まずはフードボールの準備
猫のフードボールとひとことで言っても、ペットショップには猫用のフードボールが何十種類も販売されています。猫にとって、ごはんを快適に食べることができるのは、どんな形のものなのでしょうか。また、どんなことに気をつけて選ぶのがよいのでしょうか?
どんなフードボールがいいの?
ポイント1 落ち着いて食事ができる形状のフードボールを選ぼう
一番優先して考えなければいけないのは、猫が落ち着いて食事ができるかどうか、ということでしょう。たとえば、が軽すぎるフードボールだと、食べている最中に動いてしまうことがあり、食べこぼしが増えてしまいます。
また、小さすぎるフードボールだと、猫のひげがお皿のふちにあたってしまいストレスを感じてしまうことがあります。ごはんを食べることに集中できるような形のものを選んであげることがとっても大事です。
ポイント2 素材を意識して選ぼう
フードボールの主な素材は、陶器、ステンレス、プラスチックの3つです。それぞれにメリット・デメリットがあるので、用途にあったものを選びましょう。
①陶器
メリット:しっかりと重さがあるため、ごはんを食べているときも器がずれない。汚れが落ちやすい。
デメリット:他の素材と比較すると、割れてしまう。
②ステンレス
メリット:陶器同様に汚れが落ちやすい。傷がつきにくい。
デメリット:形状によっては重量が軽いので、食べているときに動いてしまう。金属の匂いが嫌いな猫もいる。
③プラスチック
メリット:価格が安い。扱いやすい。種類が豊富。
デメリット:細かい傷がつきやすく、軽いため安定感がない。
あとは、猫の好みによるところも大きいので、いろいろと試してみるとよいでしょう。
猫の快適なごはんの鍵は“高さ”にあった!
実は猫にごはんをあげるときに、平らなお皿を床に置いてあげるのは間違い。理由は猫の体のつくりにあります。
猫の食道は口から胃までまっすぐなので、食器が低い位置に置いてあるとうまく飲み込めなかったり、吐き戻しをしてしまう可能性があります。また、ごはんを食べるときの前かがみの姿勢は、猫の足や腰などの関節やお腹に負担をかけてしまう可能性があります。
平らなお皿を使用する場合は、それを載せられる「台」を用意してあげましょう。すでにお皿自体に高さがあるものもあれば、お皿に高さを加えるための台がセットになっている場合もあります。
お水はボトルタイプ?お皿タイプ?
人間にとって水分が重要なように、猫にとっても水分は体を健康に保つためにとっても重要。お水はどんな風にあげるのがいいのでしょうか?
・お皿タイプ
陶器やステンレス、プラスチックの素材でできたお皿の形をしたタイプ。お皿タイプでお水をあげるときには、お水の中に食べかすやゴミやホコリが入ってしまわないように注意が必要です。
また、やんちゃすぎて、お皿にぶつかって倒してしまうような子の場合には、置き場所をよく考えてあげる必要があります。
・循環式自動給水タイプ
一度流れたお水が循環し、フィルターを通してきれいなお水となって回るタイプ。製品によっては、ポンプの音が気になってしまうものもありますが、近年静音タイプのものも販売されているので、商品の性能をよく確認しましょう。
多いものだと2リットルもの水をタンクに入れておくことができるので、普段仕事で家にいる時間が限られている場合や、長時間家を空けるときにも安心です。
お皿タイプと違って、ひっくり返してお水がこぼれてしまうという問題も、自動給水タイプなら解決。ただし、使い続けてしまうと汚れが溜まって不衛生な状態になってしまうことと、猫の性格によってはお水で遊んでしまう子もいるようです。わが子との相性を見て設置してあげましょう。
・ボトルタイプ
ボトルタイプの容器にお水を入れてケージなどの網にひっかけておくタイプ。猫によっては、ボトルタイプでお水を飲むのが苦手な子もいるので要注意。
ボトルタイプは、猫が飲んだ水の量を一目で管理できるということと、お水が空気に触れないので新鮮さをキープできるというメリットがあります。
お水はどれくらいあげたらいいの?
