
犬や猫に次いで人気があるうさぎ。一人暮らしでも飼ってみたい、と思う方もいるでしょう。犬や猫は散歩や鳴き声があって難しいけれど、うさぎなら飼えるかも、と考える方もいるかもしれません。実際に一人暮らしでうさぎを飼っているケースは少なくありません。一緒に暮らすためには、適切な飼育環境を用意すること、責任を持って必要な世話を毎日続けることが欠かせません。
ここではどんなことに気をつければいいのか、またどんな種類がいいのかなど、一人暮らしでうさぎを飼うためのポイントを紹介します。
一人暮らしでうさぎを飼うメリットとデメリット
まずは一人暮らしでうさぎを飼うことのメリットとデメリットについて確認してみましょう。
メリット

一人暮らしでうさぎを飼うメリットといえば、やはり癒されることでしょう。家に帰っても一人ではなくうさぎが待っていてくれて、ケージから出すと喜んで遊ぶ姿を見せてくれる。撫でられるのも大好きで、もふもふの毛並みを心ゆくまでなでさせてくれる。それだけでも癒し効果が高そうですが、さらにかわいいポイントも。うさぎは、犬や猫のように鳴かない代わりに鼻でツンツンつついて、かまってとアピールしたり、じっと見つめてきたりと、コミュニケーションもとることもできるのです。また、同じ品種であっても性格や行動、食の好みに個性があり、どんなうさぎにも、その子ならではの特徴があることも魅力のひとつです。
一人暮らしの場合、賃貸の部屋に住むことも多いものですが、犬や猫は飼育禁止の住居でも、うさぎなら許可される可能性があります。小動物の飼育が可能な部屋や、ペット応相談の場合はその可能性が高くなっています。必ずしもペット可の部屋に引っ越さなくていいこともメリットといえるでしょう。
デメリット

旅行や出張など泊まりがけの用事の際は、うさぎを預かってもらうか、うさぎのお世話をペットシッターなどにお願いする必要があります。また、うさぎは暑さ、寒さに敏感で急な温度変化があると体調を崩してしまうので、気温によっては留守中も含めて1日中エアコンをつけることになります。うさぎは病気の症状が出てから急激に悪化することがあるので、体調が心配なときはうさぎにお留守番はさせないようにしましょう。どうしても留守番が必要な際には、かかりつけの動物病院など安心できる獣医さんのところに預けるようにしましょう。
また、万が一うさぎが病気をしたときには、仕事などの予定を調整して通院する必要があります。一人暮らしの場合、自分以外にうさぎの面倒をみてくれる人がいないので、自分の予定を変更してでも、わが子のお世話をしなければならない時もあるのです。一人暮らしでうさぎをお迎えする場合には、デメリットも理解することが大切です。
一人暮らしでうさぎを飼う前に考えておくべきこと

一人暮らしでうさぎを飼えるかどうかは、飼い主さんのライフスタイルがうさぎの飼育に適しているかが分かれ目といえるでしょう。「かわいいから」と衝動的に飼って後悔することがないように、自分の生活がうさぎに合っているのか、よく考えて決めましょう。
一人暮らしでもうさぎは寂しくない?
「うさぎは寂しいと死んでしまう」という都市伝説がありますが、そんなことはありません。野生のうさぎは少数の群れで暮らしていますが、それぞれが縄張りを持ち、単独行動が基本。仲間がいないことで極端にストレスを感じることも、そのために体調を崩すようなこともないのです。
一人暮らしで飼うことで、うさぎが単独で過ごす時間があっても大丈夫。「寂しいと死んでしまう」というのは、うさぎにかまってあげない時間が多いと、うさぎ自身がストレスを感じてしまうほどデリケートな生き物であることを意味します。健康上は問題がなく、平気そうに見えても、うさぎの性格によっては寂しいと思うことがあるのかもしれません。
仕事で家をあけることはあっても、できれば毎日決まった時間に帰宅して、うさぎの世話をするようにしましょう。そして、家に帰ったら名前を呼んで、必ず1時間以上は部屋の中で自由にさせてあげましょう。
部屋の間取り、広さはどれくらい必要?
うさぎはそれほど飼育スペースを必要としません。広い場所ではかえって不安になってしまうことがあるほどです。気になる部屋の間取りは、ワンルームでもOK。広さに関しては、6畳のワンルームでも飼えますが、うさぎのケージだけでなく、飼育グッズや飼い主さんの荷物、家具が入ることを考えると、6畳でもロフトつきの部屋か、8畳以上のワンルームまたは1K以上の間取りがいいでしょう。
また、換気がよく、風通しがいい場所にケージをおいてあげることも重要。さらに、テレビや洗濯機など、音が出るような電化製品の隣は、ストレスがたまってしまう可能性があるので、避けたほうがよいでしょう。
日中、部屋を空ける時の対応

