環境中や健康なうさぎの腸内にも存在するクロストリジウム ピリフォルメ(Clostridium Piliforme)という細菌が原因で発症するティザー病。この細菌は健康なうさぎも保有していますが、人にはうつらず、うさぎ以外にはマウスやハムスターなどの齧歯類、犬や猫などにも幅広く感染することが知られています。一体、どんな病気なのか?予防法や治療法についてお伝えします。

うさぎのティザー病ってどんな病気?

ティザー病は致死性の高い感染症で、出血性の腸炎と肝臓の壊死(からだの組織の一部分が生命をなくすこと)を引き起こす病気です。実験動物が発症することが多い病気ですが、野生動物でも北米やオーストラリアで感染が確認されています。飼育下のうさぎが発症することは稀です。

うさぎのティザー病の感染経路は?

クロストリジウム ピリフォルメ(Clostridium Piliforme)は芽胞を形成する細菌で、これが口から体に入り感染します。細菌は糞中に存在し、この感染形態のことを糞口感染といいます。うんちが足についた状態で毛づくろいをし、口の中に入ってしまうと感染してしまいます。ノロウイルスなども同じ感染形態です。当初は目立った症状は示しませんが、ストレスなどを引き金にして、免疫力が低下したときなどに症状が引き起こされます。

犬や他の動物にはうつる?

子猫と子犬が写ってる画像

ティザー病は多くの哺乳類に感染することが知られています。具体的には犬にも感染しますし、ネズミなどの齧歯類や猫、鳥、鹿、牛にも感染することが知られています。

もしうさぎがクロストリジウム ピリフォルメに感染してしまったら?

感染した場合の症状

感染初期は症状が見られないことが多いです。状態が悪化すると水っぽい下痢、体重が減ってしまったり、元気がないように見えたり、寒くて震えているときに毛が立つように(立毛)見えます。重症になった場合には肝臓の組織が変性し壊死したり、場合によっては急死してしまう例もあるので、少しでも様子がおかしいと感じたら、動物病院へ行ってください。

持続的感染をした場合

感染していても症状を示さないままのことがあり、これを持続感染と呼びます。そのまま一生を終えることもありますが、解剖した結果、回腸や盲腸、結腸に炎症が見られて、明らかにされることがあります。

発症しないための努力を

ティザー病に感染し、症状が出始めても、治療する方法はほとんどありません。そのため、二次感染を予防するために抗生物質を投与したり、輸液療法などをすることになります。感染を防ぐための有効なワクチンもないため、対策としてはうさぎにとってのストレスを減らし、発症しないようにすることが重要です。ケージ内を清潔に保つなど、飼育環境を整えてあげることが発症の予防につながります。

まとめ

発症してしまうと恐ろしいティザー病ですが、クロストリジウム ピリフォルメ(Clostridium Piliformeに感染しても多くの場合は無症状です。ティザー病の原因となる、クロストリジウム ピリフォルメ(Clostridium Piliforme)は健康なうさぎでも保有しているので、必要以上に怖がる必要はありません。ストレスを与えない環境を作り、温度管理や衛生面に注意してあげることがうさぎの健康な生活に繋がります。

監修獣医師

長岡哲矢

長岡哲矢

2006年日本大学獣医学科卒業。卒業後は千葉県の動物病院で小動物臨床に従事。犬猫以外のエキゾチックアニマルも幅広く診療を行う。 現在は新宿御苑前どうぶつ病院で診療にあたりながら、予防医療の啓蒙とエキゾチックアニマルに関する情報発信にも力を入れている。モットーはどうぶつに寄り添った治療と心のコミュニケーション。