ペットには公的な健康保険制度がありません。動物病院は、自由診療なので、思わぬ高額な診療費がかかることがあります。

人の赤ちゃんは、生まれたら健康保険に入ります。猫も家族の一員。ペット保険に入っていると、いざというときに安心ですし、なにより、お金のことを気にせず「より良い治療」を受けさせてあげることができます。

猫のペット保険の基礎知識

そんな「ペット保険」では、どのような補償が受けられるのでしょうか? その内容や、保険の利用の方法、場面などについてご説明します。

猫のペット保険って何?

「ペット保険」とは、文字通り、家庭で飼育されるペットのための保険です。加入した飼い主がプランに応じた保険料を支払い、ケガや病気をして病院に行ったとき、その診療費の一部が保険金として補償されるものです。生命保険ではなく、医療保険を思い浮かべると良いでしょう。

補償される内容

一般的には、ペットが病気やケガをしたときに、それにかかる診療費が補償の対象となっています。保険会社や保険商品によっても異なりますが、主に、通院・入院・手術でかかる診療費を補償します。

とくに、慢性疾患や、入院、手術では、診療費が高額になりやすいため、保険のメリットを感じるケースが多いようです。

加入している割合(普及率)

どのくらいの割合の人が、ペット保険に加入しているのでしょうか。調査主体によって数値が異なるものの、日本におけるペット保険普及率は、おおよそ6%程度と試算されています。

それに対して、ペット保険の先進国であるイギリスでは20%以上、スウェーデンにいたっては80%とも言われています。一方、米国での普及率は5%以下と、意外にも日本より低いのが現状のようです。

日本のペット保険の現状

日本には2018年2月現在で、計15社のペット保険会社があります。このうち、もっとも早くからペット保険を販売しているのがアニコム損保で、日本のペット保険加入者の約半数がアニコム損保の保険に加入しています。加入者数も年々増加傾向にあります。

また、15社のうち4社が、国の免許が必要である損害保険会社として認められており、ほかの会社は少額短期保険という分野で保険を販売しています。

<アニコム損保 加入者数の推移>

(アニコム損保調べ)

猫のペット保険のメリットとデメリット

次に、保険に加入した場合のメリットとデメリットについて説明しましょう。

メリット① 病気のリスクに備える

少し調子が悪そうな気がしても「病院に行くとお金がかかるし、少し様子を見よう」となりがちですよね。ただ、そうこうしているうちに取り返しのつかないことになる場合も多くあります。

保険に加入していれば、診療費が補償されるので、あまり躊躇することなく病院に連れて行くことができます。病気であれば早く治療ができますし、病気でないということが分かれば、それだけで安心できるものです。

メリット② 特約や割引がある

1.特約
ペット保険には、「特約」を付帯することによって、より充実した補償を受けられることがあります。会社によっても異なりますが、たとえば、次のような特約があります。

  • ペット賠償責任特約
    加入しているどうぶつが他人や他のどうぶつに対して咬みついたり、ひっかいたりして傷を負わせたり、他人の物を損壊したりした場合に、その補償が受けられるものです。賠償責任特約は自動車保険や火災保険などの特約としてすでに契約していることがあるので、特約の契約をする際はよく確認してから進めましょう。
  • ガン追加補償特約
    ガンで手術を受けた際に、手術給付金に上乗せして補償される特約。
  • 診断書費用補償特約
    保険金請求をする際は、診断書が必要となる場合があり、病院によっては「診断書作成費」を請求することがあり、その費用を補償。
  • ペットセレモニー費用特約
    火葬費用等にかかった実費を補償。厳密な意味では死亡保障とは異なる。
  • 移動用補助器具費用特約
    病気やケガで車いすが必要となった場合に、その費用を補償。

2.割引制度
特約のほかに、「割引制度」が導入されているペット保険もあります。

  • 健康割増引制度
    保険の利用回数に応じて、翌年の保険料が割引になったり、割増になったりする制度。
  • 多頭割引
    何頭か一緒に保険に加入している場合、保険料が割引される制度。契約者の氏名、連絡先、住所が一致している場合など、条件がある。
  • マイクロチップ割引
    マイクロチップを入れているどうぶつに適用される割引制度。
  • 無事故継続割引
    契約期間内で一度も保険金請求がなかったなど、保険会社が定める「事故」がなかった場合に適用される割引制度。
  • インターネット割引
    加入申込方法には、一般的に書類かインターネットを利用してのオンライン加入がある。オンライン加入の場合、書類よりもコストがかからないため、一定程度割引が適用される場合がある。

メリット③ さまざまなプランがある

ペット保険には、「50%プラン」「70%プラン」など、補償割合に応じてさまざまなプランがあります。例えば「70%プラン」は、いわゆる「3割負担」で、かかった診療費の70%を、限度額の範囲内でペット保険会社側が補償するプランです。補償割合が高いほど、月々の保険料も高くなります。

