ボストンテリアは、鼻ぺちゃで愛嬌のある顔立ちをしていますが、実はその容姿と持ち前の性格から「アメリカの紳士」とも呼ばれています。なぜそう呼ばれているのか、ボストンテリアの歴史から気を付けたい病気まで解説します。
ボストンテリアってどんな犬種?
大きな耳と短いマズル、身体は小さいですが華奢ではなく筋肉質な体をしています。闘犬の血を継いでいますが、とてもフレンドリーであることもこの犬種の魅力の一つと言えるでしょう。
また、体重によって3サイズに分けられる珍しい犬種でもあります。
歴史

ボストンテリアは、アメリカ原産の犬種です。
そのルーツは諸説ありますが、1870年代にアメリカのボストンで、ブルドッグとブルテリアをかけあわせて生まれたと言われています。
当初は、今よりもはるかに大きく、体重が23㎏ほどあり、名前も「ボストン・ブル」と呼ばれていました。それから数十年という長い年月をかけて、現在の姿に改良されてきました。
そして、1889年、愛好家たちによって「アメリカン・ブルテリア・クラブ」が結成されましたが、ブルドッグとブルテリアそれぞれの愛好家たちからの反対を受け、1891年に現在のボストンテリアという名前になり、1893年にはアメリカのケンネルクラブ(AKC)で正式に登録されました。
アメリカ原産の犬種としては、チェサピーク・ベイ・レトリーバーとアメリカン・フォックスハウンドに次ぐ三番目に古い犬種です。犬種名にテリアとついていますが、コンパニオンドッグに分類されます。愛玩犬ですが、運動量が必要で、散歩は1日2回、30分程度行くのが理想です。
サイズ
ボストンテリアは小型犬に分類される犬種で、体重によって3サイズに分けられます。
①6.8kg未満
②6.8〜9kg未満
③9〜11.35kg
性格は?

ボストン・テリアは温厚で優しく、人懐っこいので、家庭犬としてバランスのとれた性格をしています。活発で遊ぶことが大好きなので、その元気さが時に飼い主さんを困らせてしまうかもしれません。おもちゃで遊ぶ時間や、毎日のお散歩の時間を大切にするようにしましょう。
また、テリアの血を受け継いでいるので頑固な面もあります。子犬の頃から、根気よくしつけをするようにしましょう。
短頭種なので、暑さや寒さに弱いです。家の環境を整えることはもちろん、お散歩する時間の工夫はもちろん、暑さ寒さ対策ができるよう洋服を着せることもおすすめです。愛嬌たっぷりでかわいいお顔のしわのお手入れも欠かせません。しわの間は汚れが溜まりやすいので、濡れたガーゼでやさしく拭き取るようにしましょう。
被毛・毛色について
ボストン・テリアは被毛の配色から「まるでタキシードを着ているようだ」と言われることもあるように、胸前と足先の白色と背中を覆うタキシードのような暗い色が特徴です。
毛色としてはホワイトのマーキングと、「ブリンドル」「シール」「ブラック」のいずれかとの組み合わせとなります。
ブリンドル:
黒地のベースにホワイトやベージュの色が入ってくる毛色。
シール:
日光や明るい光の下で見た場合、赤みがかって見えるが、その他の状況では、黒色。
被毛は、光沢のある滑らかな短毛。オーバーコートとアンダーコートからなるダブルコートの犬種です。アンダーコートは生え変わるので、換毛期は特に抜け毛が多くなります。獣毛ブラシやラバーブラシでブラッシングをしてあげましょう。
寿命はどれくらい?
アニコムの「家庭どうぶつ白書2019」によると、ボストンテリアの平均寿命は12.3歳です。
しかし、ここ数年でフードもさまざまなものが出ていますし、獣医療も進んでいるので、寿命はあくまでも目安とし、飼育環境や運動などに気を付けて、少しでも長く一緒にいられるといいですよね。
ボストンテリアの気を付けたい病気

ボストンテリアが気を付けたい病気は、「白内障」や「チェリーアイ」、「角膜炎」といった目の病気をはじめ、「皮膚炎」「水頭症」「熱中症」といった疾病です。
愛らしい大きな目は外傷等ができやすいので、気を付けてあげましょう。また、短頭種なので暑さにとても弱いため、暑い時期の散歩や長時間の激しい運動など無理をさせないようにしましょう。
日々のケアも重要で、顔周りのシワに汚れが溜まりやすく、そこから炎症を起こしてしまうこともあるので、濡らしたタオルなどで優しく拭きとってあげてください。
■ボストンテリアが気を付けたい病気
毛包虫(ニキビダニ・アカラス)症 <犬>|みんなのどうぶつ病気大百科
水頭症 <犬>|みんなのどうぶつ病気大百科
白内障 <犬>|みんなのどうぶつ病気大百科
熱中症 <犬>|みんなのどうぶつ病気大百科
口蓋裂 <犬>|みんなのどうぶつ病気大百科
犬の軟口蓋軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)ってどんな病気?治療法や予防はなにをしたらいい?|みんなのどうぶつ病気大百科
まとめ
ボストンテリアは長く家庭犬として人気がある犬種です。
しつけやケアも、散歩や遊びの中で行うことで楽しく取り組むことができるでしょう。 ただし、短頭種であるので無理は禁物です。負担がかからないように様子を見ながら行ってあげてください。