うさぎにはケージでお留守番をしてもらいます。牧草と水はなくならないように、充分な量を入れましょう。吸水ボトルから問題なく水が出るかどうかも、お出かけ前に確認をしておきましょう。気温によっては、エアコンを入れて温度調節をするように。出かけるときは丁度よい室温でも、日中に暑くなることもあります。その日の気温をよく確認してください。
旅行などで数日、家を空ける時は?
うさぎが留守番をできるといっても、数日にわたって世話をしないで放置するわけにはいきません。また、慣れない環境がストレスになるので、一緒に旅行をして連れ回すようなことはしない方が良いでしょう。旅行や出張などで数日間家を離れるときは、うさぎをどこかに預けるか、家族や友人に家に来てもらってお世話をお願いするようにしましょう。
費用面での負担について
詳しくは後述しますが、飼い始めるときに最初にかかる費用だけでなく、食費や消耗品費、光熱費など月々にかかる費用や、病気になったときの治療費の負担があります。ケガや病気をしたとき、動物病院での治療費は高額になることもあるので、ペット保険に入ったり、うさぎのための貯金をしたりして備えておくことが大切です。

一人暮らしでうさぎを飼う場合の費用について

アニコムの年間支出調査によると、うさぎの1年間の出費は168,316円でした。同調査で犬は約40万円、猫は18万円なので、犬や猫の飼育費用と比べれば費用を抑えられますが、うさぎもそれなりに費用がかかることがわかりますね。どんなことに費用がかかるのか見てみましょう。
買い揃える物
飼育に不可欠なものはケージ、トイレ、ペレットを入れる容器、牧草を入れる容器、給水器、ペレット、牧草、トイレシートまたはトイレの砂です。うさぎのおもちゃ、うさぎが落ち着けるマットや巣箱、キャリー、サークル、ブラシや爪切りなどお手入れ用品、うさんぽのためのハーネスやリードなどは、予算に応じて揃えて、必要となったときに買い足しをしてください。
エサ代はどのくらい?
上記の調査で、1年にかかるうさぎのフード・おやつ代は42,002円でした。うさぎのペレットや牧草はさまざまな商品がありますが、うさぎの健康を考えると、良質なものを選びたいところ。うさぎの好みによっては、特定のペレットや牧草しか食べず、費用が膨らむこともあります。おやつ代は、生野菜をあげる、手作りする、牧草や野菜、ハーブを自家栽培するなどの方法で節約ができます。
エアコンなど電気代
温度管理はうさぎを飼育する上でとても重要なポイントです。夏の暑さで熱中症になる危険があり、冬でも寒い環境では食欲が落ちて胃腸の病気につながることがあります。急な温度変化でも体調を左右されるので、気温差が激しい春や秋にも室温に気を配ることが大事です。そのために光熱費が増えることは覚悟しておきましょう。実際にアニコムの年間支出調査では、犬や猫の光熱費が15,000~20,000円なのに対して、うさぎは36,127円で、フード・おやつ代に次ぐ支出となっていました。
その他の注意点

