シベリアンハスキーは狼のようなかっこいい印象の犬種です。しかし、そんなかっこいい姿とは裏腹に、可愛らしい表情やしぐさを見せてくれるのもハスキーの魅力の一つ。気になるハスキーの性格や気を付けたい病気についてご紹介します。

シベリアンハスキーってどんな犬種?

シベリアン・ハスキーの子犬

シベリアンハスキーはその名の通り、ロシアのシベリア地方原産の犬です。雪深い地域の移動手段や、荷物運びとして使われていたソリを引く犬として活躍していました。遠吠えする声がハスキーボイスだったことから、シベリアンハスキーと名付けられたといわれています。

ソリを引く力と長距離を走り続ける忍耐強さがあるので、お散歩のしつけは子犬のうちからしておかないといけません。また、一日1~2時間はお散歩に連れていくなど、運動はしっかりさせるようにしましょう。

また、極寒の地で生まれ育ったシベリアンハスキーは暑さにはとても弱いので、温度や湿度管理には気を付ける必要があります。

歴史

シベリアンハスキー

シベリアンハスキーの祖先は、シベリア地方に住んでいたチュクチ族が飼育していた犬だといわれています。その犬はそり犬として、スピード・耐久力ともに優れていました。

1909年、アラスカで開催されたそり犬レースに参加し、好成績を収めたことがきっかけで、シベリアンハスキーは世界中から注目されるようなりましたが、それ以上にシベリアン・ハスキーは大きな功績を残しています。

1925年、ジフテリアという病気がアラスカのノームの街で大流行したときに血清を運んだのがシベリアンハスキーの犬ぞりチームでした。

-50℃の猛吹雪で飛行機での輸送が困難だったため、アラスカの都市、アンカレッジからノームまでおよそ1000km近い距離をリレー方式で血清をつなぎ届けたといわれています。

シベリアンハスキーがアメリカンケネルクラブ(AKC)にて正式に犬種登録されたのは、それから5年後の1930年になってからのことです。

日本では、1980年代に「動物のお医者さん」というマンガをきっかけにハスキーブームが起こりましたが、前述したようにそり犬として活躍するくらい、とても体力がありパワフルな一面を持ってることから、飼育放棄の問題も高まりました。ハスキーの特性を理解したうえで、一緒にお出かけしたり、アクティブに遊びたい方におすすめな犬種です。

サイズ

シベリアンハスキーは大型犬に分類される犬種です。

男の子では体高53cm〜60cm・体重20~27㎏ほど、女の子では体高50cm〜56cm・体重は16kg〜23kgになります。

性格は?

シベリアンハスキー

かっこいい見た目とは裏腹に、陽気で、人にはとても友好的で、飼い主に忠実です。

一方で、いたずら好きで、身体も大きくプライドが高い一面もあるためしつけで苦労することもあるかもしれません。成犬になったときに、きちんと言うことを聞いてもらえるように子犬のうちからしっかり根気強くしつけをすれば大丈夫です。賢く利口な犬種なので、飼い主次第で一緒に暮らしやすい子に育ってくれるでしょう。

被毛・毛色について

シベリアンハスキーの被毛はダブルコートで、極寒の地でも耐えられるよう密集したアンダーコートが特徴です。換毛期には大量の毛が抜けるので、ブラッシングは欠かせません。

毛色はホワイトベースにブラックからグレーの毛が全身に混じる色をイメージする方が多いのではないでしょうか。他にも、ブラックやグレーだけでなくブラウンの毛色もあります。頭部の模様は個体によりさまざまで、バリエーション豊かなところもハスキーの魅力です。

寿命はどれくらい?

アニコムの「家庭どうぶつ白書2023」によると、シベリアン・ハスキーの平均寿命は11.4歳です。

犬の寿命は体の大きさによって変わり、小型犬に比べ大型犬の方が寿命は短くなります。

これは、心臓の大きさが小型犬も大型犬もほぼ同じ大きさのため、大型犬のほうがより負担が大きいからだといわれています。

しかし、ここ数年でフードも色々なものが出ていますし、医療も進んでいるので、寿命はあくまでも目安とし、飼育環境や運動など気を使ってあげて、愛犬と少しでも長く一緒にいられるといいですよね。

シベリアンハスキーの気を付けたい病気

シベリアンハスキーが気を付けたい病気は、「外耳炎」や「皮膚炎」の他、股関節が発育の段階で形態的な異常を起こすことによって、さまざまな症状を引き起こす「股関節形成不全」といった関節の疾患が挙げられます。

また、中・高齢になると「緑内障」や「白内障」にも気を付けましょう。

【関連リンク】

暑さにとても弱い犬種なので、暑さ対策は徹底しましょう。暑い時期には愛犬が過ごす部屋では必ずエアコンを使用して、温度や湿度の管理をしましょう。また、お散歩は、早朝や日が暮れた後などの涼しい時間に行くようにしましょう。

緑内障 <犬>|みんなのどうぶつ病気大百科
股関節形成不全 <犬>|みんなのどうぶつ病気大百科
白内障 <犬>|みんなのどうぶつ病気大百科

暑さには弱い反面、寒さには強い犬種なので、雪遊びなどを一緒に楽しむことができます。そ必要に応じて、犬用のシューズや雪用ウェア、肉球クリームなどを用意して、冬のアクティビティを楽しめるといいですね。

シベリアンハスキーを家族の一員として迎える方法

シベリアンハスキーをぜひ家族の一員に!と思ったら、どこで出会えばいいのでしょうか。主に考えられる方法は3つあります。

ペットショップで探す

ペットショップなら、フードやトイレなど、犬との暮らしに必要なものを一緒に揃えられるため、迎えたその日からきちんと住環境を整えてあげることができそうです。とはいえ、シベリアン・ハスキーをペットショップで見かけることは多くないので、事前に取り扱いがあるか確認してから行くとよいでしょう。

また、ペットショップではどんな親犬から生まれた子犬かを把握することは難しいです。性格や気質については親犬の情報を知ることが必要です。

ブリーダーさんから紹介してもらう

ブリーダーさんからお迎えする最大の特徴は、迎えると決めた子の特徴やクセ、これまでの成長の様子や環境などをブリーダーさんに直接聞いたり、質問できたりすることです。また、親猫や兄弟・姉妹たちの姿を見る機会も得られる可能性があるので「将来どんな風に成長していくのか」を想像しやすいこともメリットです。

繁殖のタイミングは年に1回、多くて2回です。迎えたい!と思ったときに子犬がいない場合もあります。予約待ちの人気のブリーダーさんもいるので調べてみると良いでしょう。

里親になる

最近は「せっかく犬を迎えるなら、保護犬の里親になりたい」と考える方が多くなってきたようです。譲渡会の情報もチェックしやすくなってきました。こうした譲渡会や里親募集でシベリアンハスキーと出会える機会もあるかもしれません。

まとめ

シベリアンハスキーは、作業犬として古くから人々の生活を支えてくれていました。現在では家族の一員として、私たちを癒やしてくれる存在です。シベリアン・ハスキーの特徴をしっかり理解した上で、迎えるようにしてくださいね。

監修獣医師

犬百科編集部

犬百科編集部

獣医師を含む犬の飼い主歴10年以上の編集者が集い、犬の凄さや可愛らしさについて情報交換している。編集部員の面々は、犬との暮らしがより健やかに、よりハッピーになるよう正確な情報をお届けするため、自己研磨の毎日である。