さまざまな品種のうさぎがいる中で、名前までかわいらしいパンダウサギ。一体どんなうさぎなのか、その特徴や飼い方について紹介します。

パンダウサギはどんなうさぎ?

パンダウサギとは、パンダのように目の周りと耳、体の半分が黒く、そのほかの部分は白のツートンカラーのうさぎの総称です。日本で見かけるのはミックスのミニウサギがほとんどですが、その模様は「ダッチ」という品種が元になっています。ここではそのダッチウサギについて解説します。

パンダウサギ(ダッチウサギ)の特徴は?

ダッチウサギは人気品種のネザーランドドワーフの起源にもなっている古くから存在している品種です。体重は1.5~2.5㎏程度とやや小柄。独特の模様が最大の特徴で、ラビットショーの評価でも模様の入り方が重視されます。

パンダウサギ(ダッチウサギ)のカラーバリエーションは?

ツートンカラーのダッチウサギですが、黒い部分はブラックのほかにブルー、チョコレート、グレー、スチール、トータス、チンチラの7色の公認カラーがあります。

パンダウサギ(ダッチウサギ)の性格は?

性格は穏やか&社交的で、飼い主によく懐つく子が多いようです。ケージの外に出ると活発に動き、遊ぶのが大好きな一面もあります。

パンダウサギ(ダッチウサギ)は男の子と女の子で性格が違う?

うさぎは一般に、男の子の方が穏やかで懐きやすく、女の子は気が強い傾向があるといわれています。男の子は縄張り意識が強く、マーキングのためにトイレ以外の場所でおしっこをすることも。女の子は妊娠すると気性が荒くなることがあります。実際には性格や行動は個体差が大きく、マーキングをしない男の子もいれば、やさしく人懐っこい女の子もいます。

パンダウサギ(ダッチウサギ)の歴史は?

ダッチウサギの起源はオランダ・フランダースのブラバント地方にいたプチブラバコンと呼ばれていたうさぎです。その後の正確な歴史はわかっていませんが、1850年ごろにオランダで誕生して1864年にイギリスに渡ったという説と、19世紀半ばにイギリスで誕生したという説があります。

世界最大級のうさぎ協会であるアメリカうさぎ協会の発足当時(1910年)から公認品種として認定されていました。アメリカうさぎ協会では原産国はイギリスとされています。かつては世界中で最も人気の品種のひとつでしたが、ネザーランドドワーフのような、より小型の種が広がったことで、人気は低下しました。それでも依然として世界の人気品種トップ10に入るといわれています。

日本には明治以降に持ち込まれました。現在、国内ではダッチウサギの純血種は稀で、ダッチの模様を受け継いだミニウサギが「パンダウサギ」と呼ばれることが多くなっています。

パンダウサギ(ダッチウサギ)の寿命は?

ペットのうさぎの寿命はかつて約7~8年といわれていました。それが近年伸びている傾向にあり、10歳を超える子も珍しくありません。ちなみにギネス記録に認定された最も長生きしたうさぎの記録は、18歳10ヶ月とのこと。家族としてお迎えしたら、大切に飼って長寿を目指しましょう。

パンダウサギ(ダッチウサギ)との暮らし方

ダッチウサギの画像

パンダウサギと暮らす前に知っておきたい飼い方のポイントや、注意したい病気を解説します。

パンダウサギ(ダッチウサギ)の食事はなにをあげればいい?

うさぎの食事は牧草とペレットが基本。牧草の種類はチモシーが最適で、常に切らさないように充分な量をケージに入れて無制限に与えます。ペレットは成長期の子うさぎは食べ放題にして、大人になったら決まった量を1日2回、朝と夕方に与えます。野菜や果物などはおやつとして少量を与えてください。

パンダウサギ(ダッチウサギ)にしつけはできる?

