秋田犬は忠犬ハチ公で知られるように、非常に忠誠心が高く愛情深い犬種です。大型犬でありながら、おっとりとした表情やふわふわな毛並みから、優しさや癒しを感じる人も多いのではないでしょうか?日本のみならず海外でも人気を誇る秋田犬ですが、性格や飼い方について紹介します!

歴史

秋田の地域に在来した、クマ猟犬(マタギ犬)が現在の秋田犬の祖先にあたります。

闘犬が流行した一時期、よりたくましい犬とするべく交雑が行われ、大型化しました。

その後、1919年になると天然記念物法が発令されたことで、日本犬を残そうという保存の動きが高まり、秋田犬においても秋田犬の特徴を再び作り出すという懸命な努力が行われ、1927年には、「秋田犬保存会」が設立されるなどの歴史を経て、1931年に国の天然記念物として指定されました。

あの”ハチ公”も秋田犬

渋谷のランドマークでもある“ハチ”も秋田犬でした。

ハチは飼い主である、東京帝国大学農学部教授・上野英三郎博士が亡くなったあとも、毎日渋谷駅へ通い、博士の帰りを待ち続けたことで有名です。
ハチが上野博士と出会ったのは1924年。まだ生後50日ほどだった幼い秋田犬は、当時渋谷に住んでいた上野博士に迎えられ「ハチ」と名付けられました。一緒に食事をし、博士を送り迎えするほど絆を深めたふたりでしたが、一緒にいられたのはわずかな時間でした。博士が翌年、仕事に行ったまま帰らぬ人となってしまったのです。
ハチは代々木の知人の家に預けられることになりましたが、博士の帰りを待つように毎日、渋谷駅に通っていたといいます。

その姿が新聞に取り上げられたことなどで有名になり、人々の募金などによって渋谷駅前に1934年、銅像が建てられたハチでしたが、その翌年に息を引き取りました。
その命日は3月8日でしたが、「忠犬ハチ公銅像及び秋田犬群像維持会」により、1ヶ月後の4月8日が「忠犬ハチ公の日」として定められました。今でもこの日に慰霊祭が執り行われています。
渋谷駅の他にも、ハチの出身地である秋田県の大館駅、博士の出身地である三重県の久居駅や、都内の東大本郷キャンパスに銅像が、また、国立科学博物館には剥製標本が作られており、日本の様々な所で愛されていることがわかります。

特徴

秋田犬は日本原産の犬種で、6犬種いる日本犬の中でも1番大きな体をしています。 海外でも人気のある秋田犬ですが、太平洋戦争後にアメリカ人が秋田犬を連れ帰り、独自に繁殖を進めたため、現在は「アメリカン・アキタ」として秋田犬とは区別されています。

性格

性格は、落ち着きがあり主人にとても忠実で、愛情深いです。一方で、感覚が鋭敏で小さな物音にも反応して吠えがちな面もあります。猟犬や番犬としては好ましい性質ですが、家庭で飼育するには子犬の頃からしっかりと吠えのしつけをすることが大切です。

大きさ

秋田犬は大型犬に分類されます。大きさは

  • 男の子:体高64cm〜70cm
  • 女の子:体高58cm〜64cm
で、体重は34kg〜50kgになります。

美しい体型

秋田犬は尖った耳とくるりと巻いた尾を持ち、体つきはどっしりと頑丈で、風貌や動作も力強いです。日本犬の中で最も美しい体型と言われていて、体高と体長の割合が10:11と均整のとれた体つきをしています。

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被毛と毛色

秋田犬というと茶色と白色の毛並みを想像する方も多いかと思いますが、他に「虎」「白」「胡麻」といった毛色もいます。一番多く見られる茶色と白色の毛色を「赤」と表現します。「白」の毛色以外は、お腹などの下面は淡く白っぽくなっている「裏白」になっているのが良いとされています。

