
パグはなんと言っても、つぶれたような短い鼻、つぶらな瞳に額のシワがなんともチャーミングな小型犬です。パグのかわいさにハマってしまう人も多いと思いますが、パグの魅力はそれだけではありません。歴史や性格とあわせてパグの魅力をお伝えします。
パグってどんな犬種?
パグは「短頭種」といわれる種の1種で、その名の通り頭(鼻)の短い種類のことです。
短頭種には、パグの他にもフレンチ・ブルドッグや、シー・ズー、狆(ちん)などがいます。ブタのようにブーブー鳴いたり、眠るときにいびきをかくところもまた、短頭種ならではのかわいさです。
小さな体は引き締まっていて、垂れた耳、くるりと巻いたしっぽもパグの特徴です。
愛玩犬として古くから飼われ、今でも人気があり、アニコムの人気犬種ランキング2022でも14位にランクインしています。
パグのサイズは?
パグは小型犬に分類されます。
体高は25〜28cmほどで、体重は6〜8kgになります。
性格は?

愛玩犬として長く人と過ごしてきたパグは、陽気で人に対しても他の犬に対しても友好的に接することができます。攻撃性も低く、人と一緒にいることが好きな犬種なので、子どもがいる家庭でも飼いやすい犬種といえます。
被毛・毛色について
パグの被毛はスムース・コートと呼ばれる短くツヤのある毛質で、手触りはなめらかです。抜け毛が多いので、短毛とはいえ週に2回はブラッシングをしましょう。
毛色は、シルバー、アプリコット、フォーン、ブラックがあり、後頭部からしっぽにかけてある黒い線(トレース)やマスク(顔、口の周りの部分)は明瞭である方がいいとされています。
・シルバー:銀色でややグレーがかった色
・アプリコット:赤みをおびた黄色
・フォーン:金色がかった茶色
寿命はどれくらい?

アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると、パグの平均寿命は12.6歳です。犬全体の平均は14.1歳なので、やや短いことがわかります。
しかし、ここ数年でフードも色々なものが出ていますし、医療も進んでいるので、寿命はあくまでも目安とし、飼育環境や運動など気を使って、少しでも愛犬と長く一緒にいられるといいですよね。
気を付けたい病気

前述もしましたが、パグの魅力でもある短い鼻は、呼吸がしづらくガーガーというような呼吸音が出やすいです。呼吸がしづらいため、体温調節も苦手なので夏の暑い時期の散歩や運動は避けるようにしましょう。
また、アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると、「軟口蓋過長症」「肥満細胞腫(皮膚)」「毛包虫症」「乾燥性角結膜炎」「角膜炎」「腫瘍」「外耳炎」「皮膚炎」などが他の犬種に比べ罹りやすいです。 健康体であっても定期的に、動物病院へ健康診断に行くようにしましょう。
お世話について
しつけ
プライドが高い一面があり、物覚えは早いので、子犬のうちからしっかりしつけをしましょう。
散歩
愛玩犬とはいえ、運動量はたっぷり必要です。毎日のお散歩や遊ぶ時間を大切にしましょう。ただ、短頭種なので、暑い時期には注意が必要です。呼吸の調子は大丈夫か確認するようにしましょう。また、暑さ対策も忘れずに、お散歩の時間も工夫して過ごしたいです。
ブラッシング
パグはダブルコートで抜け毛が多いです。抜け毛をそのままにしていると皮膚病などの原因になるので、週に1度を目安にブラッシングをしてあげると良いでしょう。
しわのお手入れ
パグの特徴でもある顔のしわは、とても可愛らしいですが汚れが溜まりやすく定期的にお手入れしてあげる必要があります。最低でも週に一度はタオルやガーゼでお手入れし、清潔に保ちましょう。シャンプーをした場合は、しわの部分まで乾かしてあげましょう。
特に夏場は蒸れて汚れが溜まりやすいので、皮膚病などに繋がらないよう、十分注意してあげてください。
フード

