他の費用

その他に「シャンプー・トリミング費用」(5.6万円)、「日用品」(1.4万円)、「洋服」(1.4万円)等が主な支出となっています。

寿命はどれくらい?

アニコム損保の「家庭どうぶつ白書2021」によると、ミニチュア・ダックスフンドの寿命は、14.9歳と犬の平均寿命14.0歳より長生きです。家庭犬として、長く寄り添える犬種だといえそうです。

気を付けたい病気

ミニチュア・ダックスフンドが1番気を付けたいのは、「椎間板ヘルニア」です。胴が長いことと、太りやすいため、背骨や椎間板への負担が大きくなってしまいます。

激しい運動をする必要はありませんが、適度な運動で筋力を鍛え、肥満に気を付けてあげましょう。家の中ではソファーやベッドから飛び降りさせない、階段は抱っこする、飛びつかせないようにするなど、負担をかけないよう、生活に工夫が必要です。

「皮膚疾患」「消化器疾患」も多く、かゆみや湿疹、下痢や嘔吐はないか、日々の様子をよく見てあげましょう。健康に見えても、1年に1回は健康診断に行くことで、病気の早期発見につながります。

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歴史

ミニチュア・ダックスフンドはドイツで誕生した狩猟犬です。狭い穴の中に住むアナグマやウサギなどの小さな動物を狩るのに長けています。

もともとは、ミニチュア・ダックスフンドよりも大きいスタンダード・ダックスフンドが中世に誕生しました。狩りをする対象の動物がアナグマからウサギ、ネズミ、テンと小さくなるにつれ、ダックスフンドもスタンダード、ミニチュア、カニーンヘンとその大きさを変え、それぞれに適した場所で活躍しました。

ダックスフンドの特徴的な胴長短足の容姿は、狭い穴の中に入って行きやすく、どっしりとした大きな足も、狭い穴の中で体を支え突き進むのに必要なものだったのです。

まとめ

ミニチュア・ダックスフンドの可愛い姿の背景には、狩猟犬という勇敢に活躍した歴史があります。大きさ、毛質、毛色と多くの種類にそれぞれの特徴があり、その魅力は一言ではいい表せません。しつけやかかりやすい病気に注意し、長く寄り添えると良いですね。

可愛らしい柴犬

監修獣医師

長根あかり

長根あかり

大学で動物行動学やアニマルセラピーを学ぶ。保護犬を家族に迎えたこと、野良猫の保護をした経験から、「保護犬・猫について」や「正しい飼い方」の情報発信の必要性を感じ、大学卒業後はペットメディアで勤務。その後はフリーライターとして執筆活動しながら保護シェルターで働き現状を知る。 現在は、動物ライターとしての執筆活動のほか、ドッグトレーナーとして飼い主さんとワンちゃんの暮らしが良くなるように、アドバイスやトレーニングを行っている。