犬の被毛には、皮膚を保護する硬い毛質のオーバーコート(上毛)と、体温を調節するふわふわとしているアンダーコート(下毛)の2種類があります。秋田犬はオーバーコートとアンダーコートの両方を持つ「ダブルコート」です。寒さには強いですが、暑さには弱い一面を持っています。温度管理など、特に気を付けてあげましょう。

秋田犬を飼うコツ。住環境や日々のお世話

集合住宅、一軒家での飼い方

・集合住宅の場合
まずはペットの飼育が認められている物件であることが最低条件となります。「ペット可」の住宅でも「小型犬か猫」などの条件がついている場合もあるので、大型犬である秋田犬を飼えるか確認が必要です。

集合住宅の場合、他の住民に迷惑をかけないようにマナーを守ることが大切です。特に鳴き声はトラブルにつながりやすいので、無駄吠えをしないようにトレーニングを行いましょう。エレベーターなどの共有スペースに抜け毛を残さないような配慮も必要です。

・一軒家の場合
集合住宅に比べると、他の住宅と距離があるため飼いやすいといえるでしょう。 大きな部屋や庭がある場合は、秋田犬が運動できるスペースや導線を確保してあげましょう。

お世話について

・しつけの方法
体が大きい分、じゃれたり飛びついたりしただけで他人にケガをさせる可能性があります。子犬の頃から、飼い主の言うことを聞くようにしっかりトレーニングしましょう。また、警戒心が強い犬種だと言われているので、小さい頃から色々な人や物に慣れさせるようにしましょう。

・散歩
猟犬として活躍していたので、十分な運動量が必要です。1日2回、30分程度を目安に散歩に連れていってあげましょう。暑さに弱いので、夏場は朝晩の涼しい時間帯に行くようにして熱中症を予防しましょう。

・ブラッシング
毛量が多くダブルコートの犬種なので、抜け毛は多いです。週に1度を目安にブラッシングをしてあげると良いでしょう。また、春から夏と秋から冬にかけて年に2回ある換毛期は抜け毛が増えます。抜け毛を放置すると皮膚病の原因にもなるので、この時期は特に念入りにブラッシングをしましょう。

・トリミング
基本的にトリミングは必要ありません。日頃のブラッシングをしっかり行ってあげましょう。

・歯磨き
歯磨きは毎日行うのが理想です。歯磨きをしなければ歯垢・歯石がたまり、歯周病になりやすくなります。 歯磨きが嫌いにならないよう、子犬の頃から歯や口の周辺を触ることに慣れさせましょう。歯ブラシをどうしても嫌がる場合は、歯磨きガムやシートを使うことも考えましょう。

・耳掃除
汚れがない場合は基本的に必要ありません。汚れがついている場合は優しくふき取ってあげましょう。

食事は何をあげれば良い?

フード

成長段階に合わせた、犬用の「総合栄養食」と表記されているものを選びましょう。よく食べていい便をするフードをあげてください。秋田犬には「みんなのごはん 全犬種」などがおすすめです。「みんなのごはん 全犬種」には「パピー用」「アダルト用」「シニア用」があるため、年齢にあったものを選ぶことができます。一方で秋田犬は皮膚疾患や、アレルギーが多いので、その場合は、かかりつけの先生に相談して、疾患にあった専用のフードを与えるようにしましょう。

1回の食事はどれくらい?

適切な食事量はフードの種類によって異なるので、フードの説明書をよく読んで与えるようにしましょう。成犬は1日2回程度に分けて与えるのがおすすめです。消化機能が未発達な子犬のうちは、基本的に1日3回にしてあげると安心です。

費用について

お迎えの費用は?

大型犬である秋田犬の子犬はペットショップで扱っている頭数が多くないので、ブリーダーからお迎えする方が良いかもしれません。この場合、お迎え費用は10万円~20万円程度です。ブリーダーによって価格に差があります。

年間の飼育費用は?

