
うさぎといえば、もうそれだけでモフモフでかわいいイメージしかありませんが、うさぎにもさまざまな品種があります。そして、立ち耳か垂れ耳か、短毛か長毛か、小型か大型かなど、それぞれが異なる特徴を持っています。ここではベルベッティンロップイヤーといううさぎについて、特徴や性格、一緒に暮らすうえでのポイントやかかりやすい病気を紹介します。
ベルベッティンロップイヤーはどんなうさぎ?
日本ではまだ珍しいヴェルベッティンロップイヤー。アメリカでイングリッシュロップイヤーとミニレッキスを交配して作られた新しい品種です。
ベルベッティンロップイヤーの特徴は?
ベルベッティンロップイヤーは、手触りのよいビロードのような毛並みと垂れ耳が特徴のうさぎです。ベルベッティン(velveteen)は、英語でビロードのこと。「ビロードのうさぎ」という有名な童話にちなんでこの名前がつけられました。毛は短毛で艶があり、とても滑らかでいつまでも撫でていたくなるような触り心地です。大きさは中型ですが、大型種に多いマンドリンタイプという胴体が長めの体形をしています。ベルベッティンロップイヤーの垂れ耳はとても長いので、座ったり寝そべったりしたときには耳の先端が地面について、正面を向いてしまう程です。
ベルベッティンロップイヤーのカラーバリエーションは?
イングリッシュロップイヤーのカラーバリエーションと同じで、ブラック、ブルー、チョコレート、フォーン、ブロークンなど豊富なカラーがありますが、日本では珍しい品種なので、他の種類のうさぎに比べてカラーを選べないことも。瞳は柔らかいいブラウンです。
ベルベッティンロップイヤーの性格は?

イングリッシュロップイヤーと同じく、愛情深くて穏やかな性格です。それでいてミニレッキスの社交的な性格も引き継いでいて、時には快活になって遊ぶこともあります。おとなしいながらも愛嬌のあるうさぎです。まさに2種のうさぎのいいところどりのうさぎといえるでしょう。
また、イングリッシュロップイヤーのように長い耳が特徴なので、うさぎ自身が伸びてしまった長い爪で、耳を踏んでしまわないように爪切りをしっかりとしておく必要があります。長い爪で耳を踏んでしまうと、ケガに繋がる恐れがあります。
ベルベッティンロップイヤーはオスとメスで性格が違う?
うさぎは一般的にオスの方が甘えん坊で懐きやすく、メスは気が強い傾向にあります。オスは縄張り意識が強く、ケージの外であちこちにマーキングをすることがあります。メスは妊娠するとさらに気性が荒くなることも。もちろん性格には個体差があり、オスでもマーキングをしない子もいれば、メスでも甘えん坊の子もいます。うさぎ1羽1羽で性格が異なるので、その子の個性を理解してあげることで徐々にコミュニケーションがとれるようになっていきます。
ベルベッティンロップイヤーの歴史は?
1990年にアメリカのブリーダーがイングリッシュロップイヤーとミニレッキスの交配を始めました。このブリーダーの目的は、レッキスやミニレッキスの特徴であるビロードのような毛質を持った「マンドリンタイプ」という胴体が長めの体形の品種を作ることでした。さらに目指していたのは、垂れ耳で、体重が2㎏程度のうさぎです。そうして新しい品種が誕生したとき、童話にちなんでベルベッティンロップイヤーと名付けました。その後、ほかのブリーダーも後に続き「Velveteen Lop Rabbit Club」が、2018年には「National Velveteen Lop Club」が設立されました。世界最大規模のアメリカのうさぎ協会(ARBA)ではまだ品種として認められていませんが、すでに多くの人から愛されているので、公認品種となる日も近いでしょう。
ベルベッティンロップイヤーの寿命は?
ペットのうさぎの平均寿命は約7~8年程度といわれていました。それが近年伸びている傾向にあり、10歳を超える子も珍しくなくなりました。ちなみにギネス記録にある最も長生きしたうさぎの記録は18歳10ヶ月です。健康で長生きしてもらうために、飼う前からうさぎのことをよく知り、きちんと準備をしてお迎えしましょう。
ベルベッティンロップイヤーとの暮らし方
うさぎの中で比較的新しい品種のヴェルベッティンロップイヤー。このうさぎと暮らすには、どんなことに気をつければいいのでしょうか。
ベルベッティンロップイヤーの食事はなにをあげればいい?
