
皆さんはうさぎのうんちを見たことがありますか?
学校で飼育していたり、家で飼ったことがある方にはお馴染みの、臭いも少なくコロコロまぁるいうさぎのうんち。どんなどうぶつにとってもうんちは、健康のバロメーター。今回は、うさぎとうんちの関係と、うさぎのうんちが出なかったときの対処法や病気の可能性をご紹介します。
1日でも出ないと便秘
「どれくらい出ないと便秘なのか?」と聞かれたら、うさぎは1日でも出ないと便秘です。
人間の便秘の頻度は数日に1回程度ですが、完全草食動物であるうさぎは、長い腸を持っているので、常に胃腸を動かしていなければ生きていけないどうぶつ。
最近、うんちの回数や量が減ってきた・・・うんちの大きさが小さくなってきた・・・でも出ているから大丈夫!と思っていませんか?うさぎにとって、うんちに変化があることは、なにかしらのサインだということを忘れてはなりません。
うんちに異常がある場合には、胃腸うっ滞の可能性…
胃腸うっ滞とは、うさぎの消化器官の動きが悪くなってしまう病気のことです。繊維質の不足や、運動不足、不衛生な飼育環境、異物の飲み込みなどが原因ですが、胃腸うっ滞はそこからさまざまな病気を引き起こしてしまいます。また、胃腸の活動が低下してしまうことをRGIS(Rabbit gastrointestinal syndrome)【別名:ウサギ胃腸症候群】といいます。RGISになると、下痢や便秘、うんちが小さいなど、消化器官になにかしらの影響を及ぼしているといえます。
うさぎの便秘の原因はさまざま
水分の不足、不適切な食事内容、温度変化・騒音・慣れない場所へのストレスなど・・・さまざまな理由があります。
うさぎが便秘になってしまったら、以下の点をチェックしてください。
その1.食生活の偏り
うさぎが喜んで食べてくれるからといって、ペレットやオヤツばかりあげていませんか?ペレットやおやつばかりをあげることは、うさぎのお腹のためにはあまりよくありません。
ペレットやおやつでお腹がいっぱいになってしまうと、主食である牧草を食べなくなってしまいます。
繊維質の豊富な牧草をたくさん食べることは、胃腸の働きを促し、便秘予防に繋がるので常にたくさんの牧草を食べられるようにしておいてあげましょう。
その2.運動不足
1日1回必ずケージの外で遊んでいますか?
ずっとケージの中で動かずにいると、胃腸の働きが低下してしまいます。
1日のうち、1~2時間程度のへやんぽ(部屋の中で散歩)をすることが、運動不足やストレス解消に繋がります。また、時間を区切って朝に1時間、夜に1時間とわけてあげると、うさぎがへやんぽの時間を覚えてくれます。1日のルーティンにしてあげることで、規則正しい生活を送らせてあげることができます。
その3.ストレス
うさぎは、被捕食動物なので、些細な環境の変化で不安な状態になりやすいデリケートなどうぶつです。
- 室温や湿度はうさぎに適していますか?(18~24℃が適温)
- 外で工事などの物音はしませんか?
- あまり仲良しではない他のうさぎや種類の違うどうぶつさんと一緒に暮らしてしていませんか?
- (種類によっては、うさぎにとってストレスになっている場合があります)
- 飼育環境は清潔ですか?(トイレやごはん皿も汚れていないか)
その4.遺伝的要因
生まれつき、お腹が弱いうさぎもいます。
また、うさぎがどんなタイミングで便秘になったか、お腹の調子がどう崩れるのか、を意識してみていくことで、関連性がありそうな事柄を探っていくことが大切です。
こんな症状が出たら便秘かも?
- 急にごはんを食べなくなった
- 便や尿が少ない~全く出ていない
- 大きいうんちと小さいうんちがバラバラに出ている
- うずくまって歯ぎしりをしている
- うさぎの『食欲が落ちる+うんちが出ない=危険』です。
うさぎが便秘になったら病院へ!