デメリット① 掛け捨てが多い

人間の保険には、支払う保険料を貯蓄できる「貯蓄型保険」というタイプがありますが、ペット保険はそのほとんどが掛け捨て型です。また、基本保険料は年齢とともにあがっていくので、加入を悩む方もいるかもしれません。

デメリット② 費用対効果が分かりにくい

ペット保険に入っていても、健康であれば、当然ながら保険を利用する機会はほとんどありません。健康な子ほど「入っていても使わないなら意味がない」と思ってしまう方もいるでしょう。とはいえ、費用対効果を感じにくいのは、「保険」という商品に共通してあるものなので、ペット保険に限ったことではないかもしれませんね。

猫のペット保険加入の流れ

メリットもデメリットもあるものの、やはり、かわいいわが子のためのお守りと思って加入する方も多いです。ここからは、保険を加入する際の流れについて説明します。

保険選びをする

まず、どのペット保険に加入するか、選ぶところから始めましょう。現在、ペット保険を扱う会社は15社です。商品ごとに特性があり、一概に比べるのは難しいですが、なるべく自分のニーズに適したものを見つけましょう。

補償内容と保険料の確認

いくつかのペット保険を比較するときは、まずもって「補償内容」と「保険料」が重要かと思います。一般的に「補償内容」が充実しているほど、「保険料」も高くなります。

  • 補償内容は、保険商品により異なる
    補償される内容は、保険会社や商品によってプランも異なりますし、「〇〇疾患は補償されない」などが細かく決められている場合もあります。不安な場合は、どんな病気でも利用できる「フルカバー型」の保険がおススメです。
  • 目先の保険料に惑わされない
    保険選びには、やはり保険料が気になりますよね。ついつい、いまの年齢の保険料で比較したい気持ちになりますが、保険に加入するのは「今年だけ」ではないはずです。猫の平均寿命は15歳程度なので、将来の保険料や、生涯の保険料で考えるのが肝心です。
  • 今は安く見えても、将来2倍以上の差がでることも…
    例えば、1歳の頃はA社もB社も保険料が3万5千円(年間)程度だとします。しかし、15歳になる頃では、A社は5万8千円、B社は14万円と、大きな開きが出てくる場合があります。将来の保険料はパンフレットやHPには載っていない場合がありますので直接保険会社に問い合わせてみると良いでしょう。多くのペット保険は、加入年齢に制限があるので、その年齢になってからでは保険の見直しはできません。加入時にしっかり検討しておきましょう。
  • 比較する際のポイント
    保険会社を比較するときは、以下のポイントを意識するとよいでしょう。
    ・窓口精算(病院の窓口で保険が適用されるサービス)ができるかどうか
    ・重病になっても、その病気が継続時に補償されるか(契約の更新そのものができない場合もあるので、要注意)
    ・保険利用回数が、1年ごとの更新時にリセットされるか
    ・同じ病気で保険の利用ができなくなることはないか
    ・終身継続ができるか
    ・最低診療費の設定があるか

加入方法について

ペット保険に加入する方法は、書類あるいはインターネットによる申し込みの2タイプあります。書類とインターネットでは、補償開始時期が異なったり、保険料の支払方法が異なったりするので、自分に適した方法で申し込みましょう。

前述しましたが、インターネットによる申し込みの場合、割引が適用されることもあるので、お得感があるかもしれません。

猫のペット保険の比較

ここでは、主なペット保険会社3社の特徴を紹介します。

どうぶつ健保ふぁみりい/アニコム損害保険株式会社

全国約6,000件の動物病院で窓口精算ができる点が好評。猫の飼い主向けに猫専用ダイヤル(ニャンともあんしんサービスセンター)が設置されているもうれしいですね。

アクサダイレクト・ペット保険/アクサ損害保険株式会社

インターネットからの加入手続きで割引されたり、マイクロチップ装着で割引が適用されます。

ペット保険「うちの子」/アイペット損害保険株式会社

アニコム同様、動物病院での窓口精算が可能です。新規加入は12歳11ヶ月まで。

いかがでしょうか。それぞれに一長一短があるので、自分に合った内容のペット保険を選びましょう。

まとめ

病気やケガは、いつわが子の身にふりかかるかわかりません。病気になってから、ケガを負ってからでは遅いのです。何があっても、納得のいく治療をしてあげるためにも、ペット保険への加入を検討してみてはいかがでしょうか。

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【ニャンともあんしんサービスセンター】
0800-777-5625(ゴロニャーゴ)

※携帯電話・PHSからもご利用いただけます。
受付時間:平日9:30~17:30 / 土日・祝日9:30~15:30
アニコム損保のペット保険(http://www.anicom-sompo.co.jp/

監修獣医師

小川篤志

小川篤志

臨床医時代は、救急医療に従事。どちらかと言えば犬派のはず。だが、気づくとネットで猫の写真ばかり見ている自分に、ぶるぶると首を振る毎日。猫派への移籍も間近かもしれない。