春は、花粉アレルギーをお持ちの方には辛い季節ですね。花粉は一年中飛んでいますが、春先から5月まではスギやヒノキ科がピークとなります。花粉症に悩まされている飼い主さんも多いのでは? そんな花粉症は人間だけではなく猫にもあります。「愛猫が花粉症かもしれない!?」と思ったとき、飼い主さんはどうするべきなのでしょうか? 猫のための花粉症対策についてご紹介します。
猫にも花粉症?
「花粉症」というよりは、「花粉によるアレルギー症状」と考えた方がよいかもしれません。
猫は、犬のように散歩をしないので、外に出る機会も少ないから大丈夫だろう、と考えている方も多いかもしれませんが、家の中にいたとしても、飼い主さんが持ち帰ってくる花粉があり、こうしたところから症状を起こすことがあります。
過度に花粉症を心配する必要はありませんが、飼い主として症状や対策方法を知っておいてあげてくださいね。
症状
花粉自体に症状を起こさせる毒性はありませんが、身体が過剰に反応してしまうことで、色々な症状が現れます。
- 皮膚に発疹
- かゆがる、掻き
- 目やにが増える
- 目の周りなどの皮膚が赤くなる、目をかく
- くしゃみ
- 鼻水
- 咳をする
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特に気を付けてあげたい症状
猫の花粉症での主な症状は、皮膚のかゆみや発疹などが一般的です。もちろん、くしゃみや鼻水、結膜炎といった症状もあると考えられていますが、多いのは皮膚炎と言われています。皮膚炎になると、身体の一部または全身を舐めたり掻いたりする症状が見られます。舐めたりしてしまうことで、さらに炎症が広がる可能性もあるため、できるだけ早めに治療してあげることが望まれます。
その他、頻度は不明ですが、花粉によるぜんそくの発症も報告されています。
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原因
アレルギーの原因となるアレルゲンについて、正確なデータがそろっている訳ではないですが、可能性のあるものとしてスギ花粉やブタクサなどが挙げられています。
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アレルギー検査・治療について
動物病院で行うアレルギー検査では、「抗体」というものを検査します。この抗体を調べることで、どのような物質(アレルゲン)に対して身体が反応しているのかがわかります。花粉症で言えば、どの植物の花粉に対してアレルギーを起こしているのかを検査することができます。
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花粉症といっても、反応している花粉の種類によっては、季節を問わず起こす場合もあります。何に対してのアレルギー反応なのか原因がわかることで予防や対策もしやすくなります。
なお、花粉症の診断自体はアレルギー検査だけでは困難です。同じような症状を引き起こす病気を除外していく過程が必要になります。
治療方法は?
花粉症であることがわかったとき、主な治療方法は症状を抑えるための「対症療法」となります。主な対応方法は以下の通りです。
1.薬
皮膚のかゆみなどの症状を抑えるため、免疫の過剰反応を抑えるステロイドや抗ヒスタミン剤が使用されます。内服薬(飲み薬)の他、症状によっては外用薬(塗り薬)を処方されることもあります。ステロイドは、かゆみに対してとてもよく効きますが、長期的に投与すると副作用が生じやすくなります。服薬期間はよくかかりつけの獣医さんの指示を守りましょう。
2.エリザベスカラーや洋服の着用
猫は「掻いたらだめ」と言ってコントロールできるものではありません。掻くことでさらに炎症が広がるのを防ぐため、エリザベスカラーや洋服を着用させて、悪化を防ぐ場合もあります。
猫のための花粉症対策
対症療法をご紹介しましたが、もっとも重要なことは、「アレルゲンを避ける」ことです。人間の対策と同様、なるべく花粉と接する機会がないようにしてあげることが大切です。
- 花粉がつきにくい素材の服で外出する
- 飼い主さんが帰宅した際、家の中に花粉を持ち込まないようにする
- 家の中のお掃除を徹底(掃除機+水拭きまで)する
- ブラッシングはこまめにしてあげる
- 水で濡らしたタオルなどで体を拭いてあげる
愛猫に花粉症の症状がない場合でも、対策をしておくことで、これからも花粉症を防ぐことができます。
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愛猫と快適な春を♪
飼い主さんのちょっとした工夫で、愛猫が快適に過ごすことができるかもしれません。
ご紹介した対策はどれも簡単なことばかりですので、今日から始めてみてくださいね。
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