
うさぎは正常なおしっこでもさまざまな色があり、健康でも赤いおしっこをすることがあります。うさぎを飼って初めて赤いおしっこを見ると、「これって本当に大丈夫!?」と不安になる方もいるかもしれませんね。ここではうさぎの赤いおしっこについて、原因や血尿との見分け方、血尿が疑われるときの対処などを解説します。
うさぎの赤いおしっこはよくあること
うさぎの正常なおしっこの色は、淡黄色から濃い黄色のほかにオレンジや茶色、赤も含まれます。赤といっても、オレンジがかった赤や褐色に近い赤と実際の色はさまざまです。
「おしっこが赤い=血尿」のイメージがあるため、突然赤いおしっこが出ると飼い主はびっくりすることがあるかもしれません。ですが、健康に何も問題がなくても赤いおしっこはよく見られるものです。たいてい数日以内に普段の色に戻ります。
大半は血尿ではないので、赤いおしっこが出てもまた黄色系に戻り、うさぎが元気であればあまり心配ないでしょう。ただ、血尿と赤いおしっこを見た目だけで判別することはできません。気になるときは、下で説明するチェックポイントにも注意してください。
健康でも赤いおしっこが出る原因

おしっこが赤くなるのは、うさぎが食べたものに含まれる色素が多く排出されることが原因です。「ポルフィリン」という色素が多くて赤いおしっこは「ポルフィリン尿」と呼ばれます。
ポルフィリンは動植物の体に自然に存在している色素。赤い色素として赤血球に含まれていて、うさぎの体に普通に存在しているほか、植物の葉緑体を構成しているため、牧草にも含まれています。また緑黄色野菜に含まれる「カロテン」を多く摂取すると、赤みがかったおしっこやオレンジ色のおしっこになることがあります。薬の影響で赤くなることがあったり、急に寒くなったタイミングで赤いおしっこが出やすくなったりするともいわれています。
血尿の特徴
血尿では、おしっこの中に点々と血が混ざっていることがあります。全体が赤いわけではなく、部分的に赤いものが混ざっているおしっこは血尿の可能性があります。また均一に血が混ざっていると、おしっこの色がピンクに見えることも。出血が多いときや陰部からの出血では、明らかに血が出ているとわかります。仰向けにしてお尻を見ると、血液が付着していることもあります。
血尿が出る原因としては、膀胱炎や尿結石、腎炎など、おしっこの通り道となる腎臓~尿道の病気が考えられます。女の子の場合は子宮の病気や流産による出血が血尿に見える場合も。出血がはっきりしている場合や疑いがある場合は、早急に動物病院を受診してください。
血尿かも?と心配になったときのチェックポイント
血尿とはっきりわかることもありますが、うっすらと血が混ざっているとき、赤いおしっこに血が混ざっているときなど、血尿かどうか見分けることができない場合もあります。もし血尿であれば、膀胱炎などの病気が疑われるため早急な受診が必要になります。心配なときはまず次のポイントを観察し、あてはまる場合は早めに受診をしてください。
・排尿の様子
何度も繰り返しトイレに行く、トイレの時間が長い、おしっこが出にくそうにしているといった様子は、尿路結石や膀胱炎の兆候です。おしっこの色が変わらないくらい少量の血が混ざっている場合もあります。このような様子であれば、おしっこの色に関わらず早急に受診してください。
・おしっこの量
おしっこの量が極端に減っている、出ていないというときは早急に受診をしてください。
・おしっこのにおい
膀胱炎で普段よりアンモニア臭がきつくなることがあります。
このほかにも、食欲不振など体調でおかしいところがある、いつものおしっこと様子が異なり心配、というときは受診するようにしましょう。動物病院では試験紙や顕微鏡を使った尿検査でおしっこに血液が含まれているかどうか、簡単に調べることができます。
血尿が疑われるときの受診のポイント

出たおしっこを動物病院に持参すると診察や検査がスムーズに進みます。できればトイレにトイレシートや砂を置くのをやめて、出たおしっこをスポイトなどで集め、密閉できる容器に入れて持参しましょう。
量が少ない場合はコットンに吸い込ませたものをビニール袋に入れても。トイレシートに出たものしかない場合でも、色などの参考になる場合があるのでそのトイレシートを持参しましょう。
濁った尿が続く場合も要注意
うさぎは白く濁った尿をすることもよくあります。尿中のカルシウムが結晶化したもので、これも健康に心配はありません。
ですがこの沈殿物が多いおしっこが続く場合は、食事中のカルシウムが過剰になっているかもしれません。カルシウム過剰のために赤みがかったオレンジで白い沈殿物が多いおしっこが出ることもあります。この状態が続いてしまうと、やがて結石ができる心配があります。食事中のカルシウム含量を調べて、毎日の食事やおやつの内容を見直してみましょう。

まとめ
うさぎは健康でも赤いおしっこをすることがあります。赤いおしっこが出たからといって、すぐに血尿を疑って慌てることはないのですが、おしっこの色だけで大丈夫かどうか判断することはできません。やはり日頃からおしっこの様子(色や量、沈殿物の有無、におい)や水を飲む量をよく観察して、いつもと違う状態に気づけることが大切です。定期的に健診に行き、尿検査を受けておくことでも安心できるでしょう。