うさぎの黒目が白っぽく濁っているようにみえたら、白内障になっている可能性があります。

白内障は、人では高齢の方で起こる病気として有名ですが、うさぎでもやはり高齢になるとよく見られます。若いうさぎでも、寄生虫などが原因でなることがあります。

今回は、うさぎの白内障についてお話ししたいと思います。

うさぎの白内障ってどんな病気?

うさぎの画像

眼の中にある、カメラのレンズのような役割をしている器官を「水晶体」といいます。外から入ってきた光を水晶体で屈折させ、網膜に像を映すことで、物を見ることができます。

水晶体は正常な状態では透明ですが、さまざまな原因により一部もしくは全体が白く濁る病気を「白内障」といいます。

うさぎの白内障はどんな症状が出る?

白内障になると、水晶体の一部または全体が白く濁ります。

うさぎはもともと視力が弱く、聴覚や嗅覚に頼って生きている動物です。そのため、徐々に進行する場合には、あまり生活に支障が出ません。

完全に白くなった場合には、物にぶつかりやすくなり、動きがゆっくり慎重になりますが、慣れた環境であれば飲食や室内での運動は問題なくこなせることが多いです。

ブドウ膜炎や緑内障を併発している場合には、眼を痛そうにシバシバしたり、白目が赤くなったりします。

うさぎの白内障の原因は?関連する病気はあるの?

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白内障は、「老齢性白内障」と「若年性白内障」があります。

老齢性白内障はもっとも一般的で、加齢によって水晶体の中の成分が徐々に変化して白くなることで起こります。片側の眼から始まり、ゆっくり進行してやがて両方の眼が白くなることが多いです。

若年性白内障は、遺伝性、先天性のものが考えられます。

その他には、細菌や寄生虫の感染が原因となることがあります。特に、エンセファリトゾーン症は、うさぎの白内障の原因としてよく見られるため注意が必要な病気です。エンセファリトゾーン(:Encephalitozoon cuniculi)という寄生虫が水晶体の中に侵入、増殖することで起こります。

この場合、水晶体の膜が破裂し、水晶体物質が外に出た刺激によりブドウ膜に炎症が起こる「ブドウ膜炎」を併発していることがほとんどです。

また、眼を強く打つなどの外傷による衝撃で水晶体が傷ついたり、糖尿病によって水晶体の中の成分が変化したりすることで、白内障になることもあります。

白内障が進行すると、変性した水晶体が脱臼したり、眼の中で解けたりすることで、ブドウ膜炎や緑内障を起こすことがあります。

そうすると眼に強い痛みを伴うため、生活の質が著しく低下します。

うさぎの白内障はどんな治療をするの?

初期であれば、進行を遅らせる点眼薬を投与します。炎症がある場合には抗炎症薬も一緒に使用します。

エンセファリトゾーン症が疑わしい場合には、駆虫薬を使用します。

ただし、一度白くなった水晶体はもとに戻すことができません。

根本的な治療としては、水晶体の中の白く濁った組織を除去する手術などがありますが、できる病院は限られていること、手術後に合併症を起こす可能性がゼロではないことから、かかりつけの病院でよく相談しましょう。

うさぎの白内障の予防法は?

早期発見すれば進行を遅らせる点眼薬を使用できたり、視力の低下に対応した環境を早めに整えることができたりするため、定期的に健診を受けるようにしましょう。

また、外傷性の白内障を起こさないように、ケガに注意することも大切です。

まとめ

うさぎの白内障は、初期であれば環境変化などに気を付けてあげればあまり支障がありませんが、ブドウ膜炎や緑内障など他の眼の病気が併発すると痛みが出てしまいます。

うさぎは痛みに弱い動物なので、そこから全身の状態が悪くなってしまうかもしれません。

眼が白い気がする、物によくぶつかるなど、何か気になることがあれば、早めに受診して対処してあげるようにしましょう。

監修獣医師

石川美衣

石川美衣

日本獣医生命科学大学卒業。2008年、獣医師免許取得。卒業後は横浜市の動物病院で診察に従事、また東京農工大学で皮膚科研修医をしていました。2016年に日本獣医皮膚科認定医取得。現在は川崎市の動物病院で一次診療に従事。小さいころからずっと犬と生活しており、実家には今もポメラニアンがいて、帰省のたびにお腹の毛をモフモフするのが楽しみ。診察で出会う犬猫やウサギなどの可愛さに日々癒されています。そろそろ我が家にも新しい子を迎えたいと思案中。