成長段階に合わせた、犬用の「総合栄養食」と表記されているものを選びましょう。よく食べていい便をするフードをあげてください。
パグには「みんなのごはん 全犬種」がおすすめです。「みんなのごはん 全犬種」には「パピー用」「アダルト用」「シニア用」があるため、年齢にあったものを選ぶことができます。一方で疾患などがある場合、かかりつけの先生に相談して、疾患にあった専用のフードを与えるようにしましょう。
1回の食事はどれくらい与えればいい?
適切な食事量はフードの種類によって異なるので、フードの説明書をよく読んで与えるようにしましょう。成犬は1日2回程度に分けて与えるのがおすすめです。消化機能が未発達な子犬のうちは、基本的に1日3回にしてあげると安心です。
お迎えの方法
人気のパグは多くのペットショップで迎えることができます。しかしながら、ペットショップではどんな親犬から生まれた子犬かを把握することは難しいです。性格や気質については親犬の情報を知ることが必要です。
ペットショップ
人気のパグは多くのペットショップで迎えることができます。しかしながら、ペットショップではどんな親犬から生まれた子犬かを把握することは難しいです。性格や気質については親犬の情報を知ることが必要です。
ブリーダー
ブリーダーさんは親犬を飼育し繁殖をしているため、親犬の性格や気質をよく理解しています。親犬に会えるようなら、実際に大きさや性格に注目してみると良いでしょう。もちろん最後は子犬を直接見て、相性の良い子を迎えたいですね。繁殖のタイミングは年に1回、多くて2回です。迎えたい!と思ったときに子犬がいない場合もあります。予約待ちの人気のブリーダーさんもいるので調べてみると良いでしょう。
※アニコムグループの(株)シムネットが運営する『みんなのブリーダー』へ移動します。
里親
最近は「せっかく犬を迎えるなら、保護犬の里親になりたい」と考える方が多くなってきたようです。譲渡会の情報もチェックしやすくなってきました。出会えるのは必ずしも子犬とは限りませんが、こうした譲渡会や里親募集でミニチュア・ダックスフンドと出会える機会もあるかもしれません。
お迎えの費用は?
パグの子犬を迎えるにあたってかかる費用は、ペットショップの場合は平均35万~50万円程度、ブリーダーの場合は、30万円~40万円程度です。ショップやブリーダーによっても値段に差があります。
年間の飼育費用は?
2021年度のアニコムの調査によると、小型犬は年間で33万円程かかっているようです。病気やケガをした場合にはさらに医療費がかかる場合もあるので、金銭面の備えが必要です。
フード・おやつの費用
パグのような小型犬で最も大きな支出は「フード・おやつ」で約5.8万円になっています。
診療費用と保険料
「フード・おやつ」と同じくらい大きな支出が「病気やケガの資料費」で5.8万円、そして「ペット保険料」が4.6万円となっています。「ワクチン・健康診断等の予防費」が3.2万円で、あわせて年間約13万円が病院の受診や保険など、健康維持のために必要とされていることがわかります。
その他の費用
その他に「シャンプー・トリミング費用」(5.6万円)、「日用品」(1.4万円)、「洋服」(1.4万円)等が主な支出となっています。
パグの歴史

パグの歴史は古く、紀元前400年の東洋にその起源があると考えられています。原産国は、中国だと言われています。2000年以上前からパグに似た短頭の犬が、宮廷内で大切に飼われていました。
1500年代にはオランダの東インド会社の船乗りと共に、ヨーロッパへ渡りました。
そして、パグの人気のきっかけには、オランダのオラニエ公ウィリアム王子の命を救ったことが大きく影響しています。スペインとの戦争時、野営地がスペイン軍から奇襲された際、一緒に寝床にいたパグがいち早く異変に気が付き、吠えて知らせ、そのおかげでウィリアム王子は命を救われたと伝えられています。
その後ウィリアム王子が亡くなってからもパグの人気は衰えることなく、富裕層に大変人気のあったパグは、ナポレオンの妻ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネなどに愛され、大切に育てられていたことが記されています。
1877年まではフォーン(金色がかった茶色)の毛色のみでしたが、その年からペアのブラック色も紹介されました。
そして、1885年AKCに認定され今なお、パグの人気は続いています。
名前の語源は?
ラテン語の「パグ」(にぎりこぶし)という言葉からきています。頭部がにぎりこぶしの形に似ていることから、そう呼ばれました。
パグと楽しい生活を

愛嬌たっぷりでかわいい見た目に、性格も陽気で友好的と魅力がたっぷりなパグ♪ これからお迎えを予定している方も、既に一緒に生活している方も、パグのことをもっともっと知ることで、今よりさらに楽しい生活を送ってくださいね。