基本的な食事は良質な牧草とペレットです。特に繊維を多く含む牧草は健康維持のためにも大切で、いつでも好きなだけ食べられるようにケージに充分な量を入れておきましょう。野菜やハーブ、野草、果物はおやつとして補助的に与えます。また、いつでも水を飲めるようにしておきます。うさぎ用の給水ボトルを使えば、ケージの中を汚されることがなく便利です。
ベルベッティンロップイヤーにしつけはできる?
うさぎは決まった場所で排泄をする習性があるので、トイレを教えることができます。また名前を呼ぶと寄ってくるようにしつけることができます。一方で、かじってほしくないものをかじる、足を踏み鳴らす、マーキングをするなどの問題行動は、しつけでやめさせることは難しいものです。これらの問題行動は、うさぎの本能的な行動です。かじられたくないものや汚されたくないものは保護する、うさぎにストレスがたまっていないか見直すなどして対応しましょう。
ベルベッティンロップイヤーに必要な飼育環境や適温は?
うさぎの家として、うさぎ用のケージが必要です。ケージの中にはペレットを入れる容器、牧草の容器、給水ボトル、トイレを入れます。うさぎが落ち着けるように巣箱やマット、おもちゃを置いても。また毎日ケージの外に出して、運動させる必要があります。室内でコンセントなどをかじらないように保護する、狭い隙間に入らないようにガードするなどの準備をしておきましょう。
うさぎの飼育に適した温度は18~24度、湿度は40~60%です。夏でも室温は25度以下に保ちましょう。涼しさを保つには、空調を使う、風通しを良くする、日射しを遮るなどの工夫が大事です。冬はケージに毛布やカバーをかける、ペットヒーターを利用するなどして寒さ対策を。季節の変わり目の急な温度変化でも体調を崩すことがあるので注意しましょう。
ベルベッティンロップイヤーはどんな病気に気を付けたらいい?
うさぎは繊細なので、ちょっとした病気でも悪化すると合併症を起こして命にかかわることがあります。早い段階で手当をするのが一番ですが、うさぎは体調が悪いときや病気にかかっているときに、苦しいのを隠すことがあり、気づきにくい場合もあります。あらかじめかかりやすい病気を知って、日ごろから健康状態をよく観察するようにしましょう。
耳の病気
ベルベッティンロップイヤーのような垂れ耳のうさぎは、立ち耳のうさぎと比べて「外耳炎」など耳に細菌が入って起こる病気にかかりやすいです。耳をかゆがる、痛がる、膿が出ている、急に耳垢が増えるといった様子が見られたら、動物病院を受診するようにしましょう。定期的に耳掃除をしてあげたり、耳を傷つけないようにこまめに爪を切ったりすることが予防になります。
ソアホック
うさぎの足裏に起こる皮膚炎です。足裏を覆っている毛が抜けて皮膚が炎症を起こし、悪化すると潰瘍になります。うさぎは痛みから足を引きずったり、歩かなくなったりしてしまいます。
ベルベッティンロップイヤーは、ミニレッキスと同じように足裏の毛が薄いので、このソアホックのリスクが高くなっています。ケージの床は金網を避けてプラスチック製のものを選ぶ、すのこやマットを敷くなどして、足に負担がかからない環境を心掛けましょう。爪が伸びすぎないうちに爪切りをする、肥満に気をつけることも予防になります。

まとめ
ベルベッティンロップイヤーは珍しいうさぎですが、性格はおとなしく、ほかのうさぎと比べて特別に飼うことが難しいわけではありません。もし手触りのいい毛並みで垂れ耳のうさぎと暮らしたいと思ったら、前向きにお迎えを検討してみましょう。同じ品種のお友だちは少ないかもしれませんが、それも大した問題ではありません。どんなうさぎでも、お迎えした子の品種が飼い主さんにとってベストの品種になるでしょう。
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