椎間板ヘルニア <犬>

概要

Overview

背骨同士をつないでいる椎間板に変性が生じることで、背骨の中にある脊髄を圧迫する病気です。脊髄が障害を受けることで、痛みや足の麻痺などさまざまな神経症状を引き起こします。ダックスフンド、ペキニーズ、ビーグルなどの犬種で多く発症するといわれています。




椎間板ヘルニア

原因

ワンちゃんの背骨は7個の頸椎(首の骨)、13個の胸椎(胸の背骨)、7個の腰椎、合計27個の脊椎で構成されています。頸椎の一部を除き各脊椎の間には椎間板と呼ばれる軟骨が挟まっていて背骨の動きを滑らかにしています。また、脊椎の中には脊柱管という空洞があって脊髄と呼ばれる神経の束が通っています。この脊髄は脳からの命令を全身に伝えたり、全身からの情報を脳に伝える役割があります。

椎間板の中心にはゼリー状の髄核があり、その周囲を線維組織でできた線維輪が取り巻いています。背骨に外力が加えられたときには、この髄核と線維輪がその圧力を吸収しています。過激な運動をしたり、脊髄に強い外力が加わったり、老化現象などが原因となり、椎間板の変性が生じます。椎間板ヘルニアには、変性した髄核が線維輪を破って飛び出し脊髄を圧迫する場合(ハンセン1型)と、線維輪が盛り上がって脊髄を圧迫する場合(ハンセン2型)があります。椎間板が突出した位置により、影響を受ける神経の場所も異なるため、現れる症状も異なります。また、脊髄圧迫の程度についても、症状の重症度に影響を与えます。



椎間板ヘルニア

症状

椎間板が発生する場所や脊髄への圧迫の程度によって症状は違います。動物病院では症状の重さによって重症度(グレード)を分けて考えることが多いです。

 

●痛みだけの場合(グレード1)
脊髄の圧迫が軽度の場合は麻痺の症状がなく、痛みだけがみられます。よく見られる症状としては抱っこしたときに痛みでキャンと鳴く、段差の上り下りを嫌がる、背中を丸めるなどがあります。

●軽度の麻痺(グレード2)
足の力が弱くなり、足先の感覚が鈍くなりますがまだ自力で立ち上がり歩くことが出来る状態です。グレード1の症状に加えて、歩くときにふらつく、足先がひっくり返るなどの症状が見られるようになります。麻痺の症状は胸部や腰のヘルニアの場合は後ろ足だけ、首のヘルニアの場合には前足にも現れます。

●重度の麻痺(グレード3~5)
脊髄の圧迫が重度になると、麻痺が強くなり立ち上がることができなくなります。また、足だけでなく膀胱や肛門の機能も障害されておしっこが出せなくなったり、ウンチを漏らしてしまうこともあります。

 

また、合併症として進行性脊髄軟化症という病気があります。障害を受けた場所から背中の神経が壊死して広がっていき、最終的には呼吸など生命維持に必要な機能が障害され、生命にかかわることがあります。椎間板ヘルニアの5%前後で発症するといわれてます。

治療

治療には大きく分けて内科的治療と外科的治療があり、症状の強さに応じて必要な治療法は異なります。

 

●痛みだけの場合
痛みだけの場合は基本的には安静にすることとお薬での治療が中心になります。非ステロイド性消炎鎮痛薬やステロイドのお薬が使用されることが多いです。

●軽度の麻痺
軽度の麻痺の場合はお薬で治療することで麻痺の症状が軽減することも多いです。麻痺が出ている場合にはプレドニゾロンなどのステロイドが使用されることが多いです。お薬の治療で十分に回復できない場合には手術を行うこともあります。

●重度の麻痺
ステロイドで回復することもありますが、手術が必要になる場合が多くなります。手術では脊髄が圧迫を受けている部分の背骨を削って窓を作り、圧迫を取り除く処置を行います。手術をした直後は麻痺や運動失調が残ってしまうことがあるので、リハビリを行って足の機能回復を図ることもあります。

 

他にも背骨を安定させるためのコルセットを装着したり、鍼治療を行うなど様々な治療法があります。病院によっても実施できる治療法は異なりますので、治療は動物病院でよく相談して行うようにしましょう。

進行性脊髄軟化症はステロイドの投与や、外科手術など様々な治療法が行われていますが今のところ有効な治療法は分かっておらず、痛みなどに対する緩和治療が中心になります。

予防

ソファーや階段や段差の登り降り、フローリングなどの滑りやすい床材は避ける、足の裏の毛が伸びてくるワンちゃんは滑らないようにするために足の裏の毛を短くカットする、ジャンプや過度な運動をさせないなど、日常生活での注意が重要です。肥満は椎間板ヘルニアの発症率を高くする要因となるので注意が必要です。肥満にならないように日頃からこまめな体重管理を心がけましょう。
ワンちゃんに椎間板ヘルニアが疑われるような症状が見られた場合は、早期治療が予後に影響することもありますので早めにかかりつけの動物病院に行きましょう。
 

病気のデータ

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