2022年のアニコムの調査によると、秋田犬のような大型犬は年間で52万円程かかっているようです。病気やケガをした場合にはさらに医療費がかかってきます。飼い主として金銭面の備えもしましょう。


・フード・おやつの費用
調査によると、最も大きな支出は「フード・おやつ」で、年間約13.2万円になっています。

・診療費用と保険料
「フード・おやつ」に続く大きな支出として「ペット保険料」が5.6万円、「病気やケガの治療費」が6.9万円となっています。「ワクチン・健康診断等の予防費」が3.9万円で、年間約16.4万円が病院の受診や保険など、健康維持のために必要なことがわかります。

・その他の費用
その他に「シャンプー・トリミング費用」(5.5万円)、「交通費」(4万円)「しつけ・トレーニング料」(3.8万円)などが主な支出となっています。

お迎えの後に必要な費用は?

お迎えした後にワクチンなどで必要な費用は、混合ワクチン・狂犬病ワクチン・自治体登録料・フィラリア予防を合わせると6万円程度になります。

寿命について

雪の中を走る秋田犬

アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると、秋田犬の平均寿命は11.5歳となっています。大型犬の平均寿命は11.5歳なので平均的であるといえます。

しかし、ここ数年でフードも色々なものが出ていますし、医療も進んでいるので、寿命はあくまでも目安とし、飼育環境や運動など気を使ってあげるといいでしょう。相当な運動量を必要とするため、毎日のお散歩はしっかりと行きましょう。他犬種に比べ、身体も大きく体力もあるので、しっかりと運動させることが大切です。

秋田犬が特に気を付けたい病気は?

秋田犬が気を付けたい病気には以下のようなものがあります。

また、秋田犬含め日本犬は皮膚疾患になることも多いので、気温や湿度、ノミ・ダニなどにも特に注意し、ブラッシングや触れ合うときに皮膚に異常がないか見てあげるようにしましょう。

秋田犬を家族の一員として迎える方法

ペットショップ

大型犬である秋田犬は、ペットショップでの扱いが多くないので、事前に確認してから行くとよいでしょう。

ブリーダー

ブリーダーさんは親犬を飼育し繁殖をしているため、親犬の性格や気質をよく理解しています。親犬に会えるようなら、実際に大きさや性格に注目してみると良いでしょう。もちろん最後は子犬を直接見て、相性の良い子を迎えたいですね。

繁殖のタイミングは年に1回、多くて2回です。迎えたい!と思ったときに子犬がいない場合もあります。予約待ちの人気のブリーダーさんもいるので調べてみると良いでしょう。

里親

事情があって飼えなくなった、または保護された秋田犬の里親になる場合、注意したい点があります。秋田犬は攻撃的な一面があることが知られています。

また、家族以外の他人への人なつこさや愛情要求は低い傾向が見られる犬種でもあります。大型犬のため、その子にとってはちょっとした動きでもケガにつながる恐れもあります。初めて犬を飼う人は、秋田犬の里親になるのを避けたほうが良いでしょう。もちろん、そうでない子もいますが、里親になったけれども、飼いきれないと犬も人も不幸になります。

秋田犬の性質をよく知り、それでも秋田犬が良いという方にぜひ一緒に暮らしていただきたいです。

さいごに

日本だけでなく海外でも愛されている秋田犬。日本犬で最初に天然記念物として指定されたり映画の題材になったりと、歴史ある犬種です。現在は、番犬や猟犬として活躍する場は減りましたが、家庭犬として愛され親しまれている犬種です。昔も今も変わらない飼い主に忠実な心を持ち、良き友として、良き家族としてそばにいてくれる存在です。

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ライター

犬百科編集部

犬百科編集部

犬の飼い主歴10年以上の編集者が集い、毎日、犬の「あるある話」に花を咲かせ、情報交換している。編集部員の面々は、犬との暮らしがより健やかに、よりハッピーになるよう正確な情報をお届けするため、自己研磨の毎日である。