うさぎはトイレや名前を覚えます。抱っこは嫌いな子が多いですが、しつけで慣れていきます。ですが何でもかじる、後足で大きな音を鳴らす、マーキングをするといった問題行動は、本能的な行動なのでしつけでやめさせることはできません。かじってほしくないものや汚されたくないものは保護する、うさぎの不満を解消するなどして対応することになります。

パンダウサギ(ダッチウサギ)に必要な飼育環境や適温は?

うさぎは温度変化に弱いため、今は室内飼育が主流です。基本はうさぎの家となるラビットケージの中で過ごし、1日に1度はケージから出して室内を散歩できるようにします。ケージはうさぎが落ち着ける壁際に置いてください。湿気や温度変化が少なく、直射日光が当たらない場所を選ぶのがポイントです。ケージの中にはペレットの容器、牧草の容器、給水ボトル、トイレを設置します。さらに巣箱やマット、おもちゃを入れても。

うさぎの飼育に最適な温度は18~24度、湿度は40~60%といわれています。真夏でもエアコンを使って室温が28度を越えないようにしましょう。温度の急変で体調を崩すこともあるので、暑いときだけでなく、急に気温が上下する季節の変わり目にも温度管理に注意してください。

パンダウサギ(ダッチウサギ)はどんな病気に気を付けたらいい?

パンダウサギもかかりやすい、うさぎに多い病気を紹介します。日常生活の中で予防を心掛けると同時に、日ごろの健康チェックの参考にしてください。

胃腸うっ滞

多くのうさぎが経験する胃腸トラブルです。不適切な食事やストレスが原因となって胃腸の動きが低下することで起こります。症状は食欲不振、うんちが少なくなる(小さくなる)、腹痛で体を丸めて震える・歯ぎしりをする、お腹が張る、などです。

軽症であればお腹のマッサージや体を温めることで回復することもありますが、急に症状が悪化し、痛みでショック死することもあります。そうでなくても、うさぎは24時間以上何も食べないでいると内臓に致命的なダメージを負ってしまいます。人間と同じ感覚で単なる胃腸の不良と考えず、食欲がなくなったら早めに動物病院を受診しましょう。

不正咬合

うさぎの歯は生涯伸び続けます。通常は草を食べることで歯が摩耗し、適切な長さが保たれています。この摩耗がうまくいかずに噛み合わせがおかしくなり、歯が伸びてしまう状態が不正咬合です。

不正咬合になると、食べたがるのに食べられない、よだれを流すなどの症状がみられます。歯が伸び過ぎると口の中に痛みが生じたり、傷ができたりして、、結果食欲もなくなっていきます。歯の根もとが伸びて涙が流れる管を圧迫し涙があふれることや、歯の根もとに膿瘍ができることも。悪化すると二次的な病気を起こして命に関わることもあります。

不正咬合の原因は不適切な食事やケージのような硬いもののかじり過ぎ、顔をぶつけることによる外傷、遺伝的な要素など。どんなうさぎでもかかる可能性があります。繊維質の多い牧草をたくさん食べさせることが予防になるほか、動物病院で定期的に歯のチェックを受けておくと、早い段階で発見して悪化する前に治療を受けることができます。

まとめ

ダッチウサギについて、特徴や飼い方を解説しました。やはりその最大の魅力は個性的な模様。ミックスになると模様の入り方や色も多少異なってきますが、一般的なダッチウサギの姿から離れていても、それもそのうさぎならではの魅力といえます。愛らしい模様のこのうさぎをお迎えしたら、大切に飼ってうさぎライフを満喫してください。

ライター

佐藤華奈子

佐藤華奈子

大学の動物系学科を卒業後、教育情報誌、ライフスタイル誌の編集プロダクション勤務を経て、2009年よりフリーランスの動物ライターに。「動物を飼うことは動物と暮らすこと」をテーマに活動中。おもにペット、動物園、牧場の動物関連の雑誌、書籍などで執筆。2011年よりうさぎ(ネザーランドドワーフ)と暮らしているうさぎ愛好家。