うさぎの膀胱炎ってどんな病気?

膀胱の中で細菌が増殖し、膀胱の粘膜が炎症を起こすことを膀胱炎といいます。膀胱炎の原因になるのは、「緑膿菌」や「大腸菌」といわれていて、きれいに掃除されていないトイレや、不衛生な床材の上で生活をしているなどといった、衛生的な問題が原因で発症することが多いとされています。

うさぎの尿はカルシウム濃度が高く、これはうさぎの独特なカルシウム代謝によるもので、尿路に結石ができやすい身体の構造をしています。そのため、結石を原因とする膀胱炎も多いです。

※うさぎの特殊なカルシウム代謝とは…?

通常、哺乳類は過剰にカルシウムを摂取した場合、胆汁(肝臓で生成される)としてうんちと一緒に身体の外に排出されますが、うさぎの場合は、主におしっことして排出されます。

うさぎの膀胱炎はどんな症状が出る?

頻尿、血尿、尿が出ない、1回の量が少ない、排尿姿勢を取ったまま動かない、食欲不振などがあります。

尿路に結石ができてしまった場合、排尿時の出血(血尿)の他に、痛みを伴うこともあります。

血尿で膀胱炎に気づくことが多いですが、うさぎは正常でも血色素尿(赤~褐色の尿)をします。

うさぎは尿中にポリフィリンという物質を排出するため、健康なうさぎでも赤色の尿をすることがあります。これが時間と共に褐色になるため、血尿との見分けが難しいです。普段から排泄物を観察することは健康管理のうえでも重要です。色では変化がわからなくても、ニオイがいつもと違うことで膀胱炎に気づくことも多いです。膀胱炎を起こしている場合には、ニオイ(アンモニア臭)がきつくなることもあります。普段からニオイも注意するようにしましょう。

また、白いトイレを使えば、うさぎがした尿の色が何色なのかを確認しやすくなります。ただし、うさぎのおしっこは時間が経つと色が変色したり、ニオイがきつくなったりということもあるので、「おかしいな」と思ったらすぐに動物病院へ行くことをおすすめします。

動物病院では、赤色の尿が異常か正常かを見分けるために検査を行います。尿の状態がいつもと異なると感じた時は、トイレシートを引かずにトイレにたまった尿を醤油ボトルにいれたり、トイレのシートにしみ込んだ尿を脱脂綿(コットン)に吸い取らせ、ビニールに入れた状態で受診して尿検査をしてもらうと診断がスムーズです。

うさぎの膀胱炎に関連する病気はある?

ケージの写真

膀胱炎の症状が出ていたら、尿路結石があるかないかを判別する必要があるため、尿検査と合わせてレントゲンや超音波検査を行います。

また尿路結石、排尿障害を起こすような神経系、筋骨格系の障害でも膀胱炎をおこします。

特に注意したいのは、未避妊の女の子うさぎで血尿が出ていた場合です。うさぎの膀胱と子宮は出口が同じなので、子宮からの出血を血尿と勘違いすることがあります。若い子であれば、子宮内膜増殖症、高齢の子であれば、子宮がんを疑わなければなりません。膀胱炎だと思って軽く見ていると命に関わる可能性があるので注意しましょう。

うさぎの膀胱炎はどんな治療をするの?

膀胱炎の主な原因は細菌感染です。治療は抗生剤の投薬による内科療法が一般的です。合わせて膀胱炎を引き起こすような病気が潜んでいないか、検査を行って、原因を探ります。結石がある場合、状況によっては外科手術による摘出を行います。カルシウムが多い食事を与えている場合は、再発防止のため食事の見直しも重要です。うさぎのおやつでカルシウムを補給するものなどが販売されていますが、基本的にいつもの食事で必要なカルシウムはとれています。

うさぎの膀胱炎の予防法は?

草を食べようとするうさぎ

フードに含まれているカルシウムの量に注意しましょう。

うさぎは、独特のカルシウム代謝により結石ができやすいといわれています。

成長期はカルシウムが多いマメ科のアルファルファが必須ですが、成長期を過ぎたうさぎであれば、カルシウム含有量が少ないイネ科のチモシーをおすすめです。

また、十分に水分が取れているか確認するため、水分摂取量も把握しましょう。

お水のお皿を複数用意したり、お皿とウォーターボトルを併用したり、水分をたくさん摂れる工夫を可能な限り行ってください。特に気温が下がる冬は飲水量自体が減ってしまうので、要注意です。野菜から水分を摂る方法もありますが、与えすぎると下痢してしまうこともあるので、体調を見ながら加減してください。

定期的な尿検査を行うことも健康維持のために有効です。尿検査が膀胱炎以外の他の疾患の発見にもつながるかもしれません。来院するときに、その日にしたおしっこを持参するとよいでしょう。

■豆知識■

うさぎはどれくらいお水を飲む?

実は、うさぎは1日に50~200mlほどの量のお水を飲んでいます。もちろん個体差はあるので、それより飲む子も飲まない子もいます。

わが子が毎日どれくらいのお水を飲んでいるか、管理し、いつもより水の摂取量が少ないときには注意してみてあげましょう。

まとめ

うさぎは、健康な場合でも生理的に赤い尿をすることがあるため、膀胱炎は発見しづらい病気のひとつ。ですが、うさぎにとって不快感も強く、放置していると悪化する可能性もあるため早期発見・早期治療をしてあげたいものです。日頃から排尿の仕方をよく観察し、また食事の内容も気にかけてあげてください。ストレスや環境によって膀胱炎を起こすこともあるので、清潔で快適な環境が整っているか見直すことも膀胱炎予防として有効です。

監修獣医師

箱崎加奈子

箱崎加奈子

アニマルクリニックまりも病院長。ピリカメディカルグループ企画開発部執行役員。(一社)女性獣医師ネットワーク代表理事。 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、的確なアドバイスをしたいという思いから、トリマーとして働きながら獣医師、ドッグトレーナーに。病気の予防、未病ケアに力を入れ、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護師、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。