まずは動物病院へ!
病気を隠す性質があるうさぎは、症状に気づいた時点ですでに病気が進行していることもあります。しばらく様子を見ることはせず、すぐに獣医師に相談しましょう。また、トイレの中に使うシーツは白色、トイレ砂は明るめの色を使うと排泄物の変化がわかりやすいです。
うさぎの便秘を予防する方法
その1.食物繊維の多いものを与える
食物繊維の豊富な牧草を、いつでも食べられるように常備しましょう。不正咬合(歯と歯が正しく嚙み合わせられない状態のこと)などで牧草を上手に食べられない場合は細かくカットするなどして与えましょう。
また、不正咬合が進行すると、歯のかみ合わせによって口が閉じられず、口周りや前足が唾液で汚れてしまいます。上手に食べられない・口が痛くて食が細くなってしまっていることが考えられますので、気になる場合には動物病院へ連れていってあげましょう。
「牧草は全然食べてくれない…」そんな時におすすめの与え方をご紹介いたします。
- レンジで軽く温めて香りを出す(燃えないように注意!)
- 2番刈りや3番刈りなどの柔らかい牧草にしてみる
また、生牧草と呼ばれる乾燥させていないタイプの牧草であれば、食べてくれるかもしれません。ペットショップやうさぎ専門店に行くと、いろいろな牧草が販売されているので、わが子の好みや体調に合わせて牧草を選んであげてくださいね。
うさぎは初めてのものに対して、とても警戒心が強いどうぶつです。
若い頃からさまざまな種類の食物に慣れさせてあげると、警戒心も和らぐのでこれからうさぎさんをお迎えする方はぜひ参考にしてくださいね。
その2.水分を多めにあげる
毎日、たっぷりの新鮮なお水を用意しましょう。自分からお水をあまり飲みたがらないうさぎには、水菜などの水分の採れる野菜も便意を促すのでおすすめです。
※与えすぎると下痢になることがあるので注意!
その3.運動不足にしない
定期的にお部屋で遊ばせてあげましょう。1日の間で、時間と回数を決めてうさんぽをしてあげましょう。例えば、朝1時間、夜1時間の1回ずつは目を離さないようにして、一緒にうさぎと遊んであげましょう。部屋の中で走り回る子もいれば、ぬいぐるみやクッションを転がして遊ぶ子、飼い主をおいかけまわす子、べったりと飼い主に撫でられたい子など、遊び方は性格によってさまざまです。わが子が、「どんなことしたら楽しそうにしているか?」を観察しながら、遊ぶ時間や遊び方を調整してあげてくださいね。
その4.毛玉にも気をつけて
長毛種に多いのですが、うさぎ自身がグルーミングをする際に毛を飲み込んでしまい、その毛が胃腸内に停留してしまうことがあります。
うさぎには、年に2回、夏毛~冬毛に生え換わる『換毛期』があります。換毛期にはこまめにグルーミングすることも大切です。こまめなブラッシングを心がけ、うさぎとのコミュニケーションの一環としてください。
その5.お腹をマッサージしたり温めてあげる
うさぎを抱っこして、下腹部をやさしくなでるようにマッサージしてあげましょう。うさぎの気持ちよさそうな、うっとり顔が見られるかも・・・?
ペットヒーターや室温を調整して体全体が温かくなるとお腹の動きも活発になり、うんちがでやすくなったり、食欲がでたりすることもあるのでマッサージと合わせて行いましょう。
人間用や他のどうぶつ用の薬はあげないで
うさぎの命に関わる可能性があります。うさぎ用として処方されたお薬以外は「絶対に」与えてはいけません。万が一、誤飲や間違えてあげてしまった場合には、動物病院でみてもらうようにしましょう。

★うさぎのうんちの豆知識★

うさぎはうんちを食べる!
うさぎは食べ物の栄養を1回の消化で吸収するのではなく、一旦ある程度消化して柔らかいブドウ状の便として排泄し、これをお尻から直接食べることで、栄養として完全に吸収します。この柔らかい便は『盲腸便』といって、たくさんのビタミンやたんぱく質が含まれている、うさぎの栄養吸収になくてはならない大切なうんちです。おしりから直接食べるので、普段、見かけることはあまりありません。この盲腸便が放置されている場合も体調がおかしいことをあらわします。
うさぎは、体調の変化がわかりにくいどうぶつです。「いつもの状態」を飼い主さんがよく把握しておき、早い段階で変化に気づいてあげられるように心がけましょう!
可愛いうさぎとの出会いをお探しなら
末永く一緒に暮らせる、大切な家族と幸せな出会いをしたいものですね。そんな出会いをお探しなら、ハローべいびぃを活用してみては?全国のペットショップから探すことができる情報サイトです。エリアや品種などの条件から簡単に検索できるので、ぜひご覧ください!