バーマンを撫でている画像

愛猫のお手入れをすることには、うれしいメリットがたくさんあります。まず、身体を清潔に保つことで、健康維持につながります。さらには、身体を触ることで異常の発見ができる、要は、病気の早期発見につながるのです!そしてなんといっても、愛猫と大切なスキンシップの時間を過ごすことができます。猫は自分で上手に毛づくろいをしますし、ブラッシングや爪切りが苦手な猫もいるかもしれませんが、愛猫の健康を守るためにも毎日少しずつお手入れをすることが大切です。ブラッシングや爪切り、目・耳・鼻・歯・肉球のお手入れのポイントをご紹介します。

愛猫のお手入れをしよう!

猫はきれい好きなどうぶつで、自分で上手に毛づくろいをします。お手入れする必要ある?と思う飼い主もいるかもしれませんが、お手入れをすることは必要です!猫自身では手が行き届かない部分もありますし、年齢や性格によっては、あまり自分でお手入れをしない猫もいます。愛猫に健康で長生きしてもらうために、日ごろのお手入れを欠かさないようにしましょう。

お手入れのメリット

お手入れをすることで得られるメリットは以下の通りです。

・ 猫の身体を清潔に保ち、健康維持につながる
・ 身体を触ることで異常の発見ができ、病気の早期発見につながる
・ スキンシップにもなり、コミュニケーションをとることができる
・ 日ごろから身体を触っておくことで、健康な時の身体の状態を知ることができる

注意点

身体を触られるのが苦手な猫もいます。嫌がる場所は無理に触らないようにしてください。無理はせず、毎日少しずつ行うようにすることが大切です。

ブラッシングをしよう

ブラッシングされた猫
猫はきれい好きな動物です。自分の舌を使い、身体をなめて毛づくろい(グルーミング)をします。さまざまな格好で毛づくろいをしますが、どうしても行き届かないところもあります。また、年齢を重ねたシニアの猫は毛づくろいをしなくなったり、そもそも毛づくろいをしない猫もいます。その他にも、口内炎などが原因で毛づくろいをしなくなることもあります。そんな猫のためにも、飼い主がお手入れをするのはとても大切なことです。

ブラッシングのメリットは?

ブラッシングのメリットは以下の通りです。

・血行がよくなる
・抜け毛を取り除き、空気の層を作ることで体温調節に役立つ
・皮膚病予防につながる
・余分な抜け毛を取り除くことで、胃の中で毛玉ができるのを防ぐ

ブラッシングの仕方は?適切な頻度は?

最初は、毛並みに沿って、身体全体にブラシをかけます。次に逆毛をたてるようにブラッシングをしてください。最後に、コームを使い、細かい部分の毛を整えます。大切なポイントは、力をいれず、優しく行うことです。首やお腹など、特に優しく行ってあげてください。

ブラッシングをする適切な頻度は、長毛種と短毛種で異なります。短毛種は無理に毎日行う必要はありません。長毛種はどうしても毛がからまって、毛玉ができやすいため、毎日行うのが理想的です。
長毛・短毛に関係なく、以下のような状態が見受けられたらブラッシングをしてください。

・手ぐしがすっと通らなくなった
・被毛を調べると毛玉がわかる

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爪切り

猫の手
ちょっと爪切りをしないでいると、あっという間に針のような爪先になってしまう猫の爪。爪とぎをするものの、それだけではどうしても鋭いままになってしまいます。鋭いままだと、どこかに引っかかって指をケガする危険や、猫自身や飼い主さんを傷つけてしまう可能性もあります。その他にも、巻き爪になったり、病気の原因になることもあるので、しっかりお手入れをしてあげてくださいね。

爪切りの仕方は?適切な頻度は?

肉球を軽く押して、爪を出してしっかり固定。内側のピンクの部分が血管なので、血管から先2mm程度は残すようにしてください。一気に切ろうとするのは危険です。

猫の年齢によって、爪の伸びるスピードが異なるので、爪切りの適切な頻度は違ってきます。成猫であれば月に1回程度が目安です。日ごろからチェックをして、必要に応じて爪切りをしてあげてください。

爪切りが苦手な猫はどうしたらいい?

1回で全部の爪を切ろうとせず、日ごろから細めにチェックをし、鋭くなった爪をちょこちょこ切る方法がおすすめです。また、子猫のうちから爪切りに慣れさせてあげるとよいです。成猫から迎えた場合は、少しずつゆっくり慣れさせてあげましょう。爪切り後のご褒美も忘れずに!どうしても難しい場合は動物病院へ連れていきましょう。

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目のお手入れ

目のお手入れをされている猫
猫が嫌がらなければ、まぶたをそっと引っ張って、まぶたの内側、瞳の色、目の表面に傷がないかなどチェックしてあげてください。

目ヤニはどんなふうに拭いてあげたらいいの?頻度は?

目の周りも、猫は自分でグルーミングをします。それでも、乾燥してこびりついたような目ヤニがついてしまうときもあるので、水かぬるま湯で湿らせたガーゼかコットンを使い、優しく拭き取ってください。この時、目元を傷つけないように注意しましょう。指を使ったり、無理にはがし取ろうとしないでください。また、直接目を触らないようにも気を付けましょう。目ヤニが付いていることに気づいたときだけ、ふいてあげれば大丈夫です。

こんな症状はすぐに病院へ!

もし、以下のような症状が見られたら、病気の可能性もあります。早めに動物病院へ行くようにしましょう。

・目を開けない
・瞳の色がいつもと違う
・目やにの色がいつもと違う

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耳のお手入れ

耳を掻いている猫
耳のお手入れは、見える範囲だけにしましょう。立ち耳の猫は、風通しもよく、汚れもすぐにわかります。スコティッシュ・フォールドなどの折れ耳の猫は、特に気を付けてあげてください。

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耳掃除の仕方は?適切な頻度は?