成猫に必要なお水の量は、体重1kgあたり50ml程度です。猫の祖先は、水が少ない砂漠に住んでいたため、その名残で水分をとらずにいても渇きを感じにくくなっているというわけです。
ですが、水を飲まない、もしくは水を飲みすぎているという場合には、なにかしらの病気の可能性があるかもしれません。子猫のころから、わが子が1日にどれだけの水を飲んでいるかを、しっかり管理しておくとよいでしょう。
万が一のときに備えて…
2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震、2018年の西日本豪雨など、日本は世界でも有数の災害大国。万が一の災害のときに、わが子と一緒に避難し、お水を飲んでくれるかどうかが重要なポイントになります。循環自動給水タイプやボトルタイプだけに慣れていると、いざというときにお水を飲まない可能性が。普段から、お皿タイプでお水を飲むことに慣れさせておく必要もあります。
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ごはんの回数は?
猫は、1日に何回も狩猟をしてその度に食べるという修正があるので、少ない量を1日に2~3回に分けてあげるのが正しいあげ方。猫の場合、あげた量をすべて食べきらないということもしばしば。これは猫がそもそも好きな時に自分が食べたい量を食べるという習性があるからこその行動。ドライフードであれば、そのまま置いておいてもそれほど差し支えありませんが、ウェットフードの場合は残ったごはんは片付けるようにしましょう。
子猫のときのごはんはどうしたらいい?
子猫のときは、キャットフードをあげてはいけません。産まれてから2週齢頃までは、通常、お母さん猫からの母乳を吸って栄養をとっています。また、母乳の中には子猫に必要な移行抗体(病原体から体を守る働きの免疫のこと)が含まれています。
離乳期とよばれる生後3~6週に入ると、乳歯が生え始めます。乳歯が生えてくると、子猫はミルク以外のごはんを食べられるようになります。ただしまだ歯が揃っていないので、ドライフードをふやかしたり、ウェットフードにミルクを混ぜたりなどの工夫が必要です。生後1か月が経つと、普通のごはんを食べられるようになります。
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成猫のときのごはんはどうしたらいい?
ペットショップなどで猫のごはんを買おうとすると、あまりの種類の多さに圧倒されてしまいますよね…。さまざまなメーカーがありますし、年齢、猫種、病気などの悩みから、わが子にぴったりのごはんを探すのは至難の業です。
フードのタイプは大きく分けて2種類。ドライフードとウェットフードがあります。
ドライフードは“カリカリ”と呼ばれており、水分含水量が非常に少ないフードです。水分が少ないので、保存はしやすいですが、水を飲むのが苦手な猫にはおすすめしません。
一方ウェットフードは、水分量が非常に多く、水を飲むのが苦手な猫でもごはんと一緒に水分をとることができます。ドライフードに比べると、食べカスが歯に残りやすいのでごはんのあとはできるだけ歯磨きをしてあげるようにしましょう。
シニアのときのごはんはどうしたらいい?
7歳を超えてシニア期に突入すると、ごはんだけなく体にも変化が出てくるでしょう。今まで成猫用のごはんを食べていた猫も、7歳を超えたらシニア猫用のごはんに切り替えましょう。シニア用のフードは、年齢を重ねていくごとに失われていく栄養素を毎日のごはんで補うことができます。
また、高齢になると内蔵機能が衰えてくるためたんぱく質が少なめのものを選んであげましょう。
わが子が抱えている病気や、病歴などを総合してフードを選ぶことも大切ですので、病気の猫にあげるごはんに関しては、動物病院に相談するのも手です。
適切なごはんの量や回数を守って、健康な日々を送りましょう。
猫が食べるごはんの量や飲む水の量に、いつもと違う変化があらわれたら、それは病気や異常があるときの大切なサインです。特にごはんの種類を変えたときには、わが子がしっかりと食べているか、食べたあとに異常はないか、食べたあとのうんちはどうか?など、確認しておくとよいでしょう。
わが子が、毎日健康でいられるように、まずは食事面から見直していきたいですね。
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病気になる前に…
病気はいつわが子の身にふりかかるかわかりません。万が一、病気になってしまっても、納得のいく治療をしてあげるために、ペット保険への加入を検討してみるのもよいかもしれません。