上記はうさぎを飼う上で最低限考えておきたいことですが、その他に以下の点も、飼う前に心しておきましょう。
危ないものを置おいておかない
うさぎはあらゆるものをかじるので、危ないものはうさぎに届くところに置かないようにしましょう。
たばこやライター、医薬品、洗剤類、お菓子など人の食品、観葉植物の鉢植えなど、どこの家にもあるようなものでもうさぎにとっては危険です。床に置いていなくても、後ろ足で立ち上がることや、ジャンプをすることでそれなりの高さに届くことがあるので要注意。
中でも特に気をつけたいのは、電気コードです。感電してケガをする可能性があるので、うさぎが触らないように配置しましょう。それが難しい場合は、コンセントカバーなど保護グッズを使って対策を。サークルを用意してその中でへやんぽをさせる方法もあります。うさぎの性格によっては、かじったり、壊したりしない子もいますが、中には赤ちゃんのようになんでも口に入れようとするうさぎもいるので要注意。お迎えしてすぐは、うさぎから目を離さないようにしてください。
家に帰ったら遊んであげよう

うさぎがどんな気持ちで飼い主さんの帰宅を待っていたのか、それは誰にも知ることはできません。飼い主さんが帰宅したとき、うさぎが懸命にケージをかじってアピールしたり、ケージの中で立ち上がって、そわそわしたりしていたら「寂しい思いをさせたかも」と感じるかもしれません。目立った反応がなくても、自己主張をしないだけで、うさぎは飼い主さんの帰りを心待ちにしていたかも。家に帰ったら毎日ケージから出して、たくさんなでて一緒に遊びましょう。
一人暮らしの学生がうさぎを飼う場合の注意点
うさぎの寿命は約7年。今では10年以上生きることも珍しくありません。卒業後も飼い続けられるかどうか、将来を見据えて考える必要があります。
また、短期留学や研修旅行、サークルやゼミの合宿など、学生は外泊の機会も多いものです。一般教養がメインの1年生のうちは余裕があっても、卒論が始まると急に忙しくなるなど、学年によって生活スタイルが変わることも。
どんな学生生活になるのか先々までよく確認してから、うさぎの飼育を検討しましょう。万が一のときのために、家族や、親しい友人に預かってもらうことがあることもあらかじめ考えておきましょう。
うさぎは多頭飼いできる?
うさぎは多頭飼いできますが、ケージは1羽につき1台必要です。うさぎ同士の相性が合わなければ、ケージから別々に出してへやんぽをさせる必要もあります。想定外の妊娠や縄張り争い、相性が合わないことで起きるケンカなど、多頭飼いによって生まれる問題もあります。うさぎのために仲間を、と考えて数を増やすと、かえってストレスを与えてしまう可能性があります。すぐに多頭飼育をはじめるというのは、おすすめしません。
一人暮らしでも飼いやすいおすすめのうさぎ種

一人暮らしの条件から考えると、飼育に必要なスペースが最小ですむ小型の品種で、性格がマイペースなうさぎが向いているといえるでしょう。
具体的にいえば、ネザーランドドワーフは最小の品種で、独立心が高く神経質でそっとしておく時間も大切なため、一人暮らしでも飼いやすいといえるでしょう。そのほかにミニウサギや、垂れ耳うさぎの中で最も小柄なホーランドロップ、手触り重視ならミニレッキスなどがあげられます。これらのうさぎは短毛ですが、長毛種であっても、アンゴラのように極端に長くなければ、お手入れが大変ということはありません。気になる品種があればよく調べて検討してみましょう。
まとめ
一人暮らしであれば、一緒に暮らすパートナーとしてうさぎがいることは、時に心強く、大きな支えとなってくれることもあるでしょう。一方で、自分ひとりで一つの命を世話するということは、旅行や急に家をあけなければならないときに、他の人に協力してもらう必要があることを覚悟しておきましょう。とはいえ、一人暮らしでうさぎと楽しく暮らしている方もたくさんいます。自分の生活がうさぎの飼育に合っていると思ったら、経験者の体験や工夫を聞いて、前向きに検討してみましょう。うさぎとの暮らしは、人生を豊かにしてくれます。みなさまの素敵なラビットライフを祈っています。

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