コットンやガーゼを水かぬるま湯で湿らせ、見える範囲の汚れを優しく拭き取ってください。耳の奥の見えない部分を無理に掃除しようとすると、耳道を傷つけたり、汚れを押し込んでしまうことがあるので、おうちではしないようにしましょう。健康な猫であれば、耳掃除は「気になったときだけ」すれば大丈夫です。詳細な方法は以下の記事を参考にしてみてくださいね。

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こんな症状はすぐに病院へ!

もし、以下のような症状が見られたら、病気の可能性もあります。早めに動物病院へ行くようにしましょう。

  • 普段と違って耳の立ち方が左右対称ではない
  • 耳を伏せたまま
  • 普段よりもにおいがある
  • 耳の中の汚れが普段よりもひどい

鼻のお手入れ

猫の横顔
小さくてかわいいお鼻ですが、たまに汚れがついてしまっているときはありませんか?鼻の中の汚れまで取る必要はありませんが、鼻の外についてしまった汚れは優しく拭きとってあげてください。

鼻のお手入れの仕方は?適切な頻度は?

目と同様、猫は自分でグルーミングをしてきれいにします。それでも、乾燥してこびりついたような汚れがついてしまうときもあるので、水かぬるま湯で湿らせたガーゼかコットンを使い、優しく拭き取ってください。指を使ったり、無理にはがし取ろうとしないでください。汚れが目立つときに拭いてあげれば大丈夫です。

こんな症状はすぐに病院へ!

もし、以下のような症状が見られたら、病気の可能性がもあります。早めに動物病院へ行くようにしましょう。

・ 鼻水が濁っている(健康時の鼻水は透明です)
・ くしゃみ、鼻水が多くなった
・ 鼻血がでている

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歯のお手入れ

歯ブラシをかじっている猫
ドライフードの方がウェットフードと比べてお口の中に食べかすが残りにくく、歯垢や歯周病の原因となりにくいです。猫の好みにもよりますが、ドライフード中心の食生活の方がお口の衛生環境を保ちやすくなります。歯垢を放置すると、歯石に変わってしまいます。歯石がたまると歯肉炎や歯周炎などのいわゆる「歯周病」の原因になります。日ごろから歯のお手入れの習慣をつけられるといいですね。

歯磨きの仕方は?適切な頻度は?

ヘッドの小さい猫専用歯ブラシを歯の根元部分に対しておよそ45度の角度で当て、小刻みに揺らすようにして磨いてください。歯ブラシが歯肉に当たって傷つけてしまうこともあるので、力を入れすぎないように十分注意してください。歯ブラシを嫌がる猫も多いので、その場合は歯磨きシートで拭いてあげるとよいでしょう。2~3日に1回を目安に行ってください。

歯磨きの方法の詳細については、以下の記事を参考になさってください。

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猫の歯磨きのやり方、歯周病や歯石を予防するために正しい方法で!

こんな症状はすぐに病院へ!

もし、以下のような症状が見られたら、病気の可能性もあります。早めに動物病院へ行くようにしましょう。

  • 歯石が多く付着している
  • 歯がぐらぐらしている
  • 歯が抜ける
  • 口臭が強くなった
  • よだれがたれる
  • 食べるのをためらう、途中でやめてしまう

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肉球ケア

ぷにぷにで、とってもかわいい肉球!見ているだけでも癒されますが、触るとさらに癒されますよね。そんなかわいい肉球ですが、猫にとって大事な役割を果たしている部位で、お手入れも必要となります。

肉球の役割とは?

肉球があることによって、歩く時の滑り止め効果や、走ったりジャンプしたときの衝撃から負担を和らげる効果があります。

肉球ケアの仕方は?適切な頻度は?

肉球の間にゴミなどが挟まっていないかチェックしてあげてください。また、肉球が乾燥してガサガサになってしまっていたら、猫専用の肉球クリームなどで保湿してあげてください。頻度は猫にもよりますが、月に1回くらいを目安にチェックしてあげましょう。

長毛種の場合は、肉球の間の毛もカットしてあげてください。毛が伸びてしまうと歩くときに滑りやすくなってしまいます。

大事な愛猫に健康で長生きしてらうために

どのお手入れをするにも、その猫の年齢や性格にあわせて、優しくしてあげるようにしてくださいね。大事な愛猫に健康で長生きしてらうためにも、日ごろのお手入れを心がけてください。お手入れをすることでスキンシップを重ね、愛猫との距離をもっともっと縮めましょう。

愛するペットと末永く健やかに暮らしたい

可愛い愛猫にはできるだけ元気で、一緒にいてほしい…。それが家族の一番の願いではないでしょうか。ただ、どんなに強く願っていても、いつ何が起きるかは誰にもわかりません。万が一、何かがあったとき、守ってくれるお守りのようなものがあったら安心ですよね。それが「保険」です。「もしも」を防ぎ、「もしも」に備える「予防型ペット保険」をご存じですか。愛するわが子のために、検討してみてはいかがでしょうか。詳しくはこちらをご覧ください。

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監修獣医師

別府雅彦

別府雅彦

北海道大学獣医学部を2009年に卒業。学生時代は野生動物学教室でクマのフェロモンに関する研究を行う。卒業後は神奈川県の地域中核病院に勤務。脊椎外科や整形外科を中心に、ワンちゃんとネコちゃんの医療に従事。アメリカ獣医内科学会など、学会での発表も行う。信念はどうぶつと飼い主さんが主人公の物語をお手伝いすること。信念を日本に、世界に広げるべく活動中。