眠る猫の画像

高齢期の猫に多い病気のひとつが「慢性腎臓病」です。完治が見込める病気ではありませんが、進行を遅らせるための手段はあります。ここでは、慢性腎臓病がどんな病気で、治療費にはいくらくらいかかるのか、また、予防について触れたいと思います。

猫の慢性腎臓病ってどんな病気?

ご飯を食べる猫
慢性腎臓病は、徐々に進んでいき、腎臓の機能の75%が障害されるまでは、目立った症状が見られません。気づいたときには、かなり重症になってしまっていることが多いのです。

慢性腎臓病の原因は?

原因は残念ながら、はっきりとしていません。危険因子として、高齢、急性腎不全にかかったことがあるかどうか、あるいはその他の泌尿器疾患(腎盂腎炎、腎結石・尿路結石など)にかかっていないかどうかなどが挙げられます。また、口内炎と腎疾患との関係性も一部で報告されています。

慢性腎臓病の症状は?

水をたくさん飲み、おしっこをたくさんする「多飲多尿」が、代表的な症状です。ほかに食欲低下、体重減少、嘔吐、脱水、貧血、口内炎などが一般的な症状です。

治療法は?

腎臓は、一度悪くなると元に戻すことができないので、慢性腎臓病を治すための治療はありません。いかに進行を遅らせるかがカギとなります。
初期の段階では、食事療法が最も重要です。水分補給も大事なので、新鮮な水を飲める環境を整えてあげましょう。

【関連リンク】
病気と上手く付き合おう(03) <慢性腎臓病について>|みんなのどうぶつ病気大百科

治療費はどのくらいかかるもの?

診察されている猫
では、治療費はどのくらいかかるものなのでしょうか。アニコム損保、猫の契約者の保険金請求状況から、平均的な治療費などを調査したところ、以下のような結果となりました。

<診療費>
・年間平均診療費:272,598円
・平均診療単価:9,329円

<通院>
・年間平均通院回数:15.2回

<入院>
・年間平均入院費用:119,223円
・平均入院費用単価:69,003円

<手術>
・年間平均手術費用:29,3571円
・平均手術費用単価:26,9107円
※対象:2017年度始期で契約開始した猫100,472頭(0~12歳)

上記のデータから、慢性腎臓病にかかると、1年に15回ほど通院をして、1年間の平均診療費は約27万円ということになります。ただしこれはあくまで平均の金額なので、場合によってはここまでかからないこともあれば、もっと高額な治療費が必要になる、ということもあるでしょう。
いざというときのために、貯金をしておくことも大事ですが、ペット保険に加入することも検討してみてはいかがでしょうか。

【関連記事】
猫のペット保険は必要?知っておきたい猫の保険のこと

慢性腎臓病になってしまったら?

完治が見込める病気ではないので、病気と上手につきあい、飼い主がしっかりサポートしてあげましょう。

慢性腎臓病の予防法は?

若い頃から、腎臓に負担をかけないような生活を心がけましょう。塩分が多い食べ物はあげない、水をいつでも飲める環境を整えてあげるといったことが大切です。また、口内炎と慢性腎臓病が関係している可能性を示す報告もあります。猫は歯周病や歯肉炎にもかかりますので、腎臓病予防のためだけに限らず、日頃から口腔内をケアをきちんとしましょう。
ちょっとした変化にも気が付けるよう、尿量やにおいは日ごろからチェックしてあげるとよいでしょう。

「病気やケガをする前に…」

病気やケガは、いつわが子の身にふりかかるかわかりません。万が一、病気になってしまったり、ケガをしてしまっても、納得のいく治療をしてあげるために、ペット保険への加入を検討してみるのもよいかもしれません。

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(※)鳥・うさぎ・フェレットは年齢別・性別のみ検索可能

監修獣医師

小川篤志

小川篤志

日本獣医生命科学大学を卒業し、2008年獣医師免許を取得。救急医療を専門に経験を積み、救急病院長などを歴任。2013年アニコムホールディングス株式会社に入社。獣医師や飼い主向けのセミナー講演、メディア取材などの実績多数。2020年より首輪型の猫見守りデバイス「Catlog(キャトログ)」(https://rabo.cat/catlog)を開発するRABO社に所属し、猫専門で活躍中。