掌で包まれる子猫

猫を里親でお迎えしたら、費用は無料?それともかかる費用はある?かかるとしたら、いくらくらい?などなど、里親に興味を持ったらその費用についていろいろと疑問が出てくることでしょう。そこで、里親になるための方法や流れと合わせて、費用について紹介します。

猫の里親になるにはどんな方法がある?

ケージの中に怖がっている子猫がいる

猫の里親になるには、さまざまな方法があります。どんな方法があるのかを知って里親情報を調べる際に役立ててください。

猫の里親とは?

保健所や動物愛護センター、NPO法人、ボランティアなどのもとで一時的に保護されている猫の新しい家族を里親といいます。保護されているのは何らかの理由で飼い主を失った猫や、外で負傷した野良猫などです。

猫の飼育頭数が増える一方で、家族をなくして行き場のない猫がいます。行政での猫の殺処分ゼロを目指すさまざまな取り組みが報道されるようになり、里親に興味を持つ方も増えてきました。

実際に里親になるには、いくつかの条件を満たすことが必要です。さらに審査もあり、時間をかけてお迎えすることになります。猫自身の費用はかかりませんが、一般的に「譲渡費」と呼ばれる諸経費を払います。

猫の里親になるには?どんな方法がある?

猫の里親になる方法として、譲渡会、里親募集型の猫カフェ(保護猫カフェ)、動物病院での募集などがあります。
譲渡会イベントとして開催され、保護された猫がいる会場に里親希望者が集まり、猫と対面して検討したうえで里親の希望を出します。希望を出したら面談、書類審査をして、当日に連れて帰れる場合もあれば、譲渡に1週間ほどかかることもあります。

里親募集型の猫カフェ
猫の保護活動を行う団体が運営している里親募集型の猫カフェでは、一般的な猫カフェと同様に猫とふれあって遊べるだけでなく、気に入った保護猫がいれば家族としてお迎えすることができます。保護猫カフェ、譲渡型猫カフェともいわれます。

動物病院
動物病院でも、猫を保護する団体や個人と提携して里親探しに協力していることがあります。

動物病院で里親募集をするのはどんなケース?

動物病院の里親募集は、その病院によって背景が異なります。動物病院が猫の保護活動を行う団体と連携して里親募集の情報を出しているケース、動物病院自体が猫の保護活動を行い里親募集しているケース、里親を探している個人に頼まれて情報を公開しているケースなどがあります。

里親になる条件は?

条件の詳細は保護している団体によって異なりますが、最低限の条件としては、下記のことがあげられます。
・完全室内飼育ができる
・猫を飼える家に住んでいる(持ち家、ペット可物件など)
・家族全員が猫を飼うことに同意している
・最後まで責任を持って飼い続けることができる
・かかりつけの動物病院を見つけ、必要な治療や予防を受けさせる
以上は猫を飼うために必要な条件でもありますが、このほかにも、万が一の場合に猫を引き受ける保証人がいること、猫の飼育経験があること、引越しや転勤の可能性がないことなどが条件となる場合もあります。また、審査のために身分証明書や源泉徴収書、預金残高証明書のコピーなどを提出することもあります。

里親になれるのはどんな人?

上記の条件が整っていても、留守にする時間が長い、ほかにペットを飼っている、赤ちゃんや小さな子どもがいる、などの場合は里親として認められないか、他の希望者が優先されることも。一人暮らしや高齢の方の場合はさらに条件が厳しくなり、保証人が必要なこともあります。

また、保護活動を行う側の趣旨を理解し、書類提出や面談、自宅の訪問に協力することも必要です。猫を保護している側が望むことは、猫の幸せな未来。里親に対して願うことは、その猫を一生責任を持って飼育し、家族の一員として大切にすることです。猫を保護した方は、たとえ一時的であっても、病気やケガの治療、心のケアをしながら、その猫がいつかまた家庭で幸せに暮らせるようにわが子同然にお世話をしてきたのです。

里親を探す側の立場に立って考えれば、猫がどんな家庭に迎えられるのか、その後にどう過ごしているのか知りたいと思うのも、よくわかるでしょう。里親を探しているのは保護した方の想いが込められた大事な猫です。その猫と出会えるまでに関わってきた他の方のことも思いやれる人、猫に対する想いや愛情を表現できて、人からも信頼される人が里親に向いているといえるでしょう。

里親として猫を迎えるまでの流れは?

じっとこちらを見ている猫

里親になる方法はさまざまですが、猫を迎えるまでの大まかな流れを見てみましょう。

お試しはできる?

成猫ではほとんどの場合、家族やほかのペットとの相性を見るため、里親になるか決定する前にお試し(トライアル)飼育をすることが可能です。中にはお試しが必須の場合もあります。ただ里親を募集している猫が子猫の場合は、環境の変化が負担になるためお試しはできず、そのまま引き取りになることが多いようです。

探す、出会う、団体と交渉

まずは地域で里親を募集しているところを探して、気になる譲渡会や里親募集型の猫カフェなどに行ってみましょう。インターネット上で直接里親を募集していて、保護猫のプロフィールを掲載しているケースもあります。いずれにしても、お迎えしたいと思う猫と出会ったら、次は保護団体との交渉です。交渉といっても、里親になる側は希望する猫を伝えて、後は団体側で決められている手続きに沿って、書類を提出したり面談をしたり、場合によっては自宅訪問やトライアル期間を経て、双方が合意すれば里親になることができます。

里親になったときにかかる費用は?

猫の里親になったら、猫自体の代金はかかりませんが、保護されている間に受けたワクチンや検査、去勢・不妊手術などの費用の一部を、譲渡費(譲渡の諸経費)として払うことがほとんどです。譲渡費の金額は保護団体によってまちまちですが、およその目安としては30,000~60,000円程度になります。また、迎え入れる際の猫の移動費用も一般的に里親の負担となります。

必要な検査や手術、ワクチンなどは保護されている間に済んでいることが多いので、保護猫を迎えてすぐに動物病院へ行くことはありません。ですが、慢性の病気があるなどの場合は、お迎えした後も動物病院へ連れていくことになります。

また、子猫の里親になった場合は、お迎えしてから去勢・避妊手術をすることになるので、手術費用を考えておくようにしましょう。

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お金がかかるのはどんなこと?

猫を飼うための飼育用品を揃えるのも里親です。お迎えした後は、生活費や医療費がかかります。フードはそれまで食べていたものと同じものを指定されることもあります。持病がある猫などには特別なフードの料金や医療費がかかることもあります。

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まとめ

猫の里親になるにはさまざまな方法があり、条件や譲渡費は保護団体によって異なります。お迎えした後の費用は、保護猫でも購入した猫でも変わりませんが、猫の健康状態によってはもう少しお金がかかることもあります。費用面もよく検討したうえで、猫の幸せを一番に考えて保護猫をお迎えしましょう。

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猫百科編集部

猫百科編集部

獣医師を含む猫の飼い主歴10年以上の編集者が集い、毎日、猫の「あるある話」に花を咲かせ、情報交換している。編集部員の面々は、猫との暮らしがより健やかに、よりハッピーになるよう正確な情報をお届けするため、自己研